健康生活TOP 便秘 便秘解消の食物繊維は食事から!乳酸菌もサプリより食べ物で

便秘解消の食物繊維は食事から!乳酸菌もサプリより食べ物で

食物繊維が豊富な朝食

便秘は女性に多い不快症状です。原因には様々なものがありますが、対応方法もまた様々です。水分を多く摂ったり、便秘薬を愛用してみたり、浣腸で強引に出してみたり。運動もいい効果がありますし、お腹のマッサージも有用でしょう。

今回は便秘対策の王道、食物繊維と乳酸菌などのプロバイオティクスがどのように役立ち、どのように利用するのが効果的なのかを見てゆきましょう。

便秘が起こる理由は大変多いが整理してみると対策も見えてくる

便秘は「便の水分不足」と「腸管のトラブル」が主な原因です。原因となるそれらを引き起こす要因は非常に多岐にわたりますね。例えば小食すぎて便があまり作られなくても便秘になりますし、大腸がんでも便秘になります。

2~3日に一回しか出なくても「すっきりした」と感じられれば便秘ではありません。逆に毎日2回出ていても「出し切った感じがしない」という場合は便秘と言うことになります。

便秘を引き起こす要因はいっぱい存在する

便秘を引き起こす要因には、例えば「便意を催してもトイレに行くのが難しい職業」などに就いていて「我慢するのが癖になっている人」と言う気の毒な状況もあります。

そうした場合は、便意そのものを催いしにくくなっていたり、無意識に我慢していたりするので、便秘に気づいてもなかなか改善しにくい場合もあります。

今ではそれほどでもないようですが、少し前までの小学校の児童の場合、学校のトイレが汚かったり、友達の目が気になったりしてトイレに行けず、便秘になる子もいました。その他にも色々ありますよ。

  • 不規則な生活や食事
  • あまり食べないことによる栄養不足
  • 水分不足
  • 食物繊維の摂取不足
  • ビタミン不足
  • 体質による便秘
  • 冷たい飲食物による痙攣性便秘
  • 神経障害
  • 病気や加齢などによる全身の衰弱
  • 精神的ストレス
  • 脂肪分の摂取不足
  • 便秘対策用品・医薬品の使いすぎ

いずれも一朝一夕に解決するのは難しいものですが、それでも「水分を意識的に摂る」や「ビタミンや食物繊維を摂る」といった行動は比較的取りやすいのではないかと思います。

まずはそのあたりから始めてみましょう。

冷たい牛乳は短期的に勝負できる便秘対策

なんとなく想像がつくと思いますが、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする人は特に牛乳が便秘対策に役に立つんです。もちろん牛乳が大好きな人にも効果はありますよ。

まず、朝一番に冷たい牛乳を飲むと、冷たさが刺激になって消化管の活動が始まります。ただし、飲みすぎると逆効果です。痙攣性の便秘を引き起こしてしまいますから、100~200mL程度、コップ一杯を飲むくらいが良いでしょう。

牛乳はそれ自体が水分補給にもなりますので、便秘の解消に一役買ってくれますが、乳脂肪も役に立つのです。乳脂肪分は十二指腸で分泌される消化液によって、小腸で脂肪酸とグリセリンに分解されます。

弱酸である脂肪酸は腸管を刺激して、蠕動運動を活発にしてくれます。多くは小腸で吸収されてしまいますが、大腸まで届くと、便秘解消に大いに役立ちます。同じことは一般の脂質でも起こります。

ダイエットなどで脂質を制限しすぎると便秘になるのは、こうしたことも関係しているんですよ。よく「油ものを食べたら滑りが良くなってツルっと出た」なんて、少々お下品な話題が出ることもありますが、これはこの現象を指しています。

吸収されなかった脂質は便を柔らかくしてくれますが、多少ならともかく、摂った脂質がそのまま大腸を通過して便まとわりついて出てくるようでは、明らかな脂質の摂りすぎか、酵素のトラブルで消化不良を起こしていることになっちゃいます。

さらに、牛乳には乳糖と言う糖分が含まれています。ラクターゼと言う酵素の活性が正常な人では、小腸でこの酵素が働いて乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解、栄養として吸収されます。

一方、ラクターゼ活性が低い人では、乳糖は分解されず小腸を通過して大腸に送り込まれます。水に溶けた状態の乳糖は大腸の中の浸透圧を上げるため、大腸の壁から水分が浸み出し、便に水分を与えますので、便秘が改善しやすくなります。

