健康生活TOP 便秘 妊婦の便秘解消法!お腹の赤ちゃんにも安心な妊娠中の便秘薬の選び方

妊婦の便秘解消法!お腹の赤ちゃんにも安心な妊娠中の便秘薬の選び方

もともと女性は男性より便秘に悩む人が多いのですが、妊娠するとさらに便秘になりやすく、妊娠中は便秘薬を使うのも怖いので、全期を通して多くの妊婦さんが便秘対策に頭を悩ませます。

妊娠中に便秘になりやすい理由、気になる便秘薬の選び方、妊娠中でも安心して実践できる便秘解消法についてチェックしておきましょう。

便秘の種類って知ってる?妊婦さんは機能性便秘が多い

妊娠すると、それまであまり便秘しなかった人が便秘するようになったり、もともと便秘気味だった人の便秘がさらに悪化することが多くなります。

実は「便秘は、妊娠とセットでついてくる」といわれるほど、便秘は妊婦さんに起こりやすい症状なのです。

まず便秘のタイプについて説明をしておきましょう。

便秘の種類とその特徴

便秘を大きく2つに分けると、腸の病気などが原因で起こる「器質性便秘」と病気とは関係なく起こる「機能性便秘」があります。

便秘の種類

便秘のほとんどは機能性便秘なので、この記事では妊婦さんの機能性便秘について説明を進めていきます。

(器質性便秘の場合は、原因となる病気を治さなければなりません。血便、激しい腹痛、下痢と便秘の繰り返しなどが続く場合は器質性便秘の可能性も考えられ、すぐに受診が必要です。)

機能性便秘は次の3タイプがあります。どのタイプも妊婦さんに起こりやすい便秘です。

弛緩性便秘
弛緩(しかん)性便秘は、腸のぜん動する力が弱く便が肛門に向かって進みにくいために起こります。コロコロした硬い便が特徴です。

女性、高齢者、運動不足の人など腸の筋力が低下している人に多い便秘です。機能性便秘の中で最も多いタイプ。

直腸性便秘
直腸性便秘は、直腸(肛門近くの腸)まで便が降りてきているのに便意が消えてしまうために起こります。便は、硬くていきんでもなかなか出ないのが特徴です。

トイレを我慢して排便のタイミングを逃しやすい人、特に女性に多くみられます。

痙攣性便秘
痙攣(けいれん)性便秘は、ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、腸のぜん動がスムーズに行われなくなるために起こります。便秘と下痢を繰り返すのが特徴です。

ストレスの強い人に起こりやすくなります。

妊婦さんが便秘しやすい原因は?知っておきたい複数の理由

妊娠による体の変化や妊娠中のライフスタイルには、便秘の誘因になってしまう要素が多々あります。そのため妊娠すると多くの人が自然と便秘がちになるのです。

なぜ妊娠すると便秘になってしまうのでしょうか。理由を詳しくご説明します。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:ホルモンバランスの変化

妊婦さんの便秘で最も多いのが、ホルモンバランスの変化による弛緩性便秘です。

妊娠すると、妊娠を持続させる役割を持つ「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌量が増えます。

プロゲステロンには、子宮の平滑筋を弛緩させ、流産や早産の原因となる子宮の収縮を防ぐはたらきがあります。

同時に消化器の平滑筋も弛緩するため、妊娠中は腸のぜん動が起こりにくくなって便秘になってしまうのです。

プロゲステロンは受精卵の着床後から分泌が高まり始めるので、早い人では妊娠3~4週目頃から便秘が始まるようになります。

妊娠初期には卵巣の黄体から、妊娠中期からは胎盤から分泌されていき、分娩の直前まで分泌量は増えていくので、全期を通して便秘に悩む人が多くなってしまいます。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:大きくなった子宮の圧迫

また妊娠中期以降は、子宮が腸を圧迫するために直腸性便秘が起こりやすくなります。

子宮に押された腸が狭くなったり腸の反応が鈍くなったりするため、便が直腸付近にとどまったまま便意が消え、便秘になってしまいやすいのです。

妊娠後期は子宮がかなり大きくなるため、ほかの原因と重なって便秘がひどくなる妊婦さんも多いようです。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:食物繊維や水分の不足

