健康生活TOP 便秘 便秘解消!効かないと思っている市販の浣腸を上手に効かせるコツ

便秘解消!効かないと思っている市販の浣腸を上手に効かせるコツ

浣腸と言うと、便秘に対する最終手段の様に考えられることが多いですね。それでいて浣腸ぐらいでは解消しないと言う人も結構います。

自分で浣腸を行うには、どのように使用するのが最も効果的でリスクが少ないのかを見て行きましょう。

正しい使い方をしないと、思わぬ副作用に見舞われることもあるんですよ。

浣腸は大腸を刺激する治療法なので即効性がある!そのメカニズムとは

例えば便秘薬の場合、口から飲んで、早いものでも小腸に届いてから効果を発揮しますので、効き目が表れるのに時間が掛かります。一般的な酸化マグネシウムなどの便秘薬では大腸にまで届かないと効果が表れません。

それに比べると浣腸は肛門から入れて大腸に働きかけるお薬ですので、単純に考えても胃から小腸までの10メートル弱をショートカットできるため非常に効き目が早く表れるお薬なのです。

浣腸の有効成分はアルコールの一種であるグリセリン

一般に市販されている浣腸の中身はグリセリンの50%水溶液です。医療関係者でない人が使える浣腸液はこの濃度以下のグリセリン水溶液だけなのです。

グリセリンは3価のアルコールです。アルコールと言うと、消毒用のアルコールのエタノールのように手に付けるとヒヤっとするのかとも思いますが、グリセリンは水より気化しにくいのでそんなことはありません。

エタノールはヒドロキシ基が1個の1価アルコールですし、グリセリンは3個持っている3価アルコールなので性質もかなり異なります。エタノールのように飲んでも酔っぱらいませんし、甘い味があります。

実際、甘味料や保湿剤などの用途で食品添加物として使われることもあるのです。皆さんが良くお使いの化粧品にも保湿剤として配合されていることが多いですね。

浣腸は大腸の壁から水分を引っ張り出して便を出す

実はこの保湿剤と言う部分が浣腸でも役立っているのです。グリセリンは水に大変良く溶けます。また、吸湿性が高い物質でもあります。

吸湿性が高いと言うことは、浸透圧を高める物質でもありますので、大腸に送り込んでやると腸の壁から水分を引っ張り出して便に供給すると言う働きを持っていると言う意味でもあります。

そうなると便秘によって長時間大腸の中に溜まっていたため、水分を失ってコチコチになった便が水分で柔らかくなりますね。少なくとも表面は柔らかくなるでしょう。

さらに、水分を引っ張り出すと言う働きは腸自体を強く刺激します。そのため腸はその刺激物を早く追い出そうと、活発に蠕動運動を行うようになります。

浣腸液は潤滑剤にもなっている

グリセリン自体はハチミツやシロップのようにどろっとした粘り気のある液体です。水で半分に薄めてあるので、原液ほど粘りはありませんが、それでも腸の中で潤滑剤になるには充分です。

これが腸の中に送り込まれて内側を覆い、水分を便に与えると同時に腸の運動を活発にして、頑固な便秘を解消すると言う、3段構えの働きで便秘を解消すると言う働きを持っているのです。

それなら、水で薄めない方が良いような気もしますが、それではあまりに刺激が強すぎて腸の壁を傷めてしまう恐れがあるのです。ですから50%と言う数値が設定されています。

浣腸の浣と言う字は「洗う」と言う意味です。昔使われた「灌腸」も「注いで洗う」と言う意味ですね。つまり、文字通りお腹の掃除をすると言う言葉なのです。

浣腸したら下痢になる?

浣腸をしたら下痢になるのではないか?また下痢の症状がしばらく続いてしまうのではないかという疑問の声を耳にすることがあります。

基本的には、下痢症状がでることも、下痢が数日続いてしまうということも考えにくいでしょう。

浣腸液は便と一緒に体外へ排出されてしまえば、その効果が体内にとどまることはありません。うまく出すことができず腸内に残っていた浣腸液が原因で、数時間後にもよおす場合もあり得ますが、基本的には下痢の症状が続くということはないでしょう。

赤ちゃんや子供、妊婦さんの浣腸使用は医師に相談してから

赤ちゃんや子供への使用は注意が必要です。特に赤ちゃんは様々な原因から便秘症状を起こすことと、臓器が未発達な部分が多いことから、浣腸の使用により症状を悪化させかねません。

