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尿の濁りの原因は病気!?腎臓や膀胱などの病気で濁った尿の特徴

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普段、自分の尿をしっかり観察していますか?尿は健康のバロメーターとも言われ、毎日の体調によって尿の状態も変化しています。

健康なときの尿は淡黄色で透明です。しかしまれに、透明なはずの尿が濁ってしまうことがあります。自分の尿が濁っていたりしたらビックリしてしまいますが、濁ってしまった原因は何なのでしょう。

この原因はいろいろと考えられ特に心配ないこともありますが、中には病気が隠れていることもあるため注意が必要です。尿が濁ってしまう原因について、詳しく見ていきましょう。

健康なとき、尿は淡黄色で透明!正常な尿の特徴とは

まず、健康なときの正常な尿の状態について確認しておきましょう。正常な尿は、次のような状態です。

正常な尿の状態

  • 淡黄色で透明、濁っていない
  • 起床直後や水分不足ときにはやや濃い色になることがある
  • 排泄された直後には、ほぼ臭いはない
  • 一日の尿量は1000~1500mlくらい

基本的に尿は透明で、排泄された直後はあまり臭いもありません。排泄後に尿中の尿素が外界の細菌と反応して分解されると、アンモニアになって臭うようになります。

尿の状態は日常のちょっとしたことでも変化してしまいます。起床直後や運動したくさん汗をかいた後などは、尿はやや濃い色になります。水分をたくさん摂った後には薄い色になります。

また食事の内容や飲んでいる薬によっても、色が変化したりいつもよりも臭うようになったりします。例えばニンニク料理をたくさん食べると、尿はいつもよりも臭く感じるでしょう。

このように普段と少し違う尿になっても、その心当たりがあれば心配ありません。しばらくすれば、また普段の尿へ戻ります。

尿の濁りの原因が、腎臓や尿路系の病気のこともある!

では通常は透明なはずの尿が濁ってしまった場合には、どのような原因が考えられるのでしょうか。

これにはいくつかの原因が考えられます。場合によっては腎臓や尿路系の病気が原因となることもあるため、注意しなくてはいけません。ただ食事などの影響で濁ることもあり、この場合には心配する必要はありません。

また尿検査でしばらく尿を放置していたら濁ってきたという場合にも、心配しなくて大丈夫です。排尿直後には透明な尿でも、そのまま放置し時間がたつと濁ってきてしまうものなのです。

誰の尿であってもその中には、尿酸塩やリン酸塩といった塩類が溶け込んでいます。排尿してから時間がたつと温度やpHが変化してしまい、溶け込んでいた塩類が結晶化するために尿は濁ってきます。

注意が必要なのは、排尿したすぐ直後の尿が濁ってしまっているという場合です。この場合には何らかの病気が隠れている可能性もあるのです。

尿が濁りには、次のようなものがあります。

  • 血液が混じった血尿
  • 膿が混じって白く濁った膿尿(のうにょう)
  • (女性の場合には)おりものが混じった尿
  • 食事の影響によりシュウ酸カルシウムの結晶が混じった尿

血尿や膿尿は何らかの異常が考えられるため、すぐに病院を受診したほうがよいでしょう。

女性の場合には、おりものが混じって尿が濁ることもあります。特にかゆみなどがなければ問題ないと思われますが、かゆみがあったりおりものが異常に多いという場合には、一度医師にみてもらったほうがよいでしょう。

食事の影響によって尿が濁ってしまうこともあります。ほうれん草などに含まれる「シュウ酸」をたくさん摂り過ぎてしまうと、体内のカルシウムと結びついて「シュウ酸カルシウム」の結晶ができやすくなるのです。

これは一時的なもので基本的には心配いりませんが、シュウ酸の摂り過ぎは尿路結石を起こしてしまうリスクがあるため、食事内容を少し改善させたほうがよいかもしれません。

ではそれぞれの濁りの原因について、詳しくみていきましょう。

【血尿】 腎臓や尿路系に異常があるサインかも

尿は腎臓で作られています。腎臓で汚れた血液がろ過され、体にとって不必要なものが尿として排出されていきます。このとき、通常は尿に赤血球が混じることはありません。

しかし腎臓から尿の出口までのどこかに異常が起きると、尿の中に赤血球が混じるようになります。赤血球が混じった尿が「血尿」です。

血尿とは言っても見た目ではっきりとわかるくらいに赤く変化していることもあれば、混入した赤血球の量が微量なために見た目には血尿であるとわからないこともあります。

肉眼的血尿 多量の赤血球が混入していて、尿がはっきり赤色に変化しているもの
顕微鏡的血尿 赤血球の混入量が微量なため見た目には血尿であることがわからず、顕微鏡で観察して血尿であると認められるもの

