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【膠原病とは】難病や重病が含まれる種類ごとの症状、原因、治療法

「難病」と呼ばれる病気があります。難病は、厳密に定義される疾患ではありませんが、いわゆる「特定疾患」を指して難病と呼ばれることが多いです。どちらかといえば、一般的に知られているのは「難病」のほうでしょう。

難病にかかってしまった・・・などというと、よほど重病なのではないかと推測されるかもしれませんが、必ずしも「難病=重病」というわけではありません。重病も厳密に定義されていないだけにあいまいですが。

イメージとしては、重病は「症状が重い病気」であり、難病は「治すのが困難な病気」ということになるでしょう。

症状の軽重に関しては、患者さん本人の主観によるところが多いですが、一般に、難病であり重病である病気ももちろんあります。

難病(特定疾患)に指定されている病気のひとつに、「膠原病(こうげんびょう)」があります。

今回は、まだ原因が特定されていない(根治療法が確立していない)疾患群である膠原病についてお話していきます。

自己免疫疾患として分類される膠原病

インターネットの整備をはじめとする情報網が進化した近年は、膠原病に関する情報も比較的よく耳や目に入ってくるようになりました。ですからもしかしたら、膠原病はまだ新しい病気なのではないかと思う人もいるかもしれませんね。

しかし実際には、膠原病はかなり古典的な疾患群であり、その昔は「膠原病」という呼び名はなかったものの、やはり古くから膠原病の症状に悩まされた人がいたということはわかっています。ですから、膠原病は決して新しい病気ではありません。

そもそも膠原病ってどんな病気なの?

まずは膠原病について簡単にお話しておきましょう。膠原病は、医学的には具体的に定義されないこともあるのですが、いちおう「これが膠原病です」と説明できるので、以下にご紹介しておきます。

膠原病とは
真皮・靱帯・腱・骨・軟骨などを構成する蛋白質であるコラーゲンに全身的に障害・炎症を生じる様々な疾患の総称

かつて膠原病は、

  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • 全身性強皮症
  • 皮膚筋炎
  • 結節性多発動脈炎
  • リウマチ熱
  • 関節リウマチ

の6つの自己免疫疾患をまとめてこのように呼びました。関節リウマチは日本人の発病例が多いことで耳馴染みがありますね。

しかし今の時代、膠原病に属する自己免疫疾患の数はどんどん増えており、膠原病の分類自体が少し難しくなってきています。

ところで膠原病は、その診断基準となる「自己免疫疾患」が重要なキーワードになります。

まずは自己免疫疾患について簡単に説明しておくことにしましょう。

自己免疫疾患とはいったいなに?

本来身体の中にあってはいけない細菌やウイルスが感染することで、私たちは「感染症」と呼ばれる疾患を発症します。しかし細菌にしてもウイルスにしても、目に見えないほど小さく、その数は膨大です。

ですから、手洗いが不十分だったり空気経由で何らかの細菌やウイルスが体内に入り込まれることは、実はそれほど珍しいことではないのです。それでも、私たちは毎度毎度感染症を発症することはありません。

なぜかというと、身体の中に侵入してきた細菌やウイルスに対して、白血球などの血液成分が中心となってこれを攻撃し、やっつけてくれるからです。こうした機能を「免疫機能」と呼びます。

ですから、免疫機能はある意味「おまわりさん」のような存在ともいえるかもしれませんね。ところが、何らかの事情によって、もともと体内にある物質(健康を損なうおそれがない物質)にも免疫機能が働いてしまうことがあります。

この誤った免疫機能を「自己免疫」と呼びます。わかりやすく言えば、優しかったおまわりさんがある日突然、善良な市民に向けて拳銃をぶっ放しはじめるような現象が自己免疫です。自己免疫によって起こる疾患を、自己免疫疾患と呼びます。

自己免疫疾患にはいろいろな種類がありますが、そのいくつかが、「膠原病」に分類されます。

上の「膠原病とは」のところにもあるように、膠原病は自己免疫疾患の中でも

  • 皮膚
  • 筋肉
  • 骨・関節

に激しい炎症や損傷が起こる疾患であると説明できます。

それでは、現時点で膠原病と呼ばれる自己免疫疾患について、ここから具体的にお話していくことにしましょう。

膠原病の疾患の種類:指定難病49・全身性エリテマトーデス(SLE)の症状や治療法

それでは、ここからは膠原病に分類される自己免疫疾患のそれぞれについて、具体的にお話を進めていきます。

膠原病の代表的疾患である全身性エリテマトーデスは、英語の病名である”Systemic Lupus Erythematosus”の頭文字3文字を採用して”SLE”と呼ぶことが多いです。残念ながら原因は不明ですが、いくつかの傾向があります。

全身性エリテマトーデス(SLE)の傾向

まずはSLEの男女比の傾向がはっきりしています。痛風を除く膠原病全体にいえることですが、女性のほうがはるかにSLEにかかるリスクが高く、男女比は1:9と言われています。特に20代~40代の女性に多いです。

SLEの誘因(※)は、スキーや海水浴、日光浴などで陽の光を浴びる、つまりは「紫外線」にある可能性が極めて高いです。また、ちょっとした風邪によるウイルスから発病したり、ケガ、外科手術、妊娠出産、薬物などが誘因となる場合も多く見られます。

