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うつ病が原因で異常な肩こりに襲われる!?肩こりの原因と解消法とは

人間は心身一体の存在です。心は体に影響を与え、体は心に影響を与えています。心の健康と体の健康が一体となった時、人間は初めて健康に機能するといえます。

体に起こる疾患の原因が、実は、心の病が原因だったということは珍しくありません。肩こりや頭痛、腹痛など、日常でよくある症状も、その原因が、実は心の中に潜んでいることもあります。心の病気が原因で起こる肩こりについて詳しく解説します。

”心身一如”あらゆる病気には心が関係している!肩こりも例外ではない?

「心と体は一体として機能している」ということは誰もが実感していることだと思います。気持ちが充実している時は体調も良好で、気持ちが衰弱している時は体にも何らかの不調が起こるものです。逆にまた体の調子も精神に影響を及ぼします。

曹洞宗を開いた道元禅師は、これを「心身一如」と説いています。心と体は決して切り離すことができず、常に一体として互いに影響を及ぼしあっているという意味です。

現代の医学は、診療科や専門分野が細分化されすぎて、人間を”全体として”診ることが難しくなっているようにも思えます。もちろん専門性の追求によって、医学が発展していることは紛れもない事実です。

大切なことは、専門性を深めていくとともに、心身一如という俯瞰的・全体的な見方を取り入れることで、病気や症状の根本的な原因にたどりつくことができ、対処療法では解決できない真の原因を見つけ、病気を根治させるということです。

肩こりは日本人の国民病!年間数千万人が悩む肩こり

厚生労働省の統計によると、日常で感じる体の不調は男性は腰痛に次いで肩こりが2番目、女性では最も多いのが肩こりとなっています。合計の人数でいえば、数千万人にのぼる人が慢性的な肩こりで悩んでいると推測されます。
(平成22年国民生活基礎調査の概況 結果の概要より)

それだけ多くの人が肩こりに悩んでいます。皆さんの中にも肩こりがひどくて困っている、悩んでいるという人は多いのではないでしょうか?

なぜ肩がこるのか?肩こりが起こるメカニズム

人間は二本足で立ち、直立して歩き、基本的には直立の姿勢で生活しています。そのため、肩から首にかけての筋肉は、常に重い頭を支え続けなければなりません。肩や首の筋肉は、常に重い頭を支えるため疲労した状態になりやすいのです。

筋肉が疲労すると乳酸などの疲労物質が筋肉の中に溜まり、神経を刺激したり血流を悪くしたりするので、その結果として……

  • 肩が張る
  • 肩が痛い
  • 肩が重い
  • 肩に不快感を感じる

というような、肩こりの典型的な症状が起こるのです。

つまり、肩がこる根本的な原因は「肩や肩周辺の筋肉が常に重い頭を支えているから」ということです。

皆さんも普段は肩こりの原因などほとんど考えないかもしれません。遠い祖先が二足歩行を始めたことで、人間の脳が発達し知恵という武器を得た代償として、肩こりという悩みが生まれてしまったといえるのかもしれません。

肩こりを悪化させる要因

肩こりが起こる最大の原因は、肩の筋肉で重い頭を支えていることと述べましたが、それ以外にも肩こりにつながる要因があります。

  • 立ち方や座り方など姿勢の悪さ
  • パソコンワークや事務作業などで同じ姿勢を長時間続けることが多い
  • 寒い環境にさらされることが多い(寒冷地に居住、職場の暖房不良など)
  • 寝る時の枕の高さや姿勢(寝具が合っていない)
  • 運動不足(肩周辺の血流が悪くなるため)
  • もともと猫背である

こうした要因が重なることで、肩こりがひどくなったり慢性化したりする原因になります。

姿勢を良くするなど、肩の筋肉に負担をかけないことが大切ですね。自分でできることから改善していきましょう!

なかなか治らない肩こりの原因は”うつ病”の可能性も?

