健康生活TOP 便秘 食べる貼るの両方で効果がある万能薬のアロエに潜む危険性

食べる貼るの両方で効果がある万能薬のアロエに潜む危険性

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アロエ・・・医者いらずとまで言われた、江戸時代から使われている薬草ですね。大抵のお家には一鉢や二鉢植えられているんじゃないでしょうか。

このアロエには実は様々な品種があり、またさまざまな使われ方をされているのですが、一つ間違うと命にもかかわりかねない危険性も秘めた強力な薬草なのです。

驚くべき健康効果が謳われているアロエ!医者いらずと言わせるその効果は

街中でもよく見かけるアロエはキダチアロエと言う種です。昔から医者いらずと言われたのがこのキダチアロエです。一方、アロエベラはヨーロッパから入ってきた葉っぱの大きく分厚い品種ですね。

アロエヨーグルトなどに入っているゼリー状のアロエは、ほとんどがこのアロエベラから採れたものです。

さて、アロエの効果と言えばどんなものを思い浮かべるでしょうか。古くからさまざまな効果が謳われていたり、お薬として製剤されたものやサプリメントもありますよね。主なものを拾ってみましょう。

  • 便秘の解消
  • 健胃効果
  • 整腸効果
  • 消化器潰瘍の治療
  • 自然治癒力の向上
  • 血糖値を下げる
  • 肥満防止・体重低減
  • 高血圧・低血圧の改善
  • 喘息の予防
  • 火傷の治療
  • 傷の治療
  • 美白・美肌効果
  • 二日酔いの改善
  • 皮膚炎の予防
  • 血行促進
  • 消炎・殺菌
  • 抗ウイルス作用
  • 抗がん作用
  • 抗真菌作用

いやはや、これらが本当に全部期待できるなら「医者いらず」の称号は本物と言えるでしょうね。でも、どの程度が本当に期待できるのでしょう。

日本薬局方と言う医薬品の規格基準書があります。明治時代から100年以上にわたって、わが国で使われる医薬品を規定してきたルールブックで、研究が進むたびに改定追補が公示される厚生労働大臣管轄の情報大全とも言えます。

その日本薬局方には化学合成の新薬ばかりでなく、「日本薬局方ジュウヤク」(せんじ薬に使う、乾燥したどくだみの葉)や、「日本薬局方オリブ油」(オリーブオイルを油脂成分だけに精製したもの)などと言うお薬もあります。

そして、このアロエも「日本薬局方アロエ」として規定されているのです。なお、明治時代に日本薬局方が生まれて以来、ずっとアロエは下剤として掲載されています。

ケープアロエとその雑種

日本薬局方に収載されているアロエの品種は、ケープアロエ(アロエ・フェロックス)と、その雑種だけです。キダチアロエ(アロエ・アルボレシエンス)やアロエベラ(アロエ・ヴェラ)は、正式な医薬品ではなく民間薬にとどまっているのです。

しかしながら、民間薬としての長い実績から、キダチアロエなどについてもその成分は良く分析されており、その効果効能についても先に上げたようなものに効き目があるかもしれないと言うレベルにまでは研究されています。

ただ、飽くまで使用経験に基づくもので、実験観察により実証された効果と言うのはありません。

もちろんキダチアロエにしてもアロエベラにしても、薬用のケープアロエと共通成分は多いので、下剤としての効果はほぼ間違いなく存在していると思われます。

また、外用薬としては日本薬局方アロエ末をワセリン(軟膏の基材)とオリブ油に練り込んだ、ある会社の製品一品目だけが唯一医薬品として認められています。

効能は外傷や火傷、痔疾に対するものですね。

民間薬としてのキダチアロエ・アロエベラはどういう症状に効果があるの?

では、キダチアロエとアロエベラについては全く効果効能が実証されていないのでしょうか?

ご心配なく、ちゃんと研究が進んでいます。ただ、効いたという報告と効かなかったという報告が入り混じっているので、まだまだ完全な薬効を謳うまでには至っていないだけなのです。

それでも、昔からの経験則に重ねて、現代の科学的な分析から期待できる効果もありますので、それを見てみましょう。

キダチアロエの効果

民間薬としての効果ですが、外用で使う場合には

  • 1度の火傷(水ぶくれができず、赤くなっているだけの火傷)
  • 擦り傷
  • 切り傷
  • 虫さされ
  • 湿疹
  • かぶれ
  • 打ち身
  • 捻挫
  • 肌荒れ

