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うつ病の最新治療と診断!光トポグラフィー検査とTMSとは

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日本がストレス社会と呼ばれるようになってからどのくらいの年月が過ぎたのでしょうか?この状況は一向に改善する兆しもなく、相変わらず人々は強いストレスの中で生きています。

特に会社や学校での人間関係にストレスを感じることが多いようで、場合によってはそれが精神疾患へと進行してしまいます。

近年問題となっているうつ病について、最新の治療方法はどのようなものなのでしょうか?精神疾患と隣り合わせの現代だからこそ、知っておきたい知識なのではないでしょうか…。

精神障害による労災請求が過去最多に!国民病になりつつあるうつ病

普段から明るく楽しい友人が突然のように人格が変わってしまうことがあります。話しをしても返事が無く、また家に引篭もることも多くなり、仕事も辞めてしまいました。

これは精神疾患の中の「うつ病」の初期に見られる症状です。相変わらずのうつ病が増加しているのです。

精神疾患での労災認定が増加している

厚生労働省が公開している平成25年の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を見てみると精神障害の労災請求件数が過去最高となっています。

~精神障害の労災請求件数が1,409件(前年度比152件増)と過去最多~

厚生労働省は27日、平成25年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を取りまとめましたので、公表します。

厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況について、

平成14年から、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数(※)などを年1回、取りまとめています。

この統計は平成14年から開始された統計で、平成25年に仕事のストレスが原因で発病した精神障害により労災を請求した数を取りまとめています。

これによると平成24年と比較して152件増加しており、合計では1409件となり過去最高を記録しました。

簡単に説明しますと、仕事や仕事上の問題がストレスとなり、精神障害が発生し仕事ができなくなり、労災を請求した人が1409人もいると言うのです。

また、この数字はあくまで労災を請求した人だけなので、自主的に会社を辞めたり、休職したりしている人は数字には含まれていません。相当数の人が隠れていると推測されます。

この精神障害の中で比率が高いのは「うつ病」です。主にストレスが原因で発症するうつ病ですが、発症すると仕事はおろか日常生活にも大きな負担となります。

うつ病を個人の問題と捉えている人が多いのですが、このまま増加を続けていると大きな社会問題となることは間違いなく、正しい対応が求められます。

うつ病は精神だけの病気ではない

さすがに現在では少なくなりましたが、日本では「根性論」が幅を利かせる風潮があり、当初うつ病も「怠け病」として扱われていた時代がありました。

精神的に落ち込んでいる人に向かって「根性だせよ!」とか「いつまで怠けているのだ!」などは絶対の禁句ですが、このような対応があちこちで見られていたのです。

しかし、現在ではうつ病は「脳の神経伝達物資の異常」との認識が一般的で、治療が必要な病気であるとの理解ができています。

うつ病の治療は発症から早期に開始することが重要で、変に精神論で片付けると長期に苦しむ結果から、患者の周りの人のサポートも重要です。

うつ病は脳の病気であるとの共通認識がとても大切なのです。

このような症状はうつ病のサインかも知れない

people who are feeling the stress illustrations

うつ病が発症したら早期に治療を開始することが重症化を防ぐ方法です。そのためにはうつ病の初期症状を知らなければいけません。代表的なものを紹介しましょう。

  1. 気分が落ち込み楽しいことが考えられない。
  2. 新しい希望がなく、悲しい気持ちで一杯になる。
  3. 人との会話が少なくなり、会話をしても元気がなくなる。
  4. 友人と会うのを避けるようになる。外出もしなくなる。
  5. 今まで好きだった趣味を辞めてしまう。
  6. 今まで出来ていた仕事に支障がでるようになる。
  7. 新しい作業がなかなか覚えられなくなる。
  8. 自責の念が強く、自分が悪いと思い込む。
  9. 生きていくのが辛く感じる。
  10. その他

