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風邪と間違えると危険!寒い時期に多い膠原病の10症状と対処法

熱を測る女性

寒い冬、いつもの風邪をひいたと思ったらいつまでたっても治らない…そんな場合は、原因にほかの病気が考えられます。そのひとつには、風邪によく似ている「膠原病(こうげんびょう)」もあります。

膠原病は免疫系の病気です。風邪とは系統が全く違うので、見過ごしてしまうと進行して治療が難しくなってしまいます。

今回は冬に多発しやすい膠原病について説明いたします。

※症例写真が数点あります。苦手な方はご注意ください。

症状は風邪っぽい?膠原病は免疫が自分の体を攻撃する病気

膠原病を一言で簡単に言うと「免疫が間違って自分の体を攻撃してしまう病気」となります。

膠原病の初期症状は、風邪ともよく似ていて医師も待ちがえてしまうほどつかみどころがありません。また世間に膠原病という病気があまり詳しく知られていないため、膠原病を自覚して検査を受けに行く人もそう滅多にはいないのです。

しかし、膠原病は一度発症すると治りにくく進行してしまう病気のため、気づかないうちに進行してしまうと、治療の負担が大きくなってしまい大変です。

膠原病という名前そのものが難しいこともあり「病名の意味が分からない」「どんな病気か詳しく知らない」という人も多くなっています。そこで、まずは膠原病について簡単に説明しておきたいと思います。

膠原病は自己免疫疾患の総称

膠原病というのは、いくつかの病気の総称です。免疫が攻撃する場所によって病気の種類が異なり、部分的な症状を持つ病気もあれば全身性の病気もあります。

医学分野では、早くに発見された膠原病のことを「古典的膠原病」と呼んでいます。その後に膠原病が発見され、現在では難病に指定されている病気も含め約20種類の病気が存在しています。その中には、皆さんがよく知っている病気もあるはずですよ。

代表的な膠原病(★は難病に指定されている病気)

古典的膠原病
  • 関節リウマチ
  • 全身性エリテマトーデス ★
  • 全身性強皮症
  • 皮膚筋炎および多発性筋炎 ★
  • 結節性動脈周囲炎 ★
    (結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎)

(かつては「リウマチ熱」も対象になっていた)

その他の膠原病
  • シェーグレン症候群
  • ベーチェット病 ★
  • 混合性結合組織病(MCTD)★
  • 多発血管炎性肉芽腫症
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
  • 大動脈炎症候群(高安動脈炎)★
  • ウェゲナー肉芽腫症 ★
  • 成人スティル病

など

お年寄りに多い「関節リウマチ」やドライアイに似ている「シェーグレン症候群」はご存知の方も多いのではないでしょうか。これらも膠原病なんです。

特に女性がかりやすい!膠原病の原因と治療法

膠原病にかかると風邪に似た倦怠感や発熱をはじめ、全身にはさまざまな症状が起こります。

免疫は体内に侵入した異物を攻撃し病気から身を守ってくれるシステムです。

しかし何らかの理由で免疫に異常が起こると、攻撃の矛先が自分の体に向けられ体の組織にさまざまなダメージが起こります。このような病気を「自己免疫疾患」と呼びます。

膠原病の「免疫が自分の体を間違って攻撃し、そのため自分の体のあちこちに炎症や痛みが起こる病気」というプロフィールが大体想像できるかと思います。

膠原病は、もともと免疫異常を起こしやすい遺伝子を持つ人がなんらかのきっかけで免疫異常を起こすことで起こる病気です。

遺伝的要因 × 環境的な要因

  • 遺伝的な要因…生まれ持つ遺伝子の型
  • 環境的な要因…病気、けが、妊娠、出産、感染症、ストレス、薬の服用、手術など

遺伝的な要因を持つ人は検査をしてみると免疫異常を起こす「抗核抗体」の数値が高く、膠原病の発症リスクは上がってしまうのですが、感染症や手術などのきっかけがなければ、一生発症しない可能性も高いということになります。

膠原病は圧倒的に女性に多い病気でもあります。これは女性ホルモンのはたらきが免疫に関係しており、妊娠を経験することで体に抗体ができやすいためだといわれています。 中年以降の女性に起こりやすい病気といえますね。 しかし膠原病の原因は特定されていません。

