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食中毒はうつる!ウイルス性急性胃腸炎の症状と感染を防ぐ11のコツ

腹痛で困っている女性

今回は急性胃腸炎について、大野さんという人物を例にとってお話していきましょう。

「いや~本当に大変でした」「こんなに酷い症状になるのは初めてですよ」…こう語るのは先週まで急性胃腸炎を発症していた大野さんです。

大野さんは2週間日前からお腹の調子が悪く、病院で「急性胃腸炎」と診断を受けていました。そしてやっとここ数日で完治したところだったのです。

大野さんの発症した急性胃腸炎は近年増加が著しい病気の一つです。特に季節性のものは毎年のように流行しており、猛威を振るっています。

急性胃腸炎とはどのような病気で、感染原因は何なのでしょうか?大野さんに詳細を聞きながら解説してみましょう。

「単なる腹痛だったのですが…」急性胃腸炎ではどんな症状がでるのか

大野さん(36歳)は普通のサラリーマンで、毎朝地下鉄に乗って30分程度の通勤をしています。家族は奥さんと子供の3人暮らしで、都内のマンションに暮らすごく普通のファミリーです。

仕事はシステムエンジニアで基本的にデスクワークが中心だったそうです。そのような生活をしている大野さんにある日、急性胃腸炎が襲いかかったのです。

なんとなくお腹が痛い…からの激痛へ

大野さんはいつもと同じ朝の6時30分に起床しました。普通であれば7時30分には家を出て、会社に向かわなくてはいけないのに、この日は何だかお腹の調子がよくありません。

「お腹が張ってゴロゴロするような感覚があったのです」大野さんの記憶では、食欲もなくお腹が張っており、また軽い吐き気さえ感じたそうです。しかしその日は大切な会議があることから、朝食を無理やり食べて会社へ向かったのでした。

いつもどおりの地下鉄は混雑していました。大野さんは頑張って耐えようとしますが、段々と腹痛は増し吐き気も強くなってきます。また我慢しているせいか、額には大量の汗をかいていたそうです。

「なんとか会社まで頑張ろう」と思ったのですが、腹痛が我慢の限界となり、途中の駅で降りてトイレに駆け込むことになります。

トイレでは水のような下痢が出て、一時はお腹の痛みも和らぐのですが、しばらくするとまたお腹が痛くなって下痢をします。また吐き気もあり今朝食べた朝食を全て吐いてしまったそうです。

朝起きてこの症状が現れるまで、数時間の出来事ですが、大野さんには一体何が起こっていたのでしょうか?

苦しい状況の中での判断とは?

大野さんは会社へ行くことを諦めなくてはいけませんでした。大切な会議があるにも関わらず、大野さんが会社へ行くのを諦めた理由はいくつかあります。

  1. お腹が痛く会社まで行くことが困難
  2. 会社に行っても仕事ができない可能性が高い
  3. 感染性であれば他人に感染する危険がある
  4. 病院へ行きたい
  5. その他

大野さんの判断は正解です。たとえ無理して会社へ行ってもこのような体調では、まともな仕事はできません。早退するかデスクとトイレを一日中往復することになるかもしれません。

通勤途中であっても冷静に判断して、ムキになって会社に向かうことは絶対に避けたいものです。

そして注目するべき大切な理由が3番目の「感染性であれば他人に感染する危険がある」です。「下痢」や「吐き気」「発熱」を伴う病気は感染性の病気であることが多く、無理して会社に行くことは同僚に病気を感染させる危険性があります。

会社によっては厳しい社内規定があり、感染性疾患では職務停止を言い渡されるところもあります。その意味では「ナイス判断!大野さん」ですね。

【急性胃腸炎を回避させるポイント1】

急にお腹が痛くなる腹痛は、原因が細菌やウイルスによる感染の可能性があります。無理して会社や学校に行くのではなく、まずは病院へいって確定診断を受けてから行動することが大切なポイントです。

