健康生活TOP うつ病 うつ病の改善に効果あり!生理活性物質のセロトニンを増やす方法とは

うつ病の改善に効果あり!生理活性物質のセロトニンを増やす方法とは

多くの人が悩まされている精神疾患の一つにうつ病があります。このうつ病ですが、残念なことにまだ原因は特定されていません。

むしろ病気と言うより症候群と言った方が適切であるかも知れないとされていますから、特定の原因と言うのはつかみようがないのかもしれません。

それでも、生理活性物質の一つで幸せホルモンとよく呼ばれている、セロトニンがうつ病に深いかかわりを持っていることが確実視されています。ならば、そのセロトニンを増やすことでうつ病の改善を目指せないものでしょうか。

セロトニンとうつ病の関係や、セロトニンを増やす方法についてご紹介します。

一般的にうつ病と呼んでいる物は範囲が広い!分類を知っておこう

うつ病と言う病気は一種類の原因や症状によってあらわされる病気ではないため、いくつもの分類がされています。また、その分類方法が複数あるため、少し混乱を招いているような印象もあります。

ですので、言葉に惑わされることなく、自分やご家族の症状にあった治療や対策を行うようにすると言う姿勢が何よりも大事になります。

良く使われるうつ病の分類

うつ病を原因から分類したものがあります。

分類 原因
外因性
(身体因性)
認知症などの脳神経疾患
甲状腺機能低下症などの身体的疾患
副腎皮質ステロイドなどの薬剤の副作用
内因性 典型的なうつ病
(抗うつ剤が著効する)
心因性
(性格環境因性)
抑うつ神経症(性格の影響)
反応性うつ病(環境の影響)

概ねこのように分けられますが、一般的にうつ病と言った場合、内因性を指していることが多いように見受けられますね。

アメリカ式の分類は日本とは異なる

また、アメリカの精神医学会の分類で「大うつ病性障害」「気分変調性障害」と言う分類もありますが、これは日本の分類と一対一対応するものではありません。そういう言葉もあると言う程度に認識しておいて下さい。

この2つは「うつ病性障害」(単極性うつ病)の下位分類です。うつ病性障害は双極性障害(躁うつ病)と並んで、「気分障害」に分類されています。

ただ、こうした言葉の訳語と言うのは往々にして誤解を招くんです。「気分障害って、気分が悪いのが病気なのか?」と言葉尻を捕らえる人も出てくるでしょうね。

でも、英語では「ムード・ディスオーダー」ですから、「ムード疾患」ではますます訳が分からなくなりますね。ですから、厳密な日本語訳を用いずに「うつ」と言う言葉を上手く利用しているのです。

このようにさまざまな分類がありますが、今回は日本の基準で言う「内因性うつ病」に関して、セロトニンと言う物質がどのように役立って、それをどのように使えばいいのかを見て行きます。

「大うつ病性障害」は英語で「メジャー・デプレッシブ・ディスオーダー」と言います。つまり、昔メジャーリーグのことを「大リーグ」と呼んでいたのと同じ訳し方なんです。

セロトニンは大半が小腸で作られるがそれは脳に届かない

「幸せホルモン」と呼ばれたりするセロトニンと言う物質は、アミノ酸から変換されて作られる「インドールアミン」と言う物質のグループに属しています。つまり、原料はアミノ酸なのです。

ではセロトニンをお薬として飲んだり注射したりすればいいのかと言うと、セロトニンは血液脳関門と言う、脳を異物から守っているバリヤーを通過できずMAOと言う酵素で分解されてしまうのです。

セロトニンの大半は腸の動きを活発にするためにある

セロトニンは生理活性物質ですので、何も脳専門の物質と言うわけではありません。どちらかと言うと、ほとんどが小腸で作られて、腸の蠕動運動を活発にするために使われています。

ここで作られたセロトニンは、上でお話しした血液脳関門を通過できませんので、小腸ががんばってセロトニンを作ってくれても、脳の方には届きません。

脳の中で活躍するセロトニンは、脳の中で作り出すか、減らないようにすることが必要になってくるのです。

セロトニンの原料を食べ物から脳に届けるのは少し難しい

ではセロトニンの原料を、食べ物からたくさん摂れば良いのではないかと言う考え方が出てくるのは極めて自然なことです。セロトニンの原料はトリプトファンと言う必須アミノ酸です。

しかしながら、ちょっと難しい事情があって、食べ物からトリプトファンを摂って、セロトニンの原料としてたくさん脳に送り込むことにはちょっと問題があるのです。

詳しいことは別の記事にまとめていますので、そちらの方をご覧ください。
セロトニンはサプリや食品で摂れない?トリプトファンのサプリが確実

とは言え、トリプトファンは必須アミノ酸の一つですので、おそらく誰でも自然に一定以上の量は食べていると思われます。そうなってくると、トリプトファンからセロトニンへの組み替えを推進できない物でしょうか。

