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暑くないのに汗が出る原因は?冷や汗をかく人が疑うべき病気

汗をかく女性

緊張した時、体の調子が悪い時に冷や汗がじっとりにじみ出てくることがあります。なぜ暑くないのに汗が出るのか不思議に思ったことはありませんか?

実は、原因不明の冷や汗が出た時には怖い病気が潜んでいる場合もあるのです。今回は冷や汗が出た時に疑いたい主な病気5つについて説明いたします。

これは健康な汗?生理的な汗と冷や汗の違い

まず、普通の汗と冷汗の違いについて簡単におさらいしておきましょう。発汗は、私達が生命を維持するために欠かせない機能です。誰にでも起こる生理的な汗は3種類あります。

よく知られているのが暑い時にかく汗。発汗によって体温の上昇を防ぐ「温熱性発汗」です。汗が皮膚から蒸発する時の気化熱によって、体の熱を放出しているわけです。

緊張した時にかくのは「精神性発汗」です。暑くないのに、手のひらや脇の下だけに汗をかくのが特徴。これは霊長類に見られる名残で、危険にさらされた時に木の枝が滑らないよう手のひらや足の裏だけ汗をかくようになったと言われています。

辛い料理を食べた時に額に汗が吹き出るのは「味覚性発汗」です。味覚神経が辛味の刺激を受けた時に発汗神経が反応するため、汗が出るのではないかと考えられています。

このほか、なんでもない時に急にじわっと汗が出てくる「冷や汗」という汗のかき方があります。冷や汗はショックを受けた瞬間に交感神経血管がキュッと収縮し、その刺激で汗腺から汗がにじみ出るために起こります。

冷や汗は精神性発汗とも似ていますが、何らかの身体的なショックを受けた時にも起こるため、理由もなく冷や汗をかくことが増えてきたら、体に何か病気が潜んでいることが考えられるようになります。

冷や汗をかく病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

進行すると危険!夏の冷や汗は「熱中症」の初期症状かも

熱中症の初期症状「熱失神」で冷や汗を伴うことがあります。熱失神の冷や汗は、暑いためにかく汗とはまた別のもので、同時に気分の悪さを伴うのが特徴です。

熱中症は暑熱の環境が原因で体に起こる障害のこと。夏の暑さや活動などによって、体が次のような状態に陥ると熱中症を引き起こしてしまいます。

  • 気温の上昇に体温調節が追い付かず体に熱がこもってしまう
  • 大量の汗と共にミネラルが失われ、体内のミネラルバランスが崩れてしまう

なぜ冷や汗が出るのか

熱中症にかかると、身体は体温を下げるために皮膚の血管が拡張させて熱をどんどん放出しようとはたらきます。

その結果、血圧や脳の血流が低下し、冷や汗、めまい、失神が引き起こされるようになるのです。

対処法

暑熱の環境で少しでも気分が悪くなったら熱中症の可能性があります。すぐに涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて楽な姿勢で休んでください。

水分を補給してしばらく休めば自然に回復します。冷たいおしぼりや保冷材などで首筋、脇の下、手首など太い動脈が走っている場所を冷やせば回復が早まります。

熱失神は熱中症の中では軽症にあたり自覚症状が乏しいことも多いのですが、そのまま見過ごしてあっという間に危険な状態に進行してしまうことも多くなっています。

熱中症の分類

重度 分類 主な症状
1度
(熱失神・熱けいれん)
軽症
  • 冷や汗
  • めまい
  • 失神
  • こむら返り
  • 筋肉痛
2度
(熱疲労)
中等症
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 吐き気・嘔吐
3度
(熱射病)
重症
  • 高熱
  • 意識障害
  • けいれん

2度以上の熱中症は速やかな受診が必要です。3度になると命にも関わる事態のため、救急車を呼ばなければなりません。

熱中症は真夏の炎天下で多発していますが、気温が28度上または湿度70度を超えると梅雨時や室内にいる時でもかかる可能性が出てきます。

熱中症にかかりやすい人の特徴

  • 暑さに慣れていない人
  • 乳幼児・高齢者
  • スポーツや重労働をしている若くて体力のある人
  • 病中病後の体力が低下している人

体力のある人は無理をしたり油断したりすることが多く、軽度の熱中症が多発しています。また体力のない人は重度の熱中症に進みやすいので特に注意が必要です。

5月中から熱中症の発症者が出始めるので、天気予報や部屋の温度計をこまめにチェックし、暑さ対策と水分補給を始めるようにしてください。

いわゆる立ちくらみ…転倒に注意したい「脳貧血(起立性低血圧)」

冷や汗を伴う病気の中でも、日常生活で比較的起こりやすいのは「脳貧血」です。立ち上がった時などに血圧が急低下し脳の血流が一時的に不足してしまう現象で、正式には「起立性低血圧」という病名があります。