SLEの大きな特徴として、発病患者の98~99%の血中に、抗核抗体(こうかくこうたい)と呼ばれる自己抗体を持っていることが挙げられます。抗核抗体は、自身の細胞の核に自己抗体反応(自己免疫)を起こす抗体です。

※誘因(ゆういん)
原因ではないけれど、発病とのかかわりが強いと考えられる重大なファクターを「誘因」と呼びますが、全体的に原因不明である膠原病の場合、この「誘因」ということばがよくつかわれます。

全身性エリテマトーデス(SLE))の症状

SLEの症状は、初期症状以降刻々と変化し、しかも個人差も大きく、いかにも膠原病らしい症状なのですが、全身症状としては、発熱、全身倦怠感、易疲労感(ちょっとしたことですぐに疲れる)、食欲不振などの症状が見られます。

それ以外の症状を以下にまとめますが、患者さんによって以下のすべてを発症するケースもあれば、どれか特定の症状だけを発症するケースもあり、明確に症状を分類するのは困難な病気です。

部分症状 症状の説明
関節症状 手や指の腫れ、激痛を伴う関節炎、人によっては移動性の関節炎(日によって異常が現れる関節が異なる)が見られる。
皮膚症状 蝶が羽を広げた形で頬に現れる蝶型紅斑(バターフライラッシュ)が特に有名で、患部に触れると発疹が重なり合って盛り上がっていることが確認できる。薄紅斑が出ることも。他にも円形の赤色発疹である円板状皮疹(ディスコイド疹)が顔、耳、頭、関節の裏側などに見られる。
日光過敏症 強い紫外線に当たると皮膚に赤い発疹が現れる。この症状によって発病(異変)に気づく人も多く、初期症状として発症しやすい。
口内炎 口の奥のほう、頬粘膜、上顎の粘膜がへこむ。痛みがないので自覚できないこともしばしばあるが、ときおり痛むことも。
脱毛 一般的な脱毛症のレベルを超えるくらいのごっそりとした脱毛・落毛が見られ、人によっては円形脱毛症的な部分的、全体的な薄毛に発展することもある。ディスコイド疹の部分の脱毛は特に顕著で、脱毛症の治療だけでも積極的に行う必要がある。
臓器障害 主要な臓器全般に障害が起こるが、臓器障害はまったくない人もいる。(特にループス腎炎と呼ばれる)腎疾患、精神神経系症状、心疾患、肺疾患、消化器疾患、血液・血管異常などの一部、全部が見られ、死亡のリスクも高い。

以下にSLEの皮膚症状の写真を掲載しておきます。

▼蝶型紅斑
蝶型紅斑の症例写真

▼ディスコイド疹
ディスコイド疹の症例写真

全身性エリテマトーデス(SLE)の遺伝による影響は?

SLEと遺伝の関係が明確になっているわけではありませんが、小さいものも含め、遺伝の傾向を探っていくと、ほぼ確実に「遺伝による影響はある」と考えられます。母子遺伝の例はそれほど多くありません。

ただし、やはり母親がSLEである子供のSLE発病率は、母親がSLEでない子供の発病率にくらべると、多少高いというデータがあります。一卵性双生児の場合、少なくとも一方の子供にSLEが遺伝する確率は、25~60%です。

確率的に一卵性双生児の遺伝の確率は確かに高めといえるかもしれませんが、しかし一卵性双生児の場合、まったく同じ遺伝子ですから、もしSLEが遺伝病だとすれば、100%の確率で遺伝していなければなりません。

このように、背理的な論理から、SLEは「遺伝に関係はあるけれど遺伝病ではない」ことが明らかにわかります。また、親族間でも同様の傾向があります。つまり、「SLEを発症しやすい家系」というのが確かにあるのです。

全身性エリテマトーデス(SLE)の主な治療法

SLEの治療法の典型は、プレドニゾロンなどに代表される副腎皮質ステロイド剤の投与です。症状によって服用頻度や服用の量を調整します。副腎皮質ステロイド剤投与以外の治療では、ステロイドパルス療法という治療法があります。

この療法は、プレドニゾロンの内服ではなく、ステロイド剤を点滴により投与する治療法です。内服よりも点滴のほうが即効性が高く、それだけ重篤なSLEの患者さんに導入されることが多いです。

ステロイド剤は副作用が強いですから、副作用に悩まされる患者さんには、免疫抑制剤を投与して症状を一時的に抑える治療法も検討されます。膠原病はさまざまな合併症を引き起こすため、治療法も多様です。

そのひとつに、抗凝固療法と呼ばれる治療法があります。市販されているバファリン(小児の膠原病では小児バファリン)などに効果があります。この治療は、血栓を予防する効果があります。

他にも、重篤な腎疾患を発症したケースなどでは、対症療法的に人工透析などを行うこともあります。

膠原病の疾患の種類:指定難病51・全身性強皮症の症状や特徴

強皮症(きょうひしょう)と呼ばれる疾患には、全身性と限局性の2種類がありますが、皮膚だけに症状が特化する限局性強皮症は膠原病には入りません。と同時に、全身性強皮症の最大の特徴は、皮膚だけでなく内臓にまで及び、症状が重篤化することです。

