健康生活TOP 糖尿病 中国の漢方薬には劇薬が入ってる?知っておくべき危険な成分

中国の漢方薬には劇薬が入ってる?知っておくべき危険な成分

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自然で身体に優しい漢方薬、その本家本元は中国であることは「漢方」の名前からも明らかですね。中国では漢方薬とは言わず、中薬と呼んでいます。

ところがこの中薬を使った製剤、怖い事に、日本では糖尿病患者が処方箋を持って薬局で求めなければ、手に入らないような成分が入っていることがあるんです。

筆者、中国でもらっちゃいました

私は糖尿病を持っているので、酒の席でも控えめにしなければならないと言う事を公言して、中国の宴席でのお酒を逃げていました。

そうしたところ、私より少し若い中国人の社長さんが、「俺も糖尿病だが、この中薬を飲んでいるととても快調なんだよ。」と、小さなボトルに入った薬をプレゼントしてくれました。

その場はすでに食前の薬を飲んでいたので、有難く頂いて帰ってホテルでお薬をチェックです。

おなじみの成分が入ってました

中国語の便利なところは、漢字が使われていることですね。特に漢方薬成分なんかだと、見知った名前があったりして安心です。

中国での漢方薬、中薬は二種類に分かれています。
ひとつは中草薬と言って、昔ながらのせんじ薬にでもしたら良さそうな、草や木の形そのままのもので、薬局で配合してもらうもの。

もう一つは中成薬と呼ばれていて、これは中草薬の成分を抽出したり、粉末にしたりして配合し、錠剤や顆粒、カプセル入りにしたものです。今はこっちが一般的ですね。

貰った薬も中成薬でした。効能書きと成分表を見てみたところ、1日に30粒を3回に分けて飲めと書いてあります。「ずいぶんたくさんだな~」とは思いましたが、中国の薬って粒が小さくて数を飲むことが多いのでこんなもんでしょう。

入っている成分はと言うと…

  • 葛根
  • 地黄
  • 黄耆
  • 天花粉
  • 玉米須
  • 南五味子
  • 山薬
  • 格列本

と書かれています。

葛根(かっこん)は風邪薬でおなじみですし、地黄(じおう)、黄耆(おうぎ)も有名な漢方薬です。天花粉(てんかふん)はシッカロールのようなものですが、本来の製法、黄烏瓜のでんぷんを抽出したもので食べられます。

さらに玉米須はトウモロコシのひげのことです。日本での呼び名は特にないみたいですね。南五味子(みなみごみし)は日本で言うところの五味子と同じようなものですが、原料の植物が異なります。

山薬(さんやく)はヤマイモの皮を干したものですね。

ここまでは良かったのですが、最後のもの「格列本」が判りません。私の持っていた電子辞書は安物で、しかも当時ですらちょっと古かったので載っていません。

発音は「グーリーベン」…取り敢えずネットで検索してみました。出てきた答えはグリペンクラミド。当時、私も病院で処方してもらっていた糖尿病のお薬でした。

糖尿病のお薬をおさらい

さて、ここでちょっと糖尿病のお薬についてみてみましょう。生活習慣病であるほうの2型糖尿病には、

  • インスリン自己注射
  • 経口血糖降下薬

と言う2種類の投薬治療があります。

お医者様の方針で早期にインスリンを導入したりすることを除けば、多くの2型糖尿病の患者さんたちは経口血糖降下薬、つまり飲んで血糖を下げるお薬を処方されているでしょう。

ひとくちに経口血糖降下薬と言ってもいろんな種類があって、それぞれに働きが異なりますから、この機会にざっとおさらいしておきましょうか。

αグルコシターゼ阻害薬

これは身体に吸収されることなく、腸で食べ物と一種になり、糖質が身体に吸収されないようにするお薬です。食後の高血糖を改善するお薬ですが、効果が弱いので他のお薬との併用も珍しくありません。

最近では、このお薬の副作用で発生するおならの成分に心筋梗塞予防効果が期待されたりしていますが、それでもちょっと困惑するぐらいおならが出ます。

一般名(お薬の商品名ではなく、成分の名前)としてミグリトール、アカルボース、ボグリボースと言うお薬があります。

インスリン抵抗性改善薬

筋肉細胞や脂肪細胞に糖分を取り込みやすくさせるお薬です。余分な血糖を筋肉や脂肪に取り込んで血糖値を下げます。

ビグアナイド系のお薬は筋肉での糖取り込みを活性化させ、体重減少効果もあります。肝臓・腎臓・心臓に病気がある人には使えません。一般名はメトホルミンです。

一方、チアゾリジン系のお薬は少量で効果の出る、脂肪細胞への糖取り込みを促進するお薬です。ただ、女性にはむくみと言う副作用が出やすいのと、体重増加が起こりやすいと言う欠点もあります。一般名はピオグリタゾンです。

