健康生活TOP 体調不良 体から出る膿とは?膿の働きと安易な膿を出す治療が危険な訳

体から出る膿とは?膿の働きと安易な膿を出す治療が危険な訳

絆創膏を貼った女性の手

「痛~いっ…血が出たっ!」台所から声が聞こえます。きっとまた妻が包丁で指を切ったのだと思いますが、このような場面では必ず行う言葉のやりとりがありますよね。

それが「ちゃんと消毒しなさいよ」とか「バイキンが入るからね」で、大抵の日本人は家庭でこのようなやり取りをしているのではないでしょうか?

包丁で指を切ることは包丁や手に付着している雑菌が、指の傷から体内に入り込む危険性があります。そして入り込んだ雑菌は傷口の修復を阻害して化膿してしまい、感染症を引き起こしてしまう原因になってしまいます。

このように傷口に入り込んだ細菌は炎症(軽い感染症)を起こすことで傷を化膿させますが、その時に作られるのが「膿」です。白くドロっとした膿にはどのような働きがあるのでしょうか?また安易に膿を絞り出すこともありますが、この行為には危険はないのでしょうか?

膿の正体と正しいつきあい方について紹介します。

潔癖症の人が増えていると思いませんか?

最近テレビで「潔癖症」をテーマにした番組を見かけます。見てみると一日中掃除や洗濯をしていたり、他人のものには触れなかったりと各人のこだわりが見られて、面白い内容になっています。

また潔癖症の増加と共に注目を集めているのが「不潔症」であり、最近では「ゴミ屋敷(部屋)」「汚ギャル」などの言葉も作られています。

潔癖症の人の話を聞いていると必ず出てくるキーワードが「細菌」や「雑菌」などの「菌」と言うワードであり、彼らの目的はいかに菌を消滅させるかにあることは明白です。

潔癖症的な思考は「汚い部屋に住んでいる人には細菌が多く付着している」「綺麗な自分には細菌は付着していない」であり、ちょっとでも不潔な部分を見つけるだけで憎悪感を持ってしまうように感じられます。

彼らは何かと言えば「あ~雑菌が…」「菌が気持ち悪い…」などと言っていますが、実際にはどのような細菌が私達の周りにはいるのでしょうか?

膿の原因となる化膿は細菌の感染が原因で発症します。化膿や膿の説明の前に細菌について、簡単におさらいしてみましょう。

人間の身体には危険な細菌が溢れている

医療関係の施設には「無菌室」と言うネーミングの部屋があります。無菌室はその名のとおり細菌がいない部屋であり、特殊なフィルターを通すことで無菌の空気を循環させています。

病院の無菌室は骨髄移植など身体の免疫機能を一度破壊して行う治療には必須な環境であり、研究施設においても無菌室は重要な役割を持っています。

しかし私達の部屋は無菌室ではありませんよね。窓を開けると外気が普通に入ってきますし、外出する時にはドアを開けなくてはいけません。また外で着ている洋服のままで帰宅し室内に入りますし、外で購入した物も持ち込みます。

無菌室とは比べることもできない程度の環境なのですが、そうなると屋外にいる「招かざる客」も招いてしまうことになります。

その招待していない客の正体こそ「細菌」であり、実は人間の身体には細菌が溢れていたのです。

細菌はマイクロサイズの微小生物だった

細菌とは単細胞の微生物であり、その大きさは1~10μm程度の肉眼では見えないサイズです。細菌は細胞を持っていますが、単細胞であり1つの細胞しか持っていません。

基本的に細菌は2つに分裂することで個体を増加させることができます。

現在確認されている細菌は約1400属であり、数は6800種と言われていますが、実際にはその10倍~100倍の種類が存在していると推測されています。

現在でも新しい細菌の発見は続いており、科学技術の発達と共にその数も増えると考えられています。まだまだ未発見の細菌が沢山あったのですね。

細菌には良い細菌と悪い細菌がある

潔癖症に言わせると全ての細菌が悪であり、完全に除菌することが清潔な生活を保証してくれると言いたげですが、実はそうではなく細菌にも「良い細菌」と「悪い細菌」があります。

良い細菌は人間の健康にとって良い働きを行い、悪い細菌は健康を害したり病気の原因になったりします。

どんなに掃除や洗濯をしても私達の身体から細菌がいなくなることはなく、「常在菌(常在細菌)」と呼ばれる細菌が常に付着しているのです。私達の周りには目に見えない細菌が溢れていることを十分に理解しましょう。

