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降圧剤の副作用!?飲み続けると認知症のリスクが増大する

降圧剤は高すぎる血圧をお薬の力で下げるための医薬品です。これは飽くまで対症療法ですので、生活習慣を改めたり、高血圧の原因になっている病気を治療したりして血圧を下げるまでのつなぎだと考えた方が良いのです。

とは言うものの、高血圧は心筋梗塞や脳卒中など致命的な病気を引き起こしますので、根本的な改善を待っていては間に合わない場合が出てきます。ですので、降圧剤は高血圧の治療には必須のものだと言えるでしょう。

その一方で、一部には認知症リスクが高まる可能性が否定できない副作用が報告されているお薬もあります。降圧剤は使った方が良いのか、使わない方が良いのか。リスク(危険)とベネフィット(効果)の観点から見て行きましょう。

降圧剤による認知症の可能性はそれほど高くない

降圧剤と一口に言っても、かなりたくさんの種類があります。そこで、40種類の降圧剤について調べてみたところ、副作用の注意として認知症が挙げられていた物は一つもありませんでした。

しかし、認知症につながる可能性のある症状を副作用として挙げていたお薬がいくつかありました。

抑うつ症状や幻覚は認知症につながる可能性がある

幻覚については認知症の症状としてとらえても問題ないかもしれませんね。これを副作用として持っているお薬は交感神経抑制薬の塩酸クロニジン(商品名:カタプレス・ジェネリックなし)です。

交感神経抑制薬については、レセルピン(商品名:アポプロン・ジェネリックあり)には、重い副作用として抑うつ症状が挙げられています。もちろんこうした副作用はかなりレアケースです。

しかし、それでも抑うつ症状は認知症に繋がる症状ですので注意が必要ですし、最近では処方されることも少なくなっているようです。

同じ症状はレセルピンと利尿剤を配合したベハイドRA[製](商品名:ベハイドRA配合錠・ジェネリックなし)でも見られます。同じ成分を持っているのですから当然でしょう。

その他の交感神経抑制薬には、グアナベンズ酢酸塩(商品名:ワイテンス・ジェネリックなし)がありますが、副作用の少ないお薬とされていて、軽い憂鬱感が副作用に数えられているだけです。

また、同じくメチルドパ(商品名:アルドメット・ジェネリックあり)も同じタイプの降圧剤で、副作用としては「気分が沈む」と言う物が挙げられています。

こうした軽い抑うつ感も、認知症の遠因になりますから、ご家族などが注意して様子を見ておいてあげましょう。

多くのお薬には血圧の下り過ぎと言う副作用がある

副作用と言うより「お薬の効き過ぎ」とでもいうような症状ですが、お医者さんが意図したよりも血圧が下がり過ぎたと言う場合も副作用にカウントされます。

血圧が下がり過ぎると意識障害を起こして倒れることがあります。一時的な血圧の下り過ぎが認知症に直結することはありませんが、それによって転倒してけがをすると、認知症を引き起こす原因になります。

こうした「お薬の効き過ぎ」と言う現象は、降圧剤のみならず、すべての医薬品でそのお薬を飲み始めたころに起こりやすいと言う傾向が見られます。

ですので、初めてお薬を処方されて飲み始めた時や、お薬の内容や量が変更された時は、その時に処方された分を全部飲み終わる頃までを目安に、お薬を飲んでしばらくは立ち歩いたりしないようにしましょう。

できればお医者さんに、お薬を飲んでどのくらいの時間で一番お薬が効いているのかを確認しておくことも、こうした事故を防ぐ手立てになります。

末梢であれ中枢神経であれ、神経系に働きかけるお薬は気分障害を起こしやすい傾向があるのかもしれませんね。

中年の高血圧は認知症に直結するので治療は必須

降圧剤に認知症リスクがあると言う話題はたまに雑誌やテレビなどで見ることがありますが、逆に降圧剤を使わないとどうなるのでしょう。

一番の問題は、高血圧による脳血管障害ですね。脳卒中の後遺症として認知症を発症するケースは結構な頻度で見られるものです。脳自体が損傷する病気ですから無理もありませんね。

高齢者では低血圧が認知症のリスクになる場合がある

世界中の様々な研究の中では、高齢者において高血圧は認知症に対して保護的に働くと言う報告があります。

特に75歳~85歳以上の人の間では、高血圧とされる最高血圧が140mmHg~179mmHgの人では正常血圧群よりアルツハイマー病リスクが低くなったと報告されています。

一方、最低血圧が65mmHg~70mmHg未満の人ではアルツハイマー病リスクが2倍前後に上がっています。しかし、最高血圧が180mmHgを超えるようなレベルの高血圧では糖尿病など他の病気のリスクも倍増し、認知症も増加します。