セロトニンは酵素の働きで作られる

食べ物のたんぱく質から取り込まれたトリプトファンは、小腸で吸収されたのち、一定量は血液脳関門を通って脳に送り込まれます。そのあと脳の中で2つのステップを経てトリプトファンはセロトニンに作り替えられます。

化学反応が数段階に分かれて進む場合、その中で最も時間がかかる反応を律速段階と呼んでいます。これは、一番遅い反応が、全体の化学反応のスピードを決めるからです。言い換えれば律速段階を効率よく行えば全体の処理が早くできると言うことにもなります。

もちろん、分子1個と言うレベルで見たら化学反応の速度は、温度や圧力ぐらいでしか変化しません。しかし、多数の分子が反応する場合には、同時にたくさんの反応が行われる方が早くなるのは当然ですね。

一番初めにトリプトファンがヒドロキシル基を獲得して5-ヒドロキシトリプトファンになる反応が、セロトニン生合成の律速段階になります。

ですので、この時に働くトリプトファンヒドロキシラーゼと言う酵素が活性化されることがセロトニンの合成を早めることになります。しかし、この酵素を活性化するにはリン酸化が必要ですが、それに介入するのはちょっと困難です。

酵素の働きを助ける補因子の原料は食べ物から摂れる

そうなってくると、この酵素が働くときに補助的に使われる補因子が不足しないようにしておくと効果が期待できるかもしれません。この酵素の補因子はテトラヒドロビオプテリン、略号BH4と言うものです。

トリプトファンがヒドロキシル基を獲得して5-ヒドロキシトリプトファンになりセロトニンの生合成にいたるまでの過程

この補因子が欠乏するとセロトニン欠乏の原因になります。この補因子BH4は、グアノシン三リン酸(GTP)と言うヌクレオチドから生合成されます。そしてこのGTPの原料になるのはグアニンと言う核酸です。

グアニンを多く含む食べ物や健康食品は次のようなものですが、可食部100gあたりの含有量になっているので、高野豆腐や干しシイタケ、海苔のような乾物では、水分が少ないため相対的に多くなっているだけですので注意して下さい。

  • 干しシイタケ(乾)
  • 高野豆腐(乾)
  • 海苔(乾)
  • パセリ(生)
  • 鶏レバー
  • 豚レバー
  • タチウオ
  • マイワシ
  • ムツの皮
  • イサキ白子
  • タラ白子
  • 桜エビ(乾)
  • 蟹みそ
  • さんまの干物
  • イワシの干物
  • アジの干物
  • しらす干し
  • ちりめんじゃこ
  • 煮干し
  • クロレラ
  • スピルリナ
  • ビール酵母

一説によると、皮が銀色に見える魚がたくさん含んでいてお勧めだと言うことです。こうしたものは、GTP不足によるセロトニン欠乏を予防してくれることが期待されます。

ただし、ここで注意をしておいて頂きたいのは、グアニンはプリン体であると言うことです。

とは言えうれしい情報として、研究によってはグアニンをたくさん摂ってもそれほど血中尿酸値は上昇しなかったようだと言う物があります。それでも痛風を持っておられる場合はお医者さんに相談して下さいね。

実はセロトニン自体は、脳の中にはわずか0.2mg程度しか存在しないのです。あまり参考になりませんが、耳かき150分の1杯くらいの、ごく微量ですね。

セロトニンは抗うつ剤によって上手に利用されやすくなる

抗うつ剤と言うと、なんだか精神に影響を与えるお薬と言うイメージが強くて、性格が変わってしまうんじゃないかとか、副作用が怖いんじゃないかとかいう恐怖感が付きまといます。

確かに副作用はいろんなものがありますが、そもそも抗うつ剤とは精神に影響を与えることが目的ではなくて、主にセロトニンが無駄になってうまく機能していない状態を改善するのが目的のお薬なのです。

抗うつ剤はセロトニンの働きを良くするのが目的で使われる

古くは第一世代三環系抗うつ薬、そして第二世代の三環系。さらには選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン/ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と言った新しいタイプの抗うつ薬もよく使われます。

これらはいずれも神経細胞のシナプスが、神経伝達物質を再吸収する働きが過剰になっているのを抑制するためのお薬です。

神経伝達物質再取り込みの様子の簡略図

これはセロトニンに限らず、神経伝達物質が神経細胞から別の神経細胞の受容体に向けて放出される際の略図です。神経伝達物質は、受容体に取り込まれたら、余った分をすぐに回収しないと次の伝達の邪魔になります。

