健康生活TOP うつ病 うつ病の人への接し方は?ただの腫れ物扱いになる禁句、声のかけ方

うつ病の人への接し方は?ただの腫れ物扱いになる禁句、声のかけ方

いつも明るかった家族が急に元気がなくなったら、皆さんならどう思うでしょうか?「体調が悪いの?」「風邪?」などと心配するかもしれませんが、まさかそれが精神疾患の一つである「うつ病」だと思うことはないでしょう。

「きっと数日でいつも通り元に戻るよ」と考えてしまうのは仕方がないことです。しかしうつ病と気が付かない状況で、安易に接することが症状の悪化を招く危険があることを理解しなくてはいけません。

うつ病を発症した人への接し方について考えてみましょう。

大切な人がうつ病に…日本でのうつ病の現状とは

うつ病が増加傾向にあるそうです。もともとうつ病は男性よりも女性に多く見られる病気でしたが、近年では男性の発症が増加しており、それが全体数を増やしているようです。

精神疾患の中でもうつ病が増加している

厚生労働省の統計では平成23年の精神疾患の患者数は約320万人で、平成8年の約218万人と比較して46%程度増加しています。この中に含まれているうつ病(躁うつ病を含む)では、平成8年で約43万人なのが、平成23年では約96万人になります。

これは120%程度の伸びであり、15年の間に2倍以上にも患者数が激増していることになります。

また精神疾患の場合、治療を受けずに放置されているケースも少なくなく、その意味では実際の患者数はこれよりも遥かに多いとの指摘もあるのです。

これからもうつ病は増加することが予想されており、次の国民病になる可能性さえ否定出来ない状況です。うつ病は遠い病気ではなく、皆さんやその周りの人にいつ襲いかかるかも解らない病気です。

その時…私たちはどのような対応を取ればよいのでしょうか?

日本では精神疾患が増加傾向にあるようです。もしかしたら皆さんも周りの人にも突然発症するかもしれません。

接し方を間違えると取り返しのつかないことに…うつ病患者との接し方

身近な人にうつ病が発症すると、周りにいる家族や友人はどうしたらよいか解らないかもしれません。実際にこのような体験をした人は多く、間違った対応をすることで症状を悪化させる原因にもなります。

うつ病患者に接するために注意したい行動をまとめてみました。

「病気といっても元気がないだけでしょう?」などとうつ病を安易に考えている人は、まだまだ大勢いるようです。特に中年以降の男性の中には未だに「根性論」を持つ人も多く、気の病は「サボり病」だと言い切っています。

しかしうつ病はそのような簡単な病気ではなく、現在では脳科学的な根拠も解明されており、病気としての認識と接し方を行わなくてはいけません。

うつ病を軽んじる人と話をしていると決まって出る理屈があります。…「うつ病じゃ死なないでしょう」…これは間違いです。うつ病は最終的に命の危険のある病気で、死亡率も他の重病と比較して決して少ない数字ではありません。

しかし、これだけでは納得できない人もいるでしょう。「なんでうつ病で死ぬのか?そんなことないでしょう」「何言っているんだ!」この記事を読んでいる中にもこう思っている人がいると思います。

このように考えている人は、少し想像の翼を開いてみて下さい。うつ病で死亡するその理由は「自殺」なのですから。

【うつ病との接し方.1】終着駅には自殺があると理解する

これからうつ病患者と接するためのポイントをいくつか紹介しますが、その前に一番重要な前提条件をお話しなくてはいけません。それが日本の自殺の状況です。

日本では平成27年に約27000人もの人が自殺で命を失っています。自殺を行う理由は様々ですが、この中には多くのうつ病患者が含まれていると想定されているのです。

うつ病患者が自殺を実行する比率は15%~25%と言われており、うつ病患者の100人の25人が自殺衝動を起こすことになります。

つまりうつ病では方法は違っても、死亡する点ではガンや他の重篤な病気と遜色ない危険な病気だと言えるのです。

うつ病患者と接する場合には、その終着駅には何があるのかを理解して、乱暴な扱いを行わないようにしましょう。

【うつ病との接し方.2】励ましは場合によりけり

うつ病の患者に対してむやみに励ますことは逆効果を生むことは有名です。きっと皆さんも聞いたことがあると思います。

浪人生のA君は大学受験で毎日頑張って勉強をしていました。昨年は第一志望の大学が受からずに、浪人して再挑戦することにしたA君は家族のサポートもあり一生懸命取り組んでいたのです。

