健康生活TOP クローン病 クローン病の食事制限方法は?厳しい中にも息抜きを見つけるレシピ

クローン病の食事制限方法は?厳しい中にも息抜きを見つけるレシピ

白豆のサラダ

クローン病と言う難病があります。あまり有名ではないかもしれませんが、2013年現在で特定疾患医療受給者証を交付された方は、およそ4万人に上っています。

現在のところ人口当たりの患者数は欧米の10分の1程度ですが、今後欧米並みに増える可能性も否定できません。

今のところ寛解にまで症状を抑え込むのも大変で、一生食事制限が付きまとう、精神的にもストレスのかかる病気ですが、様々な研究によって個人個人の状況に合わせた食事方法などの導入も提言されています。

クローン病の食事療法は非常に難しい…症状に合わせた食事の勧め

クローン病の食事療法の難しいところは「脂肪を減らしてカロリーを増やす」・「不溶性食物繊維を減らす」と言う2点にあります。

減量ダイエットのことを考えてもらえば、脂肪を減らしてカロリーを増やすことの難しさは理解しやすいでしょう。また、不溶性食物繊維を減らすと言うのも意外に難しいです。

クローン病では成分栄養剤と言う不味いものでカロリーを摂る

成分栄養剤と言うのは、消化しなくても吸収できるように処理した栄養剤です。そのため大変味やにおいが悪く、そのままでは口にしにくいので鼻からチューブを入れて胃に直接流し込んだりもします。

それではあまりにQOLが下がるので、可能な限り普通の食品から栄養を摂るのですが、上に書いたように難しい条件が付くのです。

最近では、画一的な食事制限ではなく、一人一人の症状に合わせた食事内容の組み立てが提言されていますので、そうしたことに着目してお話を進めましょう。

基本はお医者さんの治療と指導を受けながら「食べて大丈夫なものを捜し、どんどん食べて行く」と言う方法だと言えるでしょう。

クローン病とは?潰瘍性大腸炎と合わせて炎症性腸疾患と呼ばれる病気の特徴

この2つの病気は割合似た要素があります。しかし、異なるところもあるので別々の病気として扱われています。似た部分と言うのはどちらも腸を中心に慢性の炎症を起こす病気だということで、強い腹痛と下痢が特徴であると言うことです。

その他、関節の病気や眼の病気、貧血などが伴うこともあるということが両方に共通して見られる症状です。また、原因が完全には解明されていないことや、治療法が確立されていないことも共通しています。

異なるところとしては、クローン病が消化管のどこにでも炎症が起こる可能性があって、特に小腸の末端に多い病気であるのに対して、潰瘍性大腸炎はその名の通り大腸に発生する病気であるということが特徴です。

その他にも様々な差異はありますが、今回はクローン病の話題ですので、そちらに集中して見てゆきましょう。

クローン病は今のところ原因不明の難病

クローン病の原因はいまだに判っていません。しかし、どうやら免疫系のトラブルなのではないかと言う考えが主流になってきています。特にアレルギーや自己免疫ではなく、食べたものや腸内細菌に対する免疫がおかしくなっている可能性が論じられています。

私たちの身体には、免疫と言うシステムが備わっていて、外から入ってきた異物を攻撃し、私たちが病気にならないように守っていてくれていることは皆さんもよくご存知ですね。

しかし、この免疫機能が妙な働き方をしてしまうことで起こる病気があります。1つは外からやってきた害のないたんぱく質に、免疫機能が過剰反応してしまうことで発生するアレルギーです。

もう1つは、本来免疫機能が反応してはいけない、自分自身の細胞に対して免疫機能が働いてしまう、自己免疫反応と言うものです。それによって自分自身の臓器などが傷つくことで発生する病気を自己免疫疾患と呼びます。

これには、有名な病気が多いです。例えばバセドウ病や橋本病、I型糖尿病(生活習慣病ではない方の糖尿病です)、様々な膠原病、関節リウマチなど、実に多彩な病気があります。

