健康生活TOP 大腸がん 思春期後期に肥満だと成人してからの大腸がんリスクが高まる!

思春期後期に肥満だと成人してからの大腸がんリスクが高まる!

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大腸がんは日本人においても、2015年、とうとうナンバー1の座を奪い取ったようですね。この大腸がんですが、遺伝的なリスクファクターも存在していますので、血縁者の中に大腸がんを患ったことのある人がいる場合は注意して下さい。

この健康生活の記事の中でも大腸がんに関する食生活などについて案内していますので、そちらも参考になさってくださいね。

そして、今回は子供の大腸がんの予防のお話です。それも、今現在じゃなく、その子供が壮年期を迎えるころの大腸がんを予防する話題です。

大腸がん最大のリスクファクターは加齢

がんが遺伝子のトラブルによって引き起こされるものだと言うことは、年齢を重ねるほど遺伝子の転写ミスや変異が増える可能性が高まることを考えると、大腸がんに限らずすべてのがんで最大のリスクファクターになり得ますよね。

例えば、アスベストを吸い込むことが原因とされる悪性中皮腫ですが、アスベスト曝露から発病まで30~40年と言われています。つまり20歳の時に吸い込んで、50歳から60歳で発病するわけですよね。

もし、この人が他の病気や事故で45歳で亡くなったとしたら、アスベストによる悪性中皮腫は発病していない可能性が高くなります。そういう意味ではやはり加齢がリスクファクターと言っても良いかもしれません。

大腸がんのワースト・リスクファクター・トリオ

大腸がんの最大のリスクファクターは加齢です。しかし、それにあと二つ大きなリスクファクターがあるんですよね。一つは飲酒、そしてもう一つは肥満です。

赤肉や加工肉を食べると大腸がんになりやすいと言うデータもあります。しかし、日本人が食べている程度の量であれば、ほぼ問題ないと言っていいでしょう。

大腸がんのリスクが上がるかもしれないと言うレベルになるには、男性でお肉として1日平均100g以上を食べているか、女性で赤肉を1日平均80g以上食べているかと言うレベルです。

ですので、2日に1回、ステーキを食べる程度でやっと少しリスクが上がると言う感じですね。食べているようで、日本人のお肉を食べる量と言うのはそれほど多くないです。

これまでは40歳以降の「がん年齢」の人だけが注目されてきた

これまで行われた統計では、がん年齢になってからの体重と、大腸がん発症についてばかりが注目されてきました。そして実際、肥満者に大腸がん発病の確率が高いのは明らかでした。

しかし、上でお話ししたアスベストの例のように、若い時の肥満が年を取ってからの大腸がんに影響することはないのでしょうか。

とは言え、若い時に肥満であった人は、そのまま大人になり年齢を重ねても肥満であることも珍しくありません。そういう意味では、その段階でリスクファクターなのかもしれませんね。

若い時の肥満は後から大腸がんのリスクファクターになる

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オバマ大統領の出身校としても知られるハーバード大学のチームが、スウェーデンのデータを使って大変興味深い研究の成果を発表しました。

若い時の正確な体重データと言うのは、多くの場合統計的に意味があるほど正確に残っていないことが多いのです。しかし、スウェーデンには残っていたのです。

徴兵検査と言う国家による正確なデータの記録

スウェーデンと言うと、北欧の自然豊かで平和な王国と言うイメージが強いのですが、意外と軍事に長けた国なのです。例えば、ボルボのエンジンを積んだサーブの戦闘機は世界有数の高性能機です。作ってたのは車だけじゃないんですね。

そして、2010年まで徴兵制が行われていました。徴兵制があると言うことは、その前に徴兵検査があります。中学・高校を卒業してすぐの若者たちの身体のデータが、しっかり管理された状態で残っていたんですね。

このデータはその後、スウェーデンの「全国がん登録」に連結されたため、こうしたデータの照合が可能になったと言うわけです。

この研究は、1969年から1976年の間に徴兵検査を受けた、およそ24万人の16歳から20歳の男性について、35年の追跡を行って得られたデータの分析です。約24万人のうち、885人が追跡期間中に大腸がんを発症していました。