そんなA君に対してお母さんも一生懸命で、食事や夜食など様々な面でサポートしてくれます。一見して恵まれた環境のA君ですが、それが一変する出来事がおきたのです。

予備校で行った全国模試で成績が急に下がってしまい、このままではまた志望校に落ちる可能性があります。不安を覚えたA君ですが、今まで心地よかったお母さんの「大丈夫」「頑張れ」の声が自分の心を押しつぶすように感じたのです。

そしてA君は家族が応援すればするほど胸が苦しくなり、1日中ボーッとするようになってしまいます。お母さんは焦ってしまいさらに「このくらいで負けるな!」「根性根性」と励ましの言葉を投げかけます。

しかしA君の症状はますます悪化してしまい不眠となり、食事もできない状態にまで症状が悪化してしまったのです。そしてようやく行った病院で言われたのが「うつ病」、それも重度のうつ病でした。

元気な状態であれば応援や励ましはその人に、活力や勇気を与えることになります。しかしうつ病を発症していると「頑張れ」と言っても「自分は頑張っているのに…まだまだ足りないのか」と自分を責める考えに走ってしまいます。

また励ましにより「自分は駄目な人間だ、こんなに応援されているのに何もできない…」などとますます自分を責める結果になってしまうのです。

うつ病は脳が疲れた時に出る病気と言われており、その症状は脳が休息を求めているとも考えられます。励ますのではなく、「十分頑張ったから、少し休息しましょう」などと身体を休ませる方向に誘導しましょう。

頑張リ過ぎている人に「頑張れ!」ちょっと酷かもしれませんね。

【うつ病との接し方.3】叱咤激励はやめよう

私のような昭和生まれの人間には、身体のどこかに「精神論」や「根性論」が隠されているようです。現在では学校の部活や体育の授業でも、水分補給の大切さが浸透していますが、我々の時代は全く逆のことを教えられていました。

部活で「水を飲むとかえって喉乾くぞ!」などと監督や先輩から怒られていたのですが、今から考えると「そんな訳ないでしょう」となりますよね。

これは一般的に言う「根性論」であって、医学的、生物学的なエビデンスは全くありません。同じようにうつ病患者に対して根性論は一切効かないことを理解しましょう。

新入社員のBさんは仕事熱心で営業職として毎日忙しく働いていました。入社して半年程度が経過したある日、Bさんに変化が表れます。朝会社に行こうとしても、なかなか身体が動かないのです。

気分が落ち込んでいることが理由ですが、「行きたくない」「あの人に会いたくない」「会議が嫌だ」などの思いが頭をめぐるようになっています。会社も遅刻が多くなり、上司からも注意されるようになってしまいました。

仕方なく上司に体調について相談したBさんですが、上司からのアドバイスは「心が怠けているだけだ」「気合をいれんかっ」と一喝されるだけでした。

また何もやる気が起こらないBさんは実家で休みもゴロゴロしていることが多いのですが、それを見た家族からも「いつまでもゴロゴロしているんじゃない!」「シャキッとせい」と怒られてしまいます。

Bさんはこれらの言葉が叱咤激励だと理解はしていましたが、少しずつこう思うようになったのです。…「私は駄目な人間だなぁ」「いつ治るのだろうか?」「このまま一生おわるのかなぁ?」

そしてBさんの症状はますます悪化してしまうのでした。

このケースではBさんを元気付けるために叱咤激励を行っていますが、それがBさんをますます追い込む結果になっています。励ましと違って叱咤激励は言葉が強いので、その言葉がストレートにうつ病患者の心に入り込みます。

