健康生活TOP うつ病 季節性のうつ病は春が断然多い!うつを発症させない7つの心構えとは

季節性のうつ病は春が断然多い!うつを発症させない7つの心構えとは

日本では一部の地域を除いて「春、夏、秋、冬」と季節が明確で、「桜咲く春」「暑い夏」「紅葉の秋」「雪ふる冬」と様々な顔を見せてくれます。

このように日本人にとって自慢のできる四季ですが、実はこの四季に関してある病気が問題になることがあります。それが季節によって発症する精神疾患とも言える「季節性感情障害」です。

この病気を発症した二宮さん(女性:当時23歳)の体験をもとに、この病気を考えてみましょう。

爽やかな春に現れた少しの変化

季節性感情障害は「季節性のうつ病」とも呼ばれる精神疾患であり、季節の変化による影響が大きいと考えられています。しかしそれは季節の移り変わりによる「自然環境の変化」だけが原因ではないようです。

二宮さんのケースでは、季節の区切りに多く見られる人為的な変化がきっかけでした。

志望した就職ができなかった二宮さん

数年前、二宮さんは大学を卒業して、ある会社へ入社が決まっていました。しかしその会社は二宮さんの本来志望した会社ではなく、3回目の入社試験で決まった会社でした。

本人的には東京の都市銀行への就職を希望していたのですが、当時はバブル崩壊の影響が残る時期で、なかなか志望通りとはいかなかったみたいです。

それでも地方の地銀へ就職を決めた二宮さんは、「気持ちの落ち込み」は感じたものの「十分満足」と考えて、自分を奮い立たせていたのです。

しかし、この自分の第一志望が通らなかったことも、後々待ち受けている病気の原因になるとは思いもしなかったでしょう。

入社しても何だか心がウキウキしないのはなぜ?

無事に大学も卒業した二宮さんは、地銀へと就職しました。しかしこの地銀のある都市は、二宮さんには初めての土地であり、不安一杯の生活の始まりです。

また会社のオリエンテーションで合った同期とも、なかなか打ち解けることもできずに悩んでしまいました。

彼女は人間関係が得意な性格ではなく、どちらかと言うと「人見知り」の性格です。また積極的に発言することなども苦手で、彼女にとって会社の研修は苦痛の種だったようです。

新入社員が受ける初期研修も終了し、実店舗への配属が決まると彼女は心が「ホッと」したそうです。「もうこれで落ち着いた生活に戻れる」と思ったことがその理由でした。

しかし、何だか心がウキウキしてきません。本来なら社会人としての始まりなのに…「何でウキウキしないのだろう…?」

会社に行きたくない…それが始まりだった

店舗に配属された二宮さんは、仕事を覚えようと必死に働きました。幸い上司は優しく接してくれて、少しの失敗でも怒られることはありません。

「これならやれる」と思ったある日、事件は起こったのです。

「二宮さん!今まで言わなかったけど、そろそろ入社2ヶ月なので…(怒)」と先輩の女性社員から注意を受けてしまいました。特に接点のない先輩社員だったのですが、自分のミスで迷惑をかけてしまったようです。

「スミマセンでした」二宮さんは謝ることしかできずに、その日は落ち込んで帰ったのです。その夜、二宮さんは自分のミスで他人から怒られる初めて体験で落ち込んでしまいました。

つい一週間前には「やれる」と思えた自信が、もろく崩れてしまった瞬間でした。

翌日、いつものように会社へ出勤して仕事を開始しますが、「またミスをして先輩を怒らせたらどうしよう…」となかなか進みません。周りの同僚からも「どうかしたの?体調悪いの?」と、心配されますがそれが更に心を押し付けます。

それでもなるべく笑顔で「大丈夫ですよぉ」と答えて、頑張って仕事をこなしていたのです。

そしてそのようなことがあったある日の朝、彼女に異変が起こったのです。「会社に行きたくないなぁ」…ついに症状が現れた瞬間を迎えました。

会社を休むと気持ちが楽になった

朝起きた二宮さんは会社に行きたくないとの感情を感じました。しかし、会社や学校に行きたくないのは誰もが思う感情であり、多くは病的なものではありません。

私もサラリーマン時代には「まだ寝たい」「遊びに行きたい」「雨が降っているから面倒くさい」などの理由で、会社をサボったことがあります。皆さんも経験ありますよね?

