健康生活TOP 認知症 カルニチンは認知症予防にも!肥満だけじゃなく脳にも効果が

カルニチンは認知症予防にも!肥満だけじゃなく脳にも効果が

eating meat

カルニチンと言う名前はダイエット用サプリとしてすっかり定着したようですね。カルニチンの代表的な働きに「脂肪酸をミトコンドリア内部に送り込む」と言う物があるため、脂肪燃焼に役立つだろうと考えられたのです。

もちろん役に立つとは思うのですが、国立健康・栄養研究所は肯定的な評価を下していません。一方で、他のさまざまな働きについては、期待できそうなものが色々あるようです。

その中でも、脳の働きに寄与するのではないかとみられる報告が様々上がってきているようです。

※詳しいことは後でお話ししますが、カルニチンにはD体とL体、DL体(ラセミ体)がありますが特に断らない限り記事中ではL体を示しています。

カルニチンが脂肪の燃焼に関わっているのは間違いない事実

国立健康・栄養研究所の評価は、脂肪燃焼やダイエット効果について信頼できるデータが見当たらないと言う物でしたが、細胞の中で脂肪をエネルギーに変える際には必須の栄養素であることは間違いありません。

ただ、人間の体内でもわずかながら生合成が可能なものですので、カルニチンを食べたことによってエネルギー消費が高まったのか、別の理由で体内でのカルニチン生合成が増えたのかの切り分けが難しいと言うことなのでしょう。

エネルギーを作る所に燃料の脂肪を送り届けるカルニチン

食べ物から摂ったり、体内の脂肪細胞にあったりする中性脂肪は、酵素によって分解され脂肪酸が遊離します。一方、身体の細胞の中でエネルギーを作り出しているのは、ミトコンドリアと言う小器官の中です。

でも、遊離脂肪酸やその代謝物であるアシルCoAは、ミトコンドリアの外膜は通れても内膜を通過することができません。これではエネルギーを作り出す燃料として使えませんね。

workings of the energy creation of carnitine

細かいところは端折った図ですが、だいたいこんなイメージで脂肪はエネルギーの原料として燃焼します。ポイントは内膜を通過するところで、そのままでは通過できないけれど、カルニチンと結びつくことで通過できるようになるのです。

通過した後は、再びカルニチンは分離されて再利用できるようになります。

カルニチンにエネルギー代謝でできる有毒物質を排出する

エネルギー代謝が行われると、ミトコンドリアの中でリサイクルできない有毒物質も生まれます。カルニチンはこうした物質がミトコンドリアに悪影響を与えないように、内膜を通過させて外へ排出する役目も担っているのです。

カルニチンは主に筋肉の細胞にたくさん含まれてエネルギーを産生していますから、カルニチンの働きが衰えるとエネルギーの作られ方が減り、ミトコンドリアを劣化させる物質が増えてしまうと言う現象も起こります。

これは主に加齢によって引き起こされる現象の一つに数えられています。

カルニチンは昔の蒸気機関車の機関助手のように、どんどん燃料を燃焼室に投げ込む仕事をする大変な働き物なんですね。

そしてそれだけではなくごみ処理までしてくれるありがたいものなのです。

カルニチンには脳の働きを改善する化合物も存在する

カルニチンが酢酸と結びついたアセチルカルニチンと言う物質があります。これは体内にあるカルニチンのおよそ1割を占めていると言う物質です。

これは有害な物質を脳に入れないバリアである血液脳関門を通過できる物質で、アルツハイマー病をはじめとする認知症や認知障害を改善させる効果が示唆されているのです。

特に若年性アルツハイマー病に有効だったアセチルカルニチン

プラセボ(偽薬)とアセチルカルニチンを投与して比較した研究が数多く行われていますが、概ねアセチルカルニチンは、アルツハイマー病の進行を遅らせると言う結果が得られています。

(抜粋翻訳)