そして、乳糖は腸内細菌によって利用され、乳酸が発生し、便の排泄を促します。このときに発生する二酸化炭素がおなかをゴロゴロ言わせるんです。つまりラクターゼ活性の低い人が牛乳を飲むと、腸内の善玉菌に餌をやることになるんですよ。

おなかゴロゴロの牛乳が役立つと言うと、なんだか意外なイメージがありますが、乳糖も広義のオリゴ糖に含まれることを考えれば自然なことです。

不快にならない程度に飲んでみるのも悪くありませんよ。

便秘には食物繊維が有効だが水溶性と不溶性では働きが異なる

便秘と言えば食物繊維が有効であるということはもはや常識だと思います。また、食物繊維は水溶性の方が良いとか悪いとか、さまざまな情報が入り乱れていますが実際のところどうなんでしょうね。

実はどちらも便秘解消には不可欠なんですが、働き方が違うんです。

直接的に便を排泄させる整腸作用を持つのは不溶性

不溶性食物繊維は便に水分を取り込み、便のかさを増やして排泄されやすくすると同時に、大腸を刺激して蠕動運動を活発にする働きがあります。ですので、不溶性食物繊維はダイレクトな便秘改善効果があるのです。

不溶性食物繊維はすべての野菜類、豆類、果物類、海藻類、きのこ類、未精製の穀類など、植物性のものに広く含まれています。

植物性の不溶性食物繊維の主成分はセルロースです。βグルカンの一種でβ1,4-グルカンと言う名前を持っています。それよりも綿や紙の主成分といった方が一般的かもしれません。

綿の主成分とは言っても、セルロース自体は地球上に最も多く存在する炭水化物ですので、ジュースなどでフィルターを通したものを別にすれば、植物性のものを口にすると必ず不溶性食物繊維としてセルロースを摂っていることになるんです。

動物性の不溶性食物繊維としては、甲殻類の殻に含まれるキチン・キトサンがありますが、エビの殻を油で揚げる程度しか食べる方法があまりありません。

キチンはポリβ1,4-Nアセチルグルコサミン、キトサンはポリβ1,4-グルコサミンと言う本名を持つ多糖類です。

水溶性食物繊維は腸内環境の改善を通して便秘を改善する

水溶性食物繊維は、いわゆる善玉菌が増殖するためのエサになります。その他、胆汁酸ミセルを吸着排泄して血中コレステロール値を改善したり、糖質の吸収を遅らせることで糖尿病の予防改善に役立ったりします。

しかし、こと便秘に関しての働きは、善玉菌を増やすという腸内微生物叢(腸内フローラ)の環境改善になるとまとめてもよいでしょう。水溶性食物繊維は果物や海藻に特に多く含まれています。

いわゆる善玉菌は、大腸の中で食物繊維を原料に乳酸や酪酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸を作り出し、悪玉菌を駆逐すると同時に大腸の上皮細胞でバリア機能をアップさせたり、炎症やアレルギーを抑制したりします。

つまり、水溶性食物繊維は不溶性食物繊維が作り出した健康な便を送り出すため、不溶性食物繊維の刺激によってスムーズに動けるように、大腸を健康な状態に保つという働きがあるのです。

水溶性も不溶性も、腸の健康のためにはなくてはならないものなんです。しっかり野菜や果物を摂って快食快便と行きましょう。

食物繊維の摂り方は手軽で簡単でなくてはいけない

食物繊維を摂るために、野菜や果物をたっぷり食べなくてはいけないと思っても、いちいち食物繊維の量を測ったり計算したりでは3日も続きません。ですから気軽に食べるための目安を決めてしっかり食べましょう。

しかしながら、意外と食物繊維は不足していますから、食べた方が良い量を見るとちょっと引いてしまうかもしれません。でも、これは本当に必要な量ですので習慣化するようにしましょうね。

海藻とフルーツは水溶性食物繊維の宝庫

カラギーナンやアガロースと言う食品添加物が、冷たいデザートの原材料表示にあるのをご覧になったことがあるでしょうか。ゲル化剤と言う一括したくくりで表示されることもあります。

カラギーナンは紅藻類から抽出される水溶性食物繊維です。デザート類に使われていたらラッキーと思って食べて下さい。一般向けにもイナゴ豆の食物繊維、ローカストビーンガムとの混合物「アガー」として、常温で固まるゼリーの粉として売られています。

アガロースは寒天の原料であるテングサから得られる水溶性食物繊維、つまり寒天の主成分ですね。さらにアルギン酸と言う水溶性食物繊維もあります。これは昆布やわかめ、ひじきなど褐藻類のぬるぬる成分です。