また奮起させるために言った「駄目な奴だ」を、そのままの言葉で吸収してしまい「自分はやっぱりダメ人間なんだ」と考えてしまうことも注意しなくてはいけません。

うつ病患者の頭では言葉をストレートに理解して、相手の気持ちや思いやりを想像することはできなくなります。

激励のつもりでも強い言葉は使用しないようにしましょう。

【うつ病との接し方.4】良き理解者を演じるな

今の若い人は特にテレビドラマの影響をモロに受けるようで、話をしていてもドラマのセリフのような言い回しを聞くことがあります。

特に精神疾患を題材にしているドラマでは「解っているよ…」「もう十分だよ…」なんて甘い言葉が出てきますが、これを現実で使うのはどうかと思います。

一括りにうつ病と言っても、「人間関係」「家庭環境」「症状」が違えば全く内容も違っており、それを他人が正確に理解することは不可能な話です。

精神科医やカウンセラーでも十分な時間をかけて、心を紐解く作業を行うのですから素人では無理な話でしかありません。

うつ病を発症したCさんは自宅で引きこもるようになっています。心配した友人が家に来てなんとかCさんを元気付けるように話かけています。

「大丈夫、Cちゃんの辛さは理解しているからね」「それくらいのことCちゃんなら乗り越えられるよ」と優しく話かけます。

しかしCさんはこう感じていました。『理解しているなら、簡単に乗り越えられるなんて言えないでしょう』『理解なんて無理!』…自分の辛さを理解しているなら、簡単に乗り越えられるなんて言えるはずがないと感じていたのです。

Cさんはそれから友人が遊びに来ても会うことはなくなったのです。そして症状が悪化して入院となりました。

このケースではドラマに出てくるセリフがあります。「辛さは理解しているからね」…うーん、、なんて綺麗な言葉なのでしょう。私も一度は使ってみたいセリフなのですが、うつ病患者には注意して使用しなくてはいけません。

友人や仲間の存在をアピールして使うのでしょうが、それが反対にうつ病患者の孤独を促進させてしまいます。

「ごめんね…アナタの辛さが解らなくて」「一緒に苦しんであげられればいいのだけど…」これならどうですか?素直に辛さが理解できないことを表現していますが、うつ病患者を突き放した言葉ではありません。

無理して理解者を演じるのではなく、「辛さは理解できないけど一緒に受け止めよう」と言う意思を伝えることが大切だと思います。

【うつ病との接し方.5】精神科医を演じるな

家族や恋人にうつ病患者が出ると、勿論周りの人は心配しますが、それが極端になると犯人探しを始めてしまうことがあります。何もイジメやストレスの犯人を探しだすのではなく、うつ病の原因そのものを見つけ出そうとするのです。

子育てや毎日の生活で疲れたDさんは、軽いうつ病になってしまいました。幼稚園の送り迎えや家事もおろそかになり、ご主人が会社から帰ってもソファーでボーっとしていることも珍しくありません。

心配したご主人が病院へ連れて行った結果、「毎日のストレスによる軽いうつ病」と診断されたのです。薬物治療は必要なく十分休養を取るように言われたDさんは、それからなるべく休息を心掛けるようになりました。

心配症のご主人はそんなDさんを見ていると気が気でありません。なんとかDさんをうつ病にした原因を探ろうと躍起になっています。「何が嫌だった」「辛いのは何?」「俺はどうすればいいの?」などと何かにつけて原因を探しだそうとするのです。

また回復していないDさんに対して「これからどうしようか?」などと将来の話を持ち出す始末です。追い詰められたDさんは、回復傾向にあったうつ病が悪化して、薬物療法に移行するはめになったのです。

このケースでは回復していないのにも関わらず、未来の話や原因の改善点について執拗に迫っている点が見られます。特に休息が必要な時に脳を使って将来のことを考えさせる行為はNGと言ってもよい行為で、慎まなくてはいけません。

また解決の糸口として「たまには散歩でもしてみたら」とか「遊びに行ってみたら」などの提案をすることもありますが、これは単なる投げっぱなしの言葉でしかありません。「~してみたら」なんて何の根拠もない思いつきなのですから…

「体調がよくなったら一緒に散歩しよう」とか「私にできることは言ってね」など、安心感を与える言葉を選ぶように配慮したいですね。

うつ病患者との接し方で症状が悪化することもあります。相手の考え方を少し考慮して押し付けがましくない態度で接しましょう。

うつ病患者を腫れ物のように扱ってはいけない

このようにうつ病の人と接するのに「あれもダメだ」「これもダメだ」と書いているように思われるかもしれません。「これではうつ病の人に近づくなと言っているのと一緒じゃないか!」と憤慨する人もいるでしょう。

でもそうではありません。少し考えてみましょう。普段、友達と会うのに「心配」や「良き理解者」を演じることなんてありますか?