430人の軽度または中程度のアルツハイマー病の患者(50歳以上)に、1年間3g/日のアセチルカルニチンと偽薬を投与して比較しました。

65歳以下の若年性アルツハイマー病患者と66歳以上の老年性アルツハイマー病の患者を比較した場合、アセチルカルニチンは若年性の患者に対してより有効でした。

試験期間中アセチルカルニチンの忍容性は良好でした。

アルツハイマー病は誰しも避けたい病気ですが、特に働き盛りの年代で発症する若年性アルツハイマー病は周囲に与える影響も大きいので、こうした研究成果は重要ですね。

もちろん1日3gものアセチルカルニチンを食べ物から摂るのは無理ですので、お薬と言うことになるのでしょう。

しかし、病気になる前からカルニチン・アセチルカルニチンの量を減らさないようにすることが、アルツハイマー病の予防につながる可能性が期待できるかもしれません。

カルニチンは年齢とともに体内から減って行く物質

人間の体内で、カルニチンはその大半が骨格筋や心筋などの筋肉細胞の中に存在しています。そして、その量のピークは20歳ごろで、その後は年齢と共に減って行きます。

体内では肝臓や腎臓で生合成される物質ですので、様々な案内の中にはカルニチンとしてサプリを摂る必要はないとしているものもあります。一方で、ある程度年齢が進むと補充した方が良いと言う意見もありますので、ちょっと迷うところではありますね。

しかし、カルニチンを補給してくれる食べ物は「赤肉」ですので、年齢と共に食べる量が減ってくるものでもあります。ですから、意識して赤肉を摂るようにすることでカルニチンの補給は可能でしょう。

ここで気を付けて頂きたいのは「カルニチンは脂肪組織には含まれない」と言うことです。ですので、サシのたっぷり入った高級牛肉や、コクのある豚バラ肉にはあまり期待できないと言うことなんですね。

好ましいのは牛もも肉の赤身やヒレ肉です。お安い輸入牛肉でも良いですので上手く調理してたくさん食べましょう。家庭用のひき肉機でミンチにして、お好みのハーブを使ってハンバーグなんていいですよ。

私が、もう10年も使っている手動式のミンサー(ひき肉機)は、買った当時税込980円でした。今でも大活躍してくれています。スーパーで売っているミンチと違って、脂肪分が一目でわかりますからお勧めですよ。今でも1500円くらいであるんじゃないでしょうか。

あっさりした赤身のお肉でアルツハイマー病の予防になると良いですね。

ハンバーグなどのように食べやすく味付けのバリエーションも豊富な調理は、年配者にとってありがたい栄養源と言えるでしょう。

カルニチンは心筋の働きを高め心臓病を予防してくれる

健康な人が運動中に突然死してしまうと言う不幸な出来事は意外なほど多く報告されています。これまでは、その人がもともと持っていた心臓のトラブルなどが、運動によって引き起こされたと考えられていました。

しかし、ここに来て誰にでも起こりうる「栄養素が持つ毒のような働き」が存在しているのではないかと言う研究が進んでいます。

エネルギーになるはずの脂肪酸が心筋を痛めつける

心筋も脂質からエネルギーを得ています。24時間休むことなく働くためには血糖として流れているブドウ糖だけでは間に合わないので、常に脂肪を分解してできる脂肪酸をエネルギーとして利用しているのです。

一方、運動によって心臓が早く動く必要が出た時には、エネルギー供給のため脂肪酸が細胞外から心筋細胞にたくさん取り込まれるようになります。

このようにしてエネルギー源となる脂肪酸が細胞内に取り込まれると、ミトコンドリアの周囲には脂肪酸がたくさん集まるのですが、一方でミトコンドリアの膜には非常に高いストレスがかかり、このことが細胞死に繋がります。

これが一定以上の数で発生すると心筋が働かなくなって急性心停止が起こるのではないかと考えられています。

カルニチンの果たす役目は脂肪酸を送り込むことだけではなかった

実験によると、飽和脂肪酸の一つパルミチン酸を心筋細胞に加えると、ミトコンドリアが壊れて行くと言う現象が観察されました。そして、同時にカルニチンを加えるとこの破壊が止まったのです。

当初これは、パルミチン酸をカルニチンがミトコンドリア内膜を通しやすくすることで、内膜にかかるストレスを減らすからだと推定されていました。

しかし、現在ではそれとは独立してミトコンドリア内膜の安定化作用があるのではないかと考えられ始めています。つまり、心筋において高濃度のカルニチンは心筋細胞の機能維持に大きな役目を果たしているかもしれないと言うことです。

