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小豆の皮の成分を活かしたスイーツは糖尿病対策に役立つ和菓子

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以前和菓子について、小豆の細胞の構造から生まれる、あんこの特殊な働きに焦点を当てた記事を皆さんにお届けしました。

今回はその時にお約束していた小豆の持つ機能性に注目した食品が、糖尿病の予防改善に効果が期待できると言う話題をお届けします。

小豆をあんこにするとき機能性成分も一緒に捨てられている

こしあんの場合は小豆の皮が捨てられていますよね。小豆の皮はたくさんの食物繊維、ポリフェノール類のみならず、小豆の味と香りもしっかり含まれています。

また、小豆にはアクがあるとして「渋切り」や「水晒し」が行われて雑味を取り除く工程があります。しかし、この工程で捨てられる水にも多くの有効成分が入っているんですね。

こうしたものを利用した、特に糖尿病の予防改善に一役買ってくれる製品がありますので、そのメカニズムともどもお話しさせて頂きます。

あんこを作るのはエコじゃない?

最近では、口を開くとエコだとかエコじゃないとか言いますよね。もちろん環境に配慮することはとても良いことです。しかし、それよりも「利用価値のあるものを捨てている」のはもったいないですよね。

小豆をあんこに加工する段階で、これまでは捨てるしかなかったものが再生される技術が開発され、業務用の材料として使えるようになってきました。

それは「小豆の皮」と「ポリフェノール」なのです。

小豆の皮は利用価値の高い副産物

小豆の皮に食物繊維が多く含まれているのは、何となく想像できますよね。ただ、皮の部分は硬くて、食品として利用するにはさまざまな加工技術が必要になります。

粒あんのように柔らかく炊き上げるのも一つの手法ですが、皮だけを処理するとなると、ざらつきをなくすためにはさまざまな工夫が必要なようです。

長時間の火入れ乾燥を行って微粒に粉砕すると言うのが一般的ですが、これではざらつき自体は残る可能性も否定できません。

成分に変化が出るかもしれませんが、酵素を使って柔らかく仕上げる技術もありますね。食べやすさと言う点ではこちらの方が良いかもしれません。

実際に、この小豆の皮を利用してあんこの風味を加えた、ゼロカロリーまたは低カロリーの和風スイーツは、割合多く販売されているようですね。

小豆の皮自体は大半が食物繊維と微量要素なので、ほとんどカロリーを持っていません。その食物繊維もセルロースを中心とした不溶性食物繊維ですから、ゼロカロリーの第3群食物繊維素材に分類されています。

微量要素の方はと言うと、もちろんポリフェノールですね。小豆のポリフェノールは皮に多く含まれていて、有名な紫色の色素、アントシアニンが中心と言われています。

でも、あとでお話ししますが、どうやら小豆にはあまりアントシアニンが含まれていないことが判っています。

小豆の渋切りは栄養もアクと一緒に捨てている

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小豆を茹でる時に、決して手を抜いてはいけないのが最初の茹で工程である「渋切り」です。これは小豆に含まれている渋み成分であるタンニンを茹でて捨てるための工程なんですね。

これが残っているとあんこの味が悪くなりますので、美味しいあんこを作るためにはとても大事です。しかしそのタンニンですが、実はアントシアニンやカテキンと同じフラボノイドに属するポリフェノールなのです。

良薬は口に苦し?小豆茶と小豆の茹で汁

いわゆる小豆茶には2種類あります。1つは小豆を焙煎してからお茶にしたもの。もう一つは小豆をそのまま煮出したものですね。

味としては焙煎したものの方が美味しいですが、もともと生薬として用いられた小豆の使い方は、小豆に水を加えて1/3になるまで煮詰めた煎じ薬です。

ですので、いわゆる小豆の渋切り水のほうが、生薬としての小豆の使い方に近いものですね。むしろそこまで煮詰めていない分飲みやすいかもしれません。

その小豆の茹で汁に注目して、有効成分を分析した研究があります。

水腫、脚気、解毒の改善に用いられるアズキ (生薬名: 赤小豆, セキショウズ) 煮汁の成分を明らかにする目的でアズキ熱水抽出物の成分研究を行った。

その結果、フラボノイドならびにその配糖体13種を単離し、構造を明らかにした。次いでアズキ熱水抽出物およびこれから得られたフラボノイド誘導体についてDPPH法によるラジカル消去活性を測定した。

その結果、いずれも代表的な抗酸化物質であるBHAに匹敵する強い抗酸化作用を示した。

小豆にアントシアニンは含まれていない

この研究によって明らかになった小豆に含まれる抗酸化物質であるポリフェノールが13種類であることが判りました。フラボノイドやその配糖体はポリフェノール類になります。