脳貧血は、いわゆる「立ちくらみ」にあたります。長時間立っていると重力で体の血液が下に下がり、脳貧血を起こして気が遠くなることもあります。学生が朝礼で倒れるのも脳貧血を起こしていることが多いです。

脳貧血を起こすと

  • めまい
  • 冷や汗
  • 吐き気
  • 顔面蒼白
  • 目の前が暗くなる
  • 動悸
  • 震え
  • 生あくび

などが起こり、時には失神することもあります。

なぜ冷や汗が出るのか

通常なら立ち上がる時に自律神経が血圧をコントロールするので、脳貧血を起こすことがありません。

しかし、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスがコントロールできないと立ち上がった時に血圧が低下して脳貧血が起こり、自律神経が緊張しているために汗が拭き出したり動悸がしたりといった症状を引き起こしてしまうのです。

対処法

脳貧血はしばらく横になって休むと症状がおさまる現象ですが、立ちくらみや失神が起きた時に転倒するととても危険です。

立ちくらみしやしやすい人は急に立ち上がるのと血圧が急降下しやすいので、ゆっくり立ち上がるようにします。

長時間立っている時に冷や汗や目の前が暗くなる感じがし始めたら、ゆっくりしゃがんで休むようにすると転倒事故を防ぐことができます。

また長時間立っていると気分が悪くなりやすい人は、立ったままつま先立ちや足の指を上下に動かす動作を繰り返してふくらはぎの筋肉を動かしておくとと、足に溜まった血液が上半身に戻りやすくなり、脳貧血を防ぐことができます。

脳貧血は自律神経失調症の一種で、自律神経のバランスが不安定な人に起こりやすい病気です。特に若い人や女性に多く、1日の間では午前中に起こりやすくなっています。

自律神経のバランスは、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、ダイエットなどで起こりやすいので、脳貧血を起こしやすい人は規則正しい生活と栄養バランスのとれた食生活で自律神経を安定させることを心がけます。

また普段から適度な運動をして全身の血行を促進させておくと脳貧血が起こりにくくなります。ウォーキングやジョギングでふくらはぎの筋肉を鍛えると、血管のポンプ機能が高まり血液が下半身に溜まるのが防げます。

自律神経のバランスの乱れは病院に行かなくても改善できますが、立ちくらみやめまいはほかの病気が原因でも起こりやすいことからも、脳貧血が頻繁に起こる人は内科や神経内科を受診し、原因を特定することをおすすめします。

ちなみに脳貧血と貧血は全く別の病気です。

貧血は血液中の鉄が欠乏するために酸素を運ぶ機能が低下してしまい、倦怠感や動悸などが起こりやすくなる病気です。

脳貧血は脳の血液が不足するのでこのように呼ばれており、鉄分をとっても治りませんのであしからず。

糖尿病患者・スポーツをする人が陥りやすい「低血糖症」

私達の血糖値は70mg/dlが正常値ですが、血糖値が70mg/dl以下になると自律神経症状がみられ、50mg/dl以下まで下がると中枢神経症状がみられるようになります。これを「低血糖症」といいます。

私達の体は血糖値が高過ぎても低過ぎても体の機能に悪影響が及ぶため、血糖値を下げるホルモン「インスリン」や血糖値を上げるホルモン「グルカゴン」「アドレナリン」などがバランスを取り合って血糖値がなるべく一定になるようコントロールされています。

しかし糖尿病患者の血糖降下薬が効き過ぎてしまったり健康な人が食事を抜いて運動をしたりすると、血糖値のコントロールが間に合わず血糖値が低くなり過ぎてしまうことがあるのです。

血糖値が低くなると自律神経や中枢神経が生命の危機を感じ、体に次のような症状を引き起こします。

自律神経症状
  • 不安感
  • 冷や汗
  • 急激な空腹感
  • 生あくび
  • 震え
  • 動悸 など
中枢神経症状
  • おかしな言動
  • 頭痛
  • けいれん
  • 意識障害 など

