健康生活TOP 糖尿病 慣れた人ほど再確認!あなたのインスリン注射の使い方は大丈夫?

慣れた人ほど再確認!あなたのインスリン注射の使い方は大丈夫?

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インスリン療法は、糖尿病の治療のために非常に重要な手段です。その治療効果をきちんと発揮させるためには、使い方を守ることもとても大切です。

もうインスリン注射の使い方にも慣れているから、自分は大丈夫と思われたアナタ。本当に大丈夫ですか?

こういうものは、慣れてくるほど「自分のやり方」になってしまいがちです。念のためもう一度その使い方を見直して、気をつけるべき点について再確認してみてください。

血糖コントロールが重要な糖尿病だからこそ!インシュリン療法の大切さ

糖尿病患者にとって、血糖値をきちんと管理することはとても大切です。

食事をすると体内では血糖値が上がり、体はそれに気づくとすい臓のβ細胞からインスリンを分泌します。それによって血糖値は下がり、また元の安定した状態に戻っていきます。

しかし糖尿病の人はインスリンの分泌が少ない、もしくは全くないために上がってしまった血糖値がなかなか下げることができません。そして高血糖の状態が続いてしまうことで徐々に血管は傷つき、様々な合併症を発症してしまうことになります。

合併症を防ぐためには、早いうちから血糖コントロールを良くしておくことが重要です。血糖コントロールが良好な状態を保てていれば、糖尿病の三大合併症とされる神経障害・網膜症・腎症なども防ぐこともできるのです。

そのためにもインスリン療法は大切な手段です。そしてその効果をきちんと出すためにも、インスリン注射は正しく行うことが肝心なのです。

慣れてきた人ほど気を付けてほしい!注射時に守るべきポイント

インスリン注射のやり方自体は、入院したりしてそこで指導を受けているでしょう。その後日常的に使うようになって、その使い方にも慣れてきたかもしれません。

慣れてきたころに気をつけていただきたいのは、ついつい「自分のやり方」になっていってしまいやすいということです。しかしインスリン療法によって糖尿病を治療していくには、インスリン注射を正確に行うことが大切です。

注射の時に守るべきポイントはこのような点です。

  • よく混ぜてから使う
  • 空打ちは必ずする
  • 使う時間、使う量を守る
  • 針をきちんと刺す
  • 注射場所を毎回変える
  • 注射後はすぐに針を外す

あなたはきちんと守られていますか。もう一度、いつものやり方を見直してみて下さい。

よく混ぜてから使う

インスリンには透明なタイプと白く濁ったタイプがあります。濁ったタイプのものはよく混ぜてから使う必要があります。

混ざっていないまま使ってしまっては、インスリンの濃さがバラバラになってしまいます。これではせっかく注射をしても効果が発揮しきれませんし、いつもより濃いまま使ってしまっては低血糖の恐れも出てしまいます。

インスリンの種類によって、使う前にどのように混ぜるのかなどの指導がされているかと思います。その時の指示通りに手の平にはさんで転がしたり、上下によく振ったりしてきちんと混ざっていることを目で確認してから使って下さい。

空打ちは必ずする

インスリン注射をする前に、毎回必ず空打ちをしてインスリンがきちんと出ることを確認してください。

針が正しくついていないと、インスリンがうまく出てきません。またインスリンカートリッジの中や針の中に、空気が入ってしまっていることもあります。このようなことに気付かないまま使ってしまっては、正確な注射ができません。

空打ちをして中に入った空気を追い出し、インスリンがきちんと出てくることを確認してから自分の体に注射をするようにしましょう。

空打ちをするときには2単位にセットして行って下さい。針は上向きにし、カートリッジを軽くはじいて空気を上に集めてから注入ボタンを押し込んでください。この動作を、どんなに急いでいるときでも必ず毎回行うようにしてください。

使う時間、使う量は指示通りか

血糖値をきちんとコントロールさせるためには、インスリンを医師の指示通りに使うことが大切です。

一言に「インスリン注射」といっても、使われるインスリンにはいろいろな種類があります。注射後にすぐ効果が現れるものもあれば、効果が出るまでに少し時間がかかるものの持続的に効き続けるタイプもあります。

