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なぜギャンブルに溺れるのか?ギャンブル依存症を克服する方法

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ギャンブルによる借金や、ギャンブルをする金欲しさから起こる事件や犯罪が後を絶ちません。

ひとたびギャンブル依存症になってしまうと、本人だけでなく家族や周りの人の人生をも狂わせてしまう恐ろしさがあります。

もしかしたら自分は…ともやもやしている方も、家族がギャンブル依存症かも?と不安な方も、ギャンブルとそれにのめりこんでしまう、依存してしまうことについて考えてみましょう。

世界から見た日本のギャンブル依存症の患者数

日本には推計で536万人のギャンブル依存症の人がいるとされています。これは人口のおよそ5%にあたり、世界でもギャンブル依存が高い国だといえます。

ちなみにラスベガスなどギャンブルのイメージが強いアメリカでも人口比で1%程度ですから、5%という数字は世界でも突出しているのが現状なのです。

パチンコの場合は200万人くらいが依存状態だと推計されています。これは10人に1人くらいは依存症という状態ですが、残りの9割は娯楽として適度に楽しんでいることになります。

ではなぜ、依存症になる人とならない人がいるのでしょうか?

娯楽と依存の境目は?依存症の症状や行動

ギャンブルは娯楽であって、度が過ぎなければストレス解消やささやかな楽しみとして人の心を豊かにしてくれるものかもしれません。

では度が過ぎる状態とはどういう状態でしょうか?それは次のようにまとめられます。

  • 日常的にギャンブルのことが頭から離れない。
  • 自由に使えるお金があると、真っ先にギャンブルに使う。
  • 賭ける金額がだんだん多くなっている。
  • ギャンブルを止めようとしたことがあるがダメだった。
  • ギャンブルをしないと不安になったり落ち着かない。
  • 何かの不安や恐怖から逃れるためにギャンブルをしている。
  • 一文無しなるまでギャンブルをやる。
  • 家族に嘘をついてまでギャンブルに行く。

このような状態に1つでも心あたりがある人は依存注意、3つ以上であればすでにギャンブル依存症の可能性が高いといえます。

依存者のほとんどは借金をする

ギャンブル依存になると何が悪いのかというと、ギャンブルに依存する人のほとんどが何らかの形で借金をするということにも大きな問題があります。家族に内緒で金を借りたり、会社の金を使い込んだりということも含まれます。

つまりギャンブルに依存してしまうと、常にお金の問題が生じ多額の借金につながることが多いので、人間関係が粗雑になったり正常な社会生活が破綻するきっかけになってしまうのです。

どんな人が、なぜ?ギャンブル依存症になりやすい人の特徴ときっかけ

ではどのような人がギャンブルにはまるのでしょうか?テレビドラマなどで描かれるイメージでは、酒を飲んだくれて浮浪者のようになった人や、仕事もなく毎日ふらふらしているような人がイメージされるかもしれません。

しかしギャンブルにはまるのは実はそれほど特別な人ではありません。ごく普通のサラリーマンや主婦、お年寄りや大学生など、どこにでもいそうな、ごくありふれた人がギャンブル依存症の状態になっています。

大事なことはギャンブル依存症は特別な人がなるのではなく、あくまで普通に社会生活を送っているようにみえる普通のありふれた人にも起こるもので、一見しただけでは見分けがつなかいということです。

ギャンブル依存症の状態に陥る人は、決まったように次の2つの段階を経る傾向があります。

ギャンブル依存症への段階1.最初は些細なきっかけ

ギャンブルにはまる人のほとんどは、最初はほんのちょっとしたきっかけでギャンブルを始めています。例えば、ほんの一時の気晴らしや、時間つぶしや暇つぶしという些細なことです。

ところが、それが偶然にも大当たりになったり、その逆にアッという間に負けてお金をスッたためについカッとなって感情的になります。勝った人は大喜び、負けた人は悔しい思いをするはずです。

この何かしらのギャンブルへの感情が沸き起こることが第一段階になります。つまり、それまではギャンブルなどとは全く無縁で興味もなかったような人が、ほんのちょっとしたきっかけで、ギャンブルというものに遭遇し多少なりとも関心が沸くのです。

