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アルツハイマー予防は一石二鳥!糖尿病も改善できる食事法

りんごを食べる高齢者夫婦

誰にも避けられない「加齢」という現象は、心身に大きな影響を及ぼします。

数年後どんな自分になっているのか、誰でもあまり意識の表面に出てこなくても不安と希望の入り混じった状態でいるはずです。

特に今の生活習慣がいいのか悪いのかということに関しては無視できないところです。

最近になって生活習慣を見直すことがアルツハイマー病などの認知症の予防にもつながるということが分かってきました。

今回は、加齢に伴ってリスクの高まる糖尿病と脳の病気、特にアルツハイマー病との関係を取り上げ、それぞれの予備軍と言われている方に少し明るい話題をお届けしたいと思います。

アルツハイマーと糖尿病には共通点あり!

糖尿病とアルツハイマー病は「部位」が違うので一見関係がないかのように見えますが、実は密接に関わっていることをご存じでしょうか。

近年になって糖尿病とアルツハイマー病の関係に着目した研究や実験が盛んに行われています。

九州大学で行なわれている研究(久山町研究)では、2型糖尿病と関係する高インスリン血症状態が、アルツハイマーの原因と言われているアミロイドβタンパクを分解できなくするという結果が出ました。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病という2つのタイプのものがありますが、主に生活習慣の影響を受けるのは2型糖尿病です。

2型糖尿病は、好ましくない生活習慣によってインスリンがブドウ糖を処理しきれなくなり、糖が血液中に取り残される状態です。

アルツハイマー病は「β(ベータ)アミロイド」というタンパクが分解されず、脳の中に異常に蓄積されて発症します。脳のインスリンの働きの低下、酸化ストレスの増加、神経細胞を保護する働きの低下がみられます。その結果全体的に認知機能が低下することになるのです。

「代謝」とは、外部から体内に入った栄養素が体内で消費され利用されることですが、両者ともに「代謝」という切り口でみてみると関係のある病気という点が似ています。

久山町研究とは

ここで、先ほど出てきた「久山町研究」について簡単にご紹介します。このプロジェクトは、1961年から開始された福岡県久山町の住民を対象とした大規模追跡研究です。

40歳以上の健康診断の受診者に参加してもらい、生活習慣病をターゲットに研究が進められています。研究に最適な環境ということで、とても”好ましい”情報をもたらしてくれるということです。

健康診断の受診者を対象としているので研究の対象となる集団に偏りがなく、一般的な日本人の傾向を推測するのに適しているということですね。

百寿者に学んで自分に合ったライフスタイルを!

アルツハイマーの原因になるアミロイドβタンパクは、発症の25年も前から蓄積しだすと言われています。高齢期が65歳からとすると、早い人で40歳から蓄積が始まってしまう事になります。

最近とくに100歳前後でもかくしゃくとしておられるお年寄りを見かけます。加齢現象は誰でも避けられないのに不思議です。

そのことを疑問に思うところから、世界各地で研究が進んでいます。共通点にスポットを当てて100歳以上の方を対象に遺伝子、生活習慣などを探るというものです。

105歳を超百寿者(semisupercentenarian;SSC)、110歳以上(スーパーセンテナリアン;SC)といいます。

2007年から開始された東京在住の百寿者研究の結果から、

  1. 97%の百寿者が何らかの慢性疾患の既往があるか現在も罹患している
  2. 認知症がなく自立している百寿者は全体の20%
  3. 動脈硬化が少ない
  4. 糖尿病有病率が低い
  5. 炎症反応が進んでいる
  6. アディポネクチン*が高い
  7. 幸せ感が高い
  8. 開放的な性格を持つ傾向がある

などの特徴があることがわかりました。

*アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌されるタンパクで、インスリン受容体を介さない糖取り込み促進作用を持ち、動脈硬化抑制、抗炎症、心肥大化抑制などの働きをします。

糖尿病、高血圧、がんが85歳代よりも明らかに少ないこともわかりました。また、SC、SSCともに100~102歳の時点で、104歳までに亡くなった長寿者よりも日常生活の活動ができており、認知機能も優れていたということがわかりました。