ちなみにこの「強皮」というのは、「皮膚の強張り(こわばり)」からくる用語で、全身性強皮症は、皮膚や内臓組織が硬化、もしくは線維化(かさぶたができるイメージ)する重篤な疾患です。詳細は後述します。

全身性強皮症の傾向

全身性強皮症に関しても、SLE同様非常に多様な病態を示すことから、診断自体が遅れることもあるほどです。というのも、全身性強皮症には進行性のものと進行しない、あるいは極めて進行が遅いタイプのものがあるからです。

進行性のものはすぐに内臓にまで症状が及び、重篤化します。しかし進行しない、進行が遅いものは、初期症状では内臓にまで症状が現れず、限局性強皮症と間違われることもあるのです。ですから膠原病の中でも厄介な病気です。

男女比は、1:12ということですから、SLE以上に女性が発病するリスクが高いです。特に、30代~50代の女性に多く、ときおり小児や70代の高齢女性に見られることもあります。年齢的にも幅が広いのが特徴です。

全身性強皮症の明確な原因はわかっていませんが、しかし重大な3つのファクターがどうやらありそうだというところまでは、近年ようやくたどり着いています。その3つとは、

  • 自己抗体をつくってしまう免疫異常
  • 線維芽細胞(せんいがさいぼう・皮膚をつくる細胞)の過活性により起こる皮膚や臓器組織の線維化
  • レイノー症状や指先の潰瘍などが生じる原因となる血管障害

という、ちょっと難しいファクターです。3つめに「レイノー症状(レイノー現象とも)」とありますが、これは膠原病と強いかかわりがある症状なので、簡単に説明しておきます。

レイノー症状とは
全身性強皮症の初発症状として最も多い症状です。冷たいものに触れたりすると、指先が最初白くなって、次に紫色になり、暖めると赤くなって元に戻る症状です。痛みやしびれを伴うこともあります。保温が大切です。

上記に挙げた3つの重大ファクターが互いに影響しあい、全身性強皮症を発病すると考えられています。しかしそれがどのように影響しあって全身性強皮症の発病に至るのかというところまでは、現段階ではわかっていません。

ちなみに、全身性強皮症は「全身性硬化症(ぜんしんせいこうかしょう)」と呼ばれることもあります。

全身性強皮症の症状

上記のレイノー症状以外にも、いろいろな症状が現れるのが全身性強皮症であり、中には生命を脅かすほどの重篤な症状を発症することもあります。レイノー症状以外の症状を以下にまとめます。

部分症状 症状の説明
皮膚硬化 手の指の腫れぼったい感じ、あるいはこわばりが見られ、指輪が入らない、抜けないといった明らかな病変があり、その後手の甲、前腕、上腕、体幹、体の中央に病変が及ぶ。人によって内臓にまで病変が及ぶ(病型による)。
硬化以外の皮膚症状 爪の甘皮、指先、指関節などの色素異常や潰瘍などが見られる。
肺線維症 肺の線維化が起こり、重篤化すると酸素吸入が必要になる。細菌感染のリスクが高まるため、悪化して肺炎を発症しないよう注意が必要。
強皮症腎クリーゼ 腎臓の血管に異常をきたして急激な血圧上昇を招く。これにより、激しい頭痛や吐き気などの強い不快を伴う。特効薬(ACE阻害薬)あり。
逆流性食道炎 一般的に知られる逆流性食道炎とは異なり、食道下部の細胞組織に硬化が及ぶことで発症するが、症状は一般的な逆流性食道炎と同じ。胃酸の食道への逆流により胸やけや胸のつかえた感じ、逆流感がある。

この他にも、手の指が曲がらない、曲げる際に強い違和感を覚えるといった指の症状や、関節痛、下痢、便秘などの症状が見られることもあります。以下に、全身性硬化症による指の潰瘍の写真を掲載しておきます。

画像クリックで大きな写真がひらきます。閲覧にはご注意ください。

全身性強皮症の遺伝による影響は?

全身性強皮症は遺伝性疾患ではないため、遺伝への過度の心配は不要です。ただし、母親など家族に全身性強皮症の患者さんがいるということは、子供が全身性強皮症を発症しやすい遺伝子を持っているということにはなります。

ただ、これに関してはどんな病気にも同様のことがいえるので、遺伝については、やはり過度の心配はしないほうがよいかもしれません。

全身性強皮症の主な治療法

これまで長い間、全身性強皮症の治療薬は「ない」とされてきました。しかし近年この病気への薬での治療法も徐々に確立しつつあります。投薬による主な治療法を以下にまとめておきます。

強皮症の症状 使用する薬
皮膚硬化 ステロイド少量内服
肺線維症 シクロホスファミド
血管病変 プロスタサイクリン
強皮症腎クリーゼ ACE阻害薬
肺高血圧症 エンドセリン受容体拮抗剤
逆流性食道炎 プロトンポンプ阻害剤

膠原病の疾患の種類:指定難病50・皮膚筋炎/多発性筋炎の症状や特徴

皮膚筋炎(きんえん)・多発性筋炎は、原因不明の筋肉の炎症が発端となりさまざまな病変が皮膚や筋肉、関節などに現れる自己免疫疾患です。過度の筋肉疲労や脱力が主な症状になります。