また、少し複雑なお話になるのですが、3つの疾患の側面を持ち合わせているのが膠原病だともいわれています。

  • 自己免疫疾患・・・自分の体を攻撃する病気
  • 結合組織疾患・・・筋肉・関節・皮膚・神経に炎症が起こる病気
  • リウマチ性疾患・・・関節に痛みが起こる病気

膠原病がもつ3つの疾患の側面

ほとんどの膠原病では、特にリウマチ性疾患による関節の痛みや炎症が目立ちます。

薬で寛解を目指すのが目標です!膠原病の治療

膠原病は現在のところ完全に治すことが難しいため、治療では寛解(症状が出ない状態)が少しでも長く続くことが目標とされています。

寛解と増悪(悪化すること)を繰り返しながらゆっくり進行していく病気が多いのですが、治療によって進行を食い止めることも可能です。また治療は軽症のうちに始めるほど効果があります。

治療は薬物療法が中心です。抗炎症作用の高いステロイド剤や免疫抑制剤の投与が一般的です。近年は生物学的製剤などの新しい製剤も使われるようになり、昔に比べると治療の成果かなりが向上しています。

寛解期も定期的に通院して薬の服用を続けます。急性症状が出た場合は入院が必要になる場合もありますが、基本的には自宅療養が可能です。

では、膠原病かもしれないと思ったらどうすれば良いのでしょうか。

気になる症状があれば内科や皮膚科などのかかりつけ医を受診し、膠原病が疑われる場合は膠原病化などの専門医を紹介してもらいます。

膠原病は見た目の症状だけで判断するのは難しい病気ですが、血液検査などスクリーニング検査をすれば容易に診断することができます。

膠原病を発見する第一歩として、まず私達が自分の体を観察してあやしい症状を見過ごさないよう気を付ける必要があります。膠原病にはどのような症状があるのかチェックしてみましょう。

気になったら受診を!膠原病に共通して起こる10症状

膠原病の初期症状は風邪のほか、更年期障害、自律神経失調症、胃腸炎などのありふれた病気の症状とも似ています。

次に挙げる症状は膠原病に共通する主な症状です。該当する症状が複数あれば受診を検討したほうが良いかもしれません。(症状の出かたには個人差もあります。)

膠原病の症状①強い疲労感・倦怠感

全身の強い疲労感・倦怠感は、多くの膠原病に初期からみられる症状です。

多忙な時、風邪をひいた時は、ゆっくり休養すれば解消することができます。しかし膠原病の場合は、心当たりのない疲労感や倦怠感が続き、休養してもあまり改善されないのが特徴です。

膠原病の症状②発熱

原因不明の発熱も初期からみられます。ほとんどは微熱ですが高熱が出ることもあります。

膠原病の初期には鼻水や咳を伴うこともあるので、風邪の発熱と間違えられがちです。発熱が長く続くようなら、単なる風邪ではないと考えてかかりつけ医に相談しましょう。膠原病の発熱には風邪で処方される抗生剤が効かないのも特徴です。

膠原病の症状③皮膚症状

皮膚症状は、膠原病特有の症状のひとつです。皮膚の毛細血管が破れたり炎症を起こしたりして、紅斑や紫斑、発疹が起こりやすくなります。

病気によって発疹の外見、色、出る場所などは異なります。膠原病の発疹にはかゆみを伴わないのも特徴です。

膠原病の症状④関節痛

関節痛も膠原病の代表的な症状です。関節痛で知られる関節リウマチだけでなく、多くの膠原病で初期から関節に痛みやこわばりがみられます。

加齢による関節痛は、軟骨がすり減ることで酷使した部分に起こりますが、膠原病の場合は年齢に関係なく、全身のあちこちに移動する関節炎が起こります。

発熱や倦怠感を伴う場合は、インフルエンザによる関節痛と間違えられることもあります。

関節リウマチは、初期に起床時の関節のこわばりが起こりやすくなります。朝に原因不明の関節痛みやこわばりが1時間以上続く場合は、関節リウマチを疑ったほうが良いかもしれません。