顕微鏡的血尿の場合には自分では血尿に気付けませんが、肉眼的血尿で尿が真っ赤になってしまっていたらびっくりしてしまうでしょう。どちらの場合でも、血尿が出ているということは腎臓や尿路系に何らかの異常が起きている可能性があります。

糸球体の病気

腎臓の糸球体に異常が起きると、血尿が出るようになります。蛋白尿もみられ、むくみが出ることもあります。症状が悪化するにつれて、腎臓の働きが低下していってしまいます。

また腎臓がんなどでも血尿が出るようになります。

尿路系の病気

尿路系の病気によって血尿が出てしまうこともあります。

ちなみに糸球体に異常がある場合とそれ以外の尿路系に異常がある場合とでは、顕微鏡で観察できる赤血球の形が異なります。その違いによって、どこに異常があるのかを知ることができます。

尿路系の病気としては、次のような可能性があります。

  • 尿路結石
  • 膀胱炎
  • 前立腺炎
  • 膀胱がん
  • スポーツなどによる尿路の外傷 など

尿路結石は、尿の通り道である尿路に結石ができてしまう病気です。結石のある場所によってはかなり激しい痛みが出てしまいます。そして細い尿路を結石が通り抜けるときに傷つけてしまい、血尿が出ることもあります。

膀胱炎は膀胱が細菌感染してしまう病気、前立腺炎は前立腺が細菌感染してしまう病気です。排尿痛が出たり、発熱してしまうこともあります。

膀胱がんでは血尿が出て初めて異常に気付くことが多くなります。その他排尿痛、残尿感、頻尿などの症状が現れることもあります。高齢男性に多い病気です。

スポーツなどの最中に衝撃によって尿路を傷つけてしまうこともあり、それによって血尿が出てしまうこともあります。

尿路結石、膀胱炎、前立腺炎で現れる症状については、後で詳しく説明します。

全身性の病気

白血病や血友病といったような病気では、全身的に出血傾向が現れます。そのため血尿も出るようになってしまいます。

ところで尿が赤ー赤褐色をしていても、「血尿」ではない場合もあります。血尿の定義は「尿中に赤血球が混じっている状態」なのですが、見た目は赤くても赤血球が混じっているわけではないこともあるのです。

それには次のようなものがあります。

ヘモグロビン尿 赤血球が壊れて(溶血)、赤血球の中のヘモグロビンが尿の中に排出されてしまった状態。溶血性貧血などでみられる。
ミオグロビン尿 筋肉が壊れ、筋肉に含まれていたミオグロビンが尿中に排出されてしまった状態。心筋梗塞や横紋筋融解症などでみられる。

溶血性貧血は、赤血球の寿命が通常より短くなってしまうことが原因で起きる貧血です。動悸や息切れ、黄疸といった症状もみられます。

横紋筋融解症は薬の副作用によって起きてしまうことがあります。特に脂質異常症の薬で起きやすいとされますが、その他いろいろな薬で(まれですが)起きてしまう可能性はあります。

尿が赤褐色になるほかにも脱力感などが現れます。このような症状があった場合には、薬を中止してすぐ医師に相談してください。

なお生理中の女性の場合には、尿中に血液が混じってしまうことがよくあります。

腎臓がん、膀胱がんでは、血尿以外の症状は特に出ないこともあります。
血尿が出たり出なかったりといった症状が続いているという場合には、痛みなどがなくても一度病院へ行くようにしてください。

【膿尿(のうにょう)】 尿路感染症の可能性あり

尿の中に膿がたくさん混じると、白く濁ってきます。この膿の正体は白血球です。このような尿を「膿尿」と言い、その原因としては腎臓から尿道までの感染症が疑われます。

膿尿が出てしまっている場合には、次のような病気の可能性があります。

  • 腎盂腎炎
  • 膀胱炎
  • 尿道炎
  • 前立腺炎
  • 性感染症 など

それぞれの病気で現れる症状もついては、後で詳しく説明します。

【おりものが混じって濁る尿】まれに性感染症のこともある

女性の場合には、尿におりものが混じって濁って見えてしまうこともあります。特に心配ないと思われますが、もしも性器のかゆみがひどい、痛みがある、おりものの量が異常に多い気がするなどあれば、念のため産婦人科を受診してみてください。