肩こりの多くは、肩や肩の周辺の筋肉に”物理的な負担”がかかることが原因です。しかし、なかなか治らない慢性的な肩こりの原因が、思いもかけない病気にある場合もあります。その病気とは”うつ病”です。

肩こりとうつ病とは一見すると関係がないように思われるかもしれませんが、物理的にかかる筋肉への負担だけでなく、心の状態が筋肉に影響することは十分に考えられることです。これこそ、まさに心身一体の現われです。

心に大きなストレスがかかり、精神状態が不安定になると、交感神経の働きを高めるコルチゾールなどの物質が分泌されます。筋肉や血管が収縮し、血圧が上がり、神経が敏感に反応するようになります。

人間の体は、ストレスにさらされると交感神経が優位となり、緊張状態が起こります。一時的なストレスであれば問題ありませんが、強いストレスが長期間続く状態になると、筋肉の緊張が続き、緩まなくなるので慢性的な肩こりの症状が起こるのです。

つまり、ストレスという”心の状態”が肩の筋肉を緊張させるため肩こりの症状が起こるのです。”ストレス由来の肩こり”といってもいいでしょう。

特に、肩から首にかけた部分には、自律神経が密集して張り巡らされているため、筋肉の緊張が起こりやすいといえます。

うつ病は、強いストレスが長期的にかかった状態なので、肩や肩の周りの筋肉も緊張状態が長期間続き、慢性的でなかなか治らない肩こりの原因になるのです。

さらに、うつ病の人は気持ちが落ち込み、体に力が入らず、うつむきがちな姿勢になることが多いため、首や肩の筋肉が伸びた状態になることも、肩こり悪化する要因となります。

肩こりは、身体的・物理的な”体の状態”によってだけ起こるだけでなく、うつ病のようなメンタルな”心の状態”によっても起こるのです。

肩こりは物理的な原因で起こるという先入観が、本当の原因を見えなくしてしまっているかもしれないのですね……

こんな人は要注意!うつ病(ストレス)による肩こりが疑われる人

自分がうつ病だと自分で認識できる人はほとんどいません。慢性的な肩こりに悩んでいて、次の項目に該当する場合は、うつ病が原因で肩こりが起こっているかもしれません。セルフチェックしてみましょう。

  • 整体やマッサージなどの治療に1ヶ月以上通っているが肩こりが治らない
  • 鍼灸やカイロプラクティックなどあれこれと治療法を変えている
  • 最近、気分が落ち込むことがよくある
  • 何もする気が沸かない
  • 特に午前中に疲労感や倦怠感を感じる
  • 食べ物が美味しく感じなくなった
  • 消えてなくなりたいと思うことがある
  • 死んだら全てが楽になると考えることがある

こうした項目に当てはまることがあれば、うつ状態かうつ病を発症していることが原因で慢性的な肩のこりが起こっているのかもしれません。

肩こりの原因がストレスやうつ病にあるのかどうか、自己チェックしてみよう

肩こりの本当の原因がストレスやうつ病にあるのかどうか、次の方法でチェックしてみましょう。

  1. 布団やベッドの上に仰向けになりなるべく全身の力を抜き寝転がる(締め付ける下着などもはずす)
  2. 何も考えずリラックスして目を閉じる
  3. 今日常で気になっていること、気が重いこと、ストレスではないかと感じていることを、あえて思い浮かべる

この時に、次のようなに体が反応したら、その思い浮かべたことが大きなストレストなっているために肩がこっているかもしれません。(もちろんうつ病の原因であるかもしれません)

  • 肩や腕に力が入る
  • 目をギュッと閉じる
  • 体がソワソワとした感じになる
  • 呼吸が浅くなる
  • 胸や呼吸が苦しくなる
  • 急にイライラする

こういう症状が起こった場合、ストレスやうつ病によって体が緊張しているため、肩こりの症状が現れてると考えられます。

肩こりだけでない!心の不調がもたらす体の症状

ストレスやうつ病が引き起こすのは肩こりだけではありません。次にあげる症状は、どれも肩こりと同じく、根本的に心の病気が関係していることが原因の場合があります。もちろん、肩こりと同時に症状が起こる場合もあります。