身近にある良い細菌を考えてみよう

私達の生活の中で健康に良い影響を与えている細菌と言えば、「乳酸菌」ですよね。私の知人の中に「乳酸菌は細菌とは違うの!」と言い切る人がいました。

「えっえ~」と思ってしまいましたが、彼女の理解では乳酸菌は綺麗なものだそうです。普段から「細菌、雑菌」と叫んでいる人が、実はヨーグルト好きとは面白いものです。

しかし、乳酸菌は細菌であり身体に入り込むことで、腸の善玉菌として整腸作用をもたらしてくれます。

皮膚上に住み着いている良い細菌と言えば、「表皮ブドウ球菌」です。表皮ブドウ球菌は皮膚上にグリセリンなどの成分を作り出し、弾力や潤いのある肌を作り出します。

また、皮膚を弱酸性に変えることで、有害な細菌が皮膚に付着することを防ぐ「皮膚バリア機能」を作り出すのです。

ニキビの原因で有名な「アクネ菌」ですが、この細菌も本来は良い細菌として肌のバリア機能を作るのですが、皮膚に脂肪分が多い条件下ではニキビの原因となってしまいます。

その意味では良い細菌、悪い細菌の中間細菌として位置づけられています。

皮膚上には様々な細菌が付着していますが、洗いすぎて表皮ブドウ球菌が少なくなると、カサカサで弾力のない肌になってしまい、肌のバリア機能も低下することから有害な細菌が増加してしまいます。

「綺麗にする」が「汚くなる」となってしまうのですね。

気をつけなくてはいけない悪い細菌

「正義の味方」がいれば「悪の手下」も必ずいますよね。細菌で言いますとよく聞く言葉に「悪玉菌」がありますが、これは私達の健康に悪影響をもたらす細菌のことを言います。

悪玉菌の代表は「大腸菌」です。身体の中で過剰に増加すると、腸の機能を低下させて「腹痛」「下痢」の原因になります。急性大腸炎を引き起こすこともあり、病原性大腸菌(O157)では死者が出ることも珍しくはありません。

また皮膚上には常在菌として「黄色ブドウ球菌」「レンサ球菌」「緑膿菌」などが付着していることがあり、この細菌はケガを化膿させたり食中毒の原因になったりすることがあります。

近年話題の「腸内フローラ」は腸内細菌バランスを表した言葉ですが、人間の表面も中も善悪共に細菌が溢れていたのですね。

細菌を肉眼で見ることはできません。どんなに清潔な生活を心がけていても、常在菌から逃げ出すことは不可能なのです。

身体から膿が出る理由は化膿だった?膿の正体とは

ケガをした時に暫くたってから膿が出ることがあります。傷口が腫れて膨らんでから白く「ドロっ」とした液体が出るのですが、中には白っぽい膨らみとなることもあります。

膿とはどのような働きがあるのでしょうか?

化膿と膿の関係は常在菌が関係していた

例えば道で転んで膝にケガをしたとしましょう。外出時だったこともあり、ティッシュで血を拭く程度でそれ以上の手当はしませんでした。

仕事も終わり自宅に帰って傷口を見てみると、赤く腫れてジュクジュクした状態になっていました。これは傷口が「化膿」した状態であり、細菌が入りこんだことを意味していたのです。

化膿とは「皮膚が傷つくことで、炎症が発症し膿ができた状態」を言います。炎症の原因は常在菌であるブドウ球菌やレンサ球菌などの侵入であり、細菌による感染症の一種に含まれます。

傷口が化膿した状態を以下に紹介します。

  • 膨張:腫れ
  • 疼痛:痛み
  • 発赤:赤み
  • 局所熱感:熱

前述した通り人間の身体には常在菌が何種類も付着しており、鼻腔や口腔内にも沢山の細菌が潜んでいます。皮膚は身体のバリアでありこれが傷つくことは、細菌を侵入させるきっかけになってしまうのです。

それでは膿とは一体どのような物質なのでしょうか?実は膿とは常在菌が傷口から侵入することで、免疫が細菌と戦った「戦いの残骸」だったのです。

侵入した細菌にはまず白血球が対処する

傷口から侵入した細菌をそのままにしておくと、血液中に入り込み身体全体にその影響を与えてしまいます。しかし、皮膚バリアを突破されたからと言って、人間の防御システムはなくなった訳ではありません。