便秘に無縁の理想的な便は、柔らかくバナナくらいの太さがあり、腸のぜん動によってなめらかに便を排出させることができます。しかし、便が硬くボリュームが少ないと腸が動かず便が肛門のほうへ進みません。

腸のぜん動を促進させるには、水分と便に水分をとりこんで膨張させるための「食物繊維」が必要です。

しかし、妊娠すると水分が羊水や胎児に使われ、腸内の水分が不足しやすくなる上、つわりや大きくなった胃の圧迫で食欲不振になって食事の内容が変わり、食物繊維も不足しがちになります。

水分だけとっても尿量が増えるだけで便は柔らかくなりません。便に水分を取り込むには「水分+食物繊維」が揃わないとダメなのですね。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:運動不足

便秘は運動不足でも起こります。

妊娠すると妊娠前のように思い通り体を動かすことができなくなるので、運動不足で腸の筋力が低下してぜん動が起こりにくくなり、便秘しやすくなってしまいます。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:ストレス

妊婦さんはストレスが原因で自律神経のバランスが不安定になって痙攣性便秘が起こる場合もあります。

赤ちゃんを授かるのはとても嬉しいことなのですが、ママになることへの不安、妊娠による生活の変化など、ストレスもいっぱいです。また精神的なストレスだけでなく、妊娠による体調の変化が身体的なストレスになって自律神経に影響することもあります。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:赤ちゃんのことが心配でいきめない

妊婦さんの中には、排便の際に「いきむと子宮に負担がかかり、流産や早産しやすくなってしまうのではないか」と不安を感じ、便がすっきり出ない人もいるようです。

特に胎盤が完成していない妊娠初期の妊婦さんはいきむのが怖くて、便秘が悪化しがちです。

実際には、切迫流産や切迫早産の場合をのぞき、排便のいきみと流産や早産はあまり関係ないといわれます。不安を取り除くためには、担当医や助産婦さんの指導に従って、しっかり便秘対策をすることがのぞましいです。

妊娠すると便秘しやすくなる理由:便秘薬が使えない

妊娠中は胎児への影響や子宮への刺激といった副作用の心配もあり、市販されている便秘薬に使えないものが出てきます。

そのため、妊娠前には便秘薬に頼ることの多かった人が妊娠して薬が使えなくなると、慢性的な便秘になってしまう場合があります。

妊娠中でも使える便秘薬、妊娠中に使うのは危険な薬はどれ?

便秘はなるべく薬を使わずに治すのが理想ですが、妊婦さんは適度に便秘薬の力を借り早く便秘を解消したほうが良い場合もあるのです。

というのも、便秘のせいでつわりや子宮の張りが強くなったり、排便時のいきみで切れ痔やいぼ痔が生じやすくなったりしやすいためです。(特に妊娠がきっかけで痔になってしまう女性は多いです。)

妊婦さんが安易に市販の便秘薬を使うのは危険ですが、産婦人科から妊娠中でも使えるタイプの便秘薬を処方してもらえるので、便秘になった場合は放置せずに早めに担当医に相談することをおすすめします。 

市販の便秘薬を購入する際も、薬剤師に相談するなどして製品の特徴をよく確認し、必ず安心して使えるものを選ぶようにしましょう。

便秘薬の目的はどれも同じ「便を排出すること」でありながら、成分によって作用機序は異なり、タイプも細かく分類されています。

よく効くものほど刺激が強く、妊娠時の使用に安全性が確立されていないものが多いので、妊婦さんにはどのようなタイプの便秘薬が危ないのかチェックしておきましょう。

便秘薬の種類を大きく分けると、次の6種類があります。

刺激性下剤 腸を刺激してぜん動を促進させる
浸潤性下剤 腸に水分を与え、便が滑らかに排出されようにする
膨張性(膨潤性)下剤 便に水分を与えて膨張させ、ぜん動を促進させる
塩類下剤 便に水分を与えて柔らかくし、排便しやすくする
緩下剤 下剤より穏やかに作用し、腸のぜん動を促進させる
坐剤・浣腸 肛門から薬を入れて腸を刺激し速やかに便秘を解消させる