そして、それぞれのタイプによって使うタイミングも違ってきます。食事の30分前くらいに使うものや、食事の直前に使うものなどいろいろとあるのです。

注射のタイミングをきちんと守らなくては、インスリンの効果を発揮することができません。逆に食直前タイプのインスリンを注射した後になかなか食事をしなかったりすると、低血糖を起こしてしまうこともあるのです。

人によって使っているインスリンのタイプは違います。そのため注射のタイミングも違ってくることがあります。「知り合いは食事の直前に使っていたから、自分もそれでよいのかもしれない」など考えず、きちんと医師に指示されたタイミングで使ってください。

インスリンを使う単位数については、病気の状態によっても少しずつ変更します。必ず前回の診察の際に指示された単位数を、正確に使ってください。毎回正確な量を使わなくては血糖コントロールが乱れ、治療効果がはっきりしなくなってしまいます。

もしも眼の調子が悪く、単位設定ダイヤルの数字が見にくいなどということがあれば医師に相談するようにしてください。

針はきちんと刺せていますか

注射したい場所に、針の根元までまっすぐきちんと刺すようにしましょう。その際、打ちたい場所を少しつまんだ方が安定してやりやすいでしょう。

針が刺せたら、注入ボタンを押してください。そして押し切ってもそれで終わりではありません。すぐに針を抜いてしまったりせず、押し切った後6秒以上はそのままの状態で待って下さい。表示が「0」になっていることも確認しましょう。

インスリン注射に使われる針は細く、そのため注入ボタンを押し切ってもすぐにインスリンが体内に入りきりません。6秒以上はそのままの状態で待って、それから針を抜くようにしてください。

針を抜く際には、注入ボタンを押したままにしてください。針が体に刺さった状態のままで注入ボタンから指を離すと、血液などが逆流してきてしまうことがあります。逆流した血液が、インスリンカートリッジ内に入ってしまうこともあるのです。

そのため一度注入ボタンを押したら、体から針を抜くまでは押したままにしておきましょう。注入ボタンを押しにくいなどということがあれば、注射器の握り方に問題があるかもしれません。病院で確認してみてください。

注射場所は毎回変えよう

インスリンを注射する場所は毎回変えるようにしてください。毎回同じ場所に注射をし続けてしまうと、そこの皮膚が硬くなってきてしまいます。そしてインスリンの効きめも悪くなってしまうのです。

インスリンはお腹、おしり、太ももの外側、上腕部の外側などに注射してください。ただそれぞれの場所(部位)によってインスリンの効果の出方は違ってきます。

そのため毎回同じ部位(「お腹」や「太もも」など)に、少しずつずらして(2~3cmくらい)打つと決めて注射していくようにしてください。指1~2本分くらいずらしていくようにし、ずらし方(円を描くようになど)も決めておきましょう。

ただ打つ場所に対して、あまり神経質になり過ぎることはありません。実際には同じ場所に1週間くらい続けて注射しない限りは、大きな問題にはならないようです。少しずつずらすようにしていただきたいですが、神経質になり過ぎないで大丈夫でしょう。

注射後はすぐ針を外そう

注射が終わったら、針はすぐに外すようにしてください。そして針は使い捨てにし、毎回新しいものを使うようにしてください。使用済みの針は病院や薬局へ持って行き、自宅で捨てたりはしないでください。

針を使い回すことは衛生上問題がありますし、針をつけたまま保管してしまうと、カートリッジ内に空気が入ってしまうこともあります。そのようなことがあると、正確な量のインスリンが注射できなくなってしまいます。

針の取り外しの際には、指に刺したりしないように気をつけてください。使用前についていた針ケースをかぶせてから外すようにしましょう。

インスリンの保管方法は正しいですか?使用前は冷蔵庫、使用後は室内へ

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インスリンの保管の仕方は守られていますか?