人間には「免疫作用」と呼ばれる外敵から身体を守る作用があり、身体の中に侵入した細菌を死滅させ排除する機能を持っています。傷口から細菌が侵入したケースでは、まず「白血球」などの免疫細胞が、外敵である細菌に対して攻撃を仕掛けます。

白血球は免疫細胞の一つであり、外部から侵入した外敵を死滅させて排除する働きを行います。白血球の大きさは6~30μmで、血液1μlあたり3500~9500個含まれています。

白血球には以下の5種類があるとされています。

  1. 好中球
  2. 好酸球
  3. 好塩基球
  4. リンパ球
  5. 単球

この中でも好中球は白血球の50%~70%を占めている細胞であり、侵入した細菌に攻撃を仕掛けるのも好中球の役目とされています。

細菌と免疫の戦いの残骸が膿の正体だった

傷口から細菌が入り込むと血液中の白血球が増加して、その中の好中球が細菌に対して攻撃を仕掛けます。この時、好中球がどのようにして細菌を攻撃するのかと言いますと……実は細菌を「パクッ」と食べてしまうのです。

これは冗談ではなく「貧食作用」と呼ばれる白血球の免疫作用なのですが、細菌を食べてしまうのですからちょっと恐ろしい感じもしますね。好中球は貧食作用で細菌を食べると細胞膜で包み込み、活性酸素などの殺菌物質を放出して細菌を死滅させます。

好中球は寿命が短いことが特徴であり、約10時間でその生涯を終えてしまいます。そのために一つの好中球で攻撃できる細菌の数には限界があります。そのために細菌が入り込むと白血球の数を増加させる必要があったのです。

また好中球の寿命が短いのには理由がありまして、細菌を取り込んでから自爆することで、自らと共に細菌を死滅させるのです。

うーんこれはまさしく「自爆作戦」とも言える戦法ではないでしょうか?

それでは好中球が細菌と戦い立派に死んでしまったら、どうなると思いますか?もちろん立派に戦った好中球の残骸が後に残ることになります。

それが「膿」の正体であり、膿とは「白血球に含まれる好中球が、細菌と戦った後の残骸を体外に排出させるもの」だったのです。

膿の量は侵食された細菌の数によって違う

傷口から侵入した細菌は分裂を繰り返すために、数がドンドンと増加してしまうことがあります。そのために白血球も数を増やすのですが、そうなると死んでいく好中球の数も増えてしまいますよね。

つまり、ケガの種類によって膿の量に違いがあるのは、増殖した細菌の数が違うためであり、対応した好中球の戦死者の数が違うからなのです。

化膿が数日続いた場合においても、少しずつ膿の量が減りますが、これは感染している細菌の数が日々減少していることで、傷が回復している証拠とも言えるのでしょう。

膿は「きたなーい!」ではなく、立派に戦ってくれた兵士の残骸だと思って下さいね。

膿は細菌と戦った好中球の残骸であり、死骸でもあります。白い膿や緑がかった膿があるのは死滅した細菌の種類にもよるからです。

化膿することで膿が出る危険なケースとは

一般的に膿はケガをして傷口が化膿することで出ることが多いのですが、それ以外にも膿が出ることがあります。どのようなケースで膿が出るのかを注意点を踏まえて紹介します。

土の中には危険な細菌が一杯

ケガには様々なケースが想定されますが、まずは一般的な「擦り傷」での化膿を紹介します。歩いていて転んだり、スポーツ中に転倒してしまったりすることは日常的にある話です。

この時に膝や肘を擦りむいてケガをしてしまうことがありますが、ここで注意したいのがアスファルトやグラウンド上にいる土壌細菌です。

擦り傷から「破傷風菌」が入り込む「破傷風」は最も注意しなくてはならない感染症であり、感染することで「化膿」「けいれん症状」などを引き起こす危険な感染症です。発症すると重症化しやすく、致死率も高いのが特徴と言えます。

「化膿レンサ球菌」や「黄色ブドウ球菌」が原因の「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」は、化膿だけでなく「発熱」「痛み」「寒気」などを発症させます。

また地域によって土中に潜む細菌に違いがあるので、エリアごとにどのような感染症があるのかを事前に調べておくことも重要だと思います。

臓器が化膿すると膿の排出ができない

「虫垂炎(いわゆる盲腸)」は子供に多い病気とされていますが、現在では投薬による処置が進んでおり、手術は少なくなっているようです。

虫垂とはお腹の右下、小腸と大腸の接合部分の下にある臓器で、免疫の働きに関係していると考えられています。症状は右の下腹部の痛みですが、突然「イタタタタ」と痛み出しみるみる激痛に変わってしまいます。