調べたのはBMIと結核や炎症・貧血などを示す赤血球沈降速度

徴兵検査で得られた生理的データのうち、大腸がんとの関係について分析する対象となったのはBMIと赤血球沈降速度でした。赤血球沈降速度は兵役に向かない結核その他の病気が隠れていないかを調べたものです。

それによって得られた結果は、BMIが27.5(kg/m2)以上30未満の上部過体重グループで、標準体重グループより約2倍、BMIが30以上の肥満グループで約2.4倍発症リスクが高くなっていたのです。

発症時におけるBMIについての統計は得られていませんので、過体重や肥満が若い時から継続していたのか、過体重などは解消していたのかまでは判りません。

それでも思春期後期の男性において過体重や肥満であることは、壮年期以降の大腸がんリスクを非常に高いものにしていたのは間違いなさそうですね。

赤血球沈降速度にも弱いながら影響が認められた

赤血球沈降速度は、主に早くなるほど疾病を示す傾向があります。もちろん病気によって遅くなることもありますが、それは例外的な少数派です。

赤血球沈降速度が速くなる病気や状態には結核や貧血、心臓病など兵役に向かない病気の他、炎症性の病気で早くなることが知られています。例えばリウマチや膠原病などの炎症性慢性疾患ですね。

そして、難病である炎症性腸疾患も含まれます。これはそれ自体が大腸がんのリスクファクターになり得るので、検査前や、検査後10年以内に炎症性腸疾患と診断された人は統計から省いたそうです。

それでも、弱いながら赤血球沈降速度の異常と将来の大腸がんの間には、ある程度のリスク上昇の関係が見られました。

日本でも1割程度の学齢期肥満が見られる!6~18歳の肥満に気を付けたいこと

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比較的肥満者の割合が少ない日本人ですが、6歳から18歳の学齢期のうち、後半部分になってくるとそれなりに肥満の傾向が見られるようになってきます。

そこで、高校3年生・17歳でデータを見てみましょう。この年齢までは肥満者ではなく肥満傾向児と言う扱いです。BMIを基準にとるのではなく、文部科学省が定めた年齢性別ごとの係数をもとに算出された標準体重をもとに決めます。

その標準体重より20%以上体重が重い場合、肥満傾向児として扱われるわけですね。

BMIは子供には適用できない

BMIは基本的に成人を対象にした体格指数です。5歳までの乳幼児はカウプ指数(計算式はBMIと同じで、判定基準が異なる)、児童生徒はローレル指数を用います。

参考までにローレル指数は【体重(kg)/身長(m)^3×10】で、130±15が標準の範囲、+30以上が肥満、-30以下が痩せです。(実際には分母が身長(cm)^3×10^7ですが、ややこしいので整理しました。)

しかし、児童生徒の年齢層では個人差が大きいこともあって、文部科学省は独自に年齢ごとの係数を定めているようです。

平成20年のデータを見ると、17歳男子で12.3%が肥満傾向児と判断されています。つまり、8人に1人が、他の7人より2倍以上になる将来の大腸がんリスクを抱えていると言うことですね。

子供の肥満と対策

思春期における肥満の大半は小児肥満(小学生・幼稚園児の肥満)からの持ち越しです。つまり、思春期になって初めて肥満になると言う子供は少数派なのです。

もちろん、例えば運動部で活動していた子が、受験準備で運動不足になって肥満したりする例はありますので、栄養には注意は必要ですが。

そして、小児肥満の30%は1歳前後の乳児肥満から移行しています。もともと乳児肥満は、健康優良児的な良性の肥満とされていて、成長とともに標準体重になるとされていました。

そのため、あまり問題にはならなかったのですが、近年悪性肥満とされる小児肥満に移行してしまう肥満の持続が問題になってきています。ですので、乳幼児健診において肥満傾向を指摘されたら、その指導に従うようにしましょう。

その乳幼児健診がその赤ちゃんを半世紀後の大腸がんから守ってくれるのかもしれませんよ。

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