ジフェノール系なら妊婦も使える「刺激性下剤」

「刺激性下剤」は、腸の粘膜を刺激して腸のぜん動を促進させるタイプの内服薬です。大腸刺激性下剤と小腸刺激性下剤があります。

小腸刺激性下剤には「ヒマシ油」という植物油があります。しかし現代ではあまり使われておらず、大腸刺激性下剤が主流となっているので、この記事では大腸刺激性下剤についての説明を進めます。

大腸性刺激下剤は、大腸を刺激する作用が大きく、排便を促進させる効果が高い便秘薬ですが、妊婦さんが使うと子宮の収縮を起こす場合があるので、選ぶ際には注意が必要です。

大腸刺激性下剤の主成分は主に「アントラキノン誘導体」と「ジフェニルメタン誘導体」があり、アントラキノン誘導体の成分を配合したアントラキノン系の便秘薬は、原則として妊婦の使用が禁忌とされています。

主成分のタイプ 主な成分 妊娠中の使用
アントラキノン誘導体
  • センナ
  • センノシド
    (センナの抽出成分)
  • 大黄(ダイオウ)
  • アロエ
原則として禁忌
ジフェノール誘導体
  • ビサコジル
  • ピコスルファートナトリウム
医師の判断により可能
【アントラキノン系の便秘薬】
市販されている便秘薬の主流となるのがアントラキノン系の便秘薬です。

アントラキノン誘導体は、センナやアロエなど植物に含まれることで知られます。大腸への作用が強く、アントラキノン系の便秘薬は腸のぜん動がかなり低下している人、頑固な便秘の人に適しています。

植物性の成分ということで一見体には優しそうですが、子宮の収縮を引き起こすことがあるので、妊婦さんは原則としてアントラキノン系の便秘薬は使用が禁忌とされています。

成分名 一般名
センナ
  • プルゼニド錠
  • センナ茶
センノシド
  • アローゼン
ダイオウ
  • 大黄甘草湯
  • 大柴胡湯
  • 三黄瀉心湯

妊婦さんは市販の便秘薬を使う前にはパッケージと使用上の注意を見て、アントラキノン誘導体の成分が配合されていないか、妊娠中の使用について注意書きがないか、よく確認してください。

また、習慣性があり(クセになりやすい)常用すると自力で便意を起こす機能が衰えて便秘が悪化してしまったり、腸の粘膜に色素が沈着する「大腸黒皮症」という副作用が起こりやすくなるので、妊娠していない人も頼り過ぎには注意したい便秘薬です。

「お茶や漢方薬なら大丈夫かな」と思いがちですが、センナ茶やダイオウを使った漢方薬も妊婦さんにとって刺激が強過ぎることは覚えておいてください。

また妊婦さんが薬や生のアロエを服用すると子宮が収縮したり胎児の健康を害する可能性があるので注意してください。(ヨーグルトなどに入っているアロエベラには緩下作用がないので、安心して食べることができます。)

【ジフェノール系の便秘薬】
ジフェノール誘導体の成分は作用が穏やかで大腸に吸収されないので、副作用の心配が少なく妊婦さんや子供にも安心です。

病院では、ピコスルファートナトリウムが主成分の「ラキソベロン」が処方されます。滴剤型で水に垂らして1日1回服用するタイプの薬で、腹痛も起こりにくく自然に近い形でお通じが来るのが特長です。

成分名 一般名
ピコスルファートナトリウム
  • ラキソベロン
ビサコジル
  • コーラック(有効成分はビサコジルのみ)

ラキソベロンは妊婦さんにも処方される薬ですが、自己判断で「おばあちゃんや子供が病院からもらっていた分を借りちゃおう」といった使い方をするのはやめましょう。必ず受診して処方してもらった薬のみを使うようにしてください。

効き目が穏やかなため、便秘が頑固な場合は効きにくいと感じる場合があるかもしれません。便秘薬以外の対処法を組み合わせることで薬の効果をフォローすると良いでしょう。

「ビサコジル」はほかの成分と共に刺激性下剤に配合されることもあります。(製品によっては妊娠中の使用が勧められません。)