イチジク製薬株式会社では以下のように浣腸の使用について注意喚起しています。

〔1〕3ヶ月以下の赤ちゃんの場合:必ず、医師の相談後使用するようにしてください。

〔2〕4ヶ月~1歳未満の赤ちゃんの場合:3ヶ月検診の結果で特に異常がないお子様には腹部マッサージ、こより(綿棒)浣腸を試した後、それでも効果がないときに、イチジク浣腸10の半量を使用してください。

妊婦さん、または妊娠の可能性がある方は、必ず医師に相談のうえ使用を検討してください。使用する時期によっては至急が圧迫され、早流産のリスクが高まってしまうのです。

赤ちゃんや子供、妊婦さんはすぐに浣腸を使用するのではなく、医師への相談はもちろん、他の便秘解消法をしっかり試してから最後の手段として浣腸を選択しましょう。

市販の浣腸薬が効かないのは使い方を誤っているから

良く市販の浣腸は効かないと言う噂話を耳にしますが、この多くは使い方が間違っているからだと言って差し支えないでしょう。

また、実際に市販の浣腸では効かないほど重症の便秘と言う物も存在しますが、その場合はすぐに受診して、市販の浣腸より適切な方法で治療を行って貰うようにしましょう。

使用上の注意を読んでいますか?

多くの市販の浣腸には「1個で聞かなければ2個目を使って下さい」と示されています。しかし、「それでもだめなら3個目を使って下さい」とは書かれていないはずです。

2個目を使っても効き目が出ない場合は、受診して便秘の原因を突き止め、さらに強力な方法で治療してもらわなければならないと言うことかもしれないのです。

あるいは、そもそも市販の浣腸の使い方を間違えている可能性も、決して低くないのではないかと考えられます。浣腸に添えられた「使用上の注意」をよく読んでいますか。

お尻への挿入方法までは皆さん読むんですよね。ところが、その後どうしたらいいのかを良く理解していない人が多いようです。

もっとも簡単な数値を選んではいけない

市販薬としての浣腸には、箱や添付文書などに説明が書いてあります。メーカーによって目安時間に多少の違いがあるものの、次のように書いてあるでしょう。

「薬液注入後、数分~10数分くらい我慢して十分便意が強まってから排便してください。」

有名なイチジク浣腸では、この時間は「目安として3分~10分」となっています。多くの人は3分で排便を試みてしまうことが多いようですね。これでは効果が少なくなってしまう可能性が否定できません。

市販薬としての浣腸は、直腸に傷をつけるリスクを減らすために、ノズルの長さが制限されています。そのため、医療用の浣腸に比べると肛門に近いところに薬液を注入することになります。

市販第2類医薬品イチジク浣腸薬と医療用ディスポーザブル浣腸薬グリセリン浣腸液50%ORYのノズルの長さや特徴

ノズルの長さについて見てみると、市販薬の長いもので50mm、標準型のイチジク浣腸では30mmです。一方、医療用のものは目盛りが付いていて、成人の場合最大100mm程度まで差し込むようになっています。

直腸の長さは200mmくらいですから、医療用のものだと直腸の真ん中近くにまで差し込めますが、挿入方法を間違えると直腸の内壁に傷をつける恐れがあります。

一方、イチジク浣腸だとそうした危険性はほとんどありませんが、標準型だと直腸の肛門側すぐのところにまでしかノズルが届きません。

さらに浣腸は医療の現場では左を下にして横になって行うのが多いのに対して、市販の浣腸を自分で使う場合には洋式トイレを利用して行うことが多いですね。

そうなると、市販の浣腸では、腸の奥の方に薬液が届いて本当の効果を現すのに、さらに余分の時間がかかります。

注入してすぐにやってくる便意は強まった便意ではない

薬液を注入してすぐには直腸が刺激されて便意がやってきます。しかし、これは本物の便意ではありません。しばらくすると薬液の効果が大腸に届いて、便が滞っている部位で、腸壁から水分が浸み出し蠕動運動が活発になって便が動きます。

それによって直腸の方へ便が移動したら、非常に強い便意がやってきます。そのタイミングでトイレに座り、自然に送り出してやるようにすると浣腸の効果が最も有効に現れます。

説明書の文章を少し読み替えるとするなら「便意が始まって10分前後でやってくる非常に強い便意まで我慢して下さい」と言うことになるでしょう。

最初の方でやってくる便意の段階で出してしまうと、多くの場合浣腸液に少し色が付いた程度で出てきてしまうでしょう。

そうした場合は1時間待ってから2個目を使うのが効果的です。先に入れた分で排泄されなかったものが先行して効果をもたらしてくれることが期待できます。ですので1時間待ったほうが2個目の効果がより期待できます。