このように、海藻には水溶性食物繊維がたっぷりですので、めかぶなどを冷蔵庫の常備菜にするのも良いかもしれませんね。余談ですが、めかぶを切る時にとてもやりくくしてくれている原因もアルギン酸です。

あのぬるぬるは、片栗粉をまぶして切ると滑らないのでケガ防止になります。ちょっともったいないですが、洗い流して調理してください。

さらに、果物にはペクチンと言う非常に優秀な水溶性食物繊維が含まれていますから、これも毎日摂るようにしましょうね。野菜でしっかり食物繊維を摂っていれば、海藻やフルーツは毎日食べることを意識するだけでそれほど大量に取る必要はありません。

バナナ1本とか、キーウイフルーツ1個とか、みかん1個とか、食べやすい量で良いでしょう。海藻もご飯のおともに少しで良いので毎食食べるようにするのがベストです。

フルーツのペクチンについてはキンカンがお勧めなのですが、それについては別の記事に詳しいのでそちらをご覧下さい。
キンカンの成分が効く!動脈硬化を改善する食事にデザートを追加

両手いっぱいの生野菜を多いと感じてはいけない

両手いっぱいの生野菜は一日量じゃないですよ、「一食量」です。生野菜で食べるなら、毎食両手にいっぱいの野菜を食べれば、だいたい一日の食物繊維は満足できるでしょう。

これがちょっと多すぎると感じるのであれば、全部加熱すればOKです。煮野菜なら、毎食片手に載るくらいの量を食べておけばだいたい間に合います。

また、効率よく食べられるものもありますよ。例えば切り干し大根とか豆料理、ひじきやゼンマイなどの煮物もいいですね。

和食ばっかりではつまらないという人には洋風の煮込み料理がお勧めです。根菜を使ったものも多いのでいいですよ。

フランスのポトフ、ロシアのボルシチ、ドイツのアイントプフ、中国の火鍋などはいずれも煮込みスープ料理ですが、野菜の比率が高く、しかもお肉が入っているので満足度が高いですね。

こうした料理は夏場には暑そうですが、イタリアのラタトウィユだったら、毎食両手にいっぱいどころかその倍でも野菜が食べられちゃいます。お肉は入ってないので、チーズをたっぷりかけてどうぞ。

世界中に野菜煮込みはありますよね。やはりお母さんは子供に「野菜を食べなさい!」と言うのが世界共通のお約束なんでしょう。

そしてチーズですね。チーズと言えば乳酸菌、次はそれについて見てみましょう。

善玉菌が腸内環境を整えて長期的な便秘予防をしてくれる

便秘薬や浣腸などで一時的に便秘を解消しても、それは長続きしません。差し迫った体調不良を解消するために便秘薬や浣腸を使うのも一つの手段ですが、あくまでそれは一時しのぎなのです。

ですから、食生活を整えて便通を順調にするために野菜や海藻や果物を摂るというお話しをしてきました。そして、そのうち水溶性食物繊維を利用して腸内環境を整えてくれるのが、いわゆる善玉菌です。

善玉菌・悪玉菌には厳密な区分はない

腸内細菌のうち、体調を整える役に立ってくれるのが善玉菌で、病気の原因につながるのが悪玉菌という認識で間違ってはいないと思いますが、病原菌だけどビタミンも作っているといった細菌も存在します。

ですので、比較した場合、役に立つ部分が多いのが善玉菌と言うくらいの区分で良いでしょう。善玉菌が善玉菌である理由ですが、病原性を持っていたり、腸内環境を悪化させる悪玉菌と拮抗するからなのです。

つまり、大腸の中に棲み付ける菌の数に上限があるので、善玉菌が増えれば悪玉菌は減りますし、その逆もまたあるというわけなのです。

さらに、それぞれの菌は自分にとって生きやすい生育環境を作り出す力を持っていますので、そちらが優勢になると、他の菌は生きて行き難くなるという訳なのです。

例えば酸性アルカリ性がもっともわかりやすいのではないかと思います。酸性アルカリ性はpH(水素イオン濃度)で表示しますが、数字が小さいほど酸性、7.0が中性で、それより大きいほどアルカリ性になります。

菌種 酸性限界 アルカリ性限界 最適pH
一般細菌 pH5.0~5.5 pH8~9 pH6~7
大腸菌 pH4.5 pH9 pH7.0~7.5
乳酸桿菌 pH4.0 pH8 pH6~7