膠原病の症状⑤筋肉痛

膠原病にかかると筋肉に炎症が起こるため、原因に心当たりのない筋肉痛が起こるようになります。

また筋力が低下して体に力が入らなくなってしまう場合もあります。物が持ちあげられない、階段が上がれなくなった、などの症状があれば要注意です。

特に筋肉痛や筋力低下が出やすいのは多発性筋炎・皮膚筋炎、悪性関節リウマチです。

膠原病の症状⑥リンパの腫れ

膠原病にかかるとリンパ節が腫れることがあります。リンパ節は脇の下、耳の下、そけい部など全身の所々にある免疫系の器官で、リンパ管の中を流れるリンパ液に異物が混入していないかチェックする関所の役目をしています。

リンパ節の腫れは、免疫が細菌やウイルスなどの異物と闘っている時にリンパ節が反応して起こります。痛みを伴うこともありますが、膠原病のリンパの腫れには痛みを伴わないのが特徴です。

風邪をひいた時には多くの方が首のリンパ節の腫れを経験していると思いますが、風邪のウイルスで起こるリンパ節の腫れは抗生物質で治ります。一方、膠原病によるリンパ節の腫れには抗生剤が効きません。

膠原病の症状⑦皮膚が硬化する

膠原病にかかると、皮膚の硬化が起こりやすくなります。これは、コラーゲンを合成する能力の変化、皮膚の血管障害が原因です。特に強皮症(全身性硬化症)で皮膚の硬化が顕著にみられます。

膠原病で起こる皮膚の硬化には、手指が腫れて握りにくい感じ、皮膚が指でつまめない、といった特徴があります。

膠原病の症状⑧しびれ

多くの膠原病で、初期に手指のしびれがみられます。毛細血管に障害が起きて手指の血行が悪くなるために起こります。

手指のしびれは、手根管症候群や振動病(振動工具を使う人の職業病)などでも起こりますが、しびれるのは左右のどちらかであることが多く全身症状は伴いません。一方、膠原病のしびれは両手にみられ、発熱や倦怠感などの全身症状も伴います。

膠原病の症状⑨レイノー現象

「レイノー現象」は、膠原病に共通して起こりやすい症状で、全身性強皮症の人にはほぼ100%みられます。

手が冷えた時、緊張した時などに指先の血行が滞り、指先の色が白や紫色に変化するのが特徴です。この時には指先に痛みやしびれを伴うこともあります。しばらくして指先の血流が回復すると赤く膨張します。

指先の細い血管が一時的にけいれんして細くなるもので、その結果、指先の血のめぐりが悪くなり、しびれや冷感を伴います。指先に潰瘍ができることもあります。

レイノー現象の症例写真

レイノー現象は膠原病に限らず、末梢神経炎やピアニストなど指先を酷使する人の職業病などでもみられます。

レイノー現象に皮膚のこわばりや手のむくみを伴い、指先に潰瘍ができやすくなった場合は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎の疑いが高くなります。

膠原病の症状⑩咳

膠原病にかかると痰を伴わない咳が出ることもあり、風邪と間違えてしまう場合があります。

咳が出るのは、膠原病に併発する間質性肺炎が原因かもしれません。 風邪の咳はウイルスを追い出すために出る咳で時にウイルスをくるんだ痰を伴いますが、膠原病の咳は肺の組織の炎症が原因で起こります。

咳に息切れを伴うようなら、単なる風邪ではないと考えて受診してください。

その他、膠原病によっては、目や口の乾燥、口内炎、脱毛、貧血、下痢などが加わることもあります。このように膠原病の症状は多彩ですから、ほかの病気とは本当によく間違えやすいんですね。

膠原病の中で最も多い「関節リウマチ」

関節リウマチは膠原病の中で最もよく知られる病気で、普段は単に「リウマチ」と呼ばれることもあります。患者数も膠原病の中で最も多く、国内には約70万人の患者がいると推測されています。特に30~50代の女性によくみられます。