大野さんの症状はウイルス性の急性胃腸炎だった

大野さんは途中の駅から自宅へ帰ることにしました。途中で奥さんに電話して車で迎えにきてもらい、そのまま近くの総合病院へ行くことにしました。

彼は病院の総合案内で「今朝から急にお腹が痛いのです」「症状は水のような下痢と嘔吐、ちょっと熱もありそうです」と自分の症状を説明します。看護師さんがやってきて、大野さんを別室へ連れていき症状の聞き取りをします。

そして「今便はでますか?」と聞かれ、「はい」と答え少しですが便の採取を行うことになったのです。しばらくして医師から呼ばれた大野さんは、思っていた通りの答えを聞くことになります。

「ウイルス性の急性胃腸炎ですね。ノロウイルスに感染しています」これが医師からの診断でした。

そう大野さんは最近では毎年のように流行している「ノロウイルス」に感染したのでした。そしてそれが原因で急性の胃腸炎を発症したのです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント2】

病院での大野さんの行動にも「ナイス!大野さん」があります。何だと思いますか?

実は下痢や嘔吐、発熱などの自覚症状がある場合は、細菌やウイルスによる感染症であることが多いのです。沢山の人が行き交う病院で、人混みに紛れてしまうと他人に細菌やウイルスを感染させてしまう危険性があります。

感染症の可能性がある場合には、必ず病院の受付で症状を話して医師や看護師の指示に従うようにしましょう。一般的な総合病院では隔離待合室などの個室が用意されているはずです。

大野さんピンチ!ノロウイルスに効果的な治療はなかった

今回の腹痛はノロウイルスによる感染症だと判明したので、大野さんはホッとしたそうです。「薬をもらって飲めばオッケー」と思ったその時、医師からとんでもない事実を告げられたのです。

「大野さん…実はノロウイルスに効く薬はありません」…「えっっ  え~~」大野さんは思わず声をあげます。

そして医師は静かに大野さんに説明します。「実はウイルス性の急性胃腸炎に効果のある薬はありません。従って対処療法を行うしかないのです」これには大野さんもビックリです。

さらに「下痢はウイルスを体外へ排出する行為なので、下痢止めも処方することはできません」さらに「基本的には水分補給をして、自宅で安静にしていて下さい」と言われたのです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント3】

ノロウイルスが原因の急性胃腸炎には、現在有効な抗ウイルス薬は存在していません。対処療法が基本ですが下痢止めを使用することは、体内のウイルスを排出させないことになるので一般的には使用しません。

下痢や嘔吐による水分不足に注意して、水分補給を心掛けるか、点滴で水分を補給するなどの治療が行われています。

基本的に体内のウイルスを全て排出すると症状が治まるので、無理に下痢を止めることは症状を長引かせることになります。

ポイントは6つ!家族にウイルスが感染しないためにすべきこと

大野さんの病気はウイスル性の急性胃腸炎でした。病院では吐き気が辛い時の「吐き気止」と高熱時に使用する「解熱剤」を処方してもらいましたが、基本的には水分を補給するように注意されただけでした。

そして家族に感染させないように注意されて、5日間は他人との接触を避けるように言い渡されたのです。

ノロウイルスは二次感染が恐ろしい

大野さんはまず家族にノロウイルスを感染させないためにはどうすればよいのかを考えたそうです。実はノロウイルスは感染性が高く、特に「二次感染」と呼ばれる感染拡大が問題となっている病気です。

特に家庭では一人が発症すると数日で家族全員が感染することも珍しくなく、それがきっかけでウイルスが拡大してしまうことがあります。

二次感染を抑えることができれば自分だけで済むと思った大野さんは、ネットを調べてノロウイルス対策を徹底的にしらべました。そしてそれを奥さんに説明して実行することにしたそうです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント4】

ウイルス性の急性胃腸炎は、体内からウイルスが全て排出されると完治しますが、その間に多くの人に感染させてしまう危険性があります。

二次感染を念頭に家庭内でできる対策を考えた大野さんは、やっぱり「ナイス!大野さん」ですね。

まずは寝室を分けて自宅で自ら隔離される

二次感染はノロウイルスの感染者が触ったものや、唾液がかかったものなどから感染する「接触感染」、くしゃみや話しをすることで空気中にウイルスが飛散する「飛沫感染」などが原因とされています。

