健康生活TOP 皮膚炎 美肌の効能で有名な紫根は飲むと危険?安全かしっかり判断しよう

美肌の効能で有名な紫根は飲むと危険?安全かしっかり判断しよう

shutterstock_1716291892

テレビ番組で美魔女さんが、その年齢を感じさせない美しい肌を維持するために使っているとして紹介され、一躍有名になった紫根エキス。古くから漢方薬で火傷や傷の薬として使われてきました。

最近になって腫瘍を抑えたり、血管の新生を抑制する働きが見つかってさらに注目を集めています。しかし、紫根の成分には毒性のあるものも含まれていますので、使い方には充分な注意が必要なのです。

抗菌作用や抗炎症作用で美肌に効果アリ?紫根の効能と歴史

漢方薬の配合原料として日本薬局方にも収載されています。効果としては

  • 抗炎症作用
  • 肉芽促進作用
  • 抗菌作用
  • 抗腫瘍作用

などがあげられます。これらの働きから肌をきれいにすることもあるのでしょう。

さらにまだ研究段階で日本にはない病気ですが、WHOが緊急対策を呼び掛けているリーシュマニア症と言う原虫感染症の特効薬にもなりそうだと言うことです。

紫根エキスは広く使われている薬剤

有名なところでは痔のお薬「ボラギノール」の内服薬にシコン水製エキスが配合されています。紫根は外用薬としての用途が多いのに、軟膏や座薬には含まれていなのがちょっと意外でした。

しかし、よく見てみると外用薬の成分の中にアラントインと言う物質があります。これは紫根の有効成分の一つでもあるんですよね。純粋に有効成分を化学合成したものを使っているんだなと納得しました。

このアラントインは傷などから肌を回復させる促進効果があるので、化粧品などにもよく使われていますね。ですから天然成分をうたい文句にする化粧品には紫根エキスが使われるのでしょう。

有効成分の中心はシコニンとその誘導体

シコニンと言う名前は、もちろん紫根の名前に由来するものです。このシコニンと、それに低分子の脂肪酸がエステル結合したものが紫根の有効成分です。実際植物の中に含まれる状態では脂肪酸エステルが大半のようですね。

シコニンはナフトキノンと言う物質にヒドロキシ基が3つくっついた構造をしています。ナフトキノンはやはり強力な細胞毒性を持っていて、抗菌作用や抗腫瘍作用などを持つことが知られています。

このように優れた医薬品としての効果があるため、紫根は非常に古くから医薬品として用いられてきた歴史があります。

万葉集収載の有名な歌、「茜指す 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」は額田王の作。飛鳥時代のお姫様ですから7世紀の、1300~1400年前の作品と言うことになります。

ここに出てくる紫野と言うのは朝廷の管理下(標野)にあったムラサキの栽培地なんです。主に高貴な人の衣服を染める染料としての植物でしたが、薬猟という貴族の遊びから見て、当時から根っこは薬として扱われていたようですね。

食べたり皮膚に塗ったりして大丈夫?紫根には危険な毒性物質も含まれている

shutterstock_1733871802

紫根だけでなく、ムラサキ科の植物の全種に含まれているのがピロリジジンアルカロイドと言うグループに属する植物毒です。

このアルカロイドは様々な植物に広く分布していますが、大半はムラサキ科、キク科、マメ科、キョウチクトウ科とランから発見された物質です。

がんにも繋がりかねない毒物であるピロリジジンアルカロイド

この毒性物質は主に食べ物として摂った時に肝臓に対する毒性が表れることで知られます。皮膚につける場合のデータについては、紫根自体に関するデータがなかったのでムラサキ科のハーブであるコンフリーを参考にします。

それによると、傷のない皮膚に対して、ピロリジジンアルカロイドの含有量が1日当たり100μgまでの、10日間程度の短期間の外用であれば安全だろうとされています。

しかし、皮膚から吸収されることが判っていますから、妊娠中や授乳中の外用は避けるべきですね。また、荒れている皮膚からは、ピロリジジンアルカロイドが吸収されやすくなるため、使ってはいけないとされています。