しかし、二宮さんの感情はこれとは違ったようです。ただ「会社に行きたくない」だけの感情が湧いてしまい、身体を動かすことができなくなったのです。

そしてその日は会社を休んでしまいました。会社を休むとの連絡をした後、彼女の気持ちは楽になったそうです。

自分では「会社に行かなきゃ」と解っているのですが、身体が言うことを聞いてくれません。次の日も次の日もと結局4日間も会社を休む結果になったのです。

会社に復帰した二宮さんですが、明らかに以前とは顔つきが変わっており、動作も遅く覇気が感じられません。そしてまた会社を休むようになってしまいました。

上司も心配して病院を勧められましたが、行く気にもならずに自宅に篭ってテレビを見ていたそうです。

これは病気ではないのか?病院で検査を受けることに

このような状況の中で二宮さんの変化を最初に感じ取ったのが、やはり家族でした。会社から連絡をもらった母親が娘の家を尋ねてみると、部屋は散らかりベッドにうずくまっている娘がいるではありませんか。

びっくりした母親は娘を実家へ連れ帰り、知り合いの医師に相談することにしたのです。医師からは「心療内科」で診察を受けるようにアドバイスをもらい、総合病院の紹介状を書いてもらいました。

心療内科で医師が下した診断は「うつ病」です。彼女は自分で気が付かない間にうつ病が発症していたのでした。

二宮さんは気付かないストレスにさらされていた

医師の説明ではこのうつ病は「季節性感情障害(SAD)」の一種で、特に近年では春から初夏にかけて多くの患者が見られるとの話しでした。

またこの病気が発症する原因として考えられるのが、環境変化による「ストレス」だと言うことでした。二宮さんは医師との話の中で、自分の心にあったストレスを思い返してみました。

【二宮さんの心にあったストレス】

  • 大学で仲のよかった親友との別れ
  • 第一志望の会社に入れなかった劣等感
  • 知らない人とのコミュニケーション
  • 初めての土地での生活
  • 仕事の不安
  • 仕事のミスをしたことによる恐怖
  • 先輩の注意が怖い
  • 仕事が苦痛
  • その他

少し話をしただけでこれだけのストレス要因が見つかりました。これらの多くは誰もが新しい環境下において、普通に感じるストレスではないでしょうか?

しかし二宮さんのケースでは、それらが重なっただけでなく、彼女のストレス耐性が弱かったのもうつ病へと進行した原因かもしれません。

母親は会社を休職させて実家へ戻すことに決めました。環境を変えることが娘にとって一番重要だと思ったからです。しかし、この病気は単なる精神的な病気ではなく、医師からは投薬による治療を行うことを提案されたのです。

脳内物資であるセロトニンに原因があった

昔はうつ病のことを「サボり病」とか「根性なし」とかの精神論で片付けることもありましたが、現在では脳内伝達物質の異常が原因との認識が広まっています。

脳には「幸福の物質」と呼ばれる脳内物質があり、それが分泌されることで「心の安定」「満足感」を得られると考えられています。

この脳内物質こそが「セロトニン」であり、反対に不足すると「不安感」「気分の抑うつ」などうつ病の症状が現れるのです。つまりうつ病の多くが精神的な問題ではなく、脳の機能障害が原因で発症していることになります。