他にも皮膚病(ゴットロン丘疹と呼ばれる指関節背側の紅斑やヘリオトロープ疹と呼ばれる上まぶたの腫れぼったい紅斑)、激痛を伴うリウマチ性関節痛、主に肺に見られる臓器病変などの総称が、皮膚筋炎・多発性筋炎です。

皮膚筋炎/多発性筋炎の傾向

皮膚筋炎/多発性筋炎は、膠原病の中では比較的男性にも多く見られる疾患です。とはいえ、やはり女性の発病率は男性の約3倍にものぼりますので、全体的な傾向としては、こちらも女性に多い疾患といえます。

発病者全体の7割以上が16歳~59歳までの年齢層で、60歳以上は25%、15歳以下は3%とごくわずかな発病率にとどまることから、皮膚筋炎/多発性筋炎は少年~中年期に多い疾患であるといえます。

皮膚筋炎/多発性筋炎の症状

皮膚筋炎/多発性筋炎についてもSLEや全身性強皮症と同様に、倦怠感、疲労感、食欲不振、そしてまれな発熱が見られます。皮膚筋炎/多発性筋炎の筋肉への症状は急性疾患ではなく、徐々に症状が表面化し、進行することで悪化していきます。

それ以外の症状については以下にまとめます。

部分症状 症状の説明
皮膚症状 顔(特に上まぶた)のむくみを伴う紅斑(ヘリオトロープ疹)をはじめ、鼻、口唇、頭皮などの紅斑や、手の指の関節背側のかさぶた状の紅斑(ゴットロン丘疹)
筋肉症状 腕や太ももの筋力が著しく低下し、手ぐしを入れる、階段をのぼるなどの極めて日常的な行動が困難になることもある。首の筋力低下から、枕から頭を上げられなくなることや、のどの筋力低下から食べ物や飲み物、唾液などを飲み込めなくなる。
心疾患 心筋(心臓の筋肉)の筋力低下により不整脈や心不全などの心疾患が起こる。
関節症状 ときおり激痛を伴うリウマチ性の関節痛。しかし膠原病の一種である関節リウマチとは症状が異なり、長時間の炎症や関節破壊などはない。冬季のレイノー症状が見られるが、進行はなく、指の潰瘍などはできない。
重篤な疾患 間質性肺炎(自己免疫反応による肺組織の破壊が原因で起こる肺炎)と悪性腫瘍の合併症が現れることがあるので要注意。

以下に、ヘリオトロープ疹(左)、ゴットロン丘疹(右)の写真を掲載します。

ヘリオトロープ疹とゴットロン丘疹の症例写真

その他、他の膠原病に見られる疾患が部分的に見られるのが、皮膚筋炎/多発性筋炎の特徴で、これが皮膚筋炎/多発性筋炎の特定を遅らせることもあります。

皮膚筋炎/多発性筋炎の遺伝による影響は?

筋肉に異常をきたす遺伝性疾患は「筋ジストロフィー」が有名ですが、皮膚筋炎/多発性筋炎についての遺伝の心配はないと、現在のところ考えられています。しかし、全身性強皮症と同様、同じ遺伝子を持っていることから、遺伝の可能性がゼロとは言えません。

事実、家族全員が皮膚筋炎/多発性筋炎を発病したという事例もあります(極めてまれですが)。ただ、そういった特殊なケースから遺伝の疑いを考慮するよりは、まずは遺伝性疾患である筋ジストロフィーなどの疑いをかけるのがふつうです。

皮膚筋炎/多発性筋炎の主な治療法

他の膠原病の多くと同様に、投薬治療がメインで行われることが多いです。とはいえ、皮膚筋炎/多発性筋炎の症状は非常に多様で、マニュアルに基づいた治療を行えば対処できるというほど簡単ではありません。

患者さんの個々の症状に合わせ、また、日々の病状、体調などの状態を確認しながらの治療が進められます。特に皮膚症状に対しては、日光を遮蔽するなどの紫外線対策が必要になることが多いです。

投薬治療で用いる薬物は、やはり他の膠原病と同様、副腎皮質ステロイド剤のプレドニゾロンがメインになります。プレドニゾロンの用法・用量は、症状が多様なため、その患者さんの状態と照らし合わせてということになります。

ただし、副腎皮質ステロイド剤は副作用が強く、場合によっては「ステロイド筋症(ミオパチー)」と呼ばれる強い脱力症状が現れることがあるため、皮膚筋炎/多発性筋炎の治療としては逆効果の可能性も懸念されます。

そのためプレドニゾロンなどのステロイドを継続的に使用している患者さんには、免疫抑制剤のアザチオプリン(イムラン、アザニン)、シクロフォスファミド(エンドキサン)を使用することがあります。

また、間質性肺炎の患者さんには、タクロリムス(プログラフ)が用いられることが多いです。上記は健康保険適用の薬物ですが、症状によっては保険適用外(許認可外)の薬物を使用することもあります。

膠原病の疾患の種類:指定難病42・結節性多発動脈炎の症状や特徴

結節性多発動脈炎は、大きなものを除く中小の動脈に病変をきたす血管炎の総称です。「結節(けっせつ)」というのは病変の種類で、1cm程度(最大で5cm)の組織の隆起が起こる病変のことを指します。