そこで大野さんは自分だけ家庭内でも隔離されることが大切だと考えて、トイレに近い寝室を一人で使用することにしました。

その間、奥さんは子供部屋で子供と寝ることにして、自分は寝室とトイレの往復しかしない生活を心掛けたのです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント5】

ウイルス性の急性胃腸炎では、感染者に触れることでウイルスが感染してしまうこともあります。また感染者が触ったドアノブやタオルから、感染してしまう危険性もあるのです。

ノロウイルス感染と診断されたら、家庭内でも家族との接触は最低限にすることが感染拡大を回避させるポイントです。

食事は一人で食べて食器は塩素で消毒を

その日から大野さんは食事も隔離された部屋で、一人で食べるようにしました。これは食事中にウイルスが飛散する可能性と、自分の触った食器などにウイルスが付いていることが考えられるからです。

また奥さんには自分が使用した「コップ」「茶碗」「皿」「箸」全てを、塩素系の洗剤で消毒するように伝えました。

子供との食事が楽しみだった大野さんは少し寂しかったのですが、家族のためと思い実行したのです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント6】

ノロウイルスに感染すると唾液だけでなく、身体のあちこちにウイルスが付着していると考えるのが正しい判断です。自分が触ったテーブルや椅子、使用したお箸や食器など全てが感染の原因になります。

またノロウイルスなどのウイスルにはアルコール除菌剤は効果がないことが多く、塩素系洗剤(漂白剤)を薄めたもので消毒するのが最も効果的と言われています。

感染者の隔離はいい加減ではなく、徹底することで効果が上がるのですね。

感染者の介護はマスクと手袋を

自宅で隔離された大野さんですが、その介護をする奥さんは大変な労力です。大野さん自体はトイレに行く時以外は、布団で横になっているのでそれ以外のことは奥さんが行わなくてはいけません。

大野さんは奥さんにあることを心掛けるように言っています。「隔離部屋に入る時は必ずマスクと手袋をしてね」これは奥さんが感染しないための措置で、会話することでの飛沫感染や、接触感染を防ぐ目的があります。

特に着替えなどの衣服には沢山のウイルスが付着していることが想定されます。大野さんは「家庭内バイオハザード」を引き起こさないためには、奥さんを守ることが最も重要だと考えたのです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント7】

ウイルスは目に見えませんが、感染者の身体には多くのウイルスが付着していると思って間違いありません。隔離部屋で介護をする際には、「マスクの着用」「手袋の着用」など直接触らないような工夫も必要です。

またできれば介護用のエプロンの着用や着替えることも検討した方がよいかもしれません。(特に赤ちゃんがいる家庭では徹底した管理が重要)

家族の「手洗い」と「うがい」は徹底的に行う

大野さんは家族に対しても、普段以上に衛生面に気をつけることが大切だと話しています。特に「手洗い」と「うがい」は、帰宅時だけでなく1時間に一回は行うようにして、さらに空気の入れ替えも定期的に行うように指示しました。

手洗いは流水を使用して石鹸で隅々まで擦って洗います。またうがいも重要で、二次感染は口からの侵入が大部分なので、うがいによりウイルスを排除することは重要な予防法です。

【急性胃腸炎を回避させるポイント8】

ウイルスは手に付着してそれが顔に付き、さらに口に入って体内に感染してしまいます。それを阻止する手洗いは最も大切な回避策であり、うがいも同様に重要な予防法です。

家族全員が徹底しなければ効果が少なくなるので、子供の含めて行うことが大切です。

トイレは毎回塩素系洗剤で消毒を

ウイルス性の急性胃腸炎では下痢の症状が大きな特徴となっており、病気が回復するためにも下痢が必要な側面もあります。大野さんも下痢の症状が3日程度続き辛かったのですが、少しずつ回復する自覚もあったそうです。

実はノロウイルス感染ではウイルスを死滅させる薬はなく、ウイルスが自然に身体の中から排出されるのを待つしか方法はありません。つまり水分を十分に摂取して下痢をすることで、胃腸にいるウイルスを排出し、それが全てなくなったところで完治すると言う訳なのです。