妊婦も注意して使える「浸潤性下剤」

浸潤性下剤は、界面活作用を利用して便に水分を浸潤させ、スムーズに排便させるタイプの便秘薬です。

界面活性剤が便の表面の表面張力を下げ、便に水分が吸収されやすくします。すると便が柔らかくなって滑らかに動き、排便しやすくなるのです。弛緩性便秘、直腸性便秘の治療に適しています。

腸のぜん動作用は穏やかですが、妊娠中に使った場合の安全性は確立されていないので、妊婦さんに積極的に処方されるものではありません。医師の判断によって必要な場合に処方されます。

また長期連用すると習慣性がついたり腸粘膜の色素沈着を起こす可能性もあるため、妊娠していない人でも使用する際は注意が必要な薬です。

成分名 一般名
ジオクチルソジウムスルホサクシネート
(DSS)
  • ベンコール錠
カサンスラノール
  • ビーマス錠

ほかの成分と共に刺激性下剤に配合されることもあります。(製品によっては妊娠中の使用が勧められません。

妊婦も使える「膨張性(膨潤性)下剤」

膨張性(膨潤性)下剤は、便に水分をとりこんで膨張させることで排便を促進刺せる便秘薬です。

水分を吸収する性質を持つ成分を配合し、便に水分を吸収させて柔らかくボリュームを増やし、腸を刺激してぜん動を促進させます。食物繊維の摂取量が少ない人の便秘治療に適しています。

腸を直接刺激する成分ではなく腸のぜん動作用が穏やかです。子宮を刺激する心配が少ないので、妊娠中も使用できる薬があります。

成分名 一般名
カルボキシメチルセルローストリウム
  • バルコーゼ
ポリカルボフィルカルシウム
  • コロネル錠/細粒
  • ポリフル錠/細粒
プランタゴ・オバタ
(サイリウム)
  • イサゴール
寒天
小麦ふすま
  • 健康食品など

プランタゴ・オバタはオオバコの種子で、水を吸収すると数十倍に膨張する性質があり「イサゴール」は特定保健用食品にも指定されています。

成分そのものは便秘を解消する効果がやや弱いため、頑固な便秘には効きにくい場合もあります。

もしも大量に服用すると緩下作用にとって子宮が刺激を受ける場合があるので、医師や薬剤師の指示に従って正しい方法で利用することをおすすめします。

また、体に優しいのでほかの成分と共に刺激性下剤に配合されることも増えてきているのですが、製品によっては妊娠中の使用が勧められないので、選ぶ時には注意してください。

妊婦も使える「塩類下剤」

塩類下剤は、便に水分をとりこんで膨張させ排便を促進させる便秘薬です。

有効成分のマグネシウムは高い浸透圧で便に水分を吸収させる性質があります。塩類下剤を服用すると、柔らかくボリュームのある便になって自然な形でお通じが起こります。

マグネシウムは腸を直接刺激する成分ではなく、腸のぜん動が穏やかなので便秘治療の第一選択に用いられることが多く、妊娠中にも処方されています。

成分名 一般名
酸化マグネシウム
  • カマ
  • マグラックス
  • など

クエン酸マグネシウム
  • マグコロールP
  • など

服用を続けても習慣性のつきにくい便秘薬です。ただし大量摂取するとお腹がゆるくなったり、高マグネシウム血症になったりする場合があるので、頼り過ぎは禁物です。

塩類下剤を服用する際は、水分をしっかり摂取するのがコツですよ。

妊婦も使える「糖類下剤」

糖類下剤は、名前の通りに甘味料と同じ成分の糖類が有効成分となっている便秘薬。

腸に吸収されない糖類によって便に水分を取り込ませ、緩下作用を起こす便秘薬です。塩類下剤と同じく腸を刺激することなくお通じを起こします。

作用がとても穏やかなので、赤ちゃん、子供、妊婦さんに処方されます。

成分名 一般名
ラクツロース
  • ラクツロースシロップ
  • モニラックシロップ
D-ソルビトール
  • D-ソルビトール経口液
麦芽糖
  • マルツエキス