DPP-4阻害薬

人が物を食べて小腸に達すると、インクレチンと言うホルモンが出てきます。このインクレチンは膵臓のランゲルハンス島ベータ細胞に作用してインスリンの分泌を促します。

一方、インクレチンはDPP-4と言う分解酵素によって数分で血中濃度が半減してしまいます。

このDPP-4の働きを邪魔することで、インスリンの分泌機能が落ちた糖尿病の患者でもある程度のインスリン量が分泌されるようにするためのお薬がこれです。

比較的新しいお薬で、効き目も穏やかなのですが、膵臓のインスリン分泌機能が弱り過ぎていると役に立たないと言う欠点があります。

一般名としては8~9種類のお薬がありますが、一番よく使われているのはシタグリプチンだと思います。

SGLT2阻害薬

2014年に使われ始めた新しいお薬です。腎臓が濾過した廃棄物である原尿から、まだ使える糖分を再吸収する輸送体SGLT2の働きを邪魔することによって、尿の中に糖分をどんどん捨てると言うお薬です。

ですので、尿糖は非常に強く出ますが、血糖値は下がるので効果があると言うわけです。インスリンに依存しないこと、膵臓への負担が軽いことが期待されていますが、副作用もやや気になるお薬ですね。

一般名イプラグリフロジンほか6種類のお薬があります。

即効型インスリン分泌促進薬

飲んで5分くらいでインスリンの分泌を促し、3時間くらいで効き目が切れると言うお薬です。食後高血糖を抑えるのに良いお薬ですが、直接膵臓に働きかけてインスリンを分泌させますので、膵臓への負担が大きいお薬です。

一般名ミチグリニドカルシウム水和物が良く使われているようですね。

インスリン分泌促進薬

飲んでから半日~1日くらいの間基礎的なインスリンの分泌を促すお薬です。血糖値を下げる効果は大きいのですが、副作用も少なくありません。

長時間にわたって効果があるので、空腹時に低血糖を起こすことがあります。腎臓や心臓などへの負担も疑われているようですね。ある意味、効き目も副作用も劇薬的だと言えるでしょう。

最近では軽度の糖尿病患者にはあまり用いられなくなっていているようです。

そして、私が中国で貰った中成薬に配合されていた一般名グリペンクラミドと言う成分はこのお薬でした。

中成薬の危険性

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中国でも、漢方製剤に西洋新薬の成分を混入することは、原則禁止です。一部ではきちんと表示を行うことを前提に、当局の許可を得ているケースもあるようで…私がもらったのはそのお薬でした。

ただ、商品名はそのお薬でしたが、成分表示に名前はあるものの含有量が表示されていなかったので、おそらくニセモノだったのでしょうね。

中国ではニセモノのお薬はごく普通に売っていますし、日本で言う商標法違反程度で内容物や効き目が同じであれば、安価なニセモノの方が歓迎される風潮すらあるように感じました。

中国の薬は日本にも入ってきている…

私の場合は、たまたま中国によく行っていた関係で入手するに至ったわけですが、ネット販売の普及した現在、日本にも個人輸入の形で色々なお薬が入ってきています。

日本語で表記された個人輸入代行業者などの場合、少なくともネット上の説明書きにはそれなりにきちんとした注意書きが掲載されています。

しかしながら、病院で処方される処方箋薬の場合、用法用量がきちんと示されているのに比べると、やはりこうしたものは受け取り手が服用する際に読まないことが多いのじゃないかと思います。

糖尿病のお薬は低血糖と言う、意識を失ってしまいかねない危険な副作用を持つものですから、自己責任とは言え安易に通販で求めたりはすべきでないでしょう。

自分の生命だけならいざ知らず、他人の健康や生命に危険を及ぼしてしまう可能性だって少なくないのです。

通販サイトでの薬の説明は信用できる?

とある中国のお薬の通販サイトを見てみました。そこには先にお話ししたインスリン分泌促進薬や、インスリン抵抗性改善薬については、ビグアナイド系もチアゾリジン系も販売しています。

またαグルコシターゼ阻害薬も販売しています。いずれも用量については日本の基準内の量を指示してありました。しかしながら、その効果効能の説明文を見ると…

『2型の糖尿病に用いてあめを下げることと耐えるのは。』と書いてあります。

これ、何のことでしょう。おそらくですが、耐糖能異常のことを「あめを下げることと耐える」と訳したようですね。中国語の糖には「飴」と言う意味もあります。

ネットの自動翻訳を使って書かれた用法用量を見て、処方箋薬を通販で買うなんてかなりの冒険だと思いませんか?

中国製以外でもしっかりチェックしよう

実は通販大国アメリカの個人輸入サイトにも糖尿病薬はいっぱい載っています。

しかしながら、中国製のものと決定的に異なるのは、少なくとも本物の薬を売っている可能性が高いこと。用法用量が英語で書かれているので、英語が読める人なら安心であることですね。

一方、体格的に日本人より大柄な人も多いアメリカ人ですから、あらかじめ日本での用量チェックは不可欠だと言えます。

国民皆保険のありがたさ

中国にせよアメリカにせよ、日本のように健康保険制度が整っているわけではありません。ですので、どうしても市販薬に頼る人が増えるんですね。

良く話題になるアメリカの医療制度だと、入院1日だけの盲腸の手術を受けた人が、保険で負担される分を引いた自己負担分が1万1千ドルを超えていたなんて例もあるようです。