ですから結節性多発動脈炎は、中小動脈の動脈壁に結節ができ、その部分が炎症を起こし、その影響で腎臓、腸、脳、心臓、皮膚などに多発的な病変がおよぶ原因不明の病気であると説明されます。

結節性多発動脈炎の傾向

この疾患は、40~60歳までの男性に多く見られる疾患で、痛風と同様男性に多い膠原病です。発病男女比は3:1ですから、女性にも見られない病気ではありません。明確な原因はわかっていませんが、肝炎ウイルスに感染することで起こりやすい疾患です。

また、結節性多発動脈炎は遺伝性疾患ではありません。

結節性多発動脈炎の症状

結節性多発動脈炎の症状には、これまでお話してきた膠原病の症状全般が当てはまります。ただし、微熱が多い膠原病の中にあって、結節性多発動脈炎では38℃以上の発熱が見られるのが特徴的です。

発熱以外の症状では、体重減少、筋肉痛・関節痛、四肢のしびれ、皮膚潰瘍、尿蛋白や尿潜血陽性、腎機能悪化、腹痛・下血、脳出血・脳梗塞、高血圧など多様です。特に重篤な症状として、腎不全、腸出血、脳出血・脳梗塞などが挙げられます。

足に見られる結節性多発動脈炎による皮膚病変(紅斑と壊死)のイラストを以下に掲載します。

足に見られる結節性多発動脈炎による皮膚病変(紅斑と壊死)イラスト

結節性多発動脈炎の主な治療法

治療法に関しても、一般的な膠原病と同様プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド剤の投与が重視されます。副作用が大きいときには、免疫抑制剤による治療を行います。免疫抑制剤の種類に関しては、皮膚筋炎/多発性筋炎の治療法をご覧ください。

膠原病の疾患の種類:指定難病53・シェーグレン症候群の症状や特徴

涙腺と唾液腺だけに起こる異常がシェーグレン症候群で、甲状腺疾患など他の疾患の合併症としてシェーグレン症候群を発症することもあります。また、他の膠原病(SLE、全身性強皮症、皮膚筋炎など)の合併症として発症することも多いです。

シェーグレン症候群の傾向

シェーグレン症候群は50代に最も多い膠原病です。しかし子供や80歳以上の高齢者にもまれに見られる疾患です。発病男女比は、圧倒的に女性が多く、女性の発症率は男性のおよそ14倍にものぼります。

また、同じ膠原病の代表的疾患である関節リウマチの患者さんのおよそ20%にあたる患者さんが、シェーグレン症候群を発症するといわれています。関節リウマチだけでなく、他の膠原病の合併症として発症することもあります。

シェーグレン症候群の原因と疑われる因子はいくつか考えられており、遺伝因子、感染症などの環境因子、女性ホルモン異常による発病、免疫異常などです。ただ、単一ではなく、これらの因子が複雑に絡み合ってシェーグレン症候群を発病します。

シェーグレン症候群の症状

シェーグレン症候群は唾液腺や涙腺に異常をきたすことで、涙や唾液の分泌が欠乏する症状が見られます。具体的には以下のとおりです。

部分症状 症状の説明
ドライアイ 涙が出ない、目の不快感(異物感、痛み、かゆみ、疲れ、視界のぼやけ、まぶしい)など
ドライマウス 唾液が出ない、口の渇き(会話ができなくなるレベル)、食事の際に通常よりも水分をよけいに摂る、味覚を失う、口の痛み、虫歯の増加
鼻腔の乾燥 鼻の渇き、鼻腔内壁にかさぶたができる、鼻出血が頻発する

シェーグレン症候群では他にもさまざまな症状が現れることがあります。たとえば、唾液腺が腫れて痛む、息切れ、発熱、脱毛、肌荒れ、頻尿(特に夜間)、紫斑、紅斑、レイノー現象、日光過敏、膣乾燥などです。

多くは、他の膠原病で見られる皮膚その他の病変です。他にも強い疲労感や倦怠感、記憶力低下、集中力低下、激しい頭痛、うつなどの症状が現れることがあります。以下はシェーグレン症候群の患者さんの舌の写真です。

シェーグレン症候群の舌の乾燥症例写真

シェーグレン症候群の治療法

膠原病全般に言えることですが、シェーグレン症候群は特に根治療法のメドが立っていません。そのため、もっぱら対症療法(乾燥を少しでも回避するための治療)が採用されることになります。

そのため、毎日の点眼、口腔の清潔を保つといった対処が不可避です。喫煙はできるだけ控える必要があり、また、エアコンが利いた室内や航空機内、風の強いところでは症状が悪化することがあります。

膣乾燥の回避については薬物治療(エストロジェンなど)も可能ですが、性交時の内服やエストロジェン入りのクリームの使用が一般的です。この問題については、産婦人科で診てもらうことも可能です。

シェーグレン症候群の場合、普段の生活でできるだけストレスをためないことが重要で、そのためには規則正しい食生活、適度な運動習慣などを生活の中に取り入れる必要があります。

膠原病の疾患の種類:指定難病44・多発血管炎性肉芽腫の症状や特徴

多発血管炎性肉芽腫(にくげしゅ)は、膠原病の中でも重篤な症状を呈する疾患で、特に発見が遅れた患者さんは死亡率が高い疾患です。いわゆる「重病」というイメージに合致しますが、しかし早期発見・早期治療により寛解への移行も可能です。