何らかの原因で虫垂が細菌に感染して炎症を起こすことが虫垂炎の正体ですが、痛みの原因は虫垂の化膿にあります。化膿した虫垂は膿を含んでおり、そのまま放置すると最終的には破裂して膿が腹腔内に放出されてしまいます。

細菌を含んだ膿が腹腔内に散らばると周辺の臓器で炎症が起き、多くの臓器が機能不全に陥ってしまうのです。虫垂炎は適切に処置を行わないと膿により命の危険もある病気の代表と言えます。

「肝膿瘍(かんのうよう)」は肝臓の一部が化膿する病気です。原因は肝臓に細菌やアメーバーが感染することで、肝臓の一部に感染による炎症が発症し化膿してしまいます。

肝膿瘍が発症すると肝臓に細菌が入り込むことで血液が汚染される「敗血症」の原因になることから、症状が全身に広がり悪化しやすい危険な病気と言えます。

このように細菌は各臓器に感染することで炎症を引き起こし、臓器を化膿させてしまうことがあります。臓器の化膿では膿を身体の外へと排出させることは困難であり、自然に吸収されるのを待つか、手術で取り除くしか方法はありません。

化膿とは皮膚上だけでなく、体内でも起こる病気だったのです。

青春のシンボル?あのニキビも化膿だった

ニキビで悩んでいる女性は多いと思いますが、実はニキビも感染症の一種と考えてもよいのです。常在菌の一種である「アクネ菌」は全ての人の皮膚にいる細菌です。

アクネ菌には酸素を嫌う特徴があり、毛穴など酸素が比較的届かない場所を好みます。過剰な皮脂で毛穴が塞がると酸素が少なくなるのでアクネ菌は大喜びして、皮脂(脂肪)を栄養に増殖を繰り返します。

そして皮膚に炎症を起こしてニキビとなります。また炎症の起きた皮膚はバリア機能が破壊されているために、他の常在菌も感染しやすい状態であり、別の常在菌にも感染されてしまうきっかけを作ります。

赤ニキビ、黄色ニキビなどニキビに様々な種類があるのは、感染した細菌の違いであることも多く、膿を出す黄色ニキビの場合は主に黄色ブドウ球菌の仕業と考えられます。

ニキビが顔の皮膚の化膿と考えるとちょっと気持ち悪いですが、理屈としては傷口の膿と大して変わらなかったのですね。

関節が化膿することで関節が破壊される

細菌は思いもよらない所に入り込むことがあります。人間は手足など身体を稼働させるために関節を使用しますが、関節とは骨と骨の接合部であり、スムーズに稼働させることで人間の複雑な動きを実現させる働きがあります。

この関節に何らかの原因で細菌が入り込む病気が「化膿性関節炎」と呼ばれる病気で、関節に炎症を起こすことで関節可動に悪影響を与える原因になります。

「え~なんで関節に細菌が入るの?」と驚く人もいると思いますが、関節内に細菌が入り込む主な理由は以下の3つです。

  • 体内の別にある感染部分から細菌が血液で運ばれた
  • ケガや針(注射器)あるいは手術道具で感染した
  • 関節付近の骨髄炎から感染した

関節に入り込んだ細菌は、関節組織を化膿させて膿をためてしまいます。放置することで関節が破壊されて、変形してしまい可動に支障が出ることが多いので早期治療が重要です。

細菌による感染症は全身で発症する可能性があります。軽い化膿から命の危険もある化膿まであることを覚えておきましょう。

化膿して膿が出た場合の治療とは

膿は細菌と白血球の戦いの残骸であることは事実ですが、どちらが優位に戦っているのかを知る方法はありません。膿が出ているからと言って、そのまま放置していては危険なことがあるのです。

化膿を悪化させると身体が腐ってしまう

自分の免疫作用に期待して化膿した傷口を放置する人がいますが、安易にそのような行動を取ると後で後悔する結果になるかもしれません。

まず化膿している状態とは細菌と免疫が戦っている状態であり、どちらに軍配が上がるのかは判らないのです。もし細菌に軍配が上がったら、一気に細菌の数が増加してしまい身体全体にその影響が広まってしまうでしょう。