二宮さんのケースでも原因はセロトニンの分泌が少ないことで、うつ病が発症したと思われることから、医師は投薬による治療を勧めたのです。

「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」は、分泌されたセロトニンの再吸収を阻害して、結果として脳内のセロトニンを増幅させる薬です。近年うつ病治療に多く使用されている薬で、二宮さんのケースでも有効性が高いと判断されました。

またお母さんの考えている通り、彼女の周りからストレス要因を遠ざけることも併用して行うことを勧められたのです。

このように二宮さんは投薬治療とストレス要因を排除する治療を受けることになりました。そして現在では地銀を辞めて、実家から元気に仕事に通っているそうです。

彼女は新しい門出におけるストレスで、「季節性のうつ病」を発症してしまった典型例とも言えます。このような人は日本全国を見ると大勢いるのではないかと思います。

少しでもこのような季節性のうつ病を少なくするには、どうすればよいのでしょうか?少し考えてみましょう。

少しのストレスが蓄積されることで大きな心の負担が生まれます。あとはきっかけさえあれば発症してしまうのです。

若い世代で春に多い季節性感情障害(季節性うつ)

前述した通り日本は季節が豊かな国で、その移り変わりを「節目」と呼ぶくらいに環境にも変化が見られます。そしてそれが気付かない間にストレスとなっているようです。

本来冬に多かった季節性感情障害

季節性感情障害は「季節性情動障害」とも言われている病気で、冬に多く見られることから「冬季うつ」とも呼ばれていました。

楽しかった夏が過ぎ、少し寂しくロマンチックな秋になり、寒い冬が訪れます。こうなると心も何だか落ち込んでしまいますよね。

特に寒さに弱くウインタースポーツなど興味のない人では、「早く春が来ないかな…」なんてつい考えてしまいます。また寒さが苦手で休みの日も1日中、家に閉じこもっている人も多いと思います。

そのような環境が精神的なストレスとなり、うつ病が発症してしまうのが「冬季うつ」の正体です。

また冬場は日の入り早く、太陽光を浴びることが少なくなるのも冬季うつの原因です。太陽光はセロトニン分泌に大きな影響を与える物質で、光が少ない環境ではうつ病になりやすいと考えられています。

私のようにスキーができる冬が楽しみで、太陽を一杯浴びて滑っている人間はこの心配は無縁のようですね。

冬季うつが春に増加している理由とは?

本来であれば冬のシーズンに多いはずの季節性感情障害が、春に増加が見られるようになっています。その理由は一体何なのでしょうか?

皆さんも聞いたことがあると思いますが「5月病」と呼ばれるものがあります。日本では学校の入学や会社の新卒入社などは4月であり、それに伴い生活の区切りが4月となることが何かと多くなっていますよね。

「転勤」「引っ越し」「転職」など様々なもので、新たな変化を見ることができます。そうなると新しい環境に移行することになり、それがストレスを生む原因になります。

また4月下旬から始まる「ゴールデンウィーク(GW)」にも理由が隠されています。

例えば4月に新卒で入社した人が、GWで実家へ帰りそれがきっかけでうつ病になることがあるそうです。親元に帰って安心して会社に戻りたくない心の変化が原因なのかもしれませんね。

考えてみると日本では春が一番生活環境の変わる季節であり、精神ストレスが最も増える時期でもあります。きっとこれが春の季節性感情障害を増加させていた理由だと思うのです。

梅雨も季節性感情障害の原因になる

「霧のロンドン」との言葉があります。これはロンドンが一年中霧の発生が多く、どちらかと言うと「ジメジメして暗い(お日様が少ない)都市」とのイメージを比喩しています。

そして「切り裂きジャック」です。女性をターゲットにした連続殺人事件の犯人で、昔のロンドンで有名な人物の一人でしょう。

「霧のロンドン」と「切り裂きジャック」、何の関係があるのか解りますか?実はロンドンのような霧で薄暗い環境に住んでいると、心が病んでしまい異常殺人者(サイコパス)を生みやすいとの説があるのです。(ごく一部の人ですよ!)