なぜ冷や汗が出るのか

冷や汗・動機・震えは、神経伝達物質「カテコールアミン」が交感神経を興奮させるために起こります。急激な空腹感や不安感は、エネルギー(糖)が不足しているために起こる症状です。

これらは「生命の維持に必要なエネルギー(糖)が不足しているので、すぐに補給してください!」という体からのSOSです。

対処法

ほとんどの低血糖症は糖尿病患者の治療で起こる血糖値の急降下によるものですが、健康でも食事を抜いたり激しいスポーツをしている人に突然起こることもある現象です。

冷や汗や急激な空腹感といった低血糖症の初期症状に気付いたら、すぐに吸収されやすい糖を10~15g補給します。ブドウ糖、砂糖、飴、甘いジュースの補給が適しています。

糖を補給した後15分ほど安静にして症状がおさまれば問題ありません。症状がおさまらない時は再度糖を補給します。それでも良くならない場合はすぐ受診します。

もしも血糖値が30mg/dlまで下がってしまうと、昏睡に陥り死に至る可能性が出てくるので、血糖症の症状に気付いたら早く対処して血糖値を上げなければなりません。

糖尿病治療中の人は基本的に糖の摂取を制限しなければなりませんが低血糖症を引き起こす可能性があるため、常にブドウ糖を携帯していざという時に不足している糖が補えるようにしておく必要があります。

また健康な人でも激しいスポーツや肉体労働をする人は食事をしっかりとって、活動に必要なエネルギーを補給しておかなければなりません。

若い女性に多い!動悸や痩せを伴う「甲状腺機能亢進症」

20~30代の女性に多く、冷や汗に動悸や痩せを伴う病気に「甲状腺機能亢進症」があります。これは新陳代謝を促進させる「甲状腺ホルモン」の分泌が過剰になるために起こる病気です。

新陳代謝が異常に早くなるため、次のような症状が起こりやすくなります。

  • 冷や汗が出る・汗をかきやすくなる
  • 食欲旺盛になるが痩せていく
  • 動悸がする
  • 手足が震える
  • 手足に力が入らなくなる
  • イライラしたり不安を感じたりする
  • 微熱が出る
  • 下痢しやすくなる
  • 暑がりになる
  • 生理不順・無月経になる
  • 首の甲状腺が腫れる
  • 目つきが変わったり、眼球が突出したりすることもある

甲状腺機能亢進症の中で最も多いのは「バセドウ病」です。この病気は、甲状腺ホルモンの分泌を促進させる「甲状腺刺激ホルモン」の分泌が過剰になるために起こります。原因ははっきり分かっていませんが、遺伝やストレスが関係しているとも言われています。

なぜ冷や汗が出るのか

甲状腺ホルモンが交感神経を緊張させるため、暑くないのに冷や汗が出たり大量の汗をかいたりするようになるほか、動悸、発汗、震え、イライラなどの症状を伴うようになります。

対処法

甲状腺機能亢進症が疑われる場合は、甲状腺の専門科がある病院を受診してください。内分泌代謝科などが該当します。

血液検査・超音波検査やレントゲンなどの画像検査・心電図検査などから、甲状腺ホルモンやTRAb(甲状腺レセプター抗体)の値が高ければ、甲状腺機能亢進症と診断されます。

甲状腺の腫れが小さい場合は薬物療法、甲状腺の腫れが大きい人や薬物療法が効きにくい場合は甲状腺の切除手術が用いられます。

適切な治療を行なえば予後は良好な病気で、ホルモン値をコントロールすれば順調な妊娠や出産も可能になります。

強いめまいと耳鳴りが特徴!女性に多い「メニエール病」

冷や汗に伴い、視界がぐるぐるまわるようなめまいが起こる場合は「メニエール病」が疑われます。30~40代を中心に女性に多い病気です。

メニエール病は、耳の奥にある「内耳」にリンパ液が過剰に溜まり水ぶくれの状態になる病気です。内耳は体のバランスを保つ役割を持っているため、内耳が水ぶくれになることでバランス感覚がなくなり、めまいが起こるようになってしまうのです。

メニエール病の発作が起こると、

  • 強いめまい
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 顔面蒼白
  • 冷や汗
  • 吐き気
  • 動悸
  • 寒気