基本的には普通の接し方が患者にとって嬉しいこと

落ち込んでいる時に無理やり心配されることはあまり愉快なことでありません。仕事で失敗した時に「何やったの?」「なんでそうなったの?」「きっと大丈夫だよ」…このようにしつこく心配する人がいますよね。

私なら「ぶん殴ってやりたい」衝動にかられますが。皆さんはどうでしょうか?

うつ病患者は心が疲れている状態ですが、それだからこそ言葉に対して敏感に反応することが珍しくありません。ちょっとした不容易な言葉が、さらに心を傷つけ症状の悪化を招くこともあるのです。

またうつ病を発症すると思考がゆがんでいる可能性もありますので、安易な言葉はかえって相手を傷つけてしまいます。

いくらうつ病が発症しているからといって、特に腫れ物や病人のように扱うのではなく、いつも通りの接し方をするように心掛けて下さい。その行為(優しさ)はきっとうつ病患者の心にも伝わると思います。

「おはよう、体調は大丈夫(心配)」ではなく、「おはよう、今日もいい天気だね!」でいいのです。

相手が望むのならゆっくりと話をきいてあげて

うつ病が発症した初期は心の負担が精神を圧迫している状態であり、なかなか自分から話をしたいと考えないでしょう。しかし数ヶ月も経つと少しずつ心も落ち着き、人と話をしたい気持ちになってきます。

実はうつ病患者が親しい人に心の中を打ち明けることは、心の負担を整理する意味でも大きな効果を発揮します。

ここで大切なのが「話をよく聞いてあげること」です。ゆっくりと相手の話を聞いてあげて、途中で話を遮断したりしてはいけません。「うん、、うん」「そうだよね」など心の中に溜まった感情を吐き出させるように聞いてあげて下さい。

話を聞いたからといってアドバイスや解決策を提示する必要はありません。一緒に何が辛いのかを考えてあげる一体感が大切なのです。

もしうつ病患者の考え方に間違ったものがあっても、「それは間違っているよ」「こう考えなくちゃ」ではなく、「どうすれば解決するのかな?」と一緒に考えてあげて、最終的な答えは本人に導き出させるようにすることが大切です。

どうせ長期戦になるのだからゆっくりと

精神疾患で一番問題なのが治療期間になります。普段風邪しか引いたことのない人は、うつ病も風邪と同じで病院へいったら一週間もあれば治るとかってに思っています。

しかしうつ病では早い人で数ヶ月、長い人では2~3年(それ以上も)もの治療期間が必要になるのです。そして治療に付き合う家族にもその負担はつきまといますが、これはどんなに頑張っても仕方がないことと考えることが大切です。

周りの家族がピリピリしていては、その感情がうつ病患者に間違いなく察知されてしまいます。

うつ病の治療は時間がかかるのです。焦っても意味が無いので、ゆっくりとした時間の中で穏やかに接してみませんか?

考え方でうつ病患者との接し方がこんなにも変わる

私の知人である田中さん(仮名)は、大手の商社に務めるサラリーマンでした。いわゆるエリートサラリーマンである彼は、毎日のように残業や接待に明け暮れた生活で、帰宅は毎日23時を過ぎていたのです。

彼の家庭は奥さんと高校生の子供がいましたが、休みの日は「接待ゴルフ」か「疲れて一日中寝ている」状態で、家庭サービスなんかできるような状況ではなかったのです。

そしてある日、彼に変化があったのです。何となく口数が少なく朝起きてもボーっとしてなかなか着替えをしません。奥さんが「どうしたの?遅刻するよ」と言って、慌てて着替えるありさまです。