つまり「切り裂きジャック」を生んだのはロンドンの生活環境であり、彼は太陽光の少ない環境から精神疾患を病んでしまったのではないか?と推測する研究者もいるのです。

大昔の話しなので事実かどうかは解りませんが、このような話を私は体験したことがあります。

数年前まで私は北国の海沿いにある、漁師町に近い別荘地に住んでいました。そこのエリアは霧が多く一年中ジメジメした環境で、お世辞にもよい環境とは思えませんでした。

ここである話を聞きました。別荘地ではなく漁師町ではどうも自殺者が多いと言うのです。近くで開業している医師は私に「太陽が少ないからうつ病や自殺者が多いのだよ」と、吐き捨てるように話したことを覚えています。

このような話のどこまでに真実が含まれているのかは不明ですが、太陽光が少ないことで精神に何らかの異変を与えることは事実みたいです。太陽光が「自殺願望」と関係していたなんて…本当に驚きですよね。

その意味では春の終わりに迎える梅雨も同じで、これも太陽光を遮り季節性感情障害を引き起こす原因になっている可能性があったのです。

住んでいる地域の気候と精神疾患の関係は以前から指摘されていました。しかしそれだけが理由とは到底考えられません。

季節性感情障害を発症させないためにできること

季節性感情障害は本人が気付かない間に進行してしまう病気です。特に人間は落ち込むことで成長する側面を持っており、落ち込んだり悩んだりすることが全て悪いとは思えませんよね。

そこで季節性感情障害(季節性うつ)を発症させないために、注意したい心構えを紹介します。

【心構え.その1】光輝く生活をしましょう

「光り輝く未来を貴方に!」なんて素晴らしい言葉なのでしょうか?ぜひ私にも言ってもらいたいのですが、そうではなく物理的に光り輝く生活を行うようにしましょう。

つまり冬場に家に篭って太陽光を浴びていなかった人は、積極的に外に出て光を浴びてもらいたいのです。

特に方法はありません。ウォーキングでもよいし、ショッピングでも大丈夫です。またピーカン天気でなくても全然OKなので、どんどん太陽の下で光を浴びるようにしましょう。

また部屋も光が大切です。暗い部屋では心も暗くなってしまい、それがストレスにつながることもあります。そこで部屋の明かりも少し強くしてみるのもよいでしょう。

【部屋の光を明るくする際の優位ポイント】

部屋に一日中いることがありますが、その場合には部屋の明かりを強くすることで季節性感情障害の予防になります。

しかし、一日中明るくしていると自律神経が休まらずに、体調を崩してしまう危険性が出てきます。そこで昼間は明るく、夕方を過ぎると少し暗くするのが賢いポイントです。

例えば昼間は天井の照明で部屋を明るく照らし、夜になるとスタンドライトなどの間接照明で優しい光に切り替えます。こうすることで光を十分浴びることもできますし、夜間は神経を休めることが可能です。

人間には「体内時計」があり、それを調整しているのが光だと考えられています。太陽のリズムに合わせて照明を調整するのがポイントですね。

【心構え.その2】春の引っ越しには注意

春になると何かと引っ越しが多くなり、引越し業者を予約するのも一苦労となります。私の友人の中には春になって暖かくなることを契機に、引っ越しを行う人がいますが、彼はもう引っ越しマニアと言ってよいかと思われるくらいです。

しかし、新しい環境に対して期待はあると思いますが、それ以上に「不安」を感じてしまうこともあります。

「新しい住居」「人間関係」「買い物環境」…様々な問題が起きてくるでしょう。また大きな移動を伴う転居では、気候などの変化も負担になります。

引っ越しを行う場合には、転居先を十分に調べて慎重に行動することが大切です。衝動的な引っ越しは季節性感情障害の原因になると覚えておきましょう。

【心構え.その3】新しい人間関係には旧友で対処を

「入社」「転職」「入学」「進級」などは人間関係に変化を与える要因になります。特に入社や転職は今までの人間関係から、完全に新しい関係を作り直さなくてはならない一大イベントになるのです。