市販の浣腸は腸を洗うような要素は少なく腸を刺激することが目的ですので、2個使ってダメならお医者さんに出かけましょう。

浣腸で排便するのはあくまで緊急避難だから常用してはいけない

便秘薬を常用すると、便秘薬を飲まないと排便できなくなってきます。同じように、浣腸するのが普通になってしまうと、浣腸なしに排便することができなくなります。

それどころか、浣腸の説明書には、よく読むまでもなく文書の先頭付近に「連用すると身体が慣れてしまって効き目がなくなります」と言うような内容が書いてあるはずです。

身体は刺激に慣れやすい

小さな子供の頃はお刺身のワサビやうどんの七味唐辛子が、辛いと言うより口の中が痛くて食べられない物です。それがいつの間にか、わさび抜きのお刺身が食べられなくなり、うどんにたっぷり七味唐辛子を振り掛けて食べるようになっています。

これは身体が香辛料の刺激に慣れたことで、美味しいと思える程度に刺激を減弱して感じているからです。ですから、鷹の爪などの唐辛子に慣れた大人でも、ハバネロやプリッキーヌーの果実をうっかり口にすると、数倍の刺激があるためひどい目に遭います。

一方、中米やタイの人たちはこうした激辛唐辛子を美味しく食べる習慣を持っていますよね。これほど人間の身体と言うのは刺激に慣れやすいのです。

同じことはこの浣腸でも言えるのです。浣腸の薬液であるグリセリン自体は、腸の中に送り込まれると浸透圧で便の水分を増やしてくれることに変化はありません。またグリセリンによって便がコーティングされ動きやすくなることも同じです。

しかし、日常的に繰り返し浣腸を行い、それが習慣になってしまうと肝心の大腸が刺激に慣れてしまって、浣腸を入れただけでは蠕動運動を起こさなくなってしまうのです。これでは逆効果ですよね。

ですので、飽くまで浣腸は「どうしてもやむを得ない場合の手段」だと知っておいて下さい。

中には市販の浣腸を10個入り大箱全部を1回で入れても効果がなく、脂汗を流して苦しみ、救急搬送されたと言う女性の例もあるようです。大箱を常備されていたと言うことは、「日常使うもの」になっていたんでしょうね。

どのくらいの頻度で使ったらいいのかと言う基準はない

市販の浣腸の説明書を見ても、具体的な間隔などは示されていません。もちろん排便ごとに浣腸を使っていたら、間違いなく連用と言えるのでしょうけれどそうでない場合は判りにくいですね。

【してはいけないこと】
連用しないこと
浣腸を常用して使用すると、効果が減弱(いわゆる“なれ”が生じ)薬剤にたよりがちなりますので、気をつけてください。

相談すること
次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください。
1 医師の治療を受けている方
2 妊娠又は妊娠していると思われる人
(流早産の危険性があるので使用しない事が望ましい)
3 高齢者及び身体が極度に弱っている人
4 激しい腹痛、悪心、嘔吐、痔出血のある人
5 心臓病の診断を受けた人、腸の手術を受けた人、又は摘便直後の人

次の場合は、直ちに使用を中止し、この箱を持って医師または薬剤師に相談してください。
1 発疹等があらわれた場合
2 2-3回使用しても排便がない場合

(浣腸工業会とは日本国内で浣腸を作っているメーカー7社による組織です。この説明は全社の浣腸に記載されています。)

なお、説明文中にある摘便とは、肛門から指を入れて、直腸で固まった便を掻き出す手技のことです。浣腸も無効な便秘で行われることがあります。直腸で詰まっている場合にはこれも有効ですが、直腸まで降りてこない場合は最悪手術もあり得ます。

ですので「このぐらいなら連用ではない」と言う基準を探すのではなく「原則として浣腸は使わない」と言うスタンスが、やむを得ず浣腸を使った時に、浣腸の効果が得られやすいと考える方が正解でしょう。

同じことは便秘薬でも言えます。腸を刺激するタイプの便秘薬は、だんだん大腸を麻痺させてしまい、便秘薬が原因で便秘になると言う本末転倒な結果を呼び寄せることも決して珍しくないのです。

痔など肛門付近に傷がある場合は浣腸を使ってはいけない

もちろん市販の浣腸に添付の説明書にも、痔出血のある人は薬剤師さんなどに相談するようにと書かれていますが、果たしてどれだけの人がこの部分をしっかり読んで使っておられるでしょうか。