糖類は腸内にすむ善玉菌のエサとなるため、糖類下剤を服用していると善玉菌が増えて理想的な弱酸性に傾き、酸が腸を適度に刺激してぜん動が起こりやすくなるという好循環が起こります。

ただし刺激が少ないだけに即効性もなく、頑固な便秘には効果が得られにくい場合があります。

D-ソルビトールは、大量に摂取すると下痢や腹痛を起こす場合があるので注意も必要です。

妊婦は使用を避けたい「浣腸・坐剤」

浣腸は肛門から便の滑りを良くする液を注入して排便しやすくする便秘薬、坐剤は下剤を肛門から腸に直接送り込んで緩下作用を起こす便秘薬です。

どちらも腸の粘膜を直接刺激するのですぐに便意をもよおしやすく、すぐに便秘を解消させたい時の使用に適しています。刺激が強く子宮を収縮させる可能性が高いので、妊娠中の使用はおすすめできません。

成分名 一般名
グリセリン
  • 浣腸
ビサコジル
  • テレミンソフト坐剤
炭酸水素ナトリウム
  • 新レシカルボン坐剤

妊娠中に使える便秘薬は

妊娠中でも医師や薬剤師の指示のもとに安心して使うことができるのは次の薬です。

  • ピコスルファートナトリウム(病院で処方されるラキソベロン)
  • プランタゴ・オバタ
  • 塩類下剤
  • 糖類下剤

ただし人によっては体質に合わなかったり軽い副作用(吐き気・腹痛・下痢など)が起こることもあるので、大量に服用することは避け様子を見ながら慎重に使うことをおすすめします。

妊娠の時期ごとの注意点とおすすめの便秘解消法

妊娠中は思うように便秘薬が使えないので、便秘対策をしっかり行って早めに便秘を解消していきましょう。

妊娠全期を通して実践したい便秘の対処法

妊娠中は、時期によって便秘の原因や対処法が少しずつ異なるのですが、基本的な便秘対策は全期を通して共通しているので「いつも快腸」を目指して便秘対策を毎日の習慣にして行きましょう。

食物繊維を十分に摂取する
食物繊維は消化・吸収されない物質で便通を起こす作用があります。また腸内の善玉菌のエサになることで善玉菌を増やし、腸内を弱酸性に保つ役割もあります。

しかし、ほとんどの日本人は食物繊維の摂取量が不足しています。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」では、成人女性は1日に18g以上の食物繊維を摂取することが推奨されているのですが、実際には平均して6~7g不足している状態が続いているのです。

食物繊維の多い食品を重点的に献立に取り入れ、1日に18g以上の食物繊維を摂取しましょう。

食物繊維は、便のボリュームを増やす「不溶性食物繊維」と、便に水分を取り込んで柔らかくする「水溶性食物繊維」を2:1の割合でさまざまな食べ物から摂取するのが理想です。

この比率が大きく崩れると、いくら食物繊維を摂取しても便通が改善されにくいので気を付けてくださいね。

▼食物繊維を多く含む食品の一例

食品名 不溶性食物繊維+水溶性食物繊維
=総食物繊維量(g)
くり5個100g 7.5+1.0=8.5
おから50g 5.5+0.2=5.7
さつまいも1/2本150g 3.6+1.7=5.3
ライ麦食パン1枚70g 2.5+1.4=3.9
納豆1パック40g 1.8+0.9=2.7
アボカド1/2個50g 1.8+0.8=2.6
こんにゃく100g 2.1+0.1=2.2
こしあん30g 2.0+0.1=2.1
ごぼう30g 0.8+1.0=1.8
キウイフルーツ1個50g 0.9+0.4=1.3
大麦(押麦)10g 0.4+0.6=1.0

食物繊維には血圧や血糖値を抑制し、出産トラブルや低体重児の原因となる妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを抑える効果もあります。妊娠したら、ほかの重要な栄養素と共に食物繊維も意識して十分に摂取するよう心がけましょう。