そう彼はうつ病を発症していたのです。それから段々と会社を休みがちになり、家でも会話がなく部屋に閉じ籠もるようになりました。病院へ行き診断をもらった彼は、最終的に休職せざるを得えない状態になったのです。

私は奥さんから相談を受けて彼に会ったのですが、そこにはエリートであった彼は存在してなく、ただ気力の無くなった中年が横になっていたのです。

奥さんも初めは心配していたのですが、段々と生活が心配になり「どうしよう」「子供の進学費用はどうするの?」などと彼に当たるようになり、それがますます彼の症状を重くしているように見えたのです。

奥さんと色々と話したところ幸い貯蓄や会社からの休業手当(疾病手当)は十分であり、生活や子供の進学には困らないことが判明し安心させることができました。

奥さんもこのことをきっかけである気持ちが生まれました。それが「感謝の気持ち」です。「今まで一生懸命働いてくれたからこそ、貯蓄や手当が貰えるのだからお父さんに感謝しなくては…」と考え直したのですね。

そして「今まで忙しくて一緒にいられなかったので、うつ病の間はずっとくっついていてあげよう」とも思ったそうです。

不安が感謝に変わったのだから、家庭内はそれまでの空気とは違う暖かいものになったでしょう。その後、彼は1年の休職を得て会社に復帰しています。しかし昔とは違い家庭サービスも行うようになったようです。

この話で重要なのはうつ病患者の周りにいる家族が不安を持っていることで、それが患者に悪い影響を与えることです。反対に感謝することは患者にとって安心感を与えて、心の負担を軽くしてくれるのですね。

一緒に生活するのは同じなのですから、少し考え方を変えて優しい気持ちで接してみてはいかがでしょうか?

変に遠慮をすることは相手に不快感を与えてしまいます。腫れ物を触る対応は止めましょう。

うつ病の正体は完全には解明されていない

日本ではこれからもうつ病が増加するとの予測がされていますが、その発症メカニズムについては完全には解明されていません。うつ病の発症原因とは何なのでしょうか?

うつ病の発症にはきっかけがある

精神疾患であるうつ病は、何らかのウイルスや細菌に感染することで発症する感染症ではありません。何らかの原因により脳機能が低下することで発症する病気だと考えられています。

中には「遺伝的な要因」があるとの見解もありますが、多くは「環境的要因(環境ストレス)」「身体的要因(身体ストレス)」が関係していると考えられているのです。

【環境ストレス】

  • 親しい人やペットの死
  • 幼少期のイジメや虐待
  • 人間関係
  • 引っ越し
  • 就職
  • 転職
  • 結婚
  • 出産
  • 離婚
  • 挫折
  • 借金
  • その他
【身体ストレス】

  • 慢性的な疲労
  • 過度の疲労
  • 睡眠不足
  • 不眠
  • 脳血管疾患
  • 癌などの重度の病気
  • それによる治療
  • 閉経
  • ホルモン異常
  • その他

これはあくまで一部ですが、このような刺激がうつ病を引き起こすきっかけになることは間違いないと思います。またこのようなストレスは重なることが多く、それが心の負担を数倍にしてしまうのです。

ストレス要因を感じたなら1つずつそれらに対処することが重要です。

うつ病にはなりやすいタイプの人間がいる

うつ病は性格性の病気とも言われており、どちらかと言えば「いい加減な性格」の人よりも「真面目な性格」の人が発症しやすい病気です。

責任感が強く、真面目で正義感…うーんスーパーヒーローみたいな人間ですが、これらが揃うとうつ病の発症リスクが高まってしまうのですね。

人間には「心のバケツ」があることを皆さんはご存知でしょうか?これは心にある許容範囲と考えてもらうと解りやすいもので、一定のストレスを溜め込むバケツと思ってもらって結構です。