そのため、トランスポーターと呼ばれる再取り込み口から、神経伝達物質は次々に再吸収されます。しかし、この再吸収のペースが速すぎると、今度は受容体に取り込まれる量が減ってしまって、神経伝達物質としての役目を充分果たせません。

そこで、上の図にある細胞膜トランスポーターにふたをしてしまうお薬が開発されました。それが抗うつ剤です。古いタイプの三環系抗鬱剤に比べて、新しいタイプのお薬はセロトニンやノルアドレナリンに特化した再取り込み阻害効果を持っています。

その分副作用は少なくなっていると言うわけですね。

副作用を感じたら服薬を続けながらすぐにお医者さんに連絡

抗うつ剤の使用方法で最も注意しなければいけないのは「急に薬をやめない」と言うことです。急に薬をやめると、反動で症状が一気に悪化する場合があります。

ですので、抗うつ剤を処方されていて、副作用だと思われる症状が出たら、電話でもいいのですぐに主治医の先生に連絡して、服薬指導を仰いで下さい。

繰り返しますが、絶対に自己判断でお薬を中断してはいけません。

抗うつ剤は古いタイプから新しいタイプまで、さまざまな効果と副作用があります。抗うつ薬はセロトニンの再取り込みをコントロールするのが目的で使われているお薬なので、どのタイプのお薬であっても効きすぎると脳内でセロトニンが過剰になります。

すると、セロトニン症候群と呼ばれるセロトニンの過剰症が現れます。

まず、精神症状として落ち着かない気分、混乱や興奮、頭痛が起きます。ひどいと錯乱したり昏睡に陥ったりします。こうしたひどい状態の場合は、救急車を呼んだ方が良いでしょう。

身体的な症状としては、動かそうとしていないのに手足が勝手に動いたり、筋肉が硬直したりします。また、震えたりびくっとしたりすることもあります。

そして自律神経のトラブルとして熱が出たり、暑くないのに汗をかいたりします。運動もしていないのに脈が速くなることもあります。さあらに血圧があがったり、下痢をしたり、めまいが起こったりすることもあります。

色々な症状がありますが、これらはセロトニンが多くなりすぎたと言う一つの原因で起こっている副作用です。

このほかにも、細かいものまで入れるとたくさんの副作用がありますので、処方されたお薬に入っている薬剤情報提供文書に書かれている情報を、あらかじめよく読んで理解しておきましょう。

薬剤情報文書例
(薬局実務実習指導 パーフェクトマニュアル付録 薬剤情報提供文書作成例 より)

このような書類に、そのお薬を使うことで起こる可能性の高い副作用情報が記載されています。

リズム運動はセロトニンを増やす?セロトニンに関わる情報は色々存在している

セロトニンと言う物質は、数多くの生理機能のコントロールに関して脳の中での働きを持っているだけではなく、他の神経伝達物質であるドーパミンやそこから合成されるノルアドレナリンなど、感情に関する神経伝達物質をコントロールしています。

ですので、セロトニンが不足すると不眠症が現れることもありますし、逆にセロトニンが足りていると精神的に落ち着いた状態になるとされています。

また、先にお話ししたように脳の中にあるセロトニンは本当に微量ですので、食べ物や生活習慣で何とかできないかと言う研究も数多く行われています。

海外では運動療法によってセロトニンを増やし、うつ病や不眠症を解消できるかもしれないと言う研究もありますが、残念ながらしっかりしたデータにはまだまとまっていないようです。

考え方としては、セロトニンの原料となるアミノ酸が脳に入ってゆくときに、競合してしまう別のアミノ酸グループを運動によって消費することが、間接的にセロトニンを増やすのに役立つというものです。

日本では「リズム運動」と言われるウォーキング、自転車(サイクリング)、フラダンスなどの簡単な動きとリズムを繰り返すものが効果的だと言われています。

最低5分続け、30分以内には切り上げる。激しい運動はNG。そんな情報がありました。

いずれにせよ、運動は健康に資するものですし、身体を動かせればそれが気分を明るくしてくれることもありますので、無理のない範囲で運動に取り組んでみることは大変お勧めです。

食生活はもちろん運動習慣を持ち喫煙飲酒は避けるなど、生活習慣病を予防改善する効果のある生活習慣を持つことは、体調不良を改善してくれますし、それによって気分が明るくなるだけでもうつ病には効果的です。

心や気分と言う数値化しにくいものの不調については、セロトニンのような具体的な物質に原因を求められると、それだけでも安心しやすい要素になるのかもしれませんね。

運動は気持ちさえあれば基本的にすぐできますし、お金もかからないので手を出してみるのもいいかも、ですよ。

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