「壊死性感染症」とは細菌によって感染付近の細胞が壊死してしまう病気で、皮膚が黒く腐ってしまいます。腐った皮膚組織は回復することはできないため、手術でその部分より多くを切り取らなくていけないのです。

また壊死した部分は急速に広まり手術が間に合わなく、死亡することも珍しくはありません。

化膿は軽い病気ではありません。必要に応じて処置を行わなくては危険な最期を迎えることになるかもしれないのです。

まずは洗浄と消毒が基本中の基本

ケガのケースでは「洗浄」と「消毒」が大切です。傷口を洗浄することは傷口についた細菌を洗い流し、身体の中に進入することを防止します。

病院での処置は麻酔を打って、流水しながらブラシで傷口をゴシゴシ擦りながら洗浄します。まさか家庭ではここまでできないので、流水で洗いながら土などの付着物がなくなるまで丁寧に洗浄しましょう。

もし、取れない付着物があったら病院(外科)での処置をオススメします。

消毒を行う際には、必ず洗浄した後で行うようにして下さい。洗浄しないで消毒液をかけても、全ての細菌が除去できないこともあるため、必ず洗浄を優先させようにしましょう。

専門家の中には「傷の感染症では消毒よりも洗浄が有効」と指摘する人もいます。化膿予防にとって洗浄はそれくらい重要なのです。

細菌感染に効果的な抗生物質とは?

細菌による感染症で最も有効なのは抗生物質です。ペニシリンの発明から始まった抗生物質の歴史は、多くの人々を感染症から救ってきました。

主に抗生物質が適用される病気は以下の通りです。

  • 細菌性の風邪
  • 肺炎などの呼吸器疾患
  • 細菌性の胃腸炎(ピロリ菌除菌など)
  • 心臓内膜などの感染症
  • 腎炎などの感染症
  • 大腸菌による膀胱炎
  • その他

このように細菌性の病気で抗生物質は適用されており、ウイルス性の感染症では基本的に適用されていません。抗生物質には様々な種類がありますが、その種類によって効果的な細菌に違いがあります。

また抗生物質の安易な使用は耐性菌を生み出す原因でもあり、近年では慎重な判断のもと医師が処方を行っています。

ケガの化膿を予防するために抗生物質が重要

風邪などは細菌が喉や鼻に進入することで発症する感染症ですが、ケガによる化膿は傷口から細菌が侵入することで発症する感染症です。

実は違うようで同じことから、ケガによる化膿にも抗生物質は有効です。抗生物質を服用することで、傷口から侵入し増殖した細菌を死滅させて化膿を改善させます。

また、ケガをした時点で抗生物質を服用することで、化膿を未然に防ぎ傷口の悪化を予防する効果も期待できます。

風邪などの病気のケースでは感染症の症状が現れてからの治療目的が一般的ですが、ケガのケースでは「治療目的」だけではなく「予防目的」と2つの使用法があったのです。

たとえ症状が直ぐに出ていない傷であっても数日経過することで、重症化してしまうことは珍しくはありません。気になる場合は病院で抗生物質を処方してもらうと安心です。

錆びた釘や刃物での傷は必ず抗生物質を服用すること

ケガをする理由には色々とありますが、中には症状が出ていなくても抗生物質の服用が必要なものがあります。前述しました破傷風菌は毒性も強く感染することで、麻痺や痙攣発作を発症し致死率も50%と高い感染症です。

破傷風の原因である破傷風菌は酸素が苦手で、通常は土の中で潜んで生息しています。しかし、土の上に落ちた金属に付着することが多く、特に錆びた釘や刃物には破傷風菌が付着していることが多いと思われます。

破傷風菌が関係しているケガの原因の一例を以下に紹介します。

  • 歩いていて錆びた釘を踏んでしまった
  • 大工仕事の途中で釘が刺さってしまった
  • 錆びた刃物で指を切ってしまった
  • 外で転んで土や木片が傷口に入ってしまった
  • 海外でケガをしてしまった
  • その他

釘や刃物だけでなく外にある錆びた金属には破傷風菌が付着していると考えて、これらが原因によるケガをしたら予防の観点から抗生物質を処方してもらうようにしましょう。

ケガをした時の処置が傷口を化膿させないために重要です。

特に錆びた金属によるケガは破傷風の原因と思って病院で処置をしてもらいましょう。

積極的に膿を出すことは正しい方法?いいえ危険なのです

日本のことわざに「膿んだものは潰せ」と言うものがあります。これは悪いものを出し切ることで結果が好転するとの意味で、悪因を取り除く意味で「膿を出し切る」とも言います。

どうやら昔から膿を出すことはよいことと考えられていたようですが、これは正しい理解なのでしょうか?