真面目で正義感のある人はこのバケツが、他の人と比べて大きいのですが、反対にそれが一杯になると溢れるストレスも半端ない量になります。

つまりこのような性格の人は、ストレスを溜め込むだけ溜め込むのですが、許容範囲を超えてしまうとその逆流によって心が圧迫されて脳に大きな負担を与えてしまうのです。

私なんか小さなバケツしか持っていないので、溢れてもチョヨチョロで「まっいいか!」で済んでしまいますが、大きなバケツの人では「あれも、これも、それも…どうしよう(焦)」となってしまうのですね。

ストレス耐性が強い(バケツが大きい)人ほど注意が必要です。

脳内の神経伝達物質不足がうつ病を招くのか

うつ病のきっかけは上記した通り、幾つかのストレスですが、その影響は脳機能に表れるようです。

「セロトニン」「ドーパミン」「ノルアドレンリン」などの神経伝達物質の分泌に異常が起こることで、脳機能に著しい機能低下をもたらすことがうつ病を引き起こすと考えられているのです。

特にセロトニンは「幸福の物質」とも言われる脳の安定剤的な物質で、脳が興奮するとセロトニンが分泌されて鎮めてくれるのです。

脳内でセロトニンが減少すると、興奮した脳を鎮めることができないだけでなく、心の不安を増大させてしまいます。

「どうしよう」「困った」など不安がドンドンと膨らんでしまい、最終的にうつ病になってしまうのです。

セロトニンの分泌異常はうつ病だけでなく、「パニック症候群」「気分障害」など多くの精神疾患と関係があると考えられており、セロトニンの量を増やす「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」はうつ病治療で多く使用されています。

ストレスホルモンがうつ病の原因かも

うつ病発症のメカニズムは紹介した通り、未だに解明されておらず、神経伝達物質の分泌異常が大きな要因と考えられていました。しかし最近になって新しい発見に注目が集まっています。それが「ストレスホルモン」です。

生き物はストレスと長い間戦っています。例えば小さな動物は大きな肉食系動物から逃げなくては食べられてしまいます。サバンナで鹿が生き残っている理由は、繁殖能力だけではなく、生き残るために捕食者から逃げることを行っているからです。

そのためにはライオンやトラを見つけた瞬間に脳が活性化しなくてはいけません。ストレスホルモンはこのように命の危険がある時に、脳に対して大きなストレスを与えることで活性化させるのです。

最近の研究でこのストレスホルモンが人間にも出ることが解っています。しかし「進撃の巨人」でもないので、人間が食べられてしまうことはありませんよね。

人間がストレスホルモンを出すきっかけになるのが「慢性的なストレス」と考えられています。

人間はストレスを感じたら「アドレナリン」と呼ばれる神経伝達物質を脳内に放出します。このアドレナリンは一種の興奮物質で脳を覚醒し、運動能力を高める作用がある物質です。

しかし慢性的なストレスではアドレナリンではなく、ストレスホルモンである「コルチゾール」が副腎から分泌されるのです。コルチゾールが慢性的に分泌されると、脳の海馬の糖吸収を阻害して、海馬領域の萎縮を引き起こしてしまいます。

海馬は記憶や感情を司る領域であり、これが萎縮すると「記憶障害」「気分障害」などの症状が表れます。

重度のうつ病患者の脳をMRIで検査すると、多くが海馬の萎縮が見られることから、コルチゾールが「うつ病を引き起こしている原因の一つではないか?」と注目されているのです。

これからの研究と治療方法の確立が待たれます。

精神科学だけでなく治療としての研究が進められています。うつ病が薬で治る日がやってくることを期待したいですね。

脳に大きな影響を与える前に優しい気持ちで接する

ストレスは単に心の負担ではなく、直接脳に大きな障害を与えることを理解して頂けたと思います。うつ病を発症している人に、厳しい言葉や態度を取ることは、脳をハンマーで殴っているのと同じ結果を招くのです。

何も特別扱いなんかする必要はありません。ただ普段通り優しい気持ちで接してあげるだけで、心の荷物も大幅に軽くなることでしょう。

精神科医やカウンセラーでない我々には、病気を治すことなんかできないのです。ただいつも通り優しく、ゆっくりと話しを聞いてあげればよいのです。

「ふーん、そうだね」「一緒に考えようか?」ただそれだけでよいのですから。

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