しかしこれには家族にとって大きな問題があります。感染者である大野さんの下痢には沢山のウイルスが含まれており、それがトイレに蔓延してしまう危険性があるのです。

大野さんがトイレを使用すると、目に見えないウイルスが沢山トイレに付着しています。見た目には水を流して綺麗であっても、その全てが流れることはありません。

そこで大野さんは奥さんと話し合って、塩素系漂白剤を利用した消毒薬をトイレに完備することにしました。

【急性胃腸炎を回避させるポイント9】

感染者がトイレを使用すると、トイレの便器に沢山のウイルスが付着してしまいます。そのまま家族が使用することで、手以外にもウイルスが付着してしまう可能性があります。

そこで塩素系の漂白剤を約50倍に薄めた消毒薬を使用します。「ハイター」などの商品名で販売されている塩素系漂白剤は、ウイルス除去に有効なのでこれを利用してノロウイルスを死滅させます。

薄めた消毒薬をスプレーに入れてトイレに置きます。トイレを使用する度に便器や床にスプレーすることで、ウイルスの繁殖を防ぎ感染拡大に予防効果があります。

ただし壁紙などに安易に使用すると、色落ちなどが起きることもあるので、気をつけて使用するようにしましょうね。また漂白剤でも「酸素系」は効果がありませんので、「塩素系」を使用するようにしましょう。

回復してきた大野さんだが…ウイルスの滞在日数と仕事復帰の罠

ウイルス性の急性胃腸炎も感染回避の対策を行うことで、家族には感染しませんでした。また大野さんも4日も過ぎるとすっかり体調も回復して、「そろそろ会社に行かなければ」と考えるようになったのです。

そこで会社に電話してみると意外にも厳しい現実が彼を待っていたようです。

家族で検査を受けて…とのお達しが!そりゃないよ

「会社もさぞ自分が休んでいるから大変だっただろう」と思い込んでいた大野さんは、早速会社の上司に電話しました。

「部長!明日から何とか出社できます」大野さんの予想では部長は「おっ治ったか待っていたぞ!」と言うはずでしたが、現実はそうではありません…「そうか総務から電話させるので復帰を話し合ってくれ」

不安がよぎりましたが、10分程度で総務から電話がありました。その内容が「会社の規定が変わってノロウイルスやインフルエンザウイルスの感染では、家族全員が陰性である証明が必要です」との話でした。

つまり家族全員にウイルスがいないことが証明されなくては、会社の復帰は認められないとの内容だったのです。「え~そりゃないよ…」虚しく心の声が聞こえてきました。

驚いた大野さんですが考えてみれば当たり前の話しでもあり、家族に感染していればそれが社内に広がることは誰でも想定される事態です。それにしても家族で検査だなんて…大変だったそうです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント10】

ウイルス性の急性胃腸炎では感染者が回復したからと言って安心することはできません。家族に感染することでそれがさらに新しい感染を生む可能性がるのです。

自分が治ったからと考えるのは、一人よがりの典型かもしれません。必ず家族全員の検査を受けてから、社会生活を再開するようにしましょう。

2回目の検査でやっと社会に復帰できることに

早速家族3人で病院へ行き検査を受けることにしました。その結果、奥さんと子供は陰性でしたが、大野さんは残念ながら陽性でした。しかし身体は回復しているので、まだ少しだけウイルスが体内に残っている様子です。

医師からも「2日もすれば完治するでしょう」と言われ、さらに「もう他人に感染させる危険性も少ないでしょう」とまで言われました。しかしこれでは会社に復帰できません。仕方がないですね大野さんは2日後に再検査を受けました。

その結果やっと陰性。診断書を書いてもらって会社に復帰することができました。初めて腹痛を感じて10日を過ぎた時点で、やっと会社に復帰することができたのです。

【急性胃腸炎を回避させるポイント11】

ノロウイルスは症状が改善しても、しばらくは身体の中からウイルスを排泄することが多く、体調と裏腹に社会復帰が送れることがあります。早い人で1週間から10日、長い人では2週間~3週間もウイルスが出るケースもあります。