関節リウマチの症状

関節リウマチは次に挙げる症状が特徴です。

  • 手、足、指の関節、肘、膝に炎症が起こりやすい
  • 朝に手の関節がこわばる
  • 動かさなくても関節が激しく痛む
  • 左右対称の関節に炎症がみられる
  • 筋肉痛・レイノー現象を伴う

関節リウマチは、関節の軟骨を包む「滑膜」に炎症が起こる病気です。発症すると痛みを起こす物質「サイトカイン」が滑膜を刺激し、関節にズキズキとした強い痛みを起こします。

また進行するにつれ滑膜が増殖して軟骨や関節そのものを破壊するので、関節が肥大したり変形を引き起こしたりするのも特徴です。

関節リウマチの進行の仕方は3タイプに分かれます。

  1. 寛解(症状が出なくなる)し、進行しない
  2. 寛解と増悪(悪化すること)を繰り返しながらゆっくり進行する
  3. 急激に進行する

関節が変形すると動作が制限されるために筋力も低下し、関節リウマチが重症になると生活の質が大きく低下してしまいます。

約30%の方は1~2年で治癒した状態(寛解)になり、約60%の方は、症状が寛解、増悪を繰り返しながら、次第に関節の変形が進みます。

約5~10%の方は、関節リウマチの活動性が高く、症状が出始めてから短期間で強い炎症や症状が起こり、関節の変形が進んでしまいます。

関節リウマチの治療法

関節リウマチの治療は、痛みをやわらげ進行を食い止めるのが目的です。

関節リウマチが疑われる場合は、かかりつけ医に相談するか、リウマチ専門医のいる病院の受診をおすすめします。

関節リウマチの検査は 問診、血液検査、MRIなど。血液検査でリウマトイド因子・抗CCP抗体に陽性反応があれば関節リウマチと特定できます。

基本的な治療は薬による温存療法です。

関節リウマチに使われる薬

  • 非ステロイド系抗炎症剤…痛みを起こす物質の発生を抑える
  • ステロイド系抗炎症剤…炎症をしずめる
  • 抗リウマチ剤…関節リウマチの進行を抑える
  • 生物学的製剤…炎症をしずめる、関節の破壊を防ぐ

また関節リウマチが重度の場合は手術で滑膜を除去したり、破壊した関節を人工関節に入れ替えたりする治療なども行われます。

補助的な療法としてリハビリテーションや適度な運動も行ない、運動機能の維持に努めます。

主な膠原病、頬の蝶型紅斑が特徴「全身性エリテマトーデス」

全身性エリテマトーデスは、皮膚や内臓に炎症の起こる病気です。

関節リウマチの次に多い膠原病といわれ、国内にはわかっているだけでも約6万人の患者がいますが、実際にはそれ以上の患者が潜在していると考えられています。男性より女性で10倍多くみられ、月経のある世代(10~40代)で好発しています。

原因ははっきり分かっていませんが、免疫力が高過ぎることと女性ホルモンの作用も関係していると考えられ、発症は紫外線、出産、感染症、外傷、薬の使用などが誘因となっているといわれています。

全身性エリテマトーデスの症状

風邪に似た倦怠感・発熱に伴い、皮膚症状を中心に様々な症状が次々と起こる病気です。

  • 左右の頬に少し盛り上がった赤い発疹が出る
  • 鱗片を伴う丸い発疹が出る
  • 日光に当たると発疹や水疱ができる(日光過敏症)
  • 抜け毛が増える
  • レイノー現象の後、指にしもやけ状の斑点ができる
  • 腎炎をはじめ臓器の障害が起こりやすくなる
  • 中枢神経に障害が起こる

最も特徴的なのは、両頬の赤い発疹で、蝶が羽を広げている形に似ているので、蝶型紅斑と呼ばれています。丸く表面にかさかさする鱗屑を伴う円板状の紅斑もこの病気に特徴的で、顔面、耳、首のまわりなどに好発します。

全身性エリテマトーデスの症例写真

全ての症状が起こるというわけではなく、人によって症状の組み合わせは異なります。

全身性エリテマトーデスの治療法

気になる症状があれば、症状にあわせて内科・皮膚科・小児科などを受診し、膠原病が疑わしい場合は膠原病科などの専門科を紹介してもらいます。

全身性エリテマトーデスは、血液検査・尿検査・皮膚生検・心電図などの検査を行い、アメリカリウマチ学会の診断基準の11項目のうち4項目が該当すれば陽性と診断されます。