しかしこれが上手くできないと季節性感情障害の原因になってしまいます。

それを防ぐには昔の人間関係を精算しないこともよい方法ではないでしょうか?新しい環境に移る前に、以前の人間関係を解消しようと思うことがありますが、それでは新しい環境で問題があった時に逃げ場がなくなります。

昔の人間関係を維持した状態で、新しい環境に飛び込むことで、相談に乗ってもらったり愚痴を聞いてもらったりしてもらえます。これはストレスを解消するには最も重要なことの一つです。

新しい人間関係はストレスが一杯と考えて、昔の友人とだらだらストレス解消を行って下さいね。

【心構え.その4】行事はほどほどに

春になると暖かくなるせいもあって、虫だけではなく人間もゾロゾロと活発に行動を始めますよね。「花見」「送別会」「歓迎会」「同窓会」「運動会」「卒業式」「入学式」…数え切れないくらいの行事が春には行われます。

でもね…これに全部参加していたら身体がいくつあっても足りなくなってしまうでしょう。

親しい友人同士の食事会でもストレスは生まれるのです。よい人に見られようと思って、全ての行事に無理に参加していると、少しずつ人間恐怖症になって季節性感情障害を発症してしまうかもしれません。

行事はほどほどにするのがポイントですね。

【心構え.その5】身体を冷やさないことが大切

春は暖かい季節と思いがちですが、朝晩は冷えることが多く、それが体調不良の原因になることもあります。

特に朝は寒く、昼は暖かく、夜はまた寒くなる…このような気候は春独特の気候で、この寒暖差によって自律神経に乱れが生じる可能性があるのですね。

自律神経の機能が乱れることは、セロトニンの分泌異常をもたらす原因にもなることから、先走った薄着はしないで暖かい服装で行動するようにしましょう。

「春は寒暖差に注意」この言葉を覚えておきましょう。

【心構え.その6】運動は大切だがやり過ぎは禁物

暖かくなる春はこころもウキウキして、つい身体を動かしたくなる季節です。しかし、冬の間身体を使っていなかった人にとって、急激な運動は身体を疲れさせて疲労を蓄積してしまう原因になります。

休日に過度な運動をすると、そのままその週は仕事をこなさなくてならず、疲労状態を解消することができなくなります。

春になって久しぶりに運動を行う際には、少しずつ負荷を上げるように心掛けて、疲労を蓄積させないことに注意しましょう。

運動は適切に行うことで、季節性感情障害予防として高い効果が期待できます。無理しない範囲で実施して下さいね。

【心構え.その7】予定を正確に把握する

春になると仕事以外にも様々な用事が出てきますが、これをうろ覚えの状態で管理していたら思わぬ問題になることがあります。

またダブルブッキングなど気が滅入る状態も生じることがありますので、予定は正確に把握することが気分を落ち込ませないポイントになります。

自分がやらなくてはならない予定は、カレンダーやスケジュール表に記載して、正確に把握するようにして下さい。

また自分が行うべき項目に、「優先順位」を付けることも効果的です。優先順位の高い項目から実行することで、後から「どうしよう」などと思うことはなくなります。

さらに実行できなかった項目があっても、優先順位が低いものであれば心の負担も少なくて済みます。

「あっ忘れてたぁ!」とならないようにするのが、心を守る秘訣なのです。

心構えをすることで、精神的なストレスの多くを軽減させることが可能です。ぜひ試して見て下さいね。

季節性感情障害の治療を考える

実は季節性感情障害(うつ病)が発症する詳しいメカニズムは解明されておりません。現状ではうつ病患者と健常者の違いを比較して、それを改善させる治療を行っており、セロトニン対策もその一つになります。