クローン病も、この自己免疫疾患の一つではないかと考えられていましたし、いまでもその可能性は完全には否定されていません。しかし、現在考えられているのは食べたものや腸内細菌と免疫の関係です。

普通、食べ物に対しては免疫機能は働きません。さらに腸内細菌に対しても免疫機能は働いていませんね。腸内細菌に免疫が働いていたら、乳酸菌や大腸菌の住むところがなくなってしまいます。

また、食べ物に対して免疫が働くのであればアレルギーの可能性もありますが、アレルギーはたんぱく質に反応します。クローン病では、症状の重い時には「消化の必要があるもの」全部に反応してしまうのです。

それに腸内細菌に対しても、免疫反応が働いている可能性も示唆されています。ですので、これまでに知られていたアレルギーや自己免疫のような形での免疫機能の異常ではなく、別の形での免疫機能の異常である可能性が考えられています。

クローン病の活動期には、完全絶食も治療方の1つ

クローン病は、病気が活動的で症状が発生することで治療が開始されます。その重症度にもよりますが、当初は完全に絶食してクローン病専用の成分栄養剤と言う栄養食を摂り、お薬を使うことと併用で症状を抑え込む治療が中心になります。

成分栄養剤は脂肪をほとんど含まず、たんぱく質もアミノ酸やペプチドにまで分解されているため、腸にほとんど負担をかけず吸収されるものです。ただ、非常に飲みづらいものでもあるようで、鼻からチューブを入れて、直接胃に流し込むことで摂取します。

最近では、口から摂れるように様々な工夫をされたものもあるようです。いずれにせよ、一般の食べ物をまったく摂らずに症状を抑えることを最優先します。合併症があったり、非常に重症である場合は、この栄養食も摂れませんので、点滴による完全静脈栄養が行われるでしょう。

一方、症状が軽くなってきたら、徐々に成分栄養剤を減らし、一般の食べ物の中でクローン病の人でも食べられるものを選んで食べるようにスライドしてゆくのです。

クローン病はこうして上手く症状を抑えてゆくことができると、ほとんど症状が消える寛解状態にまで持ってゆくことができますが、完治することはできません。何かのはずみで再燃することがほとんどです。

症状が出てきてしまったら、再び成分栄養食に切り替えて症状を抑えるということを繰り返します。非常に大変な病気ですが、これ自体で寿命が短くなることはありません。

クローンと言うと細胞培養などで生物を増やすクローン技術のイメージがあるかもしれませんが、この病気とは関係ありません。

細胞培養のクローンは「挿し木」と言う意味ですし、この病気の名前は発見した人のお名前から付けられたものです。

クローン病と食事制限の関係は変化している!食生活改善の流れとは

先にもお話ししたように、クローン病と言えば基本的に食事はできず、鼻からチューブを通して胃に直接成分栄養剤を送り込むのが一般的な治療法でした。

しかし、ある程度落ち着いてきて、ひどい腸の症状以外に悪いところがない人に対してこの栄養療法は過酷です。ですので現在では、できる限り普通の食事に近づけようと言う考え方が主流になってきています。

食事制限を可能な限り減らすのが現在の目標

活動期には絶食、成分栄養療法を必要とした食事制限が必要な場合もありますが、最近ではレミケードを中心とした薬物療法の進歩が著しいので、食事制限については最低限必要な場合のみとなってきています。

寛解期でも低脂肪、低残渣で消化の良いものを接食することが望ましいですが、寛解期に極度の制限をするとストレスにもつながりますので、ある程度自由に食べても良いと考えます。

成分栄養剤はタンパク源がアミノ酸のため臭いが強くそのまま服用することが難しいため、これまでは経管(鼻から管を通してチューブを胃まで挿入し)にて注入することが多いのが問題でした。

しかし最近品質の改良やフレーバーやゼリーなどにする工夫により経口的に摂取することもできるようになりました。1日1200kcalまでの摂取であれば経口的に摂取することが可能であると考えられます。

(誤字修正のため一部改変・残差→残渣)