基本的な治療は、ステロイド剤や免疫抑制剤を中心とした薬物療法です。腎不全や免疫低下による感染症には注意が必要です。

女性は体調が一定の条件を満たしていれば妊娠・出産も可能になります。全身性エリテマトーデスにかかると流産や早産のリスクが高くなるので、妊娠の計画について担当医とよく相談しましょう。

主な膠原病、皮膚や内臓の組織がこわばる「全身性強皮症」

全身強皮症は、寒い時期のレイノー現象で始まりやすい膠原病です。

国内には全身性強皮症の患者数は約2万5千人いると推測されていますが、初期には膠原病と気付きにくいため、実際にはもっと多くの患者が潜在していると考えられています。

原因ははっきりわかっていませんが、自己免疫の異常やレイノー現象を起こすような血管の障害のある人がなんらかのきっかけで発症するのではないか、と考えられています。

男性より女性に10倍多く、20~50代に好発します。

全身性強皮症の症状

皮膚の硬化が特徴です。進行すると皮膚だけでなく内臓にも硬化が起こり、内臓の病気を伴う場合もあります。

  • レイノー現象
  • 爪の甘皮に出血跡の黒い斑点ができる
  • 手から始まり皮膚の硬化が体幹の中心に向かって広がっていく
  • 指の関節に潰瘍ができる
  • 皮膚に色素が沈着する

内臓の組織が硬化して起こりやすいのは、肺繊維症・強皮症腎クリーゼ・逆流性食道炎などです。

一般に皮膚の硬化は次のようにゆっくりと進行していきます。

  1. 手指や腕の皮膚がむくむ
  2. 皮膚が硬くなって指でつまみにくくなる
  3. 皮膚がつっぱって、表面が光沢を帯びて見える
  4. 5~6年で皮膚は柔らかくなり、しわが目立つようになる

このように進行すると皮膚の硬化は自然と治りますが、内臓の硬化は戻らないので引き続き専門治療が必要になります。

全身性強皮症の治療法

手指にしもやけやむくみが起こりやすい体質だと思い込んで、ずっと気づかない人も多いようですが、急に進行する場合もあるので、気になる症状があればすぐ受診することがのぞましいです。

全身性強皮症は診断が難しい病気なので受診については、膠原病の専門医がいる総合病院の受付で相談することをおすすめします。

全身性強皮症は、血液検査、尿検査、皮膚生検、消化器の検査など全身を検査した上で総合的に診断されます。

治療は、レイノー現象を防ぐための血管拡張剤やステロイド剤を中心に薬物療法が用いられます。内臓疾患を併発しないうちに治療を始めると高い効果が得られます。
です。

女性は、軽症で内臓に異常がなくければ基本的に妊娠・出産も可能です。

主な膠原病、口内炎が繰り返し起こる「ベーチェット病」

ベーチェット病は、口内炎で始まることの多い膠原病です。西・東アジアに好発し、国内にはベーチェット病の患者が約1万9千人いると推測されています。

膠原病の中では珍しく男女関係なく発症する病気で、20~40代に好発しています。

原因ははっきり分かっていませんが、生まれつきHLA‐B51という型のヒト白血球を持っている人が感染症などをきっかけに発症するのではないか、と考えられています。

ベーチェット病の症状

ベーチェット病の代表的な初期症状はアフタ性潰瘍(口内炎)です。95%以上の人にアフタ性潰瘍がみられます。

口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の4つを主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患です。

ベーチェット病の症例写真

  • 口腔粘膜に痛い口内炎ができ、再発を繰り返す
  • 両目に虹彩毛様体炎を発症し、目の痛み、充血などを伴う
  • 脚や前腕に丸い紅斑が出る
  • ニキビのような発疹が顔や胸に出る
  • 注射の針を刺したところに炎症が起こる(針反応)
  • 外陰部に潰瘍ができる
  • 副睾丸炎、関節炎を伴うこともある