大野さんの会社では病院からの診断書がないと復帰させない規定がありますが、そのような規定がない会社でも復帰の際には医師の了解を得ることが重要です。

大野さんの急性胃腸炎の原因は何?感染経路をたどる

やっと会社にも復帰できた大野さんですが、今回の急性胃腸炎では家族を巻き込んでの大騒ぎとなってしまい、大変に恐縮してしまいました。

奥さんからは「もう!注意してね(怒)」と言われる始末で、仕方がないでは済まされない状況です。そこで自分がなぜノロウイルスに感染したのかを考えてみることにしたそうです。

急性胃腸炎は食中毒と同じなのか?

急性胃腸炎はその名の通り「急激に胃腸に炎症が起きる」病気なのですが、昔はよく「食中毒」と言う名前で呼ばれていました。

大野さんも始めは「単なる食中毒」だと思っていたそうですが、実は食中毒にも色々な種類があったのを知らなかったのです。食中毒を大きく分類すると4つの種類に分けることができます。

  1. 細菌性の食中毒(細菌性急性胃腸炎)
  2. ウイルス性の食中毒(ウイルス性急性胃腸炎)
  3. 自然毒による食中毒
  4. 化学物質による食中毒

大野さんが初めて通勤途中の駅で下痢をした時、まず頭に浮かんだのが「何か変なもの食べたかなぁ?」と言う思いでした。私もそうですがお腹を下した時には、まず食べ物を疑ってしまうのが人間の本能ではないでしょうか?

食中毒でまず考えられるのが、このように傷んだ食べ物を食べることで発症する「細菌性の食中毒」です。人間が住んでいるこの世界には沢山の細菌も住み着いており、完全に細菌を排除することは不可能です。

つまりどんなに清潔を心掛けていても、私達の身体にも細菌はついているし、空気中にも浮遊しているのですね。

もちろん細菌は食べ物にも付着しており、食べ物が「腐敗」する多くの理由が、細菌が増殖することで起きるのです。そしてそれに気が付かないで食べてしまうと細菌性食中毒になってしまいます。

細菌性食中毒を引き起こす忌まわしい細菌を紹介しましょう。

  • サルモネラ菌
  • 腸炎ビブリオ菌
  • カンピロバクター菌
  • 黄色ブドウ球菌
  • ボツリヌス菌
  • 病原性大腸菌
  • ウェルシュ菌
  • その他

これら細菌の中には体内で細菌が増殖して食中毒を起こすものや、食品中で増殖して毒素を作るもの、さらには病原性大腸菌のように体内で増殖して毒素を作るものなどがあります。

「食べ物が腐る」…このような現象は食べ物に付着した細菌が、食べ物を餌にして増殖していることだと考えるのが妥当なようです。

ノロウイルスは二枚貝から…は忘れよう

細菌性食中毒の原因は細菌ですが、ウイルス性食中毒の原因は当たり前ですが、「ウイルス」です。ウイルスが体内に入ることで急性胃腸炎を起こすもので、今回の大野さんはまさしくこれが原因でした。

ウイルス性食中毒を引き起こす可能性があるウイルスの主なものを紹介します。

  • ノロウイルス
  • ロタウイルス
  • アデノウイルス
  • コロナウイルス
  • その他

中でも大野さんのようにノロウイルスは近年増加傾向にあり、特に冬になると多くの発症を見ることができます。これにより自治体でも毎年冬になると、ノロウイルス感染予防の啓発運動を展開していますが、増加を防ぐまでには至っていません。

このノロウイルス、新しいウイルスだと思っている人がいるようですが、実は昔から「牡蠣にあたった」と呼ばれる食中毒はこのウイルスが原因です。

ノロウイルスは二枚貝に住み着くウイルスで、二枚貝が生息する海域が汚染されることで、それを食べた人間に感染します。

しかし現在では牡蠣は厳しい検査を行ってから出荷されており、牡蠣が原因によるノロウイルス感染は少なくなっています。また「生食用」と「加熱用」を守ることで、このような事故を防ぐことも可能です。

それではなぜ大野さんのように、ノロウイルスが原因の急性胃腸炎が増加しているのでしょうか?