ストレスがセロトニンを減少させる構造

現代社会ではどこにでも潜んでいるストレスですが、これが脳に与える影響は完全に解明されていません。しかし強いストレスを浴びると副腎皮質で、ストレスホルモンが分泌され同時に脳幹のセロトニン神経を刺激します。

セロトニン神経がストレスにより刺激されることで、セロトニンの分泌が抑制され「不安」「パニック」「気分の落ち込み」などのうつ病症状を引き起こしてしまうと考えられています。

「パニック症候群」と呼ばれる病気がありますが、これもセロトニンの分泌が少ないことで発症することが多い病気で、小さな出来事(ストレス)で大きな不安(パニック)を引き起こしてしまう病気になります。

慢性的にストレス状態が続くと、セロトニン神経が弱ってしまいセロトニンの分泌が正常にできなくなってしまうのです。こうなると脳機能全体が機能低下を起こしてしまい、「セロトニン欠乏脳」となるのです。

セロトニン欠乏脳が発症すると単にストレスを解消しただけでは改善しないことが多く、うつ病の症状が慢性化してしまいます。

つまりこのような状況に陥ると、ストレス対策だけではなくセロトニン対策があって初めて症状に変化が見られるのです。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の働き

先程も紹介した通りセロトニンは「幸福のホルモン」であり、分泌されることで「充実感」「満足感」などの感情が芽生えることになります。

セロトニン欠乏脳はセロトニンの分泌が必要量できない状態なので、それを補う治療が必要になるのです。

そこで近年使用されているのが「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」です。SSRIはセロトニンの再吸収を詐害することで、脳内のセロトニンの量を増加させる働きがあります。

人間の脳はセロトニンを分泌した後、「セロトニン受容体」に取り込まれて作用しますが、残ったセロトニンは再吸収され分解されてしまいます。

そこでSSRIはこの再吸収を妨害することで、セロトニンの量を増加させる薬になります。分泌量が少ないのですから、再吸収させないで量を増やそうと言う訳ですね。

現在この薬は以下に紹介する病気に対して使用されています。

  • うつ病
  • パニック症候群
  • 不安障害
  • 双極性障害
  • 強迫性障害
  • その他

これらの病気は脳内のセロトニンの量が不足することで、発症する可能性が指摘されており、SSRIが処方されることがあります。(全てのケースではありません。)

現在使用されている主なSSRIは以下の4薬品となります。

  1. フルボキサミン
  2. セルトラリン
  3. パロキセチン
  4. エスシタロプラム

うつ病セロトニン犯人説の全容は未だ解明されておらず

最近ではうつ病の原因としてセロトニン犯人説が、有力だとの話を耳にしますが、実はその全容は未だに解明されていません。

つまり科学的に全てのメカニズムが解ったのではなく、あくまで「セロトニンを補充することでうつ病が緩和された」と言う事実が解っている状況なのだと考えた方がよいでしょう。

したがって全てのうつ病や季節性感情障害がSSRIで改善するのではなく、「ストレスの排除」「精神的治療(カウンセリングなど)」を行った上で、補助的にSSRIを使用することの方が治療として多いようです。

その意味ではSSRIをうつ病の予防薬として使用することはできません。薬に頼る前にストレスを取り除くなどの手段を考える方が大切なのかもしれませんね。

全ての治療を投薬で行うことには無理がありそうです。環境を変えてストレスを排除することから始めてみましょう。

季節性のうつ病予防は春のストレス軽減から

冬に多いとされていた季節性感情障害は、少しずつシフトして春にも多く見られるようになっています。

やっと寒い冬が終わって暖かくなったところで、うつ症状が発症していてはもったいないと思いませんか?そうならないように春は、明るく毎日を過ごすように心掛けましょう。

二宮さんは様々なストレスによって、少しずつ自分を見失い、心が圧迫されてしまったようです。何があっても「そんなの関係ねぇ~」くらいで生きていくのが上手な生き方かもしれませんね。

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