無関心であったものに関心を持つというのがギャンブル依存に陥る第一段階なのです。

ギャンブル依存症への段階2.ギャンブルへの欲望が沸く

最初は気まぐれのような、些細な気持ちでギャンブルを知り、勝ったり負けたりすることで、今まで全く無関心だったギャンブルに対する興味や関心が沸くと、次に新たな感情が自然に沸いてきます。

それは、ギャンブルに勝って、またお金を儲けたい、逆に負ければお金を取り返したい、という新たな欲望が沸き起こるのです。この欲望は誰にでも起こるもので、当たり前ともいえる感情です。

こういう感情が沸いてくると、ほとんどの人は再びギャンブルに吸い寄せられるかのようにとりつかれます。そして、その次の体験で起こることはギャンブルに勝つか負けるかの2つに1つです。

もし勝てばさらなる欲望が沸き、もし負ければ悔しさがこみ上げる、という永久に続くであろう悪循環が始まるのです。

なぜ依存してしまう?ギャンブル中の脳の働き

人がギャンブルをするとき脳はどのように働いているのでしょうか?人の脳は何らかの報酬を得た時にはドーパミンやノルアドレナリンといった快感を感じる物質が分泌されます。これはギャンブルに勝ったときでも同じです。

ところがギャンブルに負けた時には、こうした快楽物質は分泌されません。しかし人はギャンブルに負けたとしても、またギャンブルをしたくなります。何か変ではないでしょうか?

負けた時の脳に起こる矛盾

ギャンブルに勝った時は脳の報酬系が刺激されるので快感を感じて、さらなる快感を求めるのは理解できます。それならば負けた時には快感はないのだから、ギャンブル依存のスパイラルには結びつかないということになるはずです。

しかし実際にはそうはなりません。実は、負けたときの脳の働きにも依存症へつながる要素があるのです。これを理論的に説明したのが、2002年にノーベル賞を受賞した行動経済学者のダニエル・カーネマンです。

カーネマン博士の考えは、とても簡単にいうと、人の脳は報酬を得たときに快感を感じるが、損をしたときには、それよりももっと強く損を取り戻したいという欲望が生まれるというものです。

脳は負けたことによって生じた不快な感情を持ち続けることができない仕組みになっているのです。

人間は誰でも常に不快な状況を感じていたくないという本能があるのですね。

快の追求と不快の追放、この2つこそがギャンブル依存症につながる人間が持つ本能的な欲求なのです。

ギャンブルにおける男女の違い

ギャンブルに依存する人に性別は関係ありません。ですが男性と女性ではギャンブルをするときの傾向が少し異なります。

一般的に

  • 男性はブラックジャックやポーカーなど戦略的な思考が必要なギャンブル
  • 女性はスロットマシンのような偶然性が高いギャンブル

を好むといわれています。

例えば競馬とパチンコを比べてみると、競馬は過去のデータやレースの傾向などを調べて比較的論理的に思考するので、男性のファンが多いとされています。一方パチンコは偶然性が高いので女性にも好まれるギャンブルといえます。

こうした傾向も脳の働きから考えると、男性は論理的な思考をする左脳が優位になっていて、女性は直感的な思考をする右脳が優位に働いていることが分かります。

このような男女の脳の仕組みの違いを依存症の克服に応用する研究も進められています。

なぜ人はギャンブルをするのか?お金ではない刺激と達成感

当然のことながらギャンブルはお金を賭けて楽しむものです。ギャンブルに勝てばお金が増え、負ければお金を失うことになります。お金が儲かれば嬉しくなり、お金を失えば悔しくなるというのがギャンブルというものでしょう。

しかし実はギャンブル依存症の人はお金を儲けようとしてギャンブルをやっているだけではないようなのです。ではなぜギャンブルをするのか…

1つは刺激です。刺激というのは毎日同じような日々を淡々と送る日常生活に対する刺激のようなものです。

例えば専業主婦の人が毎日毎日同じようなほとんど変わらない生活を送っていれば、時には刺激が欲しくなると思います。人間は時には少し危ない橋を渡ってみたいという、理屈では考えられない欲求というものを持っているのです。

2つ目は達成感です。どんなギャンブルでも、勝つということが目標になっています。過程がどうであれ、結果が勝ちになれば達成感が生まれます。達成感というのは自分の価値や尊厳を高めることができるもので、一種の優越感のようなものです。