病院や薬局からもらってきたばかりの、使用前のインスリンは必ず冷蔵庫に保管してください。その際、絶対に凍らせてしまったりはしないように気をつけてください。

そして使用を開始したインスリンは冷蔵庫に入れてはいけません。30度以下の室内に置いておくようにしてください。(バイアル製剤は開封後も冷蔵庫保管してください。)

使用中のインスリンを何度も冷蔵庫から出したり入れたりすると結露が起き、注射器が故障してしまう可能性があります。注射器が故障してしまっては、インスリンを正確な量で使うことができなくなってしまいます。

そのため使用を始めたインスリンは、室内の日の当たらない涼しい場所に置くようにしましょう。夏には室内が30度以上になることも考えられます。特に車内は高温になってしまうため、気をつけて下さい。

冷蔵庫に保管しておく際には、凍らせないように気をつけてください。冷蔵庫によっては、直接冷気が当たって凍ってしまう場所もあるかと思います。インスリンはそのような場所には置かないようにしてください。冷蔵庫の扉付近や野菜室に置くとよいでしょう。

一度凍らせてしまったインスリンは効きめが変わってしまいます。全部が完全に凍ったわけでなく、少し凍っただけという場合も止めてください。

以下のような場合には、一度凍ってしまっている可能性があります。

■注射器が故障している、カートリッジにヒビが入っていたり注入ボタンがいつもより重くて押しにくい

■カートリッジ内に小豆以上の大きさの空気が入ってしまっている(5mm程度の気泡は正常でも入っていることがあります)

■濁ったタイプのインスリンの場合、振って混ぜてもいつもより早く沈殿してしまう

このようなことがあれば使用を中止し、医師に事情を話して新しいものを処方してもらうようにしてください。

飛行機に乗るとき、インスリンは貨物室の荷物には預けずに手荷物に入れるようにしてください。飛行機の貨物室は温度管理がされていません。上空では温度が下がり、インスリンが凍ってしまうこともあるため、手荷物に入れて機内に持ち込むようしてください。

また冷蔵庫から取り出したばかりの冷たいインスリンをすぐに使うことは避けたほうがよいでしょう。インスリンの温度が低いほど注射の際の傷みが出てしまいます。そして吸収も悪くなってしまい、効きめがいつもより悪くなってしまうのです。

他にも忘れてはいけない事!インスリンの効果をしっかり得るために

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他にもインスリンを使う際に忘れてはいけない事、気をつけておくべき事があります。

入浴の直前、直後の注射は避けてください。入浴はエネルギーを消費します。また入浴すると血行が良くなることでインスリンが通常よりも速やかに吸収されてしまい、効き過ぎてしまうことがあるのです。効き過ぎると低血糖を起こしてしまう可能性があります。

また入浴中は低血糖になっても気付きにくくなります。そして場合によっては溺れてしまう危険もあります。特に旅行で温泉に行ったときなど、いつもと違うタイミングで入浴することになると思うので気をつけてください。

注射前のアルコール消毒は必ず行って下さい。糖尿病の方は健康な方よりも感染症にかかりやすくなっているため、きちんと消毒をすることは大事です。忘れたりサボったりしないようにしましょう。

風邪をひいて食欲がないといったとき、食べていないからといって勝手にインスリン注射を減らしたり中止したりはしないでください。このように体調を崩してしまっているときは、通常よりも血糖値が上がりやすくなっています。

自分の判断でインスリンの量を調節したりせず、必ず主治医に相談してください。あらかじめ風邪をひいたときにインスリンはどうするかといったことについて、確認しておくとよいでしょう。

なお、医師からインスリン療法を勧められた2型糖尿病患者の中には、自分の病気は一生インスリンを使わなくてはいけないほどに悪化しているのかと落ち込んでしまう人もいます。

しかし最近は、昔よりも早い段階でインスリン療法を始めるようになってきています。早めにすい臓を休ませることで働きを回復させたり、血糖コントロールを良好に保っておくことで合併症の予防にもなるのです。

そして状態が良くなれば、インスリン療法を止めることもできます。ですからインスリン療法になったからといって落ち込まずに、血糖コントロールを安定させていくことを目指していってください。

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