男性のほうが重症化しやすく、まれに血管、腸管、神経に症状が出る場合もあります。また目に症状が出た場合は失明に至る場合があります。

症状の再発を繰り返すと悪化しやすくなり、重症化すると生活に支障をきたす場合があるので、早めに治療を始め進行を食い止めることがのぞましいです。

ベーチェット病の治療法

アフタ性潰瘍や発疹などベーチェット病の症状が複数出ている場合は膠原病の専門医、または症状にあわせて皮膚科や眼科のどれかを受診すると良いでしょう。

ベーチェット病は、皮膚症状の確認、HLA‐B51の陽性検査、針反応などの結果から総合的に診断されます。

ステロイド剤を使った薬物療法が中心で、口腔粘膜、皮膚、目の症状には外用薬、その他の炎症には内服薬を用います。重症の場合は、症状に合わせて免疫抑制剤や生物学的製剤を使った治療も必要です。

主な膠原病、力が入りにくくなったら注意「多発性筋炎・皮膚筋炎」

多発性筋炎・皮膚筋炎は、筋肉に炎症を起こす膠原病で、皮膚症状を伴うものを皮膚筋炎と呼んでいます。患者数が増加している病気で、現在は国内に約1万7千人の患者がいます。

女性に2倍多くみられ、好発する年齢のピークは5〜14歳と35〜64歳です。ほかの膠原病と同じく自己免疫の異常で起こる病気ですが、はっきりした原因は分かっていません。

多発性筋炎・皮膚筋炎の症状

筋肉と皮膚の症状が中心です。初期は自覚症状に気付きにくいこともあります。

  • 筋力が低下し、腕、太もも、首に力が入りにくくなる
  • まぶたに紫斑が出る
  • 手指の関節に赤い皮疹ができる
  • レイノー現象が起こる
  • 全身の強い倦怠感

間質性肺炎を併発すると、から咳や息切れが起こりやすくなります。成人では皮膚筋炎から内臓のがんを併発する確率も高くなっているため、早めの検査は欠かせません。

多発性筋炎・皮膚筋炎の治療法

筋力低下や皮膚症状に気付いたら整形外科や皮膚科を受診し、膠原病が疑われる場合には膠原病の専門医を紹介してもらいます。

多発性筋炎・皮膚筋炎の治療法は、皮膚症状・筋力を確認した上で、血液検査、筋電図などの結果から診断されます。

急性期には安静にして筋肉の負担を抑えます。基本的な治療はステロイド剤による薬物療法で、高い効果が期待できます。近年は、免疫力を補助する「ガンマグロブリン療法」が保険適用になり、さらに治療の効果が高くなっています。

がんの併発には注意が必要ですが、内臓疾患がなければ、適切な管理で良好な予後を送ることが出来ます。

主な膠原病、目や口が乾燥する「シェーグレン症候群」

シェーグレン症候群は、1933年に発見された比較的新しい膠原病です。

シェーグレン症候群だけを発症する場合と、ほかの膠原病(全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、混合性結合組織病)の合併症として発症する場合があります。

厚生労働省により、国内では年間に2万人程度の受診があることが報告されています。しかし、受診していない人も含めると10万人以上もの患者が潜在していると推測され、関節リウマチに次いで多い膠原病ということになります。

男性より女性に14倍多く見られ、中年女性に好発します。免疫異常や女性ホルモンが影響して起こる病気ですが、はっきしりした原因は不明です。

シェーグレン症候群の症状

シェーグレン症候の大きな特徴は、分泌液の減少による粘膜の乾燥です。

主な症状は眼の乾燥と口腔内の乾燥です。涙が出ない、目がゴロゴロする、目が痛い、口が渇く、唾液が出ない、味がわからない、舌や口内内が痛い、虫歯が多くなった、唾液腺が腫れて痛いなどの症状が出現します。