膿を絞って出すことは炎症を拡大させる恐れも

日本のことわざで解るように膿を出すことは悪いことではないようです。私もどちらかと言いますと、膿が出ると絞って出しきる性格で、ギューっとすることで治った感覚さえ覚えるのです。

しかしこのように膿を絞ってまで出す行為は、症状を悪化させることにも繋がる可能性があります。

膿を作り出す化膿の状況は様々なで、細菌が無くなる寸前の場合もあるし、まだまだ活発に活動している場合もあります。

細菌が元気な場合では膿の中にも沢山の細菌が含まれていることもあり、無理に絞りだすことで感染を広げて、炎症を拡大させる結果を招いてしまうことも考えられます。

膿を出すにもタイミングがあると言うことで、無理をすると細菌をまき散らすことにしかならないのです。

絞ることで新たな感染の原因になる

化膿によって膿が溜まるとその部分は膨らんで痛みを感じることもあります。なんとか潰したいので強く絞ったり、針で穴を開けてから絞ったりすることを試してみるかもしれません。

しかし無理に穴を開けてまで取り出そうとする行為は危険な行為です。痛みがあることは化膿が強い状況であり、細菌が活発に活動しています。

その状態で無理に穴を開けるとその穴から別の細菌が入り込んでしまい、免疫では対応ができなくなる可能性があります。

「せっかく治ってきたのに傷を触るから悪くなった!」なんてお母さんに怒られた経験があると思いますが、これは化膿部分を触ることで傷口が裂けて別の細菌が付着したことも原因です。

穴を開けてまで膿を出す行為は細菌を元気付けることにもなるようですね。

他人に感染を広げてしまう恐れもある

細菌による感染が拡大する原因には「飛沫感染」「接触感染」などがありますが、膿が原因で感染が拡大する理由は接触感染です。特に膿の中には沢山の細菌が含まれていることがあり、それを他人に付着させるのは感染の拡大を招いています。

例えば膿を絞った手で家族に触れることで、細菌は家族へと感染してしまいます。それが家族の体内に入り込んで感染症の原因になります。

母親が膿を触った手で料理を作り、料理の中に細菌が増殖してしまうことで、家族全員が食中毒を引き起こすケースは珍しいものではありません。また学校給食で発生する食中毒事件の多くが、調理作業員の傷が関係していると言われています。

傷で作られた膿は細菌の宝庫であり、それが食べ物に入り込んで増殖して食中毒を起こすのです。安易に膿に触れる行為は危険なので、衛生面に注意して行うようにしましょう。

膿を絞り出すことで皮膚に後遺症が

化膿は身体中どこにできても不思議ではありません。しかし目立つ所が化膿した場合、早く直さないとあまり格好のよいものではありませんよね。特にニキビの悪化など顔にできた膿は、早く絞って取り去ってしまいたいのも人情です。

しかし安易に絞ることは化膿を広げるだけでなく、皮膚に対しても深刻なダメージを与える原因になるかもしれません。そうなると完治しても化膿した跡が残り、一生後悔することになります。

皮膚に負担をかけてまで無理に絞り出すことは控えた方がよいでしょう。

何事も無理をしてよい結果はありません。膿を無理に出しても化膿を悪化させる原因になります。

膿は出せばよいと言う簡単なものではなかった

膿は白血球が細菌と戦った残骸であり、身体の外へ排出されるべきものです。しかし、それにはタイミングがあり、無理に出そうとすることは免疫の働きを阻害して、症状を悪化させる原因にもなります。

またいつまでも化膿が止まらずに膿が溜まっている状態は、細菌が活発であり白血球が劣勢にある証拠です。早めに病院で治療を受けた方がよさそうですね。

確かに膿を出すことは症状を改善して、傷を治すことに繋がります。しかし、無理に膿を絞ることはかえって傷を悪化させてしまう結果を招くかもしれません。

その意味では「膿を出す」ことを考えるよりも、「膿を作らない」ことを考えるべきで、膿の原因でもある化膿を予防することが一番大切なのではないでしょうか?化膿しそうなケガでは「洗浄」「消毒」「薬(抗生物質)」、この3本柱に重点を置いて対処するように心がけましょう。

そうすれば膿を「出す?」「出さない?」で悩むこともないでないのですから。

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