自分には能力がある、自分は正しかったというようなセルフエスティームの感覚が、心を満ち足りた気持ちにしたり、満足感を得ることにつがなるのです。

何かの理由で人生に敗北感を感じている人や、自分に自信が持てない人ほど、ギャンブルにのめりこむ傾向があるのは、自分への尊厳を高めてくれる手段がギャンブルだと潜在的に感じているのです。

こうした理由を考えれば、決してギャンブルをする目的が単純にお金だけではないということが分かるのです。

ギャンブルとうつ病の関係

ギャンブルとうつ病との間に何か関係があるのかと思う人がいるかもしれません。実はギャンブルに依存する人はうつ病になりやすいのです。

ギャンブルをしているときは、勝ったり負けたりして脳が活動的になりますが、レースなどが終わった途端、さきほどまで興奮していた脳の活動が抑制され、急に無力感や脱力感を感じます。このとき一時的なうつ状態に陥るのです。

そしてギャンブルを繰り返しているうちに、ギャンブルをしている高揚感と終わった時の無力感の感情の落差がしだいに大きくなっていき、ついには日常的なうつ状態を引き起こすと考えられています。

そしてうつ状態になるのを回避するために、次々にギャンブルを掛け持ってするような行動にもつながります。例えば、競馬が終わったらパチンコ、次はマージャン・・・というようにギャンブルをはしごするようになるのです。

ギャンブル依存症の予防方法、克服方法

ではギャンブル依存症を克服するにはどうすれば良いのでしょうか?これからギャンブルに触れる機会が多くなりそうで不安、という場合は予防策として知っておきましょう。

ギャンブル依存症の予防・克服法1.ギャンブルは知らなくて良い

今までギャンブルを一度もやったことがない人は、そのまま知らなくて良いと考えましょう。一度でもギャンブルに手を出すと、依存症へのループにまんまとはまってしまいます。ギャンブルを知らなくても何も困ることはありません。

ギャンブル依存症の予防・克服法2.ギャンブル依存症は病気

すでにギャンブルに依存してしまっている人は、自分はすでにギャンブル依存症だというアイデンティティを確立することが大切です。一度味わった達成感や高揚感は時間とともに少しずつ薄れていきます。

大切なことは、テレビの競馬中継を見たり、パチンコ店の前を通りかかっただけでも、再びあの忘れられない興奮がよみがえってくるので、ギャンブルをイメージするものから遠ざかるように心掛けることです。

ギャンブル依存症の予防・克服法3.ギャンブル以外で刺激を求める

ギャンブルをするのはお金が目的なのではなく日常生活での刺激という一面がありますから、ギャンブル以外で刺激を求めるようにすることが大切です。例えば釣りをして魚を獲ることも、スポーツで勝敗を争ったりすることも、脳への刺激は同じです。

ギャンブル依存症の予防・克服法4.GAに参加する

GA(ギャンブラーズ・アノニマス)とは、ギャンブル依存症の人のための自助グループです。

アルコール依存症の人のAA(アルコホーリクス・アノニマス)と同じようなものです。同じ依存症の人が励ましあってギャンブル依存を克服することが目的です。

全国でミーティングが行われていますので、興味があれば問い合わせてみてください。

ギャンブラーズ・アノニマス 日本

ギャンブルは娯楽?依存症と表裏一体の性質を理解して

本来ギャンブルは大衆の娯楽の1つです。日本ではおなじみのパチンコだけをみてもパチンコファンは全国に1千万人いるといわれ、市場規模は27兆円という一大産業になっています。まさに庶民や大衆の娯楽といえるでしょう。

パチンコを楽しむ人のすべてがギャンブルの依存症になるわけではありません。パチンコだけでなく競馬や競輪も同様ですし、たまの休日に行くゴルフで多少のお金を賭けるという人もいると思います。

ギャンブルと呼ばれるものは、度が過ぎない程度であれば娯楽や楽しみの1つになりますが、重要なのはあくまでも度が過ぎないという程度の部分です。

どのようなギャンブルでも、ちょっとした賭け事でも適度に楽しむ分には娯楽となり、”度が過ぎれば恐ろしい依存症に変わる”という表裏一体の性質があることを理解することが大切です。

ギャンブルは一度その快楽を覚えると、なかなか抜け出せるものではありません。脳の働きや心理状態を客観的に考えて、ギャンブルと向き合うことが克服への近道です。

借金や病気、家庭の崩壊など…手遅れにならないうちに、ギャンブルの本質というものを見抜いてほしいと思います。

キャラクター紹介
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