ですので、75歳以上あるいは85歳以上の人の場合、179mmHg以下の最高血圧の人の場合、副作用のリスクを押してまで降圧剤による血圧の正常化を行うかどうかは、お医者さんとも相談して良く考えた方が良いでしょう。

高齢者になる前の人は降圧剤を使ってでも血圧は正常化すべき

同じように、数多くの血圧と認知症に関する研究では、70歳以下の中年層・初期の高齢者層では、高血圧は75歳以上になった時の認知症リスクを大きく上げています。

研究によって内容に幅はありますが、脳血管性認知症はもちろん、アルツハイマー性認知症も中年期の高血圧が大きなリスク要因になっています。

ですので、心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げるためはもちろん、将来の認知症リスクを減らすためにも、中年期における血圧コントロールは大変重要です。

血圧の正常化は減塩や節酒・禁煙、ストレス軽減など様々な生活習慣の改善によって行われなくてはいけませんが、生活習慣の改善によって血圧が改善されるには時間がかかります。

その間に脳卒中で倒れてしまったのでは手遅れですから、降圧剤を使って短期的に血圧を下げ、生活習慣を改善することで徐々に降圧剤を減らしても血圧が上がらないようにコントロールすることが重要です。

降圧剤を飲んだら血圧が下がったのでOK、ではありません。飽くまで降圧剤は緊急用のお薬で、生活習慣を改善するべきであると肝に銘じて下さいね。

お薬には副作用がつきものです。しかし、その副作用を言い訳に治療を嫌がっていると、さらに重い病気になってしまいます。高齢者はともかく、70歳以下の人は降圧剤を使ってでもしっかり血圧を正常化しましょう。

降圧剤で良く使われる「アンジオテンシンII」関係のお薬

例えば動脈硬化で血管が狭くなっているような場合に、同じ量の血液を流すと圧力が高くなるのは当然のことです。また、血液中に塩分が多くなりすぎると、それを薄めるために血管へ水分が供給されます。すると血液の量が増えるので血圧が上がりますね。

さらに、余計な水分や塩分は腎臓でろ過されて尿として捨てられますが、腎臓の機能が落ちていたり、腎臓での塩分や水分の再吸収が進み過ぎたりすると、捨てる量が足りなくなって血圧が高いままになります。

血圧に大きな影響を持つアンジオテンシンII

高血圧は問題ですが、実は血圧が低くなりすぎると言うことも、野生動物にとっては具合が悪いのです。いわゆる低血圧状態で、身体が思うように動かなくなっていると、天敵から逃げたり、餌になる獲物を追いかけたりできませんね。

そこで、人間の身体の中では血圧が下がったことを感知して血圧を上げるメカニズムが動き出すようになっています。血圧が下がったことを、血管がたくさん集中している腎臓にある器官が検知すると、レニンと言う酵素を血液中に放出します。

このレニンは肥大化した脂肪細胞や肝臓から分泌されるアンジオテンシノーゲンと言う物質を分解して、アンジオテンシンIと言う生理活性ペプチドに作り替えます。

そしてそれは、肺血管をはじめとする全身の様々な組織にあるアンジオテンシン変換酵素・ACEによって、アンジオテンシンIIへと変化させられるのです。

このアンジオテンシンIIが受容体に結びつくと、血管が収縮して血圧が上がります。さらに副腎皮質からはアルドステロンと言うホルモンが分泌されて、腎臓でナトリウム(塩分)の再吸収を促進します。

さらに脳下垂体からは抗利尿ホルモンが分泌されて、腎臓での水分の再吸収も促進されますので、血圧が上がるのです。

ここまでは従来から知られていた現象ですが、2016年になって、さらにこのアンジオテンシンIIには血管壁の中膜を分厚くする働きがあることが判りました。

血管の壁が分厚くなるのですから、血管の弾力性は失われ、血液の流れるスペースも減ります。これが慢性的に血圧の上がった状態をもたらすのです。

受容体をブロックすることでアンジオテンシンIIの働きを抑える

先にお話しした通り、アンジオテンシンIIは受容体に取り込まれて初めて生理活性を持ちます。ですので、受容体に結びつかないようにしておけば、アンジオテンシンIIによる高血圧は改善できます。

こうしたお薬はアンジオテンシンII受容体拮抗薬と呼ばれます。ARBと言う略号が使われることもありますね。

色々なお薬がありますが、一部を紹介しておきましょう。バルサルタン(商品名:ディオバン・ジェネリックあり)やテルミサルタン(商品名:ミカルディス・ジェネリックなし)、イルベサルタン(商品名:アバプロ・ジェネリックあり)などです。