医療用と市販品の注意書きの差を見てみましょう。

【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)局所(腸管,肛門)に炎症・創傷のある患者〔出血を促しグリセリンが吸収され溶血を、また、腎不全を起こすおそれがある。〕

相談すること
1.次の人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談して下さい。
 (項目(1)~(3)省略)
(4)はげしい腹痛、吐き気・嘔吐、痔出血のある人。

このように、市販のイチジク浣腸にもしっかり注意喚起が行われていますが、お医者さん向けの医薬品としての浣腸とは異なり、どういう危険があるかまでは書かれていません。

ですから相談するように誘導しているのですが、多くの人は自己判断で使っているんじゃないでしょうか。

気軽に使えるのが市販医薬品のいいところですが、説明文書の注意書きにあることはしっかり守って、健康被害を受けないようにして下さいね。

本来排便は自然に起こる現象です。それを他の手段に頼ることは、どうしてもどこかに歪みが出てしまうんですね。自然なお通じを得られるように、まずは病的なものでないかを調べることから始めましょう。

食物繊維や乳酸菌を摂りつつも病気がないことを確認しておく

便秘がちだから食物繊維や乳酸菌を摂ると言うことは非常に良いことです。でも、同時に病的なものが原因ではないかを確認しておくことが重要です。

特に女性は便秘をしやすいので、そうした病的な背景がないかどうかは重要になってきます。便秘しにくい腸内環境と同時に、しつこい便秘がある場合は一度受診しておくのも安心のためには重要です。

今回は浣腸の話題ですので、便秘については他の記事に譲りますが、女性に見られる器質的な便秘については、浣腸で対応しない方が良いこともあるので紹介しておきましょう。

直腸瘤と言う女性に良くある便秘の原因

男性の場合、直腸は後ろを仙骨、前を内性器である前立腺とその支持組織によってがっちりと抑えられていますので、直腸に便が溜まってもあまり膨れることができません。

しかし女性の場合、後は同じ仙骨ですが、前には膣と言う空間しかありませんので、直腸に便が溜まるとそちら側へ膨らんで、便をため込んでしまうと言う現象が起こります。

これを直腸瘤や直腸膣壁弛緩症、レクトシールなどと呼びます。これは重症化すると、手術で対応せざるを得ませんが、軽症のうちなら排便指導などを受けて保存的に治療することもでるものです。

一つの目安として、排便の際にいきむと膣の中が膨れてきて、それを指で押えると排便できる「用指排便」と言うことを必ず行うレベルになると、手術を考えた方が良いことになるでしょう。

こうした現象はいきむことが原因と言われていますが、その他にもさまざまな要因が考えられています。いずれにせよ、浣腸で大腸の蠕動運動を活発にするだけでは悪化の恐れもありますので、しつこい便秘はまず一度受診して調べてもらいましょう。

できれば大腸肛門科や消化器内科・泌尿器科・婦人科に外科を併設した病院で総合的に見てもらうのが良いですね。あるいは内科医院や婦人科医院から総合病院に紹介してもらうと言う方法も良いでしょう。

浣腸は魔法のお薬ではない

肛門から入れて直腸や結腸の後ろの方に働きかけるため、便秘に対しては非常にダイレクトに効果があるのが浣腸です。しかし、便秘は直腸や結腸後半だけで起こっているのではありません。消化管全体に問題が発生していると考えても良いぐらいなのです。

例えば、食べ物を減らすだけのダイエットをしている人は便秘になります。便の原料が減るため、消化管全体の動きが弱くなるのです。

肉や魚、穀類などに偏って、食物繊維が不足しても便秘になります。必要な水分が充分補給されていない人も便秘になります。こうした便秘は、便秘薬や浣腸では充分解消されません。

解消されないからさらに便秘薬や浣腸を使い続け、お薬が原因の便秘と言う悪循環にはまってしまうと言うことなのです。

逆に言えば、普段から食物繊維の多い食事や、乳酸菌などのプロバイオティクスをたっぷり摂って体調を整え、自然なお通じが毎日ある人が、たまたまストレスなどの原因がきっかけでひどい便秘になった時には、浣腸が劇的に効くでしょう。

もちろん、そのような生活習慣を持っていて、普段便秘薬を使っていない訳ですから、飲み薬としての便秘薬だって非常に良く効くと言えるのです。

浣腸を良く効かせるコツは「常用しない」「注入後我慢する時間を長めに」「2本目は1時間後に」と言うことです。それでだめなら、事態が悪化してしまう前に、すぐ病院に行って下さい。
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