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物忘れ以外の症状に注意!アルツハイマー型とレビー小体型の違い

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認知症と聞くと、「アルツハイマー型」が頭に浮かぶ人も多いかと思いますが、認知症には「レビー小体型」や「脳血管性」などさまざまな種類があるのです。

今回は、レビー小体型認知症についてのお話です。アルツハイマー型とは特徴の異なる、発見されにくい病気です。しかしアルツハイマー型の次に多い認知症なので、どのような病気か特徴や対処法を勉強しておきましょう。

レビー小体型認知症はパーキンソン病に近い病気

認知症とは、身体や精神の活動を司る脳の細胞が死滅していくためにさまざまな機能障害が起こる病気です。

最も多いアルツハイマー型は認知症の約50%、次に多いレビー小体型は20%と、決して少なくはない病気となっています。

アルツハイマー型は脳全体が委縮するために起こる認知症。一方、レビー小体型は、レビー小体という特殊なたんぱく質が脳全体に広がって脳神経を破壊するために起こっています。

このレビー小体は難病の「パーキンソン病」を引き起こす物質で、レビー小体型はパーキンソン病の同類ともいえる病気なのです。

どちらの認知症も共通して、高齢者に起こりやすく記憶力の低下がみられますが、その他の症状には特徴的な違いもあります。

アルツハイマー型とレビー小体型はここが違う!

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では、アルツハイマー型とレビー小体型の症状は、どのような違いがあるのでしょう。似て非なる両者の症状を比較してみました。

アルツハイマー型の症状

もの忘れから始まり、症状が進行していくにつれ生活に大きな支障をきたすようになっていきます。

  • 女性に多い(男性のおよそ1.5倍)
  • 初期にもの忘れが目立つ
  • 判断力や理解力が低下する
  • 無気力や抑うつの状態が見られる
  • せん妄(妄想)が起こりやすい
  • 病気の進行はゆっくり
  • 病気が進行しても運動機能障害はみられない

レビー小体型の症状

アルツハイマー型に比べ、身体症状が目立つのが特徴です。

  • 男性に多い(女性の2倍)
  • 初期にもの忘れはみられない(記憶障害が出るのは中期以降)
  • 無気力や抑うつの症状が見られる
  • リアルな幻視や幻聴が起こる
  • 病気の進行は速い
  • 初期から歩行障害が起こる(パーキンソン症状のひとつ)
  • 自律神経失調症の症状がみられる
  • 睡眠中に大声で叫んだり暴れたりする
  • 薬剤に過敏に反応する

特に次の4点は、レビー小体型認知症の大きな特徴にもなっています。

  • パーキンソン症状
  • 幻視・幻覚
  • 薬剤に過敏である
  • 体調の良い時と悪い時の差が大きい

(パーキンソン症状とは、手足の震えや筋肉のこわばりといったパーキンソン病特有の身体症状のこと。)

こうしてレビー小体型の症状を見てみると症状が特徴的なため、発症すればすぐ発見することができそうな病気のようにも感じられます。しかし実際にはアルツハイマー型に比べ発見が遅れやすくなっています。

これはレビー小体型に、アルツハイマー型のような「初期のもの忘れ」がみられないため、周囲の人が認知症の疑いを持ちにくいためです。

また医師の判断も難しく、認知症ではなくパーキンソン病やうつ病と誤診されてしまうこともあります。しかしレビー小体型は進行しやすいため、初期段階で気づいて受診するのがのぞましいのです。

こんな兆候が気になりませんか?チェックリストで調べてみましょう

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次に紹介するのは、レビー小体型認知症のチェックリストです。該当する項目が5個以上あれば、レビー小体型認知症の疑いがあると考えましょう。

  • もの忘れがある
  • 頭がはっきりしているときとそうでないときの差が激しい
  • 実際にはないものが見える
  • 妄想がみられる
  • うつ的である
  • 動作が緩慢(ゆっくり)になった
  • 筋肉がこわばる
  • 小股で(小刻みに)歩く
  • 睡眠時に異常な言動をとる
  • 転倒や失神を繰り返す

ちなみに妄想はアルツハイマー型にもみられる症状ですが、アルツハイマー型の妄想は周囲から見てはっきり妄想だと分かる内容なのに対し、レビー小体型はシーンや見える物の色や形まで鮮明で、本人が具体的に説明できるのが特徴です。

もしご自身またはご家族に気になる兆候が見られたら、最寄りの「地域包括支援センター」に相談するなどして、レビー小体型の診察に対応している最寄りの医療機関を案内してもらうと良いでしょう。

薬と家族のケアで治療を…レビー小体型認知症の対処法

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医療機関では問診を中心に、CT、MIBG心筋シンチグラフィなどで脳や心筋機能を検査するなどして、レビー小体型かどうかの診断をくだします。

もしもレビー小体型ならば、出ている症状や体調に合わせて認知症状やパーキンソン症状を抑える薬が処方されます。

家族ができるケア

  • 安全な環境をつくる
  • リハビリを提供して筋肉の衰えを防ぐ
  • 否定せずコミュニケーションを取る
  • 体調をよく観察する

レビー小体型の患者は体の動きがぎくしゃくして転倒することが多く、骨折など怪我をしやすいので、家庭では安全な環境を整え、リハビリをして筋肉の衰えを予防する必要があります。

幻視や妄想はほとんどの患者にみられる症状ですが、コミュニケーションを工夫することで、幻視や妄想を抑えていくことが可能です。

もし周囲の人が「そんな物は存在しない」「それは妄想だ」と頭ごなしに否定してしまうと、症状が悪化したり興奮して暴れたりすることがあるので良くありません。

周囲の人は患者の訴えを否定せず、親身に話を聞いてあげたり、さりげなく話題をそらしたりするのが効果的です。

また症状が急変することもあるので、家族の人は患者の体調をよく観察し、気になる症状の見られる場合にはすぐ受診させましょう。

家族や周囲の協力なしに治療は難しい病気です。もし看病の負担が大きくて悩むようなことがあれば、医療機関や地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。

良い薬も出てきています!治療の開始は少しでも早く

レビー小体型は、薬剤に過敏で有効な薬をたくさん投与することも難しい病気でしたが、良い薬も出てきています。

2014年にはアルツハイマー型の治療薬「アリセプト」にレビー小体型認知症の効能・効果が追加承認され、レビー小体型の治療に高い効果が期待できる薬として、多くの患者に処方されるようになっているのです。

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(「アリセプト®」日本でレビー小体型認知症に関する効能・効果の承認を取得 ニュースリリース | エーザイ株式会社より)

レビー小体型認知症を発症したら、少しでも早く薬による治療を開始し、症状の進行を食い止めるようにしましょう。

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