乳酸菌を摂取する
腸内環境を整えるために乳酸菌を積極的に摂取しましょう。

慢性的な便秘に悩んでいる、おならが臭い、野菜や果物の摂取量が少ない、といった人は腸内環境が悪くなって便秘が改善されにくくなっています。

乳酸菌を摂取すると腸内で増えて腸内が弱酸性に傾くと、腸が刺激されてお通じがつきやすくなります。

乳酸菌は、ヨーグルト、漬け物(キムチ、ぬか漬けなど)、納豆、みそなどの発酵食品に含まれます。

ヨーグルトは1日に200g食べるのが良いと言われますが、食物繊維と一緒に摂取したり、ひとつに偏らず幅広い食品から摂取したほうが腸内細菌のバランスがさらに良くなります。毎日継続して摂取しましょう。

また、善玉菌を増やすにはそのエサとなるオリゴ糖や食物繊維を一緒に摂取するのが効果的です。オリゴ糖は、甘味料のほか果物ハチミツからも摂取できます。

腸内環境が整うと、便秘が解消されるだけでなく、ウイルスや細菌が善玉菌の酸で殺菌され、病気を防ぐ効果も得られます。

また赤ちゃんは産道を通ってくる時にお母さんから乳酸菌をもらうので、お母さんが妊娠中にしっかり善玉菌を増やしておくと、赤ちゃんが生まれ持つ腸の免疫力が高くなります。

リンゴヨーグルトやバナナヨーグルトなどヨーグルトに果物をプラスして食べると、乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖が効率良く摂取できますよ。
水分をしっかり補給する
便秘になると便は分が抜けてカチカチになって動かなくなり、水分が不足すると余計にぜん動が起こりにくくなって便秘が悪化してしまいます。

水分を1日に2リットルくらい補給し、腸内に水分を送りましょう。朝は起きてすぐコップ1杯の水を飲むと腸が動いて便通が起こりやすくなります。

定刻に排便するリズムをつける

女性の便秘で多いのが、排便のタイミングを逃したために排便の規則正しいリズムが崩れてしまう直腸性便秘です。

毎日同じ時間帯にトイレに行って排便する習慣を身につけましょう。

最初は便意が起こりにくくてもとりあえず決めた時間帯にトイレに行くトレーニングを行います。毎日続けていると排便のリズムが付き、定刻に便意が起こるようになってきます。

油も適度に摂取する
体重管理のために、カロリーアップの原因となる油をなるべく摂取しないようにしている人は便秘しやすくなるかもしれません。

適度な油には便をスムーズに排出させる役割があります。バターや肉の脂は避け、青魚や植物油から良質の油分を摂取しましょう。

妊娠初期の便秘対策と注意点

妊娠初期は、つわりやホルモンバランスの変動、運動不足で便秘が起こりやすくなります。

便秘薬を処方してもらう
胎児の重要な器官が形成される時期で薬の成分の影響を受けやすいので、便秘薬に限らず市販薬を安易に使うのはやめましょう。

刺激の強い便秘薬を使うと子宮を刺激して流産しやすくなるので、便秘になったら産婦人科で妊娠中でも使える便秘薬を処方してもらってください。

食物繊維・乳酸菌・水分をしっかり摂取する
食物繊維と乳酸菌を意識して摂取するように心がけます。つわりで嘔吐のある人は脱水に注意し、水分をこまめに摂取してください。

もしもつわりで食事がとりにくい場合は、野菜と果物を複数用意してジューサーにかけスムージーにして食物繊維を摂取してみてはいかがでしょう。疲労を回復させるビタミンCと糖分、妊娠初期に必要な葉酸を補給する効果も得られます。

お腹を刺激しないこと
激しい運動、お腹のマッサージ、指圧は子宮の収縮を引き起こす場合があるので妊娠初期は控えてください。
自律神経野バランスを整える
妊娠して体調が急激に変化するため、心身のストレスが強く自律神経のバランスが不安定になります。