かゆみがひどかったりおりものの量が多い場合には、カンジダ膣炎や細菌性膣炎の可能性もあります。カンジダ膣炎は女性なら誰でも起きてしまいやすい病気です。

おりものの量が増えるほかに発熱などの症状もある場合、淋菌やクラミジアなどへの感染の可能性もあります。

最近はこれらの性感染症が増加しているとされます。他人に移してしまうこともあるため、気になることがあれば早めに専門医に相談してみてください。

食事の影響によって尿が濁ることもある!どんな食べ物が原因?

食事の影響によって、尿が濁ってしまうこともあります。これは「シュウ酸」を多く含む食品や動物性タンパク質を摂り過ぎた場合に起きてしまいます。カルシウム不足も原因になります。

シュウ酸はいろいろな食べ物に含まれていますが、特に多い食べ物はほうれん草、ココア、紅茶、チョコレートなどです。また動物性タンパク質を摂り過ぎた場合にも、体内にはシュウ酸が増えてしまいます。

シュウ酸はカルシウムと結びつくと「シュウ酸カルシウム」になります。このシュウ酸カルシウムの結晶が尿中に現れると、尿が濁ってきてしまうのです。

シュウ酸の摂取量がそれほど多くない場合や、カルシウムを十分に摂っている場合には、シュウ酸とカルシウムは腸内で結びつきシュウ酸カルシウムになります。そして腸から吸収されることなくにそのまま腸を通り抜け、便として排出されて行きます。

しかしシュウ酸の摂取量が多かったり、シュウ酸と結びつくためのカルシウムが不足してしまっていると、腸内でシュウ酸カルシウムが作れなくなります。シュウ酸は腸から吸収され尿に排出されることになるのです。

尿に排出されたシュウ酸がそこでカルシウムと結びつくと、尿中でシュウ酸カルシウムになってしまいます。シュウ酸カルシウムは石のような塊で、この結晶のために尿は濁って見えるようになります。

一時的な食事の影響で尿が濁っているという場合には心配する必要はないでしょう。しかしシュウ酸カルシウムが結晶化しやすい状況が続くと、尿路結石の恐れも出てきます。

尿路結石は「七転八倒の苦しみ」と言われるほどの激痛が現れる病気です。そんな状態になる前に、尿中でシュウ酸カルシウムが結晶化してしまう状況を防ぐようにした方がよいでしょう。

尿中でシュウ酸カルシウムが結晶化しやすい食事とは、次のようなものです。

  • シュウ酸を多く含む食品の摂り過ぎ
  • 肉類の摂り過ぎ(動物性タンパク質や脂肪の摂り過ぎ)
  • カルシウム不足

尿路結石を発症してしまう前に、普段の食事を見直してみてください。

普通、ほうれん草は一度茹でてから調理しますが、これには大事な理由があります。茹でることによってシュウ酸を減らすことができるのです。

一方、似た野菜である小松菜はシュウ酸を含まないため、茹でる必要はありません。

尿に濁りが出てしまう病気とその症状とは?

では、尿に濁りが出てしまう病気について詳しくみていきましょう。尿の濁り以外に現れる症状も知っておきましょう。

尿に濁りが出てしまう病気:糸球体疾患

腎臓にある「糸球体」という場所に異常が起きてしまう病気です。糸球体は汚れた血液をろ過してきれいにする働きをしていますが、ここに問題が起きるとろ過を正常に行えなくなってしまいます。

そのために赤血球が尿中に出て血尿になってしまったり、通常は尿中に排泄されることがほとんどないはずのタンパク質成分が尿中に現れたりしてしまいます。

急性糸球体腎炎(急性腎炎)や慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)などがあります。

糸球体疾患では次のような症状が現れます。

  • 血尿
  • 蛋白尿
  • 腎機能の低下
  • むくみ
  • 高血圧 など

血尿が出るという場合には、まず一度、医師の診察を受けるようにしてください。蛋白尿や腎機能の低下などは、検査を受けなくてはわかりません。

放置してしまうと、徐々に腎臓の機能が低下して悪化していってしまいます。

尿に濁りが出てしまう病気:尿路結石

尿の中の成分が結晶化して大きくなり、尿路でいろいろな問題を起こす病気です。尿路結石は結石の場所によって「腎結石」「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」に分類され、症状も少しずつ違ってきます。