などですね。

基本的には透明の果肉部分だけを熱湯消毒して貼るのが良いようです。すりおろしたり、すりおろしたものを小麦粉に練り込んで使ったりと言う方法もあります。

内服の場合、アロクチンAと言う成分に期待が集まっています。試験管レベルでの実験ですが、免疫機能を向上させ、ナチュラルキラー細胞を活性化させたと言う報告があります。

ナチュラルキラー細胞が活性化すると言うことは、抗がん効果が期待できると言うことですね。ですから、その活性化の度合いや服用量がきちんと特定されれば、正式にお薬になるかもしれません。

また、同じ成分が胃潰瘍などに対して抗潰瘍活性を持っていると言う実験結果も得られています。

そして、もちろんケープアロエと共通の成分によって下剤としての働きもしっかり存在していますね。バルバロインと言う成分がこの効果を持っています。

また、キダチアロエのレクチンと言う成分はむくみや関節炎に効果があると言うデータも存在しています。

アロエベラの効果

アロエベラについてはドイツの薬用植物の評価委員会が承認しているだけあって、ヨーロッパでは薬効が認められています。

外用については

  • 痛み
  • 抗炎症
  • 火傷の回復
  • 乾癬
  • 凍傷
  • 皮膚剥離

について効果が示唆されるとしています。おそらくならキダチアロエと同じように虫刺されなどにも効果が期待できるかもしれません。

内服についてはキダチアロエと同じで下剤としての効果が認められています。その他、まだ予備的な実験ながら糖尿病や脂質異常症の改善にも効果がある可能性があります。

試験管レベルの実験では抗ウイルス活性や抗がん活性など、さまざまな効果の可能性が示唆されていますが、それを実際の治療に反映するための研究はこれからに待たれています。

意外に使っちゃいけない場合があるのです!アロエの副作用と危険性

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アロエには副作用があります。様々なものが報告されていますが、アロエの成分はどのアロエも共通要素が多く、含有量の差が問題になるだけのことが多いようです。

ですので、使用禁忌(絶対に使ってはいけない)とされる人の場合、アロエの種類を問わず使ってはいけません。また、量的依存(使う量によって害が出る)の副作用の場合、使う量に注意して使いましょう。

次のような状態や症状のある人は、アロエを使ってはいけません。特にアロエエモジンと言う成分が直接子宮を収縮させる働きがあるので、早産や流産、あるいは月経過多を引き起こす可能性がありますので要注意ですよ。

  • 妊娠中
  • 授乳中
  • 生理の時
  • 12歳以下の子供
  • 腸閉塞
  • 原因不明の腹痛
  • 虫垂炎
  • 大腸炎
  • クローン病
  • 過敏性大腸症候群
  • 痔疾(医薬品として認可された外用薬を除く)
  • 腎臓障害
  • 8~10日間を超える連続使用

意外なほど使用禁忌が多いので驚かれたかもしれませんね。でも、これまでに認められた健康被害に基づくデータですので軽視しないでください。

死亡例まである!恐怖のアロエ副作用例

キダチアロエの内鞘の葉を乾燥させた液剤を毎日1g以上、5~6日間服用したところ、大腸に穴があいて出血、腎臓障害を起こすことがあります。そのうち1例だけですが、死亡例もあります。

ここで問題になるのは内鞘の葉と言う部分ですね。内鞘の葉とは、アロエの緑色の外側の皮と透明なゼリー状の間にある黄色く薄い部分です。一般にアロエは緑の部分が苦いと言いますが、この内鞘の葉の部分を含むから苦いのです。

この苦みはアロインと言う物質によるもので、これが下剤としての薬効を持っているので、使用量については特に注意が必要だと言うことです。このアロインは体内で先にお話ししたアロエエモジンと言う物質に代謝されます。

アロエエモジンもアロインもアントラキノンと言うグループに属する、強力な下剤効果を持つ物質です。アロインを構成する物質のうち、最も多いのが先にお話ししたバルバロインです。

別の例では、日本の男性が3センチ幅に切ったキダチアロエを10枚ほど食べたところ、急性出血性十二指腸炎と急性膵炎を発症した例があります。急性膵炎は死亡率の高い怖い病気ですね。

また、14歳の女性がダイエット目的でセンナとキダチアロエを含む錠剤を1ヶ月間、1日3錠、発症前日には10錠摂ったところ緊急手術が必要になるような腹部の急性疾患を起こした例もあります。

さらに、副作用として肝炎症状もいくつか報告されているようです。やはり摂取量が問題ですし、サプリになったものは過剰摂取しやすい上に連続使用によるトラブルも怖いですね。