  • 肩こり
  • 頭痛
  • 手足のしびれ
  • 耳鳴り(メニエール病)
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 過敏性大腸症候群
  • 気管支喘息
  • バセドウ病
  • 月経困難症

こうした病気には、ストレスや心の負担が背景にある場合が多いので、対症療法的な治療では、なかなか症状が取れない場合が多いのです。また、慢性化しやすく、治療を試みても治らないことが、さらに不安やストレスになる悪循環を起こしやすいといえます。

ちょっと一息!【コラム】肩が凝るのは日本人だけ!?

世界の中で、肩がこるのは日本人だけといわれます。英語では肩こりのことを”stiff neck”といい、一応英単語としてはあるのですが、この症状を訴える欧米人はほどんどいないといわれています。

それは外国には”肩こり”という概念自体がないからのようです。肩こりというものを症状としてとらえないのであれば、病気そのものが存在しないことになるのでしょう。

日本人の国民病ともいわれる肩こりも、国や文化が違えば扱い方も異なるようです。

うつ病による肩こりが疑われる場合、自分でできる対処のしかた

肩こりの根本的な原因がうつ病などメンタルなことの場合、整体やマッサージなど体の表面的な部分への対処だけでは、治らないことが多いといえます。根本的にはストレスやうつ病を改善しなければいけません。そこで次の項目の対処法を行ってみて下さい。

1.いちばん大切なことは休養すること

なかなか治らない肩こりによって、うつ病が発見できたのなら、考えようによってはとてもラッキーなことかもしれません。

うつ病が”心の風邪”といわれたのはちょっと古い考えかたで、軽度のうつ病でも治療にはかなりの期間を必要とします。2、3日寝ているだけで治るような病気ではありません。

心に強いストレスを感じているなど、うつ病が疑われる場合、いちばん大切なことは休養することです。誰でも仕事や家事などいろいろな役割に追われ、簡単には休めない状況なのは理解できますが、体の健康を害してまでする仕事などありません。

”少なくとも1週間は休みを取る”ことで、ストレスやうつ状態が緩和できるかもしれません。ひどい肩こりは、体から発せられる緊急警報だと考えましょう。

2.心療内科(又は精神科)を受診する

うつ病は自分で治せるような病気ではありません。うつ病による肩こりも簡単には治りません。うつ病はそもそも病気に気づくことすら難しい病気です。うつ病が疑われる場合は、心療内科や精神科、総合診療科など専門医を受診しなければいけません。

また、日常生活で休みを取るには、ある程度客観的な理由も必要でしょう。医師の診断を受けることでうつ病の疑いが強くなれば、休職・休学するための診断書の発行をお願いすることもできます。

なお、治療についてはケースバイケースですが、うつ状態が軽度であれば、医師から処方される抗不安薬などを服用することによって、肩こりなど体の不調が改善する場合もあります。

3.一人で悩んでいても始まらない!誰かに相談しよう

肩こりの原因がうつ病の疑いがあれば、ストレスや心の悩みなどの根本的な原因があるはずです。

とりあえず、身近にいる家族や友人、職場の同僚などに相談してみることをお奨めします。気心の知れた人であれば、的を得た解決策を与えてくれるかもしれません。

要するに、一人で鬱々と考え込んでいるだけでは何も解決しないということです。インターネットを使えば、誰とでも会話をすることができる世の中です。匿名でもかまいません。SNSなども上手く活用してみましょう。

4.ソーシャルサポートを利用しよう

どうしても休みが取れない場合や相談する相手が見つからない場合は、ソーシャルサポートを利用してみましょう。

ソーシャルサポートとは、電話など専門の資格を持ったカウンセラーに、悩みごとを相談してアドバイスを受けたり、病気の状態や治療の方向性などなんでも相談しできる公共のサービスです。