また精神的な問題と同様に肉体的にも変化が現れてきます。

  1. 昼食を食べないなど食欲が著しく低下する。痩せてしまう。
  2. 夜眠ることができずに睡眠不足となる。
  3. 常に疲労を感じており、ぼーっとしてしまう。
  4. ホルモン異常をおこしてしまう。
  5. その他

貴方自身や貴方の周りの人にこのような症状が見られたら、それはうつ病の発症したサインかも知れません。一刻も早く専門医に診断を仰ぐようにしましょう。

うつ病を悪化させないためには早期な治療が第一です。そのためには回りにいる人の協力が大切ですね。

数値で見るうつ病診断「光トポグラフィー検査」

なんとなく「自分はうつ病ではないだろうか?」と考えてしまうことは誰にでもあります。人間は感情の動物であり、それが常に一定に働いているとは限りません。

疲れた時や感情が高ぶった時などは大きく心が乱れてしまうでしょう。しかし、それは決してうつ病とは言えません。うつ病の疑いがある場合、病院ではどのような診察を行い診断するのでしょうか?

一般的には問診や過去の病歴などで診断される

うつ病は血液検査やレントゲンでは診断できない病気です。その意味から医師による診察も様々な質問からなる「問診」や、過去の状況を知る「過去の病歴」などが中心となっているようです。

まず聞かれることは「現状の中で何が困っているか?」であり、これは「どのような精神状態でそれが日常生活でどのような影響をもたらしているのか?」を医師が把握する項目です。

患者は仕事に集中できないなどの困った状況を医師に説明することになり、またそれに至る経緯(人間関係、仕事量など)も重要になるでしょう。

また、患者の性格や考え方を知るのも重要です。これは過度に緊張しやすい性格や、執着しやすい性格などがうつ病発症の鍵になる場合が多いからです。

過去の病歴も診断には重要です。過去の病歴は一見してうつ病と関係ないように見えますが、実際には「ホルモン異常」などはうつ病の発症要因にもなることから、病歴、薬歴などを調べる必要があります。

そして「家族に精神疾患患者がいないか?」などの家庭環境も重要です。「どのような環境で生まれて育ったのか?」は診断を行う上でとても重要な情報であり、子供の頃からの精神的なストレスを把握します。

これらは一部ですが、このような質問の中で医師は精神疾患の可能性を探り、最終的にはうつ病の診断を下すのです。

医師の感覚的な診断では誤診の可能性も

うつ病が精神的な病気であれば、心を探る質問形式の診断は仕方がないのですが、本当にその診断は正確なのでしょうか?私的にはちょっと疑問を持っています。

私の知人に「最近、夜なかなか眠れないんだよなぁ」と言う人がいました。いたって元気で普通に生活していたのですが、ただ眠っても浅い眠りしか出来なかったそうです。

そこで彼は軽い気持ちで睡眠薬を貰いに睡眠外来もやっているメンタルクリニックに向かったのです。しかし、簡単な問診のあとで下された診断結果は「軽いうつ病」でした。

彼は欲しかった睡眠薬ではなく「抗うつ薬」を飲む結果になったのです。彼は「そーか俺はうつ病だったんだ。」「早期に見つかって良かったなぁ。」と思って真面目に薬を飲み始めました。

抗うつ薬の中には睡眠効果のあるものあり、始めは夜も眠ることができて彼も満足していたようです。しかし、だんだんと力が入らず昼間もぼーっとした状態になり、日常生活にも支障をきたす状態になったのです。

このような状況が1年近くあり、家族が病院を変えることで状況は改善しましたが、本当に彼はうつ病だったのかは未だに疑問が残っています。

精神科の医師が使用するデータは数値的なものではなく、感情的なものが大部分です。従って医師の技量や経験が診断結果に大きな要素となるのは仕方がありません。

ベテラン医師と新人医師では診断結果や投薬に違いがでるでしょうし、処方する薬にも違いが出てきます。つまりこのやり方では「誤診」が生まれる可能性は否定できないと私は思うのです。