また、これらの成分を他の降圧剤と配合した2剤配合薬なども良く使われます。この中で、ディオバンについてはジェネリックの数も非常に多く人気のあるお薬なのですが、論文不正事件があった関係で最近では処方頻度が下がっています。

論文不正があったのはこのお薬に血管保護作用があると言う部分だったので、降圧剤としての効果には問題ありません。それでも、アンジオテンシンII受容体拮抗薬には他に種類も多いので、わざわざこれを処方することもないと言うことなのでしょう。

そもそもアンジオテンシンIIを作らせないお薬もある

先ほど説明したように、肺血管を中心に全身で分泌されるアンジオテンシン変換酵素・ACEは血圧上昇効果を持たないアンジオテンシンIを、血圧を上昇されるアンジオテンシンIIに変換する働きがあります。

と言うことは、この酵素の働きを抑えてやれば、血圧の上昇を防げることになりますね。そこで使われるのがACE阻害薬です。

主なお薬としては、ペリンドプリルエルブミン(商品名:コバシル・ジェネリックあり)やイミダプリル塩酸塩(商品名:タナトリル・ジェネリックあり)、カプトプリル(商品名:カプトリル・ジェネリックあり)などがあります。

ACE阻害薬は空咳や浮腫が出やすいと言う副作用の傾向がありますが、安全性は高い方ですし、心臓病や糖尿病があっても使えるので、高血圧治療の第一選択薬にもなっています。

また、先のARBとこのACE阻害薬は、一部のお薬を除いて1日1回の服用でOKなので、服薬忘れも少なく便利です。

アンジオテンシンII関係のお薬は今後も開発される可能性がある

2016年に発表された論文によると、アンジオテンシンIIは血管中膜を肥厚化させて高血圧を招くと言うメカニズムが明らかになりました

そして、それに関わる受容体はアンジオテンシン受容体AT1Rで、現在の所、その働きをブロックするARBによって血圧を下げています。

この研究では、これにプリン作動性受容体P2Y6Rと言う物が関わっていることが判りました。これはRNAに関係する物質であるウリジン二リン酸やエネルギー物質のADPなどの受容体です。

このP2Y6RとAT1Rが作る複合体が、血管中膜を肥厚させることが判っています。そして、まだお薬とは呼べませんが、MRS2578と言う試薬はこの複合体の生成を阻害します。

ですので、将来充分なテストを行ったうえで、このような働きを持つお薬が開発されるでしょう。かなり働き方が絞り込まれていますので、副作用がほとんどないと言うレベルの降圧剤が開発されるかもしれません。

記号ばっかりでややこしいですが、まだ一般的じゃない情報には判りやすい名前は付けられていないんですよね。でも、新しいお薬の候補がかなり育ってきていると思ってもらえればいいと思います。

副作用に注意が必要な自律神経系に働く降圧剤

先に紹介した通り、自律神経系に働きかけて血圧を下げるお薬では、認知症の遠因になったり、認知症に悪影響を及ぼしたりする可能性が否定できない物があります。

ですので、こうしたお薬を使う場合は、ご家族など近くにいる人が様子に変わったところがないかを、常に注意して見ておいてあげることが大切です。

自律神経に働きかける薬はアドレナリンの受容体をブロックする

交感神経に働きかける降圧剤は、基本的にアドレナリンと言う、興奮したり危険が迫ったりした時に働くホルモンの受容体をブロックすることで血圧を下げています。

アドレナリン受容体はα受容体とβ受容体に大まかに分類されていて、どちらに効くかによってお薬も分類されています。

高血圧に対する働き方は良く似ているのですが、このお薬は他の病気にも有効で、その働きはα遮断薬とβ遮断薬では異なります。ですので、患者の他の病気の特性に合わせてお薬が選ばれることになります。

交感神経α受容体遮断薬は尿関係の疾患にも有効

α遮断薬は降圧剤としてだけではなく、前立腺肥大による排尿障害にも効果があります。むしろ降圧剤としてよりもそちらの方でよく使われているかもしれません。

プラゾシン塩酸塩(商品名:ミニプレス・ジェネリックなし)などがありますが、降圧剤としては第一選択にはなりません。しかし、糖尿病や脂質異常症がある場合には適していますので処方されることもあります。