他の膠原病と同様、発熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状が見られます。そして多発血管炎性肉芽腫に特有の症状として、鼻、眼、耳、咽喉頭など上気道、肺、腎臓などの炎症が見られます。

これらの症状は一度に現れることもあれば、徐々に広がるように現れることもあります。多臓器に病変がおよぶのは、いわゆる「血管炎」と呼ばれる症状の特徴であり、多発血管炎性肉芽腫も、その病名からわかるように血管炎の典型的症状です。

多発血管炎性肉芽腫の傾向

多発血管炎性肉芽腫の発病性差のバイアスはありません。男性にも女性にも同じ割合で発病のリスクがあります。ただし、年齢の傾向はやや異なります。男性は30~60歳、女性は50~60歳代に起こりやすいというデータがあります。

女性のほうがごく短期的年齢層で発病するということは、50~60歳に限って言えば、男性よりもはるかに女性に起こりやすい疾患であるということがわかります。このあたりはいかにも膠原病の特徴といえるでしょう。

多発血管炎性肉芽腫の明確な原因はわかっていませんが、抗好中球細胞質抗体(ANCA)と呼ばれる自己抗体(特にPR3-ANCAという型)を持っている人がこの病気を発病しやすいことがわかってきています。

多発血管炎性肉芽腫の症状

まずは「肉芽腫」ということばについてですが、これは「異物や結核菌などを封じ込める生体の防御反応」と説明されます。皮膚組織や臓器組織の破壊や壊死が見られます。足の肉芽腫の写真を以下に掲載します。

多発血管炎性肉芽腫の症例写真

ですから多発血管炎性肉芽腫は、血管炎による肉芽腫による病変が、上記の臓器や器官のいたるところに起こるというとても怖い病気です。具体的な症状を以下にまとめます。

部分症状 症状の説明
上気道の症状 膿性鼻漏(びろう)(ときに悪臭を伴う粘り気のある鼻汁の分泌)、鼻出血、難聴、耳漏(じろう)(いわゆる「耳だれ」のこと。耳から粘液、血液などが流れ出る)、耳痛、視力低下、眼充血、眼痛、眼球突出、咽喉頭痛、声がれなど
肺の症状 血痰、咳および喀血(肺からの出血)、呼吸困難など
腎症状 血尿、乏尿、浮腫(全身のむくみ)など
その他の血管炎性症状 紫斑、多発関節痛(全身の関節の痛み)、多発神経炎など(全身の神経痛)

また、同種の膠原病で、白血球の一種である好酸球(こうさんきゅう)の異常増殖により発病する「好酸球性多発血管炎性肉芽腫(難病指定45)」という病気もあります。多少発病メカニズムや症状、治療法など、多発血管炎性肉芽腫と異なる部分があります。

多発血管炎性肉芽腫の治療法

重篤化しやすい多発血管炎性肉芽腫に関しては、副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロンやプレドニン)よりも免疫抑制剤(シクロホスファミド(エンドキサン)、アザチオプリン(イムラン))を優先することが多いです。

重篤な患者さんにはエンドキサンの点滴、難治性の際にはリツキシマブ(リツキサン)が用いられます。ただし、副腎皮質ステロイド剤の服用や、重篤な状況では点滴によるステロイドパルス療法が採用されることもあります。

なお、多発血管炎性肉芽腫は肺疾患の発病リスクが極めて高いため、特に細菌感染症対策の投薬治療が別途採用されることもあります。

膠原病の疾患の種類:指定難病56・ベーチェット病の症状や特徴

ベーチェット病は、全身の皮膚(特に目や外陰部)や口腔粘膜などに潰瘍ができる全身性炎症性疾患です。

日本、中国、韓国をはじめ中近東あたりまでのエリアで発病しやすいことから、「シルクロード病」と呼ばれることもあります。

ベーチェット病の傾向

日本でも、北海道や東北など、寒冷な地域に多く見られる疾患です。SLEなどレイノー現象を伴う膠原病も、寒さが多少症状に影響を与えることからも、ベーチェット病も膠原病特有の特徴を示す自己免疫疾患であるといえます。

ベーチェット病の発病性差のバイアスはありませんが、男性のほうが重篤化しやすいといわれています。内臓、神経、血管への病変の傾向は男性のほうが顕著です。20~40代に多く見られ、男女とも30代がピークです。

遺伝素子(特にヒト白血球抗体HLA-B51型)に感染症(近年特に虫歯菌)などの環境因子が加わることで、自己免疫反応が過剰になり、ベーチェット病の発病率は高くなると考えられています。

しかし近年はベーチェット病とかかわりが強いと考えられる遺伝素子が次々と解明されてきつつあり、新たな治療法の開拓へのヒントになると考えられています。しかし現段階では、まだベーチェット病の原因究明には至っていません。

ここに「遺伝素子」とは、いうなれば「遺伝子の型」のようなものであって、ベーチェット病が遺伝性疾患であることを意味しません。ただ、遺伝の要素も考える必要がないわけではありません。