そして抗うつ薬は使用法によっては副作用が強く、安易な服用は危険な結果を招いてしまいます。うつ病の診断は慎重に行うことが重要なのです。

うつ病を数値で判断する検査がある

このように医師の経験と感覚で診断されていたうつ病に数値で診断が出来る検査が注目されています。それが「光トポグラフィー検査」で、大脳皮質の血中ヘモグロビン濃度を測定することでうつ病の可能性を測定します。

光トポグラフィー検査では光トポグラフィー装置を使用して前頭葉に流れる血流を微弱な赤外線で測定します。

light topography inspection

装置を装着した患者に対して医師が質問を行います。例えば「『あ』から連想するものを言って下さい。」などの簡単な質問です。患者は「あめ」「あり」「あたま」…などと答えますが、その状態での血流を計測するのです。

血流のパターンは

  • 通常(問題なし)
  • うつ病
  • 総合失調症

などのパターンがあり、それを比較することで精神疾患の有無を調べるのです。

問題のない通常のパターンでは血流量が増加することに対して、精神疾患では血流量が低下すると言われており、明らかに脳の活動に問題があることが判明します。

現状では光トポグラフィー検査だけでうつ病を診断するのではなく、問診などの検査と平行して行われます。しかし、経験や感覚的な診断に数値が入ることで、診断精度は飛躍的に向上すると考えられています。

うつ病は精神の病ではなく脳の機能障害です。それならば科学的な検査も可能だったのです。将来的には血液検査でうつ病の発見が出来るようになれば良いですね。

光トポグラフィー検査を健康診断に取り入れよう

光トポグラフィー検査は簡単に脳の異常を見つけることが可能です。これはうつ病に限らず脳の血流に異常があることは、何らかの病気が潜んでいることを示しているからなのです。

うつ病などの精神疾患はなかなか回りの人は気が付きません。一番近くにいる家族でさえ重症化しないと気が付かないことも珍しくありません。そして気が付いた時には悪化しており、治療にも長時間必要になるのです。

そこで光トポグラフィー検査を健康診断に組み込んではどうでしょうか?中には「うつ病は精神疾患でなく全身疾患だ」と指摘する医師がいます。全身疾患なら健康診断で検査をするべきだと思います。

毎年一回、光トポグラフィー検査で脳の機能を調べることは、うつ病の早期発見に繋がり精神疾患の減少に繋がるでしょう。

脳の健康診断は物理的な損傷を診るMRI検査と光トポグラフィー検査をセットに行うのが理想ではないでしょうか?

精神疾患での誤診は少なからずあると言えます。その意味で光トポグラフィー検査は画期的な検査ではないでしょうか?

薬を使用しないうつ病治療に注目!最新のTMS治療

先ほども少し触れましたがうつ病の治療に「抗うつ薬」が使用されています。イメージ的にうつ病の薬と言えば、「沢山飲んでいる」「色々な種類がある」などがありますが、実際には1種類の抗うつ薬を飲むのが基本です。

改善はされていますが、現在の抗うつ薬には

  • 喉の渇き
  • 眠気
  • 便秘
  • 頭痛
  • 性機能障害

などといった長期的に苦しむケースが発生する副作用もあるようです。

抗うつ薬への抵抗から飲まない患者が多数いる

実はうつ病の問題の中には、「抗うつ薬に抵抗感を持つ」患者がいると言うものがあります。精神疾患の一種類であるうつ病を隠している人は多く、また抗うつ薬を服用することでそれを認めることに抵抗を感じるのが理由です。

また、医師が診断を下して抗うつ薬を処方しても、診断を否定して薬を飲まない人も多いのです。

風邪を引いたら風邪薬を飲みますし、感染症にも抗菌剤を服用します。しかし、抗うつ薬にと言う特殊性から割り切って服用できない難しさが潜んでいるのかも知れませんね。

そして抗うつ薬の服用が嫌で通院を止める患者もいることから、この問題はうつ病の長期化をもたらす原因の一つと考えられます。

うつ病治療に薬はいらないTMS治療とは

うつ病患者が抗うつ薬の服用を止めてしまう理由には「副作用の恐怖」と「薬への抵抗」の二面性がありますが、それによって病気が長期化することは珍しいことではありません。