増加中のノロウイルス感染は牡蠣ではなく人間から

実はノロウイルスの感染経路は完全に解明されておらず、それが「牡蠣や二枚貝が犯人」との憶測を生んでいる原因です。しかし、爆発的(パンデミック)な流行の原因は「貝」ではなく、「人間」なのは間違いないようです。

つまりノロウイルスの保菌者が会社や学校などの人の多い所に行くことで、パンデミックな流行を起こしていたのです。また電車や地下鉄などの乗り物も流行の原因になっています。

パンデミックな流行を生んでしまう、ノロウイルス保菌者の行動を見てみましょう。

【ノロウイルスが流行する原因1.】

  1. ノロウイルス保菌者が地下鉄に乗って通勤する
  2. 地下鉄のつり革を持って電車に乗る
  3. つり革にノロウイルスが付着する
  4. 別の人がそのつり革を触る
  5. その人の手にノロウイルスが付着する
  6. 手から口に入って体内にノロウイルスが増殖する
  7. 急性胃腸炎の発症
【ノロウイルスが流行する原因2.】

  1. ノロウイルス保菌者が学校に行く
  2. 学校でクラスメイトと普通に話しをする
  3. 唾液が飛散してノロウイルスが教室に浮遊する
  4. 飛散したウイルスを吸い込むことで感染する
  5. 急性胃腸炎の発症
【ノロウイルスが流行する原因3.】

  1. ノロウイルス保菌者が会社に出勤する
  2. お腹の調子が悪くトイレに入る
  3. 便器に目に見えないノロウイルスが付着する
  4. 手を洗っても手から完全にウイルスは除去されない
  5. オフィスのドアノブや給湯器を触ってしまう
  6. トイレやドアノブ、給湯器から他の人にウイルスが感染してしまう
  7. 急性胃腸炎の発症

このようにノロウイルスは簡単に人から人へと感染を拡大させてしまいます。またノロウイルスに感染しても、どう言う訳か胃腸炎の発症が遅い人や、症状が出ない人までいるようです。

そうなると自分がノロウイルスに感染している自覚もないままに、他人に対して感染を拡大させているのです。

大野さんのケースでも感染は通勤途中か会社ではないかと疑われています。しかしなかなか大元を確定することはできないので、やはり自分で普段から予防を心掛けることが大切だと痛感したそうです。

ウイルス性の急性胃腸炎を回避するにはやはりうがい手洗いしかない!

ここまで大野さんが発症したウイルス性胃腸炎について検証してみました。大野さんは特に傷んだ食べ物を食べたり、不衛生な行動をとったりしてはいません。しかし、何らかの要因によって体内にノロウイルスが入り込んでしまいました。

彼は「ウイルスを近づけないことが理想だが、それは無理だよね…」と言っています。それは正しい認識で、熊のように冬場を誰にも会わず冬眠することなど不可能な話です。

そこで大切なのが「いつものアレ」と気が付いたのです。それは「うがいと手洗い」です。身体にウイルスが付着しても、手洗いによりそれが口から体内に入らなければ、感染を防ぐことができます。

また口腔内に入り込んでもうがいによって、多くを排出することができれば免疫作用で悪化を防ぐことだって可能なのです。

これは大野さんが隔離されている時に、奥さんが特に注意して行っていた行動です。これを普段から行えばきっと、知らない人からノロウイルスをもらうことはなくなるでしょう。

また自分が他人に対してウイルスを移さない心掛けも重要で、特に下痢をしている状態で人混みに出かけることは、ゾンビが街中に行くのと同じくらい危険な行為です。(貴方が噛みつかなくてもウイルスが噛みつきますよ!)

「下痢は自分だけの問題」と絶対に考えないで、「急性胃腸炎や食中毒は他人にうつる」と自覚して、正しい行動をとるようにしましょう。

考えてみて下さい。貴方の周りの人が、みんなで下痢したら気持ち悪いでしょう…本当に。

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