健康生活TOP 大腸がん 肥満は大腸がんの原因で痩せの女性も危険!予防は適正体重の維持

肥満は大腸がんの原因で痩せの女性も危険!予防は適正体重の維持

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国立がん研究センターの予測によると、2015年には全部のがんの中で、大腸がんが肺がんを抜いて最も多いがんになりそうだと言うことです。

また、がんで亡くなる方の原因としても、胃がんを抜いて第2位に浮上しそうな勢いです。特に女性では数年前からがん死の最大の要因になっていますね。

もともと食の西洋化に大きな要因が求められていましたが、国立がん研究センターの大規模研究によると、西洋と同じように日本でも肥満と大腸がんの間に関係があることが判りました。

大腸がんと一口に言ってもその範囲は広い

大腸というのは、小腸の終わりから肛門の手前までを指します。この範囲に発生するのが大腸がんというわけですね。

イメージとしては小腸の終わりから肛門につながっている直腸の手前までという感じですが、一応「直腸と盲腸」は大腸の一部として扱われます。

レアな消化管悪性腫瘍もある

盲腸も大腸の一部なら盲腸がんとか虫垂がんって言うのもあるんだろうかと思いますよね、実はあるんです。しかし、虫垂がんは大腸がん全体の1%未満ですので、大腸がんの統計に含めて、あまり独自の部位としての統計はありません。

一方、大腸にがんがあるんだから小腸にもあるんだろうけど、あまり聞かないなって思ったことありませんか。実際、小腸がんはあるにはあるんですけれど、消化管にできるがんの0.3%程度だそうで、やはりあまり統計などはないんですよ。

同様に十二指腸がんも非常にレアです。ですので、消化管にできるがんは胃がんと大腸がん、それに食道がんで大半を占めていると言って良いでしょう。

大腸はパート分けをして研究されている

この大腸がんに関する研究は、40歳から59歳の人を対象にした8つの要因対照研究で得られたデータを総合的に解析したもので、対象人数は30万人以上という、かなり正確さが期待できる研究です。

そして、小腸ほどではないにせよ、大腸自体も1.6メートルぐらいある長い臓器ですから、パート分けして、どこにできたがんかと言うことを含めて分析しています。

まずは直腸の部分ですね。これは直腸がんとして呼ばれるのが一般的ですから、誰にでも理解しやすいでしょう。

もうひとつは結腸です。いわゆる大腸と言った時にイメージする部分全体です。長いので、肛門・直腸よりのところを遠位結腸、胃や小腸よりのところを近位結腸として2つに分けて見ています。

理科室の恐怖の定番、人体模型を思い出して頂いて、向かって左側(自分の右側、盲腸のある側です)が近位結腸、向かって右側が遠位結腸になります。

盲腸・虫垂も大腸の一部と言いましたが、レアケースである盲腸や虫垂のがんは統計上含まれていないか、近位結腸に含まれているかのいずれかだと思います。残念ながらそれについての説明は見当たりませんでした。

男性では体重増加と大腸がんリスクは相関している

この大規模研究の結果、男性ではBMIが1kg/m2増えるごとに、リスクがおよそ3%ずつ増えてゆく傾向が見られました。

ですので、男性の場合、体重を減らすような食生活や運動を行う事ことが大腸がんの予防に大きな意味があると言っていいでしょう。

普通体重を超えるといきなり大腸がんが増える男性

データの分析では、普通体重のうち、より長生きすると言われる後半部分、23以上25未満の人のリスクを1として基準にとっています。ここからはBMIの単位であるkg/m2は省略します。

そして得られたデータを見ると、男性の場合、BMIが25以上27未満で近位結腸がん(胃や小腸に近い側にできるがん)のリスクが、いきなり1.3くらいに増えてるんですね。

この傾向はそのまま体重増加に伴って直線的に増え、BMIが27以上30未満で1.4を少し超えるくらい、30以上で1.6弱くらいになります。

一方、大腸がん全体、結腸がん全体を見るとBMI27以上30未満では1.2程度のリスクですが、30を超えた途端に一気に1.8くらいに跳ね上がります。

同時に直腸がんのリスクもこの体重範囲で大きくなるので、もしかすると本格的な肥満になるほど大腸がんは肛門に近づいて行くのかもしれませんね。

直腸がんになると人工肛門の導入が一部の例外的な治療を除いて、ほぼ必須になりますから、できれば避けたいですよね。それにはまず減量です。

女性でも肥満は大腸がんの原因だが、痩せも原因になる

男性の場合、特に統計的に意味があるほどではないにせよ、BMI19未満のやせの状態の人では普通体重の人よりまだ微妙に大腸がんが少ない傾向が見られました。

しかし、女性の場合では少し様子が変わってきます。女性の場合、BMIが25以上30未満の場合、統計的に意味があるほどがんの発生が増えません。唯一、男性と同じように近位結腸がんがBMI27以上30未満で1.4程度に増えるだけです。

