健康生活TOP うつ病 うつ病は何科が専門?精神科・心療内科・クリニックの選び方

うつ病は何科が専門?精神科・心療内科・クリニックの選び方

私たちはストレス渦巻く社会に生きています。誰もが心のトラブルを抱えるリスクがあるということです。自分は大丈夫、と思っていても身の回りにはトラブルの原因がいっぱいです。

それでは、実際に心にトラブルを抱えてしまい、それが原因で身体に不調があらわれてしまったときはどうすれば良いのでしょうか。

膝の擦り傷と同じく、心もきちんとメンテナンスしなければなりませんね。通常は精神科、心療内科などの医療機関を受診することになります。

しかし、精神科や心療内科、メンタルクリニックなど色々な看板(標榜)があり、どこを受診したらいいか悩んでしまいますよね。

この記事では、それぞれの病院・診療科の違いを取り上げ説明します。心にトラブルを抱えてしまった時、診療科を選ぶ際の参考になれば幸いです。

病院といってもさまざま!それぞれのメリット・デメリット

病院といっても様々です。ご存知の通り規模もさることながら役割も違います。以下の表のようなメリット・デメリットがそれぞれあります。もう一度確認して医療機関を選ぶ際の参考にしましょう。

主なメリット 主なデメリット
精神科病院 専門性が高い。デイケアなどを併設している場合もある。入院してじっくり治療に専念できる。 身体疾他の医療機関に比べると数が少ない。
総合病院 CT・MRIなどの検査設備が充実している。他の診療科との連携がスピーディにできる。 精神科を持っていない総合病院もある。事前に調べておく必要がある。
大学病院 最先端の治療を受けられる可能性がある。専門性の高い医師がいる。 研究や教育に協力を求められることがある。医師の異動がある。待ち時間が長い。
クリニック 週末も受診可能な場合がある。同じ医師に継続的に診てもらえる。 通院が中心となる。治療方針が医師のものに偏る場合がある。

これらの特徴は一部ですが、このようにどれもみな一長一短でメリット・デメリットを持っています。

ちなみに、入院ベッド数が19床以下を「クリニック」または、診療所、医院と呼び、20床以上の場合を病院と呼びます。

さらに全体で100床以上のベッドを持ち、内科、外科などの一般診療科がある病院が「総合病院」とされています。

心のトラブル治療に関連した診療科とその違い

うつ病や心身症など心のトラブルを診てもらいたいけれど、似たような名前の診療科があって病院を受診する際に迷う方も多くいらっしゃいます。

例えば、次のようなものです。

  • 精神科
  • 心療内科
  • 脳神経外科
  • 神経内科

以下に、上記にあるそれぞれの診療科が得意とする分野・疾患を簡単に整理してみました。

ケース 専門とする主な疾患
精神科 心の不調が辛いとき 統合失調症、双極性障害、うつ病、不安障害など
心療内科 体調の不良が気になるとき 胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、原因不明の目眩やふらつきなど
脳神経外科 神経の病気がある場合 頭部外傷や脳内出血、脳や脊髄の腫瘍など(外科的治療を施す)
神経内科 神経の病気がある場合 パーキンソン病、脳梗塞、認知症など
上記のリスト及び表には記載しませんでしたが、最近よく看板を目にするメンタルクリニックは「精神科」への抵抗感をやわらげるために呼び方を変えたものです。確かにドアを叩きやすいというイメージはありますね。

メンタルクリニックだけでなく、以前と比べると心のトラブルを専門する医療機関は増えています。例えば下の2つの折れ線グラフは厚生労働省の調査の結果から、精神科、心療内科の数の変動をグラフにあらわしたものです。

これらは病院の一診療科目としての精神科、心療内科を調べたものであり平成8年からの調査となっています。

▼全国における精神科数の年次推移(平成8年27年)
全国における精神科数の年次推移グラフ

(参考…厚生労働省報告「平成27年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」より)

▼全国における心療内科数の年次推移(平成8年)
全国における心療内科数の年次推移グラフ

(参考…厚生労働省「診療科目別にみた一般病院数の年次推移」より)

精神科は増加の程度がなだらかですが、心療内科についてはその増加が著しいということがみてとれると思います。

厳密には専門が分かれる精神科・心療内科

厳密には精神科と心療内科は重なっている部分は多くあるとはいえ、厳密には違うものです。どちらも、同じ精神科医が担当します。それに、両方とも心のトラブルが原因とみられる病気を診ます。

ただ、心療内科は身体に症状があらわれた病気に重点を置きます。心療内科は内科の一部、と考えておきましょう。それに対し精神科は心の病気に重点を置きます。

最初の方で掲載した表と重複する箇所がありますが、精神科、心療内科それぞれの専門とする代表的な疾患をもう一度あげます。

専門とする疾患の例
精神科 統合失調症、双極性障害、不安障害、うつ病など
心療内科 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、過換気症候群など
このように、厳密には専門とする疾患はそれぞれなのですが心療内科を精神科医が同時に標榜しているケースが多いのが実際のところです。なぜなら、精神科よりも心療内科の方が受診するのに抵抗感が少ないと言う方が多いからです。

ですので、結局どちらに行ってもそれほど変わりはないと言う結論に達します。ご紹介した区別はあくまで厳密なものですが、心に不調をきたしてしまった時受診の際の参考になります。

