健康生活TOP 脱水症 高齢者が注意したい脱水症!脱水状態になりやすいその特徴に注目

高齢者が注意したい脱水症!脱水状態になりやすいその特徴に注目

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「これしきの暑さ大したことはない!」「心頭滅却すれば・・!」という元気なおじいちゃん、おばあちゃん。元気は何よりですが、暑い時期の脱水症状には気持ちだけでは勝てないようです・・・。

高齢者の脱水症状の危険性と予防法をご紹介します。

生命の維持ができなくなる脱水症状!命に関わるその危険性

そもそも脱水症状とはどのような状態をいうのでしょうか?私たちの体を作っている成分で最も多いのが60%を占める水です。汗をかいたり皮膚から蒸発したりして水分が減少し、生命活動を維持できなくなる状態のことを「脱水状態」といいます。

脱水症状は脱水状態で心身に起こる症状のことで脱水症ともいいます。脱水状態の程度は体重と比較した水分量がどれだけ減少しているかで、およそ程度を区別しています。

健康時の体重と比べて水分の減少が・・・

  • 3%(1.8L)・・軽度の脱水状態
  • 6%(3.6L)・・中程度の状態
  • 9%(5.4L)・・重度の状態
  • 15%(9.0L)・・命に関わる危険な状態

体の水分は胃や腸の中にあるだけでなく、臓器や筋肉、細胞を作るもとになっているので、水分が不足すると細胞レベルから体が正常に機能しなくなり、脳にダメージをもたらしたり、こん睡状態に陥ったりと、命に関わる場合もあるのです。

高齢者の脱水症状が毎年増加している!その理由は大きく5つ

日本の夏は高温多湿のため、暑い日は自分で思っている以上に汗をかいて、体の水分が減少しています。平成25年総務省の統計によれば、熱中症で救急搬送された人の半数は65歳以上の高齢者となっています。

脱水症状は熱中症の症状の1つですが、熱中症の症状の中でも命にも関わる深刻な事態です。熱中症での搬送者数をみても分かるとおり、高齢になるほど熱中症による脱水症状も起こしやすい傾向があります。

高齢者が脱水症状を起こす理由は5つあります。

1.体の水分自体が不足している

健康な成人の場合は体重の60%が水分ですが、高齢者の場合、体の水分量は50%程度に減少しています。そして、高齢になればなるほど水分量の割合は少なくなっていきます。これは水を蓄える働きをする筋肉や細胞が少なくなるためです。

つまり高齢者が脱水症状を起こしやすいのは、体の水分量が年齢を重ねる毎に少なくなっていくからです。これはある程度仕方のないことです。

2.暑さを感じにくくなる

高齢になるほど皮膚の感覚や、温度や湿度を感じる認知機能が鈍くなることも、高齢者が脱水症状を起こしやすくなる原因です。高齢者は暑さを感じにくくなるのです。

また口渇中枢という脳の機能が衰え、のどの渇きも感じにくくなるので、暑さとのどの渇きの両方の感覚が鈍くなるため、脱水症状が起こりやすくなるのです。これも年齢によって起こるものなので、ある程度はやむを得ないことです。

3.腎臓の働きが低下

歳を重ねると誰でもトイレが近くなるものです。高齢者は、腎臓の働きが衰えていることが多く、血液中の水分を再吸収する働きが弱くなるので、トイレの回数が増え、そのため体の水分がより多く排泄されてしまうのです。

また、糖尿病や高血圧などの持病により腎機能が衰えている場合も同様です。

4.尿漏れを気にする

高齢になると尿漏れを心配するあまり、あえて水分を摂らない人が増えることも脱水症状を起こしやすくなる一つの原因になります。

5.薬による影響

高齢者は様々な持病を持っていることが多く、その治療のために服用する薬の中に、利尿作用がある場合も考えられます。

このように高齢者が脱水症状を起こしやすい理由には様々な原因があります。原因は決して1つというわけではなく、様々な要因が重なり合っている場合も多いので、高齢者の脱水症状を防ぐといっても、そう簡単なことではないのです。

高齢者の脱水症状を防ぐ水分の上手な摂りかたは?覚えておきたい水分補給のあれこれ

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では高齢者の脱水症状を防ぐには、どうすれば良いのでしょうか?

1日で水分を摂る量の目安は?

私たちが普通に生活していて汗や排泄などで自然に失われる水は1日で2.5Lくらいです。食事から摂れる水分は約1Lなので、差し引いて1.5L程度の水を飲む必要があります。

ちょうど1.5Lのペットボトル1本分、500mlなら3本分くらいになります。これに夏場は汗で失う分を加えて1日に2Lの水分を補給することを目安にしましょう。

経口保水液とスポーツドリンク

脱水症状を予防するために1日に水を2L飲めといわれても、なかなか難しいと思います。そこで便利なのが、経口保水液やスポーツドリンクです。経口保水液とスポーツドリンクは働きが似ているのですが、どう違うのでしょうか?