百寿者研究は1970年代より始まりました。今後も研究の結果が注目されます。とくに「認知症がなく自立している百寿者」の元気の理由が社会にフィードバックされ、将来の社会全体が長寿かつ健康であることを願ってやみません。

SC、SSCまでいかなくとも、高齢でもお元気な方が「ご長寿の秘訣」として

  • 人とのおしゃべり
  • 運動
  • 食事

などを挙げていらっしゃる様子を見聞きします。それらは日課となっており、淡々と生活しておられます。そうなるまでには計り知れない苦労があったと思いますが、やはり生活している環境(文化や風土など)が大きく影響していることは確かでしょう。

まずは食事からライフスタイルをかえてみませんか?

これから、ライフスタイルを決定する要素と言っても過言ではない”食事”に焦点を当て、いくつか良いとされているものをご紹介します。

西洋式食事と対極、伝統的な地中海食

最近、欧米でよく研究されているのは、食事スタイルと病気のリスクとの関係です。特に昔から変わらずその地域で継承されている「地中海食」は早くから病気予防、治療効果が注目されてきました。

地中海食バランスピラミッド

地中海食とは、温暖で穏やかな気候、豊かな海の恵みによって成り立っている、まさに自然の力を生かした食事スタイルです。

具体的には、

  • 野菜
  • 果物
  • ナッツ類
  • ベリー類
  • 豆類
  • オリーブ油

が豊富で、それに穀類と適量のワインが加わり、肉類や乳製品は少ない食事を指します。

  • ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉
  • ピザ
  • ポテトチップ
  • ハンバーガー
  • 精製した小麦粉で作る白パン
  • 砂糖
  • 味付け調味料
  • ビール

などの「西洋式食事」といったものと言ってみれば対極をなしているとも考えられます。

欧米諸国のいつかの研究を総合して再度分析した研究によると、地中海食に準じた食生活を送っている人は、全体的に死亡率が低く、心臓病、がん、アルツハイマー病、パーキンソン病などのリスクも低いということがわかりました。

地中海食は不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなど抗酸化物質が多い食材を摂ることでアンチエイジングにも効果があります。

アメリカ農務省が推奨!高血圧にDASH食を

DASH (Dietary Approaches to Stop Hypertension)とは、アメリカ農務省が高血圧患者さんに勧めている食事スタイルです。

推奨される食材

  • 野菜
  • ナッツ類
  • ベリー類
  • 豆類
  • 全粒穀物
  • 鶏肉
  • オリーブオイル
  • ワイン など
避けたいもの

  • 赤身の肉
  • バターやマーガリン
  • チーズ
  • 菓子類

余分な塩分を体外に排出する作用を持つミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム)を豊富に摂ることによって高血圧を改善することを狙いとしています。

ただ、これらミネラルは単独では降圧効果が弱いことも指摘されているので、他の栄養素とバランスよく摂取することをお勧めします。

また、魚からは、ω3系脂肪酸(エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸など)が摂取でき、これらにも降圧作用があるとされています。

いいとこ取りでさらにパワーアップ!マインド食

地中海食、DASH食をご紹介しました。それぞれ効果のある食材を推奨していますが、一方、DASH食でのミネラルの効果のように、その効果が弱いものも含まれています。確かに健康にはいいのだけれど、いまひとつという感じでしょうか。

そこで弱点や共通点に着目して研究が進められ、両者を合わせた食事スタイルが生まれました。その名を「マインド食」と呼びます。

研究では約1000人を対象に、マインド食を実施し生活するグループと取り入れないグループとで分け、10年もの間調査を行いました。

結果、マインド食で生活をしたグループはアルツハイマー病の罹患リスクが53%も低くなっていたのです。

  1. 緑黄色野菜
  2. その他の野菜
  3. ナッツ類
  4. ベリー類
  5. 玄米や全粒粉の小麦などの全粒穀物
  6. 鶏肉
  7. オリーブオイル
  8. ワイン