また、この他具体的な病気として、狭心症を改善したと言う報告も行われていますね。

まだ先の研究に待たなければいけない部分もありますが、具体的な事例として心筋保護の働きがあると言う報告は重要です。

歳をとってもある程度の赤身肉はしっかり摂りましょう。

カルニチンサプリは特に若い人では不要かも知れない

カルニチンに体重減少効果があるのかないのかは、研究報告ごとに異なった結果がもたらされています。カルニチンが脂質代謝を向上させるのは事実ですが、そのことがダイエットに繋がるかどうかは別問題です。

一方で、明らかに病気ではないものの、加齢によって衰えた機能を回復させるには効果がある可能性は低くありません。

L-カルニチンとD-カルニチン、そしてDL-カルニチン

カルニチンは、市販胃薬やドリンク剤に配合されているのが私たちにとって最も身近な医薬品・医薬部外品ではないかと思います。武田薬品のザッツやロート製薬のパンシロン・ビオリズムには胃薬として使われています。

その他、ドリンク剤のエスカップシリーズ(エスエス製薬)にも含まれていますね。しかし、これらはDL-カルニチンと言う物で、脂肪をミトコンドリアに送り込んでくれるL-カルニチンとは働きが異なるものです。

カルニチンは、アミノ酸から作られる化合物で、アミノ酸そのものとは異なりますが、アミノ酸と同じように立体異性体と言う物が存在します。これは全く同じものでありながら、実は全く異なる性質をもつものと言う関係の物質です。

判り易くたとえるなら、左手と右手の関係です。左手と右手は同じ構造をしていますが、左手と右手はどうやってもぴったり一致させることができません。このように鏡に映した関係のものを立体異性体と言います。

立体異性体は、分子の中に含まれる原子の数や結びつき方は同じですが、化学的な性質が異なると言う物です。

stereoisomer of an amino acid

私たちの身体の中で働いていたり、食べ物から摂れるカルニチンはL-カルニチンです。上の図のように、これを鏡に写した構造をしているのがD-カルニチンと言うことになります。

L-カルニチンは先にお話ししたような働きがありますが、D-カルニチンにはそのような働きがないだけではなく、L-カルニチンの働きを阻害することもあります。

生物の体の中で作られると、必ずL-カルニチンになりますが、化学合成では同じ量のD-とL-が混じったラセミ体と呼ばれる、DL-カルニチンと言う物が出来上がります。これを塩素と反応させたものが長年胃薬として使われたものなのです。

実は、こうした立体異性体の片方だけを作るのは技術的に難しくコストがかかります。ですので、粗悪なサプリの中には、この胃薬をカルニチンと称して売っているものもあると言うことです。嘘ではありませんが、役には立ちませんね。

ですので、カルニチンサプリを使うにしても、信頼できるメーカーのものであることが求められます。

カルニチンは加齢によって体内から減るが食べ物から補給できる

先にもお話しした通り、カルニチンは動物の筋肉部分にたくさん含まれていますので、脂肪の少ない赤肉を食べるのが最も手っ取り早く摂取する方法です。

赤肉と言っても、特に赤みの強いお肉に多い傾向が見られます。牛肉・羊肉・鹿肉・馬肉などが多く含んでおり、豚肉や鶏肉、鯨肉は少なめです。

重要なたんぱく源ではあるものの、お肉ではない卵や牛乳にはほとんど含まれませんし、植物性の食べ物にもほとんど含まれていませんので、肉類が唯一の補給源と言って良いでしょう。

もともと20歳くらいにピークが来ることから、若者では体内の含有量も生合成量も充分に足りています。何らかの病気で不足していると言ったことがない限り、若者がカルニチンを摂る意味合いは少ないと思われます。

また、エネルギー代謝を盛んにすることから、身体のパフォーマンスが高まることも期待されましたが、カルニチン単体ではその効果はありません。これについては専門のスポーツトレーナーや医師などの専門家に相談して下さい。

一方、高齢になってくると細胞内のカルニチンは減少してきます。また、そもそもカルニチンを多く含む筋肉の量自体も減ってきますから、二重に不足する可能性があるのです。

さらに、年齢を重ねると肉類の摂取量も減りますから、補充と言う意味からも不足する可能性もあります。

カルニチンはアミノ酸とビタミン、ミネラルで作られる

体内でカルニチンが作られるには、原料になる2種類のアミノ酸が必要になります。それはリシンとメチオニンで、いずれも必須アミノ酸です。

このリシンとメチオニンは酵素によってカルニチンに組み替えられてゆくのですが、その際にはまずビタミンCと鉄が、次のステップではビタミンB6が、さらにナイアシンが必要とされます。