引用文中にあるレミケードとは、抗体製剤と呼ばれるお薬です。点滴で投与され、最初に投与されてから2週間後と6週間後の計3回投与されるもので、非常に効果の高いお薬です。

さらに、それでも効果が出なかったり副作用が強かったりする人のために、2週間ごとに自己注射で投与されるヒューミラと言うやはり抗体製剤のお薬もあり、こちらは4割以上の人が寛解状態に持って行けると言う優れものです。

今回は食事に焦点を当てた記事なので、注射や手術に関する治療法については別の記事に譲ることにしますが、このように食事療法との併用でクローン病に悩む人のQOLを大きく改善することができるようになってきていることだけはお知らせしておきましょう。

さて引用文に戻りますが、このようにクローン病治療の最先端の現場においても、食事制限は必要最低限に抑えると言う方向性が見られます。

そして、現在では画一的な食事制限よりも、患者一人一人の実情に合わせたプログラムの方が好ましいとされています。まだ、完成された方法ではありませんが、だいたい次のような流れです。

  1. 一般的に症状の再燃を起こしやすい食品と起こしにくい食品を患者に提示する
  2. 患者はそれに基づいて、さまざまな食品を少しずつ食べてみる
  3. それまで試していない食品は1回に1品目にしておく
  4. 食べた物と量をノートに完全に記録する
  5. 症状が出たかどうかを含めて体調も記録する
  6. それをお医者さんに見せて食事・服薬指導を仰ぐ
  7. 指導に基づいてそれ以降の食生活を決める
  8. 2.に戻って繰り返す

これを繰り返してゆくことで、何を外しておけば安全かと言う「自分専用メニュー」ができて行きます。そうして食生活を改善するのがベストと言えるでしょう。

ただし、これを行うに当たっては、事前に主治医の先生に充分相談して指導を仰ぎ、その指導にはしっかり従うようにして下さい。お薬との関係もありますから、自己流でやってはいけません。

ベースになるのは低脂肪・低残渣食品を選ぶこと

低脂肪は判りやすいですが、低残渣とはなんでしょう。これは主に不溶性を中心にした食物繊維があまり含まれていない物と言うことです。残渣とは残りカスのことです。

不溶性食物繊維は便のかさを増やす効果がありますが、便は食物の残渣と腸内細菌の死骸、そして腸の細胞が古くなって死滅した物によってできています。つまり、便のかさを増やされると具合が悪いと言うことですね。

これは、クローン病の患者さんには、病気が原因で腸の中が狭くなっていることがあるからなのです。そうした場合に不溶性食物繊維が多すぎると、腸閉塞を起こす危険性があるのです。

また、不溶性食物繊維は、便のかさを増やすことによって腸を刺激して蠕動運動を激しくします。もともと炎症で蠕動運動が激しくなっていて、腹痛や下痢に悩まされている患者さんがそんなのを食べたら大変ですね。

不溶性食物繊維は健康な人では様々なメリットがありますが、このようにクローン病の人では、時として腸を刺激したり詰まってしまったりする危険性があるので、できるだけ摂らないようにする方が良いと言う考え方があります。

以前は低残渣食において、食物繊維全般が好ましくないとされていましたが、現在では水溶性食物繊維はむしろ整腸効果が期待できる可能性が示唆され、寛解期には摂った方が良い栄養素だと考えられています。

ですので、お医者さんと相談の上で試して見られるのが良いかもしれませんね。具体的な食品については、のちほどまとめて紹介します。

脂肪は内容を選べば大丈夫なこともある

脂肪がクローン病に悪影響を及ぼす原因は、大きく分けて2つあります。その1つが脂肪を消化する胆汁酸が原因になるものです。脂肪が食べ物として入ってくると、十二指腸に胆汁酸を含む胆汁が分泌され、食べ物と混ざって小腸に送り込まれます。

そして、小腸の出口までに消化された脂肪と一緒に再吸収され、リサイクルされてまた消化液として使われます。胆汁酸は20回くらいも再利用されると言いますから利用率の高いものですね。