ベーチェット病の症状

ベーチェット病にもいろいろな症状が現れますので、あれこれ言う前に、以下にまとめることにします。

部分症状 症状の説明
口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍 初期症状。再発リスクが高い口およびその周辺や内部(口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜)の円形潰瘍(ほぼすべてのベーチェット病患者に発症)
皮膚症状 腕などに痛みを伴う結節性紅斑、にきびに似た発疹(座瘡様皮疹・ざそうようひしん)が顔、頸、胸部に現れる。また、脚には血栓ができやすく、静脈炎が起こりやすい。全身の皮膚過敏が起こる。
外陰部潰瘍 陰嚢、陰茎、亀頭(男性)や大小陰唇、膣粘膜(女性)に痛みを伴う潰瘍ができる。
眼症状 両目の眼病変が現れる確率が極めて高い。眼痛、充血、羞明(しゅうめい・光を感知すると痛みや強い不快などを覚える光過敏)、瞳孔不整や網膜の異常(網膜絡膜炎)が起こり、断続的に急激な視力低下が起こる。決して低くない確率で失明に至る。
関節炎 膝、足首、手首、肘、肩などの大関節の腫れ。関節リウマチとは異なる病態の関節炎で、リウマチほど重篤化しない。
血管病変 男性に多い。深部静脈血栓症を筆頭に、比較的大きな動脈、静脈に病変をきたしやすい。重篤化すると生命の危険を招く。
消化器病変 腹痛、下痢、下血などを伴う腸管潰瘍が主。消化管出血や腸管穿孔(せんこう)(腸管に穴があく)を発症すると緊急手術が必要な場合も。
神経病変 髄膜炎、脳幹脳炎などの急性疾患、片麻痺、小脳症状、錐体路(すいたいろ)症状(主に腱などの過反射が起こる運動障害)、認知症など。特に男性に多く、難治性。
副睾丸炎 睾丸部の腫れが目立ち、強く痛む。

以下は再発性アフタ性潰瘍の写真です(矢印が潰瘍部)。以下の写真では潰瘍が1か所だけですが、同様の潰瘍が口唇、歯肉、口蓋粘膜、頬粘膜などに多数できることが多いです。

再発性アフタ性潰瘍の症例写真

ベーチェット病の治療法

上記に示す通り、ベーチェット病の病態、病変域は一様ではありません。そのため、治療もその症状に適した方法を採用する必要があります。治療法についても簡単にまとめておきましょう。

発症部位 治療法の説明
眼症状 発作時に副腎皮質ステロイド点眼薬と虹彩癒着防止のため散瞳薬の使用。網膜脈絡膜炎では、発作時にはステロイド薬の局所および全身投与で対処。インフリキシマブ(抗腫瘍壊死因子(TNF)抗体)が難治性眼病変に対して高い効果を示す(保険適用)。
皮膚症状・粘膜症状 口腔内アフタ性潰瘍、陰部潰瘍には副腎ステロイド軟膏の局所塗布。内服薬としてコルヒチン、セファランチン、エイコサペンタエン酸などを使用。
関節炎 鎮痛剤コルヒチンとその他消炎鎮痛剤を使用。
血管病変 副腎皮質ステロイド薬とアザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリンAなどの免疫抑制薬が主体
腸管病変 副腎皮質ステロイド薬、サラゾスルファピリジン、メサラジン、アザチオプリンなどを使用。
中枢神経病変 脳幹脳炎、髄膜炎など急性炎症の際はステロイドパルス療法を含む大量の副腎皮質ステロイド薬を使用、副作用などの状況に応じてアザチオプリン、メソトレキサート、シクロホスファミドなど免疫抑制薬を併用する。

このように、ベーチェット病は一見重篤な症状のように感じられますが、予後自体はそこまで深刻なものでは、少なくともデータ上はありません。がんばって寛解への移行を目指しましょう。

(この章の引用・参考:膠原病-難病情報センターより)

その他の膠原病にはどんな種類があるの?

ここまでは、主要な、そして病態がそれぞれ大きく異なる膠原病についてお話してきました。いずれにしても、皮膚症状をはじめとするかなり重篤な自己免疫疾患が多いという印象が残ったかと思います。

しかし実は、上記以外にも膠原病と呼ばれる種類の疾患はまだいくつかあります(今後増える可能性もあります)。ただ、残りはいずれも上記の膠原病と多少なりとも似通ったところがあり、必ずしも主要な膠原病とは言えませんので、簡単にまとめておきます。

簡単ですが、病名と概要だけ挙げていきます。

膠原病:指定難病43・顕微鏡的多発血管炎

結節性多発動脈炎と似た症状を発症します。結節性多発動脈炎が中小の動脈壁に病変を生じる膠原病だったのに対し、こちらの顕微鏡的多発血管炎は小型および微小な血管(動脈・静脈ともに)に病変を見るタイプの血管炎です。

「顕微鏡的」というのは、「顕微鏡で確認できる血管」という意味合いがありますので、結節性多発動脈炎よりも小さな血管の血管炎の症状です。出血や血栓、臓器・全身組織の血流障害や壊死が見られます。腎臓と肺の病変が激しい疾患です。

膠原病:指定難病40・高安(たかやす)動脈炎(大動脈炎症候群)