そこで注目されているのが「うつ磁気刺激治療(TMS)」なのです。TMSはアメリカで開発された最新の医療技術で、2008年にFDA(米食品医薬品局)がうつ病治療に許可を出しています。

TMS treatment

TMSの原理は脳の左側の前横部分(おでこの横あたり)にある「背外側前頭前野」に磁気で刺激を与えます。脳のこの部分は「物事を考える」「判断する」「興味を覚える」など意欲に関係している部分です。

TMS treatment

さらに磁気刺激は神経細胞を経由して脳の深部である「扁桃体」にまで及びます。扁桃体は「不安」「悲しみ」など感情をコントロールしており、機能が低下すると感情が強くなる原因と考えられています。

光トポグラフィー検査で解るようにうつ病患者は脳の血流が少なくなっています。TMSによる磁気刺激は脳を活性化させて血流を増加させる作用があるのです。

そして治療を続けることで神経伝達物質も増加し、脳機能が改善させると言う訳です。この治療では抗うつ薬を使用することなく、脳機能の改善をもたらすことから、副作用の心配はありません。

次世代のうつ病治療として注目したいですね。

日本でのきびしいTMS事情

アメリカでは2008年に許可されたTMSですが、日本では未だ認可されていません。そのためTMSでの治療が行える病院は少なく、治療費も健康保険の適用が効かない状況です。

つまり全額が自費となりその治療費は100万円~200万円にもなります。

TMSの治療費は決して安くはありません。全てのうつ病患者が受けられる治療でないことも事実です。しかし、長年苦しめられたうつ病がTMSによって解放されるのであれば、単に高額とは言えないのも確かではないでしょうか?

しかし、希望者が安心して治療を受けられように、日本でも早く保険適用になることを願いたいですね。

TMS治療には限界もあることを知ろう

TMSは次世代のうつ病治療法として大きな期待が集まっていますが、その治療には限界もあるようです。例えばうつ病の発症には大きく分けて2つの理由があります。

  1. ストレスなどの負荷により脳の神経伝達物質が少なくなる
  2. 脳梗塞など外的要因により脳機能が低下する

一番目はストレスが脳に負荷を与えて、神経伝達物質が少なくなり脳機能が低下するもので、これが原因のうつ病はTMSの効果は期待できるでしょう。

しかし、二番目は脳梗塞などが原因で物理的に脳の血流が阻害されて脳機能が低下した場合です。このケースではいくらTMSを行っても血流は改善せず、うつ病の症状も良くはならないでしょう。

また、他の精神疾患や発達生涯が原因でうつ病を発症したケースにおいても、大元の病気を治さないと効果は期待できません。

TMSの治療は30回程度の治療が必要ですが、当初は脳の血流改善に効果があっても、少しずつ効果が少なくなるケースもあり、治療を断念することもあるそうです。

つまり、TMSは全てのうつ病に効果がある「魔法の治療」ではなく、一定のうつ病に効果が期待できる治療法だったのです。

アメリカで2008年に認可されたものが未だ日本では認可されていないのです。早期の認可を期待したいですね~。

光トポグラフィー検査とTMSでストレスうつを無くそう!

現在のTMSには治療費の問題や適用などの問題がありますが、今まで頼ってきた診断・治療法を一新させる期待があります。

問診だけでなく光トポグラフィー検査の結果を総合して診断すれば、うつ病の誤診は大幅に少なくなるでしょう。また副作用の少ないTMSを導入することで患者の負担も少なくなります。

また、抗うつ薬の服用が必要なくなれば、治療を途中で辞める患者も少なくなるのではないでしょうか?

精神障害で労災を申請している患者の多くが、仕事上のストレスがその原因と想定されます。まだまだ増加していますが、早期に光トポグラフィー検査を行うことで、うつ病の兆候はつかめると思います。

次世代のうつ病対策、早く普及して貰いたいですね。

キャラクター紹介
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