また、排尿障害のある人にはもちろんのこと、レイノー症状や喘息がある人にも用いることができるお薬です。副作用も少なめですが、尿失禁が出ることがあります。

これは排尿障害を改善する働きが強く出過ぎたと言う物ですので、こうした場合にはすぐに処方して下さったお医者さんに相談しましょう。

交感神経β受容体遮断薬は心臓病にも有効なのでよく使われる

β遮断薬は降圧剤としてだけではなく、狭心症や心筋梗塞、不整脈、心不全など、心臓疾患の症状を予防改善する働きがあります。心臓の病気は高血圧と連動することも多いので、処方されることも多いでしょう。

このお薬には非常に種類が多いのですが、それぞれに特性が異なるので、お医者さんの判断によって患者の体調に合わせて処方されるでしょう。

一部を紹介すると、ピンドロール(商品名:カルビスケン・ジェネリックあり)、ナドロール(商品名:ナディック・ジェネリックなし)、アテノロール(商品名:テノーミン・ジェネリックあり)などがあります。

そして、β遮断薬なのですがα遮断薬の特性を併せ持つお薬もあります。系統としてはαβ遮断薬ですが、効力比はα:β=1:8ですので、基本的にはβ遮断薬と言うことになります。

お薬としてはカルベジロール(商品名:アーチスト・ジェネリックあり)が良く使われます。働き方が複雑なので、他のお薬との飲み合わせにも注意が必要です。

常にお薬手帳を持って歩いて、他の医療機関で処方されたお薬の情報などをお医者さんや薬剤師さんに伝えることで、飲み合わせによる副作用を防ぐことができます。

最近ではお薬手帳アプリもいくつかあるようですので、こうしたお便利道具を活用するのも良いかもしれませんね。

お薬手帳アプリ画面キャプチャー

自律神経に働きかけるお薬は慎重に使う必要がありますので、お医者さんに提供する情報もできるだけ細かく正確に伝えるようにして下さいね。

その他にもさまざまなお薬があって併用することもある

高血圧に限らず、慢性病の場合にはいくつものお薬を併用して症状を抑えると言うこともよく行われます。しかし、それらはそれぞれ副作用を持つお薬であることも忘れてはいけません。

慢性病、特に生活習慣病では病気の原因になっている生活習慣を改めない限り、いくらお薬を飲んでも根本解決にはなりません。ですので、お薬が一種類で済んでいるうちにしっかり治しましょう。

また、すでにお薬が併用されている場合には、生活習慣を改善して、まずはお薬の数を減らしても大丈夫な生活にすることを目標にして下さい。

利尿薬は高血圧の時にも良く使われる

血液中の塩分が多くなったりした場合、血管の中に水分が供給されて濃度を一定にします。そのため血液が増えて血圧が上がるので、腎臓でどんどん濾過して、尿として捨ててしまえば血圧が下がります。

しかし、身体は尿として排泄される量が増えると、水分や塩分を再吸収しようと言う働きも強まります。ですので、排泄を進めると同時に再吸収を抑えるために利尿薬が降圧剤として使われると言うわけです。

お薬としてはトリクロルメチアジド(商品名:フルイトラン・ジェネリックあり)やフロセミド(商品名:ラシックス・ジェネリックあり)、スピロノラクトン(商品名:アルダクトンA・ジェネリックあり)などがあります。

こうした利尿薬は、時として低ナトリウム血症や低カリウム血症などのミネラルの関するトラブルを引き起こしますので、お医者さんや薬剤師さんの服薬指導は厳密に守って下さい。

カルシウム拮抗剤を飲んでも骨は弱くならない

カルシウム拮抗剤と言う名前から、「カルシウムに拮抗したら、骨や歯が弱くなるじゃないか」と心配される人もおられますが、そんなことはありません。

確かに人体に含まれるカルシウムの99%までが骨と歯に含まれていますが、残り1%は神経伝達物質として働いています。そして、カルシウム拮抗薬は神経伝達物質としてのカルシウムが筋肉の細胞に入ることを抑えて、血管の収縮を抑制します。

血管の収縮が抑制されると血圧の上昇も抑えられると言うことですね。

お薬としてはアムロジピンベシル酸塩(商品名:ノルバスク・ジェネリックあり)やニフェジピン(商品名:アダラート・ジェネリックあり)、ジルチアゼム塩酸塩(商品名:ヘルベッサー・ジェネリックあり)などです。

浮腫や皮膚・口内粘膜のトラブルなどが副作用として知られていますので、気になることがあったらすぐにお医者さんに相談しましょう。

適切な血圧をキープすることは将来の認知症を予防する上でとても重要です。

できるだけお薬を使わなくてもいいように生活習慣を見直すのはもちろん、当面高すぎるようであれば降圧剤をしっかり使って、高血圧による認知症のリスク上昇を避けるようにしましょう。

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