では緑の部分を取り除いた透明なゼリー状のところだけなら、いくら食べても大丈夫なのかと言うとそうではありません。もちろんゼリー状のところだけならアロインが原因のトラブルはほとんど避けられます。

でも、下剤としての薬効を持つアロインがほとんど含まれないゼリー状の部分だけでも、下剤としての効果があるのって、ちょっと変ですね。

実はゼリー状の部分には、同じアントラキノンに属するセンノシドと言う物質が含まれています。センノシドは漢方薬で有名なセンナやダイオウの有効成分です。

そして、センナやダイオウは非常に有名な下剤です。ですので、含有量にもよりますがアロエの摂りすぎは非常に危険だと言えるのです。上の14歳女性の例ではセンナと併用してますから危険度倍増ですよね。

じゃあ、市販のアロエヨーグルトなどは大丈夫かと言う疑問も出てきます。食品ですからはっきりした情報は公開されていませんが、「厳しい選別を行って一定の品質を守っている」と言う表現がされています。

おそらく、有害成分と言う言葉を使うと商品イメージが損なわれるので、そうしたものを排除した安全性について遠まわしに表現したのではないかと思います。

ですので、常識的な量を食べる分には、アロエヨーグルトなどの食品加工されたアロエに危険性はないと言えます。

また、外用においては、皮膚病に用いたところ皮膚病が悪化したと言う例も多数あります。次にお話しするパッチテストは必須ですね。

外用副作用を防ぐパッチテスト

化粧品が肌に合うかのテストやアレルゲンの特定でよく使われるパッチテストは、アロエを外用する時の下準備としても有効です。

アロエの葉をすりつぶし、二の腕の内側に1cm程度の大きさに塗ります。塗ってから30分後、12時間後、24時間後に確認して、赤くなっていたらすぐに洗い落します。

もし赤くなることがあったらアロエを外用に使ってはいけません。24時間経っても赤くなっていなければ、アロエの葉を外用に使っても大丈夫でしょう。それでも連続使用は避けてくださいね。

これは、アロエにはシュウ酸カルシウム(山芋のちくちく成分、観葉植物で毒草のディフェンバッキアの毒成分)が含まれていて、この結晶が皮膚に刺さることで起こります。人によって反応が異なるのでこのテストが必要なのです。

アロエは活性酸素を生む

試験管レベルでの実験ですが、アロエエモジンとアロインを酵母に加えて、酵母がエネルギーを作れなくなって死滅する現象を観察した実験があります。

これは、アロエの成分が超酸化物と言う活性酸素の第一段階にあたる物質を作り出し、これが酵母の細胞内エネルギー機関のミトコンドリアを壊すことで、酵母の活性を失わせたためだと結論付けられています。

こうした細胞毒性は健康に悪いだけではなく、抗がん効果にもつながる性質ですので、必ずしも悪だとは言えません。しかし、やはり摂り過ぎには注意が必要ですね。

身体に合うか合わないかが大切!アロエの安全な使い方を覚えておきましょう

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アロエには様々な成分が含まれています。ですので、最初は穏やかな効き目ながら副作用の心配が少ないところで試し、徐々に良く効く方向へシフトするのがお勧めです。

いきなり濃厚なものに挑戦したり、大量に摂ったりはトラブルのもとです。

まず、アロエの葉を採ってきて、表面の緑色とその下の黄緑色のところを全部はがし、半透明なゼリー状の部分だけにします。これを食べたり貼ったりして試しましょう。

一回に食べる量はせいぜい5gくらいから始めるのが良いでしょうね。その程度であれば、アントラキノンの含有問題も最小限のリスクで済むと思われます。

どんなに慣れても15g以上はダメです。これは生の葉っぱの状態で、乾燥したものなら最初は0.2g、最大で0.6gぐらいです。くれぐれも用量には気を付けて下さいね。

これで問題がなければ、次は葉っぱからとげを切り取ってすりおろし、その搾り汁の上澄みを、それでも大丈夫なら搾り汁自体を試してください。だんだん効き目が強くなりますが、副作用も出やすくなります。

常に、生の葉っぱの時に15gと言う最大量は守って下さい。そして、最終的には生の葉をそのまま使っても良いでしょう。

そして、他の生薬を使っている場合は成分の重複や相互作用が心配されますので使わないで下さいね。

たとえ民間薬であっても、よく効くお薬は副作用にも十分な注意が必要だと言うことを忘れないでおきたいものです。

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