一般細菌は様々な種類があるので幅もありますが、悪玉菌の代表大腸菌はややアルカリ寄り、善玉菌の代表乳酸桿菌はやや酸性寄りを好む性質があります。グラフで見てみましょう。

一般細菌大腸菌乳酸菌のそれぞれの特徴の比較図

このように、乳酸菌は乳酸と言う酸を作り出す関係もあって、酸性を好む性質があります。

しかも乳酸菌は自分が作り出した乳酸によってpHが下がりすぎてしまい、自分も死滅するというちょっと間抜けなところもあります。しかし、乳酸菌が死滅するほどの酸性では、他の菌はとても生きてゆけません。

腸内環境を整えるだけなら菌株は気にしなくてもいい

最近のプロバイオティクスブームで、お店でヨーグルトを買おうとするとそれぞれに菌株を表す記号が書いてあって、なんだか凄いような気もするし、ちょっと判りにくいような気もしますよね。

でも、乳酸菌を食べておなかの調子を整えるという目的であれば、菌株は気にする必要はありません。どの菌であっても、腸内環境の整備には役立ちます。

乳酸菌と言っても、そう言う菌があるわけではありません。炭水化物を発酵させて乳酸を出す菌の総称です。以下の6属が乳酸菌とされています。

  • ラクトバチルス(乳酸桿菌)
  • ラクトコッカス(乳酸球菌)
  • エンテロコッカス属菌
  • ビフィズス菌
  • ペディオコッカス(ピクルス菌)
  • リューコノストック属菌

上の4つが主に動物性、下の2つが主に植物性の発酵で見られる乳酸菌です。それぞれの種類、またその中の菌種によって様々な働きを持ちますが、腸内環境を整えてくれるというのは共通要素なんです。

ただ、この動物性・植物性の分類はかなり大まかなもので、最近注目を集めているR-1乳酸菌・ガセリ菌・ラブレ菌のいずれもがラクトバチルス属の乳酸桿菌です。

乳酸菌は腸に定着しにくいので一定ペースで補充する

先にお話ししたように、腸の中では様々な菌が日夜陣取り合戦を繰り広げています。ですので、一度や二度乳酸菌を補充しても、なかなか定着できませんし、定着してもすぐに陣地を取り返されたりもします。

ですので、乳酸菌などのプロバイオティクスは常に補充し続けるのが腸内環境の維持には必要なのです。乳酸菌じゃありませんが、コウジを使った発酵食品や納豆も良い影響を与えてくれます。

しかし乳酸菌自体は、ヨーグルトもいいですし、ちゃんと作られたお漬物もOKですので、毎日摂取するようにしましょう。植物性乳酸菌ヨーグルトで話題になっているラブレ菌は、京都の伝統的漬物の「すぐき」から発見された菌なのです。

ある程度酸っぱくなるまで漬けた糠漬けは乳酸菌の宝庫です。うまく利用して腸内環境を整えましょうね。一方、韓国のキムチも乳酸発酵したものですが、唐辛子による刺激が強すぎて、決して便秘に良い食べ物ではありません。

プロバイオティクスとプレバイオティクスの組み合わせで便秘改善

プロバイオティクスと言うのは人間の健康に役立つ微生物を使った食品やその微生物そのものを指す言葉です。具体的には乳酸菌のほか、酪酸菌・糖化菌・納豆菌などを含みます。

食品としては、紹介した通り

  • ヨーグルト
  • チーズ
  • 納豆
  • 発酵漬物

です。糖化菌や酪酸菌は一般市販薬(ビオスリーやミヤリサン)として入手できるだけですね。

一方、よく似た言葉のプレバイオティクスとはプロバイオティクスの栄養源となる少糖類・多糖類を指します。つまりオリゴ糖や水溶性食物繊維と言うことです。

オリゴ糖についての注意ですが、甘味料としてコクのある甘味を出すイソマルトオリゴ糖は消化性オリゴ糖ですので、ほとんどが小腸で吸収されてしまいます。ですので大腸まではあまり届きません。

そのため、難消化性のガラクトオリゴ糖やフラクトオリゴ糖に比べると、プレバイオティクスとしての性能は低いのです。目的に応じてうまく使い分けて下さいね。

この二つを同時に日常的に摂ることによって、便秘知らずのみならず、免疫力もアップした健康な身体を手に入れることができるのです。

野菜類から乳酸菌を摂るには、は発酵漬けにした日本のお漬物の他、西洋のピクルス、ザウアークラウトなどが良いと思いますよ。

でも酢漬けのまがい物には注意してくださいね。

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