などの症状が数十分続きます。

メニエール病の原因ははっきり分かっていませんが神経質な人に多く、発作は強いストレスがかかった時に起こりやすい傾向があります。

なぜ冷や汗が出るのか

メニエール病は自律神経失調症の人に起こりやすいともいわれる病気で、発作が起こる時には自律神経のバランスが乱れて冷や汗や吐き気などの症状を伴うようになります。

対処法

めまいや耳鳴りを伴う発作が一度ではなく数回繰り返される場合には、メニエール病が疑われます。耳鼻科を受診し、検査を受けてください。

聴力や眼振(めまいに伴う眼球の動き)の有無など複数の検査を行ない、メニエール病と診断されたらめまいや水ぶくれを抑える薬が処方されます。症状に合わせて抗不安薬やビタミン剤などの薬も併用します。

症状が強く薬が効きにくいようであれば、手術をすることもあります。内耳に溜まっているリンパ液を取り出す手術と内耳の前庭神経を切断する手術が一般的です。

メニエール病自体は、命に関わるような病気ではありません。しかし発作が日常生活に支障をきたす場合があるので、普段から強いストレスや過労を避け発作が起こらないように身体の調子を整えることが重要になります。

気付きにくい?高齢者と糖尿病者に多い「無痛性心筋梗塞」

心臓の表面を流れる冠動脈が詰まって心臓に血液が流れなくなる「心筋梗塞」は、胸痛や息苦しさを伴い、突然死を引き起こすこともある怖い病気です。

急に激しい胸痛を起こすイメージのある心筋梗塞ですが、中には痛みがなく冷や汗や寒気しか自覚症状がない「無痛性心筋梗塞」を引き起こすケースがあります。

無痛性心筋梗塞が起こりやすいのは、高齢者、糖尿病患者です。老化や糖尿病によって神経障害が起きている状態のため、心臓の痛みに気付かなくなってしまうのです。

なぜ冷や汗が出るのか

冷や汗は心筋梗塞の代表的な症状のひとつです。心筋梗塞の冷や汗は、生命をおびやかすようなショックにさらされる緊張性の発汗、そして心臓の血液の循環が滞ることで皮膚にある毛細血管が収縮する刺激で汗腺の汗がしぼり出されるために起こる現象です。

対処法

おかしいと感じたらすぐにかかりつけ医を受診し、症状を伝えて検査を受けることをおすすめします。

痛みがないために心筋梗塞に気付かず放置すると、進行して突然死のリスクが高くなってしまう病気です。

無痛性心筋梗塞の自覚症状は冷や汗、寒気、倦怠感程度なので、その場で心臓発作と判断されにくいのですが、実は心筋梗塞の発作を起こす前には前兆が出ていることが多いので、高齢者や糖尿病患者は普段から体調を注意深く観察しておきましょう。

心筋梗塞を起こす前には、冠動脈が狭くなって心臓の血流が一時的に滞りやすい「狭心症」にかかっていることがほとんどです。

一般的な狭心症の症状は、運動や精神的ストレスで引き起こされるみぞおちの痛みや胸の締め付けられる感じですが、高齢者や糖尿病患者は痛みの感覚が乏しく、冷や汗や左腕のしびれなども狭心症のサインとなります。

狭心症の症状は15分くらいで自然に消えますが、狭心症の発作が繰り返し起こるようになるとその数日~週週間後に心筋梗塞に進む可能性が出てきます。

冠動脈が完全に閉塞しないうちに治療を始めれば良好な予後を得ることが十分可能になるので、まずは原因不明の冷や汗を伴いが出た時には心臓のトラブルを疑ってすぐ受診することをおすすめします。

心筋梗塞の約20%が無痛性だといわれ、年間約1~2万人もの人が無痛性心筋梗塞で死亡しています。

痛みがないために発見が遅れ、通常の心筋梗塞より死亡率が高くなっているところが怖い病気ですね。

冷や汗は病気を知らせる体からのSOS!

冷や汗は生理的な汗と異なり不自然な発汗。体に異常が起こっている時に出るサインです。

時には熱中症や心筋梗塞などのように、生命の危機にさらされていることを訴えるSOSの場合もあるので、たかが汗と見過ごさずほかの症状を注意深く観察してすぐに受診しましょう。

通常の汗と冷や汗の違いお分かりいただけましたか?「冷や汗」と呼ばれるのは汗が出る時に皮膚の表面が冷たくなり鳥肌や寒気を伴うためなんです。

スポーツやサウナで流す爽やかな汗と違い、なんともいえない嫌な感じのする汗がにじみ出たら、これは体の異常を疑ってくださいね。

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