経口保水液やスポーツドリンクは生水と違って、塩分と糖分が含まれているところがポイントです。

まず塩分についてですが、体の中で水分を保水するには、塩分が必要です。塩分が水分を吸収する働きを利用して細胞や筋肉も水分を保持しています。純粋な水だけでは、体の中に留まっている力が弱く保水できないのです。

次に糖分ですが、水が胃や腸から吸収される時に、糖分があったほうが吸収されやすい性質があるのです。糖分は体のエネルギーになるので、普通の水よりも体が吸収しようとする力が強く働きます。

この塩分と糖分を含むということで、体にとっては吸収されやすくなり、保水する能力が高まるということなのです。

経口保水液にもスポーツドリンクにも塩分と糖分が含まれますが、経口保水液は、この塩分と糖分のバランスに基準があり、吸収と保水をするために最も効果的にできています。

一方、スポーツドリンクには、塩分や糖分の量に特に基準がなく、スポーツ時のエネルギーを補給する目的もあるので、どちらかといえば糖分が多く、カロリーも高めに作られています。スポーツドリンクの方が味が良いので飲みやすいようです。

どちらを利用するかは人によってそれぞれの持病の状態や味の好みですが、脱水症状の予防には、経口保水液が最適、次にスポーツドリンクというように考えれば良いでしょう。

食べ物からも上手に水分を補給しよう!摂りたいものと注意したいもの

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水を2L飲めといわれても、ただガブガブと飲むわけにもいきませんね。要は水分を摂れば良いわけですから、食べ物から摂る水分の量を増やすことで、上手に水分を補給することもできます。

果物で水分補給

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暑さで食欲が沸かないときでも、果物なら食べられるという人は多いと思います。果物はほとんどが水分でできていますから、「果物を食べること=水分を補給すること」と同じになるのです。

果物の中でも水分が多く、夏に旬を迎える果物をあげてみましょう。

1.スイカ

夏に旬を迎える果物の中で最も水分を多く含むのはスイカです。スイカの果肉の約95%は水分でできています。残りの5%にはビタミンCやβカロテン、カリウムやマグネシウムなどのビタミンやミネラルが含まれています。

そして最近注目されているのが、スイカの果肉に含まれる「シトルリン」という成分です。シトルリンはアミノ酸の一種で、血管を拡張して血流を改善する働きや、疲労を回復させ新陳代謝を促進する効果があります。

水分を補給しながら夏の疲れをも回復させてくれる、まさに一石二鳥の果物がスイカというわけです。

2.夏みかん

次にお奨めしたいのは、夏みかんです。酸味が効いて食欲がなくても食べられそうですね。夏みかんの酸味の元は、クエン酸です。クエン酸は、疲労の原因となる乳酸を分解したり、ブドウ糖からエネルギーを作るときに欠かせない成分です。

夏みかんも水分を補給しながら疲れを回復し、エネルギーを生み出す、疲労回復の特効薬といえる果物です。夏みかんを選ぶときのポイントは、なるべくヘタの付いたもののほうが新鮮で良いようです。

3.パイナップル

3つめに、パイナップルもお奨めです。パイナップルも甘みと酸味のバランスが良く食欲がなくても食べられると思います。パイナップルの良いところは、ブロメラインという消化酵素が含まれていて、弱った胃腸の働きを助けるところです。

よく酢豚にパイナップルが入っているのは、パイナップルの酵素が肉の繊維を溶かし、肉を柔らかくして食べやすくする効果があるからだとされています。水分補給とともに消化の促進や胃腸の機能を回復させることもできます。

その他にもグレープフルーツやナシ、モモなども水分が多い果物です。このように果物をデザートや間食として摂る工夫をすれば、水だけをたくさん飲むというあまり現実的でない水分補給の仕方ではなく、それほど無理せず取り組めそうです。

ビールはダメ!水分が失われるぞ

ビールなどアルコールは利尿作用があるので、飲んだ水分以上に尿として排泄される水分のほうが多くなってしまいます。例えば、ビールをジョッキで3杯飲んだとすると、ビールジョッキを500mlとすると1.5Lの水分を摂ったことになりますが、実際には1.5L+150ml、つまり1.65mlの水分が失われます。

つまり、ビールのようなアルコールを飲めば飲むほど体にある水分が失われていくのです。

ちなみに、お酒を大量に飲んだ翌朝に体重がかなり減っていることがあります。これもアルコールの利尿作用で一時的に水分が失われるからで、すぐに元の体重に戻ります。

塩分も摂ったほうが良いの?

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脱水症状は厳密にいうと2つの状態があります。1つは純粋な水分が不足することで起こるもので、これを水分欠乏性脱水といいます。もう1つは、水の中に溶けているナトリウムなどの電解質が不足して起こる、電解質欠乏性脱水というものです。

電解質というのは簡単に言えば、塩分が水に溶けたものです。塩分は細胞や血液中に溶けて浸透圧を調整したり、血圧の調整をしたりして体を安定させる働きをしてます。

汗をなめるとしょっぱい味がする経験があると思いますが、汗と一緒に若干の塩分も蒸発しています。そのため、塩分が不足することで体の機能が正常に働かなくなる場合があります。

脱水症状を予防するためには、水分と同時にある程度の塩分を摂ることが必要です。摂りすぎはいけませんが、直接塩をなめるというのではなく、水分に少量の塩を入れて飲むようにすると良いでしょう。

水分をお茶で補給する場合は注意

水をそんなにたくさん飲むことはできないので、お茶を飲んで水分を補給しようと考える人もいると思います。

お茶で水分を補給する場合、緑茶のようにカフェインやタンニンが多く含まれるお茶は、カフェインの利尿作用やタンニンの副作用で便秘になることもあるので、番茶やほうじ茶を飲むようにしましょう。

高齢になるほど脱水症状を起こしやすい要件が多くなるのは仕方がないことかもしれません。まだまだ若いと過信せず、謙虚に脱水症対策を行なっていきましょう。

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