ストレスが強くなると痙攣性便秘が起こりやすくなるので、妊娠が分かったら規則正しい生活をして自律神経のバランスを整えましょう。

もともと便秘体質の人は妊娠が分かったら、食生活を改善して積極的に便秘対策を始めましょう。

妊娠中期の便秘対策と注意点

妊娠中期に入ると子宮が大きくなって腸の機能が鈍くなるので、この時期から便秘が始まる妊婦さんも出てくるようになります。

適度な運動をする
安定期に入り流産の心配が低くなるので、医師の許可のもとに適度な運動を行いましょう。

運動には、腸を穏やかに刺激したり腹筋を鍛える作用があり、腸のぜん動を促進させる効果があります。また血行を促進させて腸の機能を高める効果も得られます。

安静にする必要がなければ、無理のない程度でウォーキングやマタニティスイミングなど、転倒や子宮収縮の心配がない運動をゆるやかに行うのがおすすめです。

食事はバランス良く
つわりがおさまって食欲が復活する人が多い時期です。野菜、豆類、いも類、果物を献立に取り入れて食物繊維をしっかり摂取しましょう。

腸内をアルカリ性に傾ける悪玉菌を増やすのは、動物性食品(肉・バター・生クリームなど)です。摂り過ぎには注意しましょう。

水分補給はしっかりと
妊娠中期は赤ちゃんの体が大きくなり羊水の量も増えるので、お母さんの体の水分が子宮に溜め込まれ腸内の水分が不足しやすくなります。

意識して水分補給を行い、腸内に水分をしっかり行き渡らせましょう。

市販薬を買う時は薬剤師に相談を
安定期以降は、便秘薬の緩下作用で子宮を刺激し流産が起こるような心配も少なくなってきます。

便秘薬に頼りすぎるのは良くありませんが、便秘の慢性化を防ぐことも大切です。市販薬を買う時は医師または薬剤師に相談をして、適切な方法で使うようにしましょう。

妊娠後期の便秘対策と注意点

妊娠後期はさらに子宮が大きくなり、弛緩性便秘が起こりやすくなります。初期・中期より便秘がひどくなってしまい、吐き気や腹痛など不快な症状を伴う人も出てきます。

引き続き、食物繊維や乳酸菌の摂取、適度な運動を心がけましょう。便秘のまま分娩に進むといきみにくいので、分娩に向けて便秘をしっかり改善しておくことをおすすめします。

便秘に効くツボの指圧
便秘に効くツボを指圧してみましょう。しばらく指圧していると、嬉しいことに早速便意をもよおすこともあります。

ツボの名称 ツボの場所
合谷
(ごうこく)
手の親指と人差し指の付け根の間で
強めに押すと圧痛を感じるところ
神門
(しんもん)
手首にある横しわ上で小指側のくぼみにある
大腸兪
(だいちょうゆ)
ベルトの高さの背骨から指の幅2本分外側に離れたところ
握り拳を大腸兪に当てグリグリ押すと当たりやすい
三陰交
(さんいんこう)
足首の内くるぶしから指の幅3本分上がったところ
押すと圧痛がある

1回につき3秒押し、5~10回くらいを目途に指圧を行います。

三陰交は「安産のツボ」と呼ばれ、出産予定日の近づいてきた人におすすめのツボです。(子宮を刺激する場合があるので妊娠初期は押さない方が良いと言われます。)

足腰の筋肉を鍛える
妊娠後期に入ったら、分娩時にしっかりいきんで安産になるよう、足腰の筋肉を適度に鍛えましょう。腸のぜん動も促進され、便秘の解消に役立ちます。

お腹が大きくなって転倒しやすいので、動き回る運動は控えます。ウォーキングや家事(拭き掃除・トイレ掃除など)がおすすめです。

慢性化すると治りにくい妊娠中の便秘は早め早めの解消を

機能性便秘そのものは、赤ちゃんの成長を妨げたりお母さんが寝込んだりするような病気ではないので、軽い便秘なら「○日間出てないのは序の口」と放置してしまいがちですよね。

しかし便秘は不快な症状を伴いやすく、妊娠中の便秘は慢性化すると治しにくいことからも、放置せずに早く解消する習慣をつけることをおすすめします。

一番良いのは排便のリズムをつけてしまうことですね。毎朝トイレに行く習慣をつけ、なるべく自然なお通じが来るようにトレーニングするのは是非おすすめ。お腹をスッキリさせ快適なマタニティライフを送ってくださいね。

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