一方、食べたものの中に食物繊維が多いと、それに吸着されて便として出て行ってしまいます。胆汁酸はコレステロールが原料なので、これによって血中コレステロール濃度を下げることができるのです。

ところが、クローン病では小腸の末端部に病変が起こることが最も多いので、ここで胆汁酸を再吸収できなくなっています。食物繊維に取り込まれていない胆汁酸は、そのまま大腸に流れて行って大腸を刺激します。すると激しい下痢が起こるのです。

胆汁酸に関わるトラブルは脂肪の質を問いません。脂肪を消化するために胆汁酸が多く分泌されることで下痢が起こっているので、油であれば植物性でも動物性でも関係ないのです。

油を使う場合でも脂肪酸の種類に気を付けて

もう1つの原因は油の質によるものです。油脂はグリセリンと言う土台に脂肪酸が3本くっついている物です。2本や1本の場合もありますが、3本が圧倒的に多いです。

この脂肪酸の性質によって問題が起こることがあるのです。脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があることは皆さんよくご存知でしょう。また、不飽和脂肪酸には、最初の不飽和結合の位置によってω(オメガ)3やω6などの表現をすることも有名になりましたね。

このωによる分類ですが、食品に含まれている油脂では3・6・9の3種類に限定されると言っても差し支えないでしょう。そしてさらに、不飽和脂肪酸は不飽和結合の数によって○価の不飽和脂肪酸と言う分類も行われます。

一般に不飽和結合が多ければ多いほど、酸化されやすくなっています。αリノレン酸ですっかり人気者になったエゴマ油は、加熱してはいけないとよく言われます。これはαリノレン酸が3価の不飽和脂肪酸で、2価のリノール酸や1価のオレイン酸より酸化されやすいからなのです。

お魚のDHAやEPAは、それぞれ6価と5価ですので大変酸化されやすいですが、単体の油として摂ることはありませんので、新鮮な魚を選んで調理すれば問題ありません。

さて、このうちω6のリノール酸は、代謝されてゆく中でアラキドン酸と言う脂肪酸に変化します。このアラキドン酸からは非常にさまざまな種類の生理活性物質が生み出されます。そのさまからアラキドン酸カスケードと呼ばれています。

カスケードとは階段状に連続する小さな滝の集まりのことです。このアラキドン酸カスケードで生み出される生理活性物質には、炎症に関わるものが多数存在しているのです。

クローン病のみならず、最近では必須脂肪酸でありながらリノール酸の摂り過ぎによる健康への悪影響が問題になっているのはこの現象のせいです。

クローン病も炎症性の病気ですので、特にリノール酸を代表とするω6不飽和脂肪酸に注意しなければいけないのです。

その点、ω3不飽和脂肪酸のDHAやEPA、αリノレン酸などの必須・準必須脂肪酸は、炎症の面から見た場合安心な脂肪酸です。また、ω9不飽和脂肪酸は必須脂肪酸ではないのであまり話題に上りませんが、これも安全です。

むしろω9不飽和脂肪酸の代表格であるオレイン酸は1価ですから2価のリノール酸と比べても酸化耐性が高く、炎症物質を生み出す流れにも乗りませんので、炒め油などに少量使うにはもってこいです。

オリーブオイルまたは椿油は8割前後がオレイン酸ですので最も好ましい油と言えるでしょう。

もちろんラードやヘットなど飽和脂肪酸の多いものでも炎症に繋がらず、酸化耐性は最高なので良いのですが、今度は動脈硬化など別の問題が出てくるので、飽和脂肪酸は控えておいた方が無難です。

ここでもオリーブオイルやエゴマ油の優位性が見えてきましたね。お値段と加熱非加熱の区別なく使えると言う面でオリーブオイルが頭ひとつ抜け出ていると言えるかもしれません。

食事療法は一生続くものなので可能な限り普通の食事に近づける

クローン病は20歳前後の若者に多い病気です。男性の方が女性の2倍くらい患者さんが多いですが、女性は15歳~19歳、男性は20歳~24歳と、発症のピークは女性の方が若くなっています。