保険に入っていなかったら5万ドル以上だったとか。日本だったら入院期間にもよりますが自己負担分は6万円~10万円くらいです。

糖尿病は一生治療が必要な慢性疾患ですから、病院や薬局に行かずに通販で安い市販薬を求める気持ちは理解できますね。

中国ではこれほどとんでもない請求は行われませんが、病院は原則前払いなんです。入院するにしても、デポジットしておいた金額がなくなると強制退院と言うお国柄なんですよ。

ですから、一般市民はあまり病院には行かず、中薬を店頭で求める人が圧倒的に多いようです。

それに比べれば、日本は健康を守りやすい国ですね。原則3割負担ですから、わざわざ同じ成分の薬を全額自己負担で、リスクまで自己責任で個人輸入する理由なんてどこにもないのです。

お小言が怖い?病院嫌いな人は…

こうした個人輸入薬を求める人は、病院に行くのが怖いと言う人が多いんじゃないかと思います。血液検査の数値を見るのが怖いとか、お医者様に生活習慣の改善についてお小言を貰うのが怖いとか。

仕事のせいにして時間が取れないと言う言い訳を考える人も多いようですが、糖尿病は一旦発病したら一生お医者様とは縁が切れません。

しかし、コントロールが良好であれば、毎月と言うほど高頻度に通院する必要はないのです。私は2~3か月に1回にしていますが、投薬をゼロにできるぐらいまでコントロールすれば、半年に1回でもOKだと思います。

いずれにせよ、せっかく代金の70%を保険がカバーしてくれる国に住んでいるんですから、お薬を安易に通販で買うのはよした方が良いと思いますね。

健康商品にも危険性が!

お薬として個人輸入の形になっているのは買う方にもお薬としての意識もありますし、売る側にも薬事法への注意もあるでしょう。しかし、野放し状態で怖いのは、健康食品にこうした医薬品が混入されている場合です。

厚生労働省が健康被害の報告を受けた例などを公表していますので、ちょっと一部を覗いてみましょう。

商品名やコピーに「糖」の字を使う

糖尿病に効くと書いてしまうと、薬事法に違反しますから、飽くまで健康食品として、商品名などに「糖」の文字を入れて効果を連想させる手口が多いようです。

そして、そうした商品にかなり効き目の強い糖尿病治療薬が入っていて、処方箋も効果や副作用の監視もなく販売されているとしたらこれほど危険なことはありませんよね。

でも実際には低血糖症状を起こした健康被害が出ているようです。一例をあげると、厚労省のサイトには「糖滋源」と言う商品名の中国産原料の健康食品でグリペンクラミドが検出され4例の低血糖被害が出たとされています。

強精サプリにも

混入されているのは血糖値を意識した健康食品だけではありません。そのものずばり、ストレートな商品名「性欲王」と言う男性向けサプリでも被害が出ているようです。

糖尿病がEDに代表される機能不全を引き起こすことは良く知られているせいでしょうか、そっち方面の健康食品にも混入されていたと言うのは、ちょっと驚きです。

ついでと言うのもおかしいですが、この健康食品には一般名シルデナフィルと言うお薬も混入されていたようですね。商品名バイアグラとして有名なお薬です。

確認と言う名の自己防衛

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サプリや健康食品として販売されているものは、上の例のように最終加工や販売を日本国内の業者が行っていても危険な成分が入っていることがあります。

もちろん業者としても成分調査などは行っているでしょうが、全数検査は行わず抜き取りでやっていることが多いでしょう。そうなると、どうしても日本ほど誠実な納品を行わない外国業者も珍しくありません。

いえ、むしろ世界的に見れば日本の感覚の方が珍しいと言ってもいいくらいなのです。本来ならば、表示やメーカー名などを確認するのが大事ですが、このように海外製品については自己防衛も難しくなります。

医薬品の個人輸入

健康食品やサプリもそうですが、特に医薬品の個人輸入に至っては、極めて危険なギャンブルだと言わざるを得ません。先にお話ししたような例だけではなく、内容量の不正確さや副成分の不表示などはあって当たり前の世界です。

効き目が弱いより、強すぎるくらいの方が人気が出るとあって、たいていの場合不正確な内容量は多すぎる方へ偏りがちです。急性の症状が出なくても、多すぎる投薬量は確実に肝臓をむしばむのです。

副成分については、アレルゲンになり得るものであっても書かれていないことは珍しくありません。アメリカ製品はこの点では比較的安心ですが、それ以外のものは怖すぎる存在と言えるでしょう。

個人輸入の場合、薬害にみまわれても自己責任になります。代行業者は飽くまで輸入手続きを行っただけであって、内容についての責任は買った人が負わなければなりません。

万が一の際、責任を求める相手は、外国のメーカーであって、その国まで出かけて行って外国人弁護士を雇いその国で訴訟を起こすほかないのです。

外国からお薬を個人輸入する際は、そのことを充分認識してからでないといけません。いえ、むしろ、お薬の個人輸入は、決してお勧めできるものではありませんと言うべきでしょうね。

キャラクター紹介
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