  • カテキン
  • カテキン配糖体
  • エピカテキン
  • エピカテキン配糖体
  • ルテオリフラバン配糖体
  • タキシフォリン
  • タキシフォリン配糖体
  • ケルセチン
  • イソケルセチン
  • ルチン
  • ケルセチン配糖体(1)
  • ケルセチン配糖体(2)
  • ケルセチン配糖体(3)
有名な赤紫の色素、アントシアニンはアントシアニジン配糖体です。ここには含まれていませんね。もしかすると色のイメージでアントシアニンと言う名前だけが独り歩きしたのかもしれません。

別の研究では、私たちが普段よく食べる豆の中で、アントシアニンを含んでいたのは赤いんげん、つまり「金時豆」だけだったと言う報告もあります。この研究は煮出し汁ではなく豆全部を使っているのでより正確でしょう。

エコにつながる話として、この小豆の渋切り水を処理して食品添加物の紫色の色素を作る研究もおこなわれていて、すでに実用化されています。

上でお話しした13種類のポリフェノールの中に赤や紫のものはありません。しかし、単体で褐色や黄色、白などのものでも、混ぜると赤や紫色などを示す可能性は充分にあります。

結果としてアントシアニンと同等かそれ以上の抗酸化作用が認められているポリフェノール類ですから、これは結果OKっていうことで良いかもしれませんね。

皮と茹で汁抽出物はノンカロリー機能性食材の原料になる

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こしあんの残りである小豆の皮にも渋切り水にも、ある程度のでんぷん類は含まれていますので、そのままではノンカロリーとは言えません。

しかし、でんぷん類が残ったままであると傷みやすくなりますし、色の面でもくすんだ色になって好ましくないため、でんぷんは取り除かれて製品化されています。

小豆スイーツは糖尿病対策に効果的

この小豆の皮や渋切り水などから造られた食品原料を利用した、ゼロカロリーや低カロリーのダイエットスイーツを目にすることが多くなってきました。

同じスイーツを作る場合、砂糖を甘味料で置き換えたとしても、洋菓子だとどうしても脂質を伴うバターの風味や、糖質を伴うフルーツが避けて通れません。

その点和菓子は小豆の味や香り、色があるだけで成立してしまう強みがありますよね。しかも、その風味を出しているものに機能性が期待できるのですからありがたい話です。

小豆の生産地である北海道の農業系私大が、製餡メーカーと共同で開発した水ようかん風のスイーツは、一般の水ようかんの1/7のカロリーに抑えられています。

また、この製品と一般の水ようかんを食べて、血糖値の推移とインスリンの分泌量を測定した研究もおこなわれています。実験は1週間の間をおいて2回行われ、2グループは交代でこの製品を摂って比較したと言うことです。

その結果、水ようかんでは食後30分で血糖値が大きく上昇し、それをピークに90分後にはほぼ元の値に、さらに120分後には元の数値より低くなっていました。

これは甘いものを食べて血糖値が上昇したことに伴ってインスリンが追加分泌され、90分後に元に戻ったのは良いのですが、勢い余ってやや低血糖気味になるくらい下がってしまっているんです。

実際の血中インスリン濃度は、食後60分で食前の5倍ほどにも上がっています。いわゆる「グルコーススパイク」ですね。もちろん、インスリンの追加分泌は終わっていますから、多少下がり過ぎてもすぐ元に戻るでしょう。

しかし、これを繰り返すと糖尿病になるリスクが高いことは良く知られています。

一方、小豆の皮を使ったこの水ようかん風のスイーツの場合、血糖値もインスリン濃度もほとんど変動していません。もちろん、これは糖質がほとんど含まれていないことにその理由があります。

とは言え、和菓子を食べている美味しさを求めて、小豆から採れた皮などを使うわけですので、その成分に機能性が期待できることは言うまでもありません。

小豆スイーツの弱点はバリエーションに乏しいこと

小豆の皮や色素を使った和菓子風のスイーツを作るとなると、最も一般的で便利な素材は寒天なんです。寒天自体もゼロカロリーの食物繊維素材です。

また、同じくゼロカロリー食物繊維のキサンタンガムや、発酵性があるためでんぷんの半分程度はカロリーがある食物繊維のグルコマンナンやカラギーナンとも相性が良く、食感の改善がいろいろ行えるので便利です。

でも、寒天が中心になるとどうしても夏向けの味になるんですよね。普通の羊羹をこの素材で作れるのかどうかはよく判りません。

お饅頭の皮のようなものを、美味しくて低糖質で作って下さる和菓子屋さんの登場を待ちたいものです。

甘味料のリスクは人によって異なるので自分で判断しよう

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カロリーの問題もさることながら、糖尿病を視野に入れた場合、急激な血糖値の上昇をもたらすお砂糖は非常に危険な甘味料であると言えます。