結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎と似た症状の血管炎です。こちらは大動脈および大動脈から枝分かれした比較的大きな動脈に病変が起こる血管炎です。血管の狭窄や閉塞が起こり、虚血性疾患(主に脳疾患や心疾患)の発症リスクが高まります。

血管炎自体は大動脈周辺の大型動脈に現局されますが、その影響が及ぶ範囲は全身です。初期症状としては、極度の手足の疲労感が挙げられます。原因不明。

膠原病:指定難病52・混合性結合組織病

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎など、膠原病の代表的疾患が混在するタイプの膠原病が、混合性結合組織病です。ただ、血液検査で抗U1-RNP抗体が高値陽性になると、混合性結合組織病を発症しやすいことがわかっています。

膠原病:指定難病54・成人スチル病

「スチル病」というのは、「子供に限定して発症する病気」を意味します。ところが1971年、スチル病の一種が成人に発見されたことで、「成人スチル病」という不思議な病名が付されて膠原病に含まれたという経緯があります。

成人スチル病の主な症状は、特徴的なのが、リウマチ因子陰性(血清反応陰性)の慢性関節炎、かゆみがない移動性の淡いピンク色の皮疹、午前中は平熱で夕方から夜にかけて40℃に達する高熱です。

いちおう膠原病に属する病気ではありますが、リウマチ性疾患ではなく、抗核抗体や自己抗体も陰性ということで、膠原病の中ではかなり特異なタイプの疾患です。

膠原病:指定難病41・巨細胞性動脈炎

膠原病とはいってもかなり珍しいタイプの病気なので、ここは難病情報センター様の説明をそのまま引用します。

巨細胞性動脈炎
高齢の方に起こり、主に頭部の動脈がつまって症状を起こす、珍しい病気です。血管を顕微鏡で観察すると巨細胞という核をたくさん持つ巨大な細胞がみられるため、巨細胞動脈炎と名づけられました。別名として、側頭動脈炎、ホートン病などがありますが、「巨細胞性動脈炎」に統一されています。

膠原病:指定難病48・原発性抗リン脂質抗体症候群

こちらも自己抗体が悪さをするタイプの膠原病で、妊婦さんに影響が出ることがある自己免疫疾患です。ただ、自己抗体の種類が少々特殊で、「抗リン脂質抗体」という自己抗体がどうやらこの疾患の原因になっていると考えられます。

SLEの合併症として発症しやすい疾患であることが知られており、その症状は、全身性の動脈血栓症、静脈血栓症、そして習慣流産をはじめとする妊娠合併症などが顕著です。

膠原病:指定難病46・悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)さんしめ

悪性関節リウマチは、膠原病では最大の自己免疫疾患です。「関節リウマチ」という病気を知ったことがきっかけで改めて「膠原病」という病名を知った人もいるかもしれませんね。

ですから「悪性関節リウマチ」に関しては、改めてこの症状に特化して別途ご紹介したいと思います。詳しくは「関節リウマチ」の記事でお話していますので、こちらの記事をご覧ください。

▼関節リウマチ
【関節リウマチとは】関節におこる症状と選択すべき治療法

(この章の引用・参考:膠原病-難病情報センターより)

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膠原病は「どこにも属さない病気」

体調がおかしくなり、その原因を調べることで「病気」と診断されることになるわけですが、長い歴史の中でこのことが繰り返され、新しい病気が次々と生まれてきたわけです。そこまでは何も不思議はないはずです。

原因が判明したたいていの病気は、「分類することができる病気」です。たとえば、胃がんにしろ肺がんにしろ大腸がんにしろその他のがんにしろ、どれも「悪性腫瘍」に分類されることになります。

同様に、脳梗塞にしても心筋梗塞にしても狭心症にしても「虚血性疾患」に分類されます。このように、たいていの病気は「○○という病気のなかま」といった分類がなされます。ところが、膠原病だけは異なるのです。

「膠原病というなかま」ではないの?と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。

確かに、膠原病はいずれも「自己免疫疾患」という点で共通しますが、それならばわざわざ膠原病などと分類せずに、自己免疫疾患でくくってしまえばよいはずです。

ではなぜ「膠原病」というくくりができたのかというと、膠原病は「どこにも属さない病気のあつまり」だからです。ですから、いずれも原因がはっきりせず、治療法も定かではなく、予後経過もまちまちなのです。

どれも症状が似ているような気がするけど・・・と思うかもしれませんが、それは膠原病が自己免疫疾患だからです。

ですから似ていると感じられるのは、膠原病としての共通点ではなく、自己免疫疾患としての共通点なのです。

そういうわけのわからない病気を発病したとなると、患者さんとしては不安が大きくなるでしょう。しかし私たち人間というのは、「わからないこと」を必ずわかるようになりたいと願うものです。お医者さんや研究者の方もそれは同じです。

というよりも、お医者さんだからこそ、研究者だからこそ、私たち以上の強い野心があるはずです。患者さんからすれば、そうした野心は「希望の光」なのです。

実際かつて「治療不可能」とされた膠原病の多くに、何らかの治療法を見出すことに成功しています。

そういった意味では、どこにも属さない、わからない病気だからこそ、解明されるチャンスは大きいとも解釈できるはずです。その日を待っている患者さんは、ここ日本にも大勢います。

今はひたすら「今できる治療」をしっかりと受けていただきたいと願わずいはいられません。

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