若者に好発する病気ですし、腸の中で激しい炎症が起こる病気ですので、必要カロリーは多くなります。しかも脂肪分を抑えなければいけないので、メニューが結構難しくなってしまうのです。

食事のカロリー不足は成分栄養剤で補う

クローン病の患者さんの場合、1日の必要カロリーは体重1kgあたり35kcal~40kcalとされています。この数値は健康な人の場合、力仕事が中心のハードな活動を行っている人と同レベルです。

ですので、もしクローン病を抱えていてハードな肉体的活動をしている人であれば、さらに多くのカロリーが必要になります。具体的な数値については、日ごろの仕事の内容を報告して、お医者さんから指導を受けて下さい。

この数値は、例えばデスクワークをしている人であっても、体重60kgの人が毎日2100kcal~2400kcalを摂らなくてはいけないと言うことで、しかも脂肪を極力抑えると言うことになりますから、いわゆる減量ダイエットとは全く逆の方向で難しさが出てくるでしょう。

多くの場合、ある程度症状が軽くなってきたら、1500kcal~1800kcalくらいの一般の食事に600kcal~900kcal程度の成分栄養剤を併せて摂るような方向になるでしょう。良く使われる成分栄養剤は1本300kcalです。

カロリーベースでは炭水化物にかなりの比重を置くことになる

通常の食事では炭水化物の占める割合は60%以下であることが多いのですが、クローン病の食事では脂肪を大幅に抑えるため、その分炭水化物の比重が増えることになります。先にお話ししたようにカロリーは大切ですので、低栄養にならないよう注意が必要です。

これからは具体的な食品についてお話ししますが、メニューをたくさん掲載するのは難しいので、低残渣病院食を1つご紹介して参考にして頂き、そこからは素材ごとに食物繊維と脂肪についてお話しします。

低残渣食の献立例

  • ごはん
  • 白身魚の若菜蒸し
  • 大根の煮付
  • 水菜のお浸し
  • 果物

低残渣食の献立例

☆献立のトータル栄養価(1人分:分割食米飯の場合)

エネルギー(kcal) 482 たんぱく質(g) 19
食塩相当量(g) 2.1 脂質(g) 3.0
食物繊維(g) 4.2 炭水化物(g) 91.2

「白身魚の若菜蒸し」のレシピなど詳しいことは引用元のサイトをご覧ください。

この病院食では、炭水化物のカロリーが全体の75%を占めています。このようにどうしても炭水化物中心にならざるを得ないので、それに連動してビタミンやミネラルなど三大栄養素以外のものが不足しがちになります。

そこで、成分栄養剤や一般の栄養剤を導入して、栄養不足に陥らないように注意を払う必要があるのです。

このメニューが昼食であったとしたら、やはり1日当たりのカロリーは1500kcalくらいになりますので、クローン病の患者さんに食べてもらう場合には、完全にカロリー不足になってしまいます。

もっとも、病状が非常に落ち着いていて、1.5人前食べてもお腹が痛くならないのであれば、それに越したことはないと言う方向で考えるようになってきているようですね。

動物性たんぱく質は魚から摂るのがお勧め

上の引用例でも、主菜は魚料理ですね。魚は陸上動物に比べて種類を選べば脂質がかなり抑えやすいと言う利点があります。また、ω3不飽和脂肪酸のDHAやEPAも摂りやすいのが魚ですので、食生活に上手に組み込みましょう。

とは言え、EPAやDHAがたくさん摂れる青魚は脂肪分が大変多いので、そこは気を付けて下さい。

魚は白身魚を上手に利用する

例えば、サバや太刀魚、サンマなどは脂質が20%前後も含まれているので、クローン病の人にはおすすめできない魚です。色々な食材を試してみて、魚なら脂が多くても大丈夫そうだと判ってから、お医者さんと相談の上チャレンジして下さい。