腎結石では痛みはそれほどひどくありません。しかし腎結石が尿管に落ちるときには激しい痛みが出ます。尿管結石では腰や下腹部辺りにかなり激しい痛みが現れ、嘔吐や冷や汗が出ることもあります。膀胱結石や尿道結石でも排尿の時に痛みが出たりします。

尿路結石では次のような症状が現れます。

  • 血尿
  • 結石が尿に混じって濁る
  • 結石の場所によって鈍痛、又はかなり激しい痛みが出る
  • 激しい痛みの際には嘔吐、冷や汗を伴うこともある
  • 排尿痛
  • 尿がうまく出なくなる など

結石がそれほど大きくない場合には、水分をたくさん摂ることによって自然に排石させるという治療法がとられます。

尿に濁りが出てしまう病気:膀胱炎

膀胱に細菌が感染してしまう病気です。経過の違いなどによっていくつかのタイプに分類できますが、特に女性に起きやすい病気です。

膀胱炎になると、次のような症状が現れます。

  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿痛
  • 尿が白く濁る(膿尿)
  • 血尿
  • 下腹部の不快感 など

寒い時期や、疲労などでストレスが溜まっているといった状態も膀胱炎になりやすくなります。水分をしっかり摂り、まめにトイレに行く習慣をつけておきましょう。

尿に濁りが出てしまう病気:腎盂腎炎

腎臓が細菌に感染してしまう病気です。いくつかのタイプに分類できるのですが、代表的なものは女性に発症しやすいタイプです。膀胱炎に続いて起きることが多く、膀胱に感染した細菌が腎臓にまでさかのぼって腎盂腎炎を起こします。

腎盂腎炎では次のような症状が現れます。

  • 膀胱炎の症状(頻尿、排尿痛、残尿感、血尿、膿尿など)
  • 発熱(高熱になる)
  • 悪寒や震え
  • 背中から腰にかけての痛み
  • 吐き気や嘔吐

膀胱炎の症状に続いて発熱し始めたりすることが多いのですが、場合によっては膀胱炎症状はみられないこともあります。

尿に濁りが出てしまう病気:尿道炎

尿道が細菌感染してしまったもので、多くは性感染症です。淋菌やクラミジア菌などが原因となり、淋菌の場合は性交渉から2~7日後、クラミジア菌の場合は1~3週間くらいで症状が現れます。

淋菌が原因の尿道炎では、次のような症状が現れます。

  • 排尿の初期に強い痛み
  • 排尿時の灼熱感
  • かなりひどい膿尿 など
クラミジア菌が原因の場合には、次のような症状が現れます。

  • 尿道に軽いかゆみ
  • 軽い排尿痛
  • 尿中に少量の膿が混ざる など

全体的に淋菌による症状は重く、クラミジア菌による症状は軽くなります。両方の細菌に同時に感染してしまっていることもあります。

尿道炎は男性に多くみられる病気で、女性の場合にはこれらの細菌により子宮頸管炎などを起こします。不妊の原因にもなってしまうため注意が必要です。

尿道炎に気付いたときには、自分だけでなくパートナーも一緒に治療していかなくてはいけないことを忘れないで下さい。

尿に濁りが出てしまう病気:前立腺炎

前立腺に生じた細菌感染症です。大腸菌が原因になることが多く、尿道での細菌感染がさかのぼることなどで発症してしまいます。

前立腺炎では次のような症状が現れます。

  • 発熱
  • 悪寒や震え
  • 排尿痛
  • 頻尿
  • 排尿困難
  • 膿尿で白く濁る など

尿が濁ってしまう病気は他にもいろいろとあります。

一時的な濁りでしたら心配ないことも多いですが、尿の濁りが続いている場合や血尿が出てしまっている場合にはなるべく早く泌尿器科を受診してみてください。

排尿時に痛みがあったり、残尿感があるといった場合にも何らかの問題が起きている可能性があります。

また性感染症かもしれないといった場合には、自分だけでなく必ずパートナーにも受診をすすめるようにしてください。

尿が濁っているという場合、そこには何らかの病気が隠れている可能性もあるのです。まずは普段から自分の尿をしっかり観察するようにして、違いに気付くようにしていきたいですね。
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