そして、最終段階で再びビタミンCと鉄が働きます。まとめると、次のような材料が一つでも不足するとカルニチンの生合成も不足することになります。

栄養素 多く含む食べ物
リシン しらす干し・鯨赤身肉・すじこ・鮪赤身・はも・鰹・鶏胸肉
メチオニン しらす干し・すじこ・鮪赤身・チェダーチーズ・鰹・ひらめ・鯖
ビタミンC アセロラ・グァバ・パプリカ・和種菜花・芽キャベツ・ブロッコリー
あさり・豚レバー・煮干し・鶏レバー・牛センマイ・揚げそらまめ
ビタミンB6 にんにく・ピスタチオナッツ・ひまわりの種・まぐろ赤身
ナイアシン たらこ・なまり節・びん長鮪・鰹・豚レバー・ピーナッツ

更年期を目安に意識して赤身のお肉を摂るようにしよう

私たちの身体の中には20gくらいのカルニチンがあるとされていますが、これらの材料から1日に合成されるカルニチンは20mg程度、つまり0.1%と言うことになります。また、食べ物からは1日に70mg程度摂れているようです。

しかし、先にお話しした通り、歳を取ると体内のカルニチンも、食物から摂る量も減ってきます。特にこの年齢からと言うデータはありませんが、食に関する好みが変化し始める更年期ぐらいを目安にするのが良いんじゃないかと思います。

最近、脂っこいものや肉類があまり好きじゃなくなってきたかなと感じたら、脂身の少ないお肉を意識して多く摂るようにしましょう。

多くと言っても、毎日ステーキを食べると言うのは別の弊害が出てきますし、お財布にも厳しいです。輸入牛肉の赤身のもも肉ならかなりお安いですよね。これを80グラムくらい食卓に追加するのはどうでしょう。

もちろん毎日でなくても良いですし、もっとたくさん食べても良いです。例えばこの量だと、カルニチンが40~50mgくらい摂れます。そしてカロリーは112kcalです。そのまま焼いたのでは脂が少ないためカスカスした感じになるのでお料理を工夫して下さい。

豚肉や鶏肉は、それぞれに他の栄養素で有利な点が多いため、意外と牛肉より多く食べていますから、その内週に1回を牛赤身肉に変えるだけでも良いかもしれませんね。

更年期ぐらいを境に、意識して脂身の少ない牛肉などを摂るようにするのがカルニチン補充の良い方法になります。

サプリとして摂る場合は上限目安量と副作用に注意

カルニチンは食べ物に多く含まれる栄養素ですから、それほど副作用について神経質になる必要はありません。それでも、病気治療のための医薬品レベルの量を食品感覚で摂ると、思わぬ副作用に見舞われるかもしれません。

ですので、厚生労働省が示している上限目安量をしっかり守ることが健康被害に遭わないためには重要です。

1日の上限目安量は1000mgだが体重との関係に注意が必要

日本の厚生労働省やスイス連邦総務省公衆衛生庁などは、1日当たりの摂取上限目安量を1000mgと定めています。アメリカのFDAは体重1kgあたり20mgとしていますね。

もちろん、これはある程度余裕を持った数値だとは思いますが、体重の軽い女性や高齢者の場合はちょっと注意した方が良いかもしれません。

例えば体重45kgの人であれば、アメリカ基準なら1日当たり900mgになりますね。ですので、体重50kg未満の人は、サプリで摂る場合、体重×20mgを目安にしましょう。

アメリカのサプリを見ると、1錠で1000mgと言う物も、ごく普通に存在していますので注意しておいて下さい。また、体重が重い人の場合でも、1000mgの上限量は守った方が良いでしょう。

余分に摂りたいと思った時はお医者様に相談して下さい。

サプリは多く摂ればリスクは確実に増えます。

一方、得られるベネフィットは多く摂ったからといって必ずしもそれに比例して増えるわけではないことをしっかり覚えておいて下さいね。

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