こと血糖値の問題においては白砂糖も黒砂糖もリスクにほとんど差はありません。血糖値だけに着目した場合サッカリンの方がずっと安全と言うことになるのです。

人工甘味料のリスクをどこまで容認するかの問題

とは言え、人工甘味料にも不安が付きまといます。食品添加物として認められているものであれば、少なくとも急性毒性はないでしょうし、発がん性も最悪で「発がん性があるかどうかわからない」と言うレベルでしょう。

それでも、長期にわたる慢性毒性についてや、個々人の体質に合う合わないの問題は断定的にお話しすることはできません。

さまざまな研究結果をもとに危険性について論じるとき、得られる結論は「危険性はないだろう」か「まだ判らない」か「危険性がある」の3つであって、「危険性はない」と言う結論はあり得ないのです。

それは、例えば1000例の調査を行って全部危険性がないと言う結果だったとしても、1001例目で危険性が示されたら、それは危険性があると言うことになりますよね。

つまり、危険性があることを証明するのは簡単ですが、ないことを証明するのは厳密には不可能だからなんです。

ですから、結果を出すには調査件数が少なすぎた場合の「まだ判らない」を含めて、上の3つしかないと言うことになるんですね。

ですから、現在食品添加物として認められている甘味料は、

  • 有害さを示す研究結果が充分に少ないこと
  • 有害さを示す研究結果のすべてに他の原因の可能性も考えられること

の条件で安全だと言う扱いになっています。

合成甘味料と既知添加物についてもう一度考えよう

合成甘味料と言うのは、純粋に化学合成で作られた、天然には存在しない甘味料です。高甘味度甘味料のことが多いですね。つまり、使用量が少なくても充分甘くなるものです。

  • スクラロース
  • アセスルファムカリウム
  • アスパルテーム

などがこれに当たります。これらは甘さの質が不充分になることが多いので、組み合わせて使うことが多いようですね。

その組み合わせの相手になることが多いのが既知添加物です。自然に存在する甘味料で、それを化学合成で作る場合も多いと言う性質のものです。

エリスリトールやキシリトールなどの糖アルコールが多く使われています。エリスリトールは果糖やショ糖、ブドウ糖と一緒に、果物の甘味成分として存在していますから、誰もが食べたことがあるでしょう。

さて、これらについては通常の摂取量であれば、特に健康に影響がないことは判っています。しかし、リスクが完全に否定されたわけでもありません。

この健康生活のサイトの中でも、こうした甘味料に関する考え方が様々紹介されています。それらのことも参考に、あなたやあなたのご家族にとって、何が一番リスクを避けられるかを考えて下さい。

人工だから危険、天然だから安全と言う考え方だけはやめましょう。そうした思考停止が健康にとって一番有害なのですから。

現在でも利用できる機能性小豆食品と小豆製品の未来

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ゼロカロリー水ようかんなどとして販売されているものは、寒天とエリスリトール、それに小豆の皮や色素を加えて風味を出しています。甘さが足りない場合はスクラロースが使われることも多いようですね。

機能性食品としてトクホを取得するのはコスト的に難しいのか、一般食品として扱われてることがほとんどですが、血糖値を気にする人には充分以上に利用価値があるでしょう。

低カロリーの和菓子製品を選ばれるときには、原材料名に

  • 小豆の皮
  • 小豆抽出物
  • 小豆色素

などが使われているのを選んでみるもの良いですね。

未来の小豆製品は物理的に構造を変化させたあんこ

この頃では、冷ご飯やポテトサラダと難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)の関係や、その有用性についてテレビ番組などでも良く紹介されているようです。

実は、そのことに着目したあんこの可能技術の研究も進んでいるんですよ。

例えば、生のお米は難消化性でんぷんの塊です。これが消化しやすくなるには充分な水と加熱調理が必須なんです。そして、せっかく消化性でんぷんになっても、冷蔵庫で冷やすと一部が別の難消化性でんぷんになってしまいます。

このことに着目して、あんこの追加加工の技術が開発されています。

一度あんこに加工したものを、少なめの水分量で加熱する「湿熱処理」と言う方法で再加工してから冷まします。すると、食物繊維としての難消化性でんぷんが増加すると言う事が判っています。

この現象は、原料になった小豆の品種によって効率が変わりますが、増加することは確かです。

まだ食味食感の面で劣る部分があるため開発途上のようですが、こうした性質を利用して、いずれ「機能性あんこ」が市場に出回る日も来るのでしょうね。楽しみです。

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