しかも近位結腸癌のリスクはBMIが30以上になってもそれ以上はさほど増えません。

一方、BMIが30未満だったときに1.1程度のリスクだった遠位結腸(直腸よりの結腸)がんのリスクが、BMIが30以上になるといきなり1.8程度と、飛躍的に増えてしまいます。

同時に、微妙ではあるもののむしろ0.9程度と普通体重の人よりリスクの少なかった直腸がんも、BMI30以上になったとたん1.4弱と跳ね上がっています。

このため、女性の場合大腸がん全体で見た場合でもBMIが30を超えるとリスクが1.3倍くらいになるのです。

そして、BMIが19未満の痩せの女性の場合、大腸がん全体は0.95程度と微妙に低いリスクになっているのですが、人工肛門の原因になりうる直腸がんだけは1.3程度と、BMI30以上の人と同程度のリスクを抱えることになります。

エンドポイント設定による研究データの持つ意味

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エンドポイントとは、その研究において意味を持つ、区切りになる現象のことです。この研究では患者の死亡をエンドポイントに取らず、がんの発症をエンドポイントにとっています。

これは、がんを予防する上で何が重要なのかを調べる研究であるということを示しているのです。

大腸がん予防には便秘対策より体重管理に意味があった

別の記事で、食物繊維のがん予防効果について触れた際に、便秘は大腸がんの原因ではなかったと言う、同じ国立がん研究センターの研究データを紹介しました。

ここで、体重と大腸がんの間に大きな関連性が見つかったことで、何に注意して生活すればいいかということが、よりはっきり判ってきましたね。

食物繊維は体重のコントロールでも重要な役割を果たします。ですから食物繊維が豊富な食事というのは、過体重・肥満の人にとって何よりも重要であるということが言えるでしょう。

もちろん、運動や栄養バランスにも気を使って欲しいですが。そして、体重が少なすぎる女性の場合、栄養バランスをしっかり意識して、特にたんぱく質をしっかり摂って、健康的に太ってください。

女性の場合、微妙なでこぼこはありますがBMIが21以上23未満、つまり標準体重と呼ばれるBMI22近辺においてもっとも大腸がんリスクが低いです。

  • 身長149cmの場合 46.6kg~51.1kg
  • 身長152cmの場合 48.5kg~53.1kg
  • 身長155cmの場合 50.5kg~55.3kg
  • 身長158cmの場合 52.4kg~57.4kg
  • 身長161cmの場合 54.4kg~59.6kg
  • 身長164cmの場合 56.4kg~61.9kg
  • 身長167cmの場合 58.6kg~64.1kg
  • 身長170cmの場合 60.7kg~66.5kg

この範囲を目安にダイエットして下さい。もちろん体重が足りないのを増やすのもダイエット(食事療法)ですよ。

なぜ肥満になると大腸がんのリスクが高くなるのか

例えば糖尿病の場合、内臓脂肪が多くなるとインスリン抵抗性が増したり、糖質取り込みを亢進するアディポネクチンの分泌量が減ることから、肥満が原因になる理由は明らかです。

脳卒中や心筋梗塞の場合、肥満によって血中脂質に異常をきたし、動脈硬化が進むことによって発病することも判り易い理由ですね。

しかし、肥満することと大腸がんができることの間にはどのような因果関係があると言うのでしょうか。

食物繊維の不足と脂肪の過多が大腸がんの原因と言われている

例えば日本医師会や日本栄養士会などは、脂肪の摂り過ぎと食物繊維の不足が大腸がんのリスクファクターだとしています。

一方でいくつかの大規模研究が、そのことを否定していることもあって、糖尿病に対する糖質制限食を推進している先生方は、脂肪と大腸がんの間に関係はないと断じておられます。

ただ、脂肪や食物繊維と大腸がんについて論じているものを見渡しても、あまり細かいところまで踏み込んでいないように思えます。例えば食物繊維の由来や種類、脂質の内容は詳らかではありません。

また、被験者の数こそ多いものの、性別や年齢、女性の場合閉経前後など、その属性に偏りがあるなどして、全体として傾向を見るにはやや厳しいのかなと思えます。

ですので、本当のところはどうなのか、それは今後の研究に委ねなければならないでしょう。

もしかすると共通の原因かもしれないと言う考え方

素人考えながら、食物繊維が不足していて脂肪を摂り過ぎると言うのは、そのまま肥満の原因ですよね。

ですから、もしかすると肥満が大腸がんの原因なのではなく、肥満しやすい生活習慣は大腸がんになりやすいのではないかとも思えます。

つまり、高脂肪・低食物繊維食は、肥満と大腸がんの両方の原因になっているのかもしれないと言うことです。

もしそれが正しければ、これはもう、体形の見た目の問題まで含めて、今日から食物繊維をモリモリ食べて、脂肪はほどほどにする。もちろん糖質やアルコールも控えめに、ですね。

食物繊維が多ければ、多少脂肪を摂っても、コレステロールは胆汁酸として分泌された後、再吸収されずに便になって出て行ってくれますから、第1は食物繊維を摂る、第2に脂肪を控えると言う優先順位になるでしょう。

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