まず最初の内は淡泊な白身魚を、網焼きにしたり蒸したりして調理して下さい。

  • タラ
  • カレイ
  • オヒョウ
  • ヒラメ
  • メバル

このあたりが特におすすめです。100gあたりの脂質含有量は3.5g以下ですので非常に少ないと言えるでしょう。。

この辺りを食べても、クローン病の再燃がないようでしたら、次はもう少し脂質の多い魚に進みます。

  • サケ
  • マス
  • タイ
  • アナゴ

これらは100gあたり10g未満、4g以上の脂質を含んだ魚です。

肉はヒレ肉やささみなら白身魚レベルの脂質

クローン病の患者さんは若い時に発症する人が多いので、魚ばっかりじゃストレスがたまるかもしれませんね。そこでお肉です。お肉も部位を選べばかなり脂質を抑えることができます。

  • 牛ヒレ肉
  • 牛スジ
  • 牛ホルモン・コブクロ
  • 牛ホルモン・センマイ
  • 豚ヒレ肉
  • 鶏胸肉皮なし
  • 鶏ササミ
  • 鶏もも肉皮なし(親鶏)

これらは100gあたりの脂質は5g以下です。特に豚ヒレ肉、鶏ササミ、鶏胸肉皮なしは脂質が2g以下なので特におすすめですね。お肉も基本は網焼きやテフロンのフライパンでの素焼き、あるいは蒸したり煮たりした料理にしましょう

一方、牛ホルモンの2つは脂質自体非常に少ないのですが、調理の際に香辛料を使うことが多いので、香辛料を使わない料理を工夫する必要があります

なお、肉類は飽和脂肪酸の問題もありますが、脂肪酸のバランスとして見た場合、ω6は少なめでオレイン酸と飽和脂肪酸が多いため、炎症物質ができる可能性は低いでしょう。

また、肉ではありませんが、卵はやや脂肪が多い食品です。魚の所で紹介したサケ・マス類と同レベルだとお考えください。鶏卵よりウズラ卵の方が1.4倍くらい脂肪は多いですが、1個のサイズが小さいので使い方次第では食卓が豊かになります。

植物性たんぱく質の雄・納豆は控えめにした方が良い

脂肪を控えてたんぱく質を摂ると言うことになると、一番に思い浮かぶのが大豆製品ですね。ところが、意外なことに大豆製品は問題ありなのです。

と言うのも、大豆は大豆油が搾れるぐらい脂質の豊富な食品だからなのです。一般的な納豆は100g中10gも脂質を含んでいます。しかも、半分以上がω6のリノール酸ですので、炎症物質への代謝が懸念されます。

もちろん納豆パックは小さいものでしたら30g程度ですので、様子を見ながら試して見られても良いかもしれませんが、大豆製品は豆腐やみそについても、様子を見ながら試した方が良い食品です。

栄養士さんやお医者さんとよく相談して試してください。

食材選びは大変ですが、病院には栄養士さんがおられますから、受診の際には相談して食生活を指導してもらって下さいね。

低残渣を意識することが野菜と主食を決めるポイントになる

この健康生活で記事を書いていると、「食物繊維を摂りましょう」と言うお話ばかりしているので、逆に食物繊維を減らしましょうと言うお話は本当に難しいです。

最近ではトクホの清涼飲料水のように、難消化性デキストリンをわざわざ添加したものまでありますが、これも食物繊維として働きますので飲まないで下さい。

さらに、人工甘味料のうち、糖アルコールに分類される物は、大腸での水分吸収を減らし下痢を招くものが多いので飲まないで下さい。甘味料でキシリトール・マルチトール・ソルビトール・エリスリトールなど「-ol」で終わる物質名のものです。

ご飯とうどんはOKだが混ぜ物はダメ

精白米を普通に炊いたご飯に含まれる不溶性食物繊維は100gあたり0.3gです。いまどき滅多にそんな人はいないでしょうが、一升飯を食べても不溶性食物繊維の量は10gに届かないと言うことです。安心して食べられますね。