受診前にしておきたいこと2つ「予約」「経過の整理」

ここまで、心の不調を専門とする医療機関それぞれについてご紹介してきました。それではもし、受診が必要になった場合にどんな準備をしておけば良いのでしょうか。

状況は人によって様々ですが、以下の2つは受診の前にしてください。ご本人に負担が重すぎてできなかったら、家族や親しく信頼できる人がいればその人に手伝ってもらってください。

  1. 予約
  2. 経過の整理

上記2つがやっておいた方が良いことです。

出かける際のおめかしは不要です。医師は、来院時の患者さんの身なりや表情をチェックします。それは、患者さんが今どのような状態にあるかを判断するためです。ですからいつも通りの服装で良いのです。

では次に準備それぞれについて説明をします。

注意!精神科はほとんどが予約制

受診前に必ず、かかろうとしている医療機関に電話し、予約が必要かどうか確認してください。精神科はほとんどが予約制です。

急ぎの時もありますよね。そんな時、もしどこの医療機関も見つからなかったら困ります。精神科は電話帳やインターネットでも調べられますが、インターネットの情報は限られています。

静かに診療したいために、あえて掲載しないクリニックもあるかもしれません。地域の具体的な情報は、保健所などの公的機関に尋ねるのが良いでしょう。専門的・具体的に病院ごとの特徴を教えてもらえます。
保健センター 保健所 精神保健福祉センター
役割 市区町村にある。住民の健康全般を管理。 都道府県、政令指定都市の行政区。住民の健康と衛生を管理。 都道府県に約1ヵ所。精神保健福祉の総合技術センターとして機能している。
従事者 保健師など 医師、保健師、精神保健福祉相談員、薬剤師、栄養士など 精神科医、精神科看護師、精神科ソーシャルワーカー、臨床心理士、作業療法士、保健師など
電話相談 あり あり 一部要予約
予約 不要 一部必要 基本的に必要

保健所は、メンタルヘルスを含めて食品衛生、母子・老人保健など幅広く相談を受けています。相談者のニーズを把握し、保健所に行けない人、支援が必要な人の家を訪問して、現状を把握しながら必要なサービスにつなげます。

精神保健福祉センターは、上記の3つの中で最も専門的にメンタルヘルスの相談を受けています。保健所などのスタッフの相談を受けたり、技術指導などの援助を行っています。

住民に対して、精神疾患や引きこもりなどメンタルヘルスに関する啓発活動や独自で実態を把握するための調査なども行っています。

どの機関も、相談者の現状を把握した上で、必要なサービスについて相談に応じてくれます。安心できますね。

余力があったら思い出してみましょう。経過の整理

それが何科であっても、初めて受診する際はドキドキしたり頭が真っ白になってしまうことはよくあることです。大事なことを伝え忘れてしまったりしたことはありませんか?

精神科は、擦り傷や骨折のように何かしら目で確認できるような処置をすることはできません。その代わりに、大事にしているのは”言葉”のやりとりです。

確かに医師は表情や服装、所作から現状を把握しようとします。しかし、何が起こったのかはそれらからは分かりません。

ですので、できれば下記のような事柄をメモにまとめることをお勧めします。

  • 今の気持ち・気分
  • 今不便に感じていること
  • 過去にあったきっかけ(あれば)
  • 受診に至るまでの経緯(自分に起こった変化)
メモを医師に読んでもらえば短時間で済みますし、患者さんは緊張しなくて済みます。メモは同じものを2枚作っておきましょう。一つは医師に渡すもの、もう一つは自分の記録用にしておくと便利です。

患者さんにとって負担が重すぎる場合は家族が手伝ってください。

心のトラブルに向き合うなら…あなたには3つの武器がある!

かつて米国のかなりの割合の人が、アスピリンを服用する感覚で抗うつ薬を所持・服用していると聞いたことがあります。

今や日本もそれに近くなっていると言わざるを得ません。製薬会社と急増したメンタルクリニックは、精神科や心療内科へのアクセスをより簡単にしてきました。

心のトラブルには、生命の危険がつきまといます。”なんとなく”死を意識してしまうこともあります。そういう見方で言えば、医療機関の”しきい”を低くした製薬会社やクリニックは貢献しているということになります。

しかし、病気が難治性化 (なかなか寛解しない)、非定型化している傾向が指摘されるようになり、専門家も患者側も困惑しているケースが多いのが現状です。医師や薬に頼ってばかりいてはダメという人がいるのも当然です。

しかし、自分から薬の服薬を中止して症状が悪化しても、誰も責任を撮ってくれません。

誰かの声に頼るのではなく自らの選択を元に上手に舵取りをして賢く医療機関や社会サービスを使って生き延びるしかないのです。

矛盾するようですが、心にトラブルを抱えたら、一人で抱え込んでは絶対ダメです。家族、友人、医師が周りに必ずいます。心のうちを打ち明けられる味方を作りましょう。

心のトラブルに向き合うことは、生き残りをかけたゲームです。

その一つ目の武器は味方、二つ目の武器は良質な情報、三つ目は自分だと思っている方がより他に振り回されず、より充実した日を過ごすことができるでしょう。

キャラクター紹介
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