自分だけで悩みごとを抱えていても、解決できなことが多いので、話を聞いてもらえるだけでも心が軽くなることでしょう。

NPO法人などが無料で相談を受けるソーシャルサポートのサービスもありますから、気軽に利用してみましょう。相談するカウンセラーとの相性も大きいので、いろいろリクエストしながら、相談するのも良い方法です。

(参照…東京メンタルヘルススクエア こころのホットライン)

5.誰にも話せないことなら お坊さんを利用しよう

誰にも話せないような悩みごとを抱えているなら、いっそお坊さんに相談してみてはどうでしょう。インターネットで調べると、お坊さんに相談できる窓口がいくつか見つけられると思います。その1つに「hasunohana お坊さんだから伝えれること」という相談サービスがあります。

相手はお坊さんですから、人に言えないようなどんな悩みや相談でも受け止めてくれるでしょう。

(参照…hasunohana お坊さんだから伝えられること)

”病気”は”気”が”病む”と書きますね。気とは”心のありかた”です。心のあり方を改善するのは、医者ではなく、むしろ家族や友人、良き相談相手であることも多いのです。

6.生活リズムを整えよう

ストレスや心に抱える悩み事を解決するとともに、生活リズムを整えることも大切です。気が滅入り、鬱々とした気持ちの時は、生活リズムが乱れがちになります。

うつ状態の時は、特に朝や午前中に体調が悪くなりやすいので、できるだけ早寝早起きのリズムを乱さないようにすることが重要です。

  • 朝起きたら太陽の光(日光)を浴びる
  • できるだけ散歩や運動をする
  • 食事は三食摂る

動作はゆっくりでも良いので、一つ一つのことを丁寧に行うように心掛けましょう。

7.スマホの使いかたに気をつける

”スマホうつ”という言葉が一般化しつつあります。電車やバスの中で周りを見渡すとほとんどといっていいくらいの人が、スマホやタブレット端末の画面を見ていることに気づきます。

頭を下げ、うつむきの姿勢でスマホを操作していると、首から肩にかけた筋肉が伸び、血行が悪くなり肩こりが起こりやすくなります。スマホの使い方が肩こりにも影響している場合も多いのです。

また、夜中までスマホを使う習慣があると、スマホから生じる強いブルーライトの光で脳が覚醒されるため、睡眠障害が起こることもあります。

うつ病による肩こりなど身体の不調の場合には、スマホの使いかたにも気をつけましょう。

8.自分なりのリラックス法を見つけよう

うつ病やストレス由来の肩こりの症状は、突き詰めれば、精神の緊張によって起こっています。リラックスとは、精神の緊張状態をほぐし、”心をスッキリ・軽やかに”することです。

一般的に、ストレスを抱えやすい人の特徴は……

  • 人一倍責任感が強い
  • 真面目で几帳面
  • 完ぺき主義
  • 内向的
  • 神経質

……というような性格の人がストレスを抱えやすく、うつ病のようなメンタルな病気を発症しやすいと考えられています。

こうした性格の人は、リラックスすることが少し苦手の人が多いようです。何をすればリラックスできるか、心がスッキリするかは人それぞれですが、一般的には次のような方法でストレスの解消に効果があるようです。

  • 温泉につかる
  • 半身浴
  • 森林浴
  • 小旅行に出掛ける
  • 好きな音楽を聴く
  • カラオケで歌う
  • アロマテラピー
  • ペットや動物と触れ合う
  • 花や植物を育てる
  • 趣味を作る(趣味に没頭する)
  • 散歩や軽い運動

など、自分に合うリラックス法を見つけていきましょう。頭の中がストレスや悩みごとで一杯になる前に、こまめにストレスを取り除くことがストレス解消のコツです。

ストレスという概念を最初に作ったハンス・セリエによれば、ストレスとは人生における”スパイス”のようなものだと言っています。

”スパイスがなければ味気なく、スパイスが多すぎれば料理も台無しになる”と。スパイスは上手に使いたいものですね。

キャラクター紹介
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