これが玄米ご飯や胚芽米になると食物繊維が増えてしまいますからクローン病の人は食べてはいけません。

また、うどんも不溶性食物繊維は少なめです。白ご飯の倍ぐらい含まれてはいますが、それでも一食分を約280gとしても不溶性食物繊維の量は1.7gに届きませんので安心して食べられます。

一方、これがそばやラーメンになると一気に食物繊維が増えるので避けた方が良い食品になります。ソーキそばに使われる沖縄そばや、カップめんなどのインスタント麺もアウトです。

野菜は慎重に選ばなければならない

ゴボウなどのイメージから根菜類は不溶性食物繊維が多いと思われがちですが、必ずしもそうではありません。確かにゴボウやホースラディッシュは多く含まれていますが、ホースラディッシュの仲間である大根は割合少なめです。

大根の場合、100g中不溶性食物繊維は0.9gです。しかも皮をむいても0.1gしか減りません。一方、ニンジンは根にも葉にも食物繊維は多めで、大根の3倍くらい含まれています。

野菜で食物繊維が多いのはらっきょうですが、その大半が水溶性なのです。それに100gも食べることもないでしょうから、漬物類として食卓の彩りに利用したいですね。生のらっきょうで100g中食物繊維は20.7gも含まれていますが、不溶性は2.1gしか含まれていません。

塩らっきょうとして冷蔵庫で保存し、使う時には塩出しして刻み薬味にすれば、あさつきや葉ネギより不溶性食物繊維は少なくて済みます。

また、たまねぎは不溶性食物繊維の少ない野菜ですので上手に利用しましょう。100g中1.0gしか含まれていません。いも類はじゃがいもが良いですね。100g中0.7gです。一方、サツマイモは少し多めですし、たくさん食べられる食品ですので避けましょう。

葉野菜・実野菜は食物繊維少なめなので上手く利用しよう

不溶性食物繊維が生の状態で100g中0.7g~1.9gである主な葉野菜・実野菜は次の通りです。少ない順に並べました。

  • トマト
  • きゅうり
  • レタス
  • 白菜
  • パプリカ
  • 青梗菜
  • フキ
  • 緑豆もやし
  • ブラックマッペもやし
  • グリーンボール
  • サニーレタス・リーフレタス
  • ピーマン
  • キャベツ
  • サンチュ
  • 野沢菜
  • 小松菜
  • サラダ菜
  • なす

不溶性食物繊維が生の状態で100g中2.0g~4.1gである主な葉野菜は次の通りですので、これらは控えましょう。

  • 大豆もやし
  • ゴーヤ
  • さやいんげん
  • ほうれんそう
  • ニラ
  • 赤キャベツ
  • 水菜
  • 不断草(スイスチャード・うまい菜)
  • ししとう
  • 芽キャベツ(4.1gもあるので避けて下さい)

なお、キノコ類は非常に不溶性食物繊維が多いので原則として避けましょう。例外はホンシメジとマッシュルームくらいです。この2つはピーマンと同程度しか不溶性食物繊維を含んでいないので、少量なら大丈夫であると思います。

豆類は不溶性食物繊維が多いので、10g以下に抑えておこう

豆類は割合多く含んでいるので、調理したものを少し食べる程度にしておいた方が無難です。ゆでたものを主食代わりに食べると危険です。

お勧めなのは「豆きんとん」ですね。これは白インゲン豆を砂糖やハチミツで甘く調味したものですので、非常にカロリーが高く、食物繊維の少ない食べ物です。

日本食品標準成分表2015年版によると、100gあたり249kcalで不溶性食物繊維と脂質はどちらも0.5gしか含まれていません。一方、水溶性食物繊維は4.3gとなっています。

甘くておいしい食べ物ですので、食事制限のストレス解消にももってこいじゃないでしょうか。上手くストレスコントロールを行って、困難な食事制限を乗り切って下さいね。

クローン病の食事はそれだけで本が数冊書けてしまうぐらい大変なものです。しかも、それが万人に当てはまらないと言う難しさがあります。どうか、皆さん自身に合わせたメニューを開発して下さいね。
キャラクター紹介
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