シェーグレン症候群の症例写真

そのほか、皮膚や粘膜を中心にさまざまな症状が起こります。

  • 膣の乾燥
  • 肌荒れ
  • レイノー現象
  • 唾液腺の腫れ
  • 脱け毛
  • 鼻粘膜の乾燥

中にはひどい乾燥感に悩まされている人もいますが、シェーグレン症候群だけを発症している場合はほとんどの人が健康に過ごすことができています。

ドライアイは目の酷使、ドライマウスは更年期障害の一症状と勘違いし、膠原病だと気付かない人も多いようです。

シェーグレン症候群の治療法

粘膜の乾燥による不快な症状が続く場合は、症状にあわせて眼科、歯科、皮膚科などを受診します。

厚生省の診断基準に基づき、4項目中の2項目に該当していればシェーグレン症候群は陽性と診断されます。

シェーグレン症候群に根本的な治療法はありません。粘膜の保湿を徹底することが病気の予防と改善につながります。保湿には点眼薬、人工涙液、人工唾液などが用いられます。またセルフケアによる保湿にも十分な効果が期待できます。

ほかの膠原病の合併症で起こるシェーグレン症候群は 、専門治療が必要です。

膠原病の予防は可能?日常生活で注意したいことは

膠原病は寛解している状態を長く保つことで生活の質を高められる病気です。そのためには薬をきちんと飲み続けることと体調を整えることが必要です。

  • 睡眠を十分にとる
  • ビタミン・ミネラルが豊富な栄養バランスの良い食事を摂る
  • 適度な運動をする
  • 適正な体重を維持する
  • 生活習慣病を予防する
  • 精神的なストレスを避ける
  • 体を冷やさない
  • 紫外線を避ける
  • 無理をしない
  • 禁煙する
  • 感染症を予防する

膠原病を完全に予防することは難しいのですが、体調を整えることで膠原病の発症や増悪のリスクを抑えることは可能になります。

膠原病ってどういう意味?膠原病が発見された時の話

膠原病という名前は難しく覚えにくいですよね。なぜこのような名前で呼ばれているのか説明しておきたいと思います。

膠原病は、1942年にアメリカのクレンペラー博士が提唱した名称。「膠原繊維の炎症が原因で起こる病気」という意味を持ちます。

膠原繊維というのはコラーゲンのことです。細胞と細胞をくっつける結合組織の中に含まれ、臓器、血管、皮膚など全身のあらゆる場所に存在します。ちなみに「膠」は、接着剤として使われる「にかわ」のことです。

かつて、病気というのは全て「細胞に炎症が起こって単一の組織や臓器を侵し、症状が出るもの」だと考えられていました。例えば「胃の細胞に炎症が起これば、胃だけが病気になる」といった具合です。

しかしクレンペラー博士はそれ以外に、複数の臓器にまたがって炎症が起こる病気がいくつか存在することに気付いていました。(これらの病気が後に「古典的膠原病」と呼ばれるようになります。)

当時、それらの病気は原因不明と言われていたのですが、彼は研究によって、それらの病気に共通する特徴から「細胞ではなく、細胞と細胞の接着部分の炎症が原因で起こる病気も存在する」ことを見つけ、膠原病と名付けたのです。

クレンペラー博士は膠原繊維の変性(フィブリノイド変性)に気付いて膠原病と名付けたのですが、世間で膠原病の研究が詳しく進み「膠原病は不適切な呼び方」と指摘されるようになりました。

そのため海外では膠原病のことを「結合組織疾患」と呼ぶようになっています。これは、結合組織(筋肉・皮膚・神経)に起こる疾患という意味です。ただし、日本では膠原病のほうがなじみ深いため、現在でもそのまま膠原病という名称を使い続けているようです。

膠原病は治せるようになる?最後に夢のあるお話を

難病にも指定される膠原病は厄介な病気なのですが、膠原病の治療についてはこんな明るい話題も目にします。

文部科学省科学技術政策研究が5年ごとに行っている「未来技術の実現予測」の中には「2021年には自己免疫疾患の完治が可能になる」という予測があるのです。

もちろん予測なのでその通りになるのかはわかりませんが、この取り組みは専門家、科学者、技術者が参加しデルファイ法によって精度の高い予測を行っているものなので、期待度も高いです。

水面下では技術が熟しており、もしかすると数年の誤差はあっても膠原病が治る病気になるのかもしれませんよね。私達は体調管理を行って膠原病に気を付けながら、その日が来るのを待つとしましょう。

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