なお、コンフリーについては、ハーブティーなどとして口から摂れる形での販売は、21世紀に入って禁止・不使用勧告をしている国が多くなっています。日本でもコンフリーは販売禁止になっていますね。

あく抜きをすれば危険性は下がる

フキには、フキノトキシン(フキ毒と言う意味です)やセンキルキンなどのピロリジジンアルカロイド類が含まれています。しかし、フキをそのまま食べる人はいませんよね。必ずあく抜きしてから調理して食べます。

これは水溶性のピロリジンアルカロイドを、あく抜きによって捨てることで毒性を下げると言う理にかなった作業なのです。

一方、紫根の有効成分であるシコニン類は水に溶けない成分ですので、紫根からエキスを精製する際に、毒性物質は取り除けるのでしょう。

漢方薬では紫根を内服する場合もある…使用は正しい知識と判断で

shutterstock_2329391082

紫根牡蛎湯と言う漢方薬の配合は皮膚やリンパ腺の疾患に対する漢方薬の一つで、内服用として紫根を中心にした配合になっています。

このように、紫根は正しく用いられる場合、内服しても安全なものと言う実績があるようですね。

麻酔の祖が造った紫雲膏

華岡青洲師と言えば、世界で初めて全身麻酔を使った外科手術を行ったお医者さんとして有名ですね。もちろん麻酔薬自体も彼自身が毒性の強い植物から組み合わせて作り出した秘伝だそうです。

その彼が皮膚病の薬として造ったのが、紫根を主成分とする紫雲膏です。現在でもさまざまなメーカーから第2類医薬品として発売されています。

もちろん薬ですから副作用や使用禁忌の人もいるでしょうが、200年にわたって使い続けられた薬と言うのはすごいものですね。

素人処方はけがの元

このような事情から、素人が紫根を使ったものを充分な知識なしに使うのは、危険があると言わざるを得ません。

まず、材料になる紫根ですが、医薬品原料の紫根を使っているかどうかと言う根本的な不安がありますよね。紫根は染料の原料でもありますから、きちんとした生産管理が行われたものかどうかが重要になります。

ムラサキは絶滅の恐れがある植物だけに、輸入品も多い紫根ですから残留農薬や重金属の含有も不安材料です。最低限、信頼のおける漢方薬屋さんから国産原料を求めるべきじゃないかと思います。

良い原料を使っても、先にお話しした通りムラサキは全草に毒性物質が含まれていますから、きちんと処理する必要があります。あく抜きをすればいいのですが、毒性成分が減ったかどうかの検査を行うすべが素人にはありません。

信頼のおけるメーカーから製品を買うのが安全

ですので、少なくとも紫根エキスになったものをメーカーから買う方が安全だと言えるでしょう。もちろん、紫根エキスとして販売されている場合には、検査成績書が添付されているものを買って下さい。

すべての健康食品などに言えることですが、口先だけで「安全ですよ」と言われているものを買うほど危険なことはありません。

それも難しい場合は、医薬部外品として扱われている化粧品や、医薬品として扱われている皮膚のお薬を買われることをお勧めします。

少なくともそうした製品は、販売認可を受ける際に検査成績書が厚労省管轄のお役所に提出されているはずです。

使い方を誤ると危険がある

製品として売られている紫根エキスの場合、100mLの化粧水に対して5滴程度が適量と言われています。1滴のサイズにもよりますが、10~20滴を超えると肌に炎症を起こしたりする可能性もあります。

良く効くように、早く効くようにと思ってついつい入れすぎたりすると、美肌どころか酷い目にあいかねません。

ですので、どうしても紫根エキスで美肌を望む方は、市販の紫根エキス入り化粧水などを利用される方が安全だと思われます。

あっているかいないかの判断は難しい

漢方は本来、病気に対する投薬治療を行うものではなく、人に対する投薬治療を行う医学です。

従って、同じ病気の人であっても、治療に使う薬の種類や量、使い方などは個人個人によって異なりますし、同じ人でも病状のステージによって変わります。

そして常に漢方医の先生が患者をしっかり見立てて、薬の効き方などをチェックして下さるんです。ですので、美肌に紫根が効くと言っても、万人に効くものではないと言うことは意識しておいてくださいね。

キャラクター紹介
ページ上部に戻る