の10種類は毎日取り入れ、

  1. 赤身の肉
  2. バターやマーガリン
  3. チーズ
  4. パン菓子やスイーツ
  5. 揚げ物やファストフード

の5種類は必ず避けてください、という食事法です。これを一定期間取り入れるのではなく、長期間継続することが重要です。

理想は”マゴワヤサシイ”和食ってすごいんです

2013年、世界無形文化遺産に登録された日本の伝統的な食事スタイル「和食」も日本人世界中から注目されています。

日本人の食の欧米化が言われて久しいですが、相変わらず私たちは従来の西洋式の食事をし、ファストフードを摂る習慣のままです。時間がない、手間がかかるなどの理由から伝統的な和食などのスローフードを食べる機会は減っているように見受けられます。

皮肉なことに、今は欧米の人々の方が日本人よりも和食を好んでいるという状況と言っても過言ではないでしょう。

もう一度、日本の”和食”を見直してみませんか?

必須栄養素を摂るマゴワヤサシイとは

マゴワヤサシイ…どこかで聞いた事があるのではないでしょうか。これは、和食を構成する代表的な食物の頭文字をとったものです。

以下に簡単ではありますが、マゴワヤサシイと、主な成分(効果)をあげます。

豆類 必須アミノ酸が摂れる、精神安定や不眠に効果あり
ごま、ナッツ類 ビタミンEを含み、老化の原因活性酸素を防ぐ
ワカメなど海藻類 タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維
野菜 ビタミン、ミネラル
魚類 抗酸化作用、脳の活性化。不飽和脂肪酸ω3
しいたけなどのキノコ類 免疫を強くするβグルカン、カルシウムの吸収を良くするビタミンDを豊富に摂れる
いも類 炭水化物、糖類、ビタミンC、腸内環境を整える食物繊維を多く含む

これらをバランスよく食べることにより、生活習慣病予防、老化予防、免疫力強化、疲労快復などの効果が期待されます。

最もお手軽で、簡単に摂取する方法は”お味噌汁”です。具材を変えて一品に付け加えてはいかがでしょうか。

日本人を対象とした研究(久山町研究)によると、大豆や昆布などの海藻が豊富に取り入れられている普通の和食に、牛乳や乳製品を加えた食生活は認知症を予防する効果があるとういうことです。

食事スタイルは国や文化によっても様々です。しかし、健康に良いとされている食事は生活習慣病、ひいては認知症の予防にもなるということがお分かりいただけたと思います。

健康に特によいとされている生活習慣は生活習慣病と言われる身体的な病気やアルツハイマー病の予防にもつながるということなのですね。

健康不安をなくすには食事の見直しから!

健康への関心が高まっているとはいっても、今後も糖尿病もアルツハイマー病も患者さんは増え続けると予想されます。

糖尿病は、食事を見直すこと、見直したらそれを維持することが大切です。合併症が進まないようにするための血糖コントロールは、同時に患者さんのQOLと将来を決めます。

糖尿病とアルツハイマーの関係についても、これからますます沢山の研究がなされ、画期的なお薬や改善方法も見つかるでしょう。

しかし、誰かが見つけるかもしれない”いいこと”を待っているばかりでは、いつそれがわかるかわかりませんし、時間が流れていくだけです。他人任せでは、悪い習慣を知らず知らずのうちに引きずってしまうかもしれません。

結局自分で自分のことをコントロールするのが予防には一番なのです。

今回お話した糖尿病とアルツハイマー病の関係は、食生活のお話で終わりになりますが、両者が密接に関わり合っていることから、どちらかの予防、改善がもう一方にも良いと言うことなのです。

100歳を超えてもかくしゃくとしてお元気な方のように、アルツハイマー病や糖尿病を発症しないようにすることも今後の生活習慣次第では不可能ではありません。

今現在、明らかなリスクを感じている人も、そうでない人も、自分の身体に関心を持ち、食事を見直してみるなどの工夫をして将来を明るく豊かなものにしましょう。

始めるなら今です。気づいたらその時に行動をしておかないと習慣にすらなりません。 今のあなたの行動が将来を決めるのです!
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