健康生活TOP 風邪 なぜ風邪を引くと味覚障害に?味がわからない原因と治し方

なぜ風邪を引くと味覚障害に?味がわからない原因と治し方

風邪をひいた女性が飲み物を飲んでいる

風邪をひくと味がわからなくなります。特に、ある程度熱が引いてこれから体力を回復と言う段になって味がわからないのは、食欲も落ちますから困ったものです。

なんとか味覚異常を起こさない方法や、味覚異常を早く治す方法がないものでしょうか。実はこれが意外に難しいのです。それでも、ある程度は対応可能な部分もあるので、原因を紐解きながら見てゆきましょう。

風邪の時の味覚異常の多くは鼻に原因がある

子供のころ、大嫌いで見るのもイヤだけど、どうしても食べなくちゃ叱られるといったシチュエーションでは「目をつぶって鼻をつまんで一気飲み」と言うことをやりました。実はこのことが風邪の時の味覚異常をうまく表現しているのです。

風邪ひいて体調不良の時は涙目になっていたりして、食べ物をしっかり見ることができていないこともあるんですよね。人間の体はさまざまな感覚から一つの情報を組み立てています。そのうち一つでも欠けると情報が上手く組み立てられないのです。

嗅覚は味を知る大事な要素

風邪をひいたときに味がわからなくなるのは、熱が高い時よりも、むしろ鼻が詰まった時なのです。これは経験的に皆さんご理解いただけるでしょう。

熱が高い時は、そもそも食べ物を口に入れる気にもならないのですが、少し熱が治まってきて「さてこれから栄養をつけよう」と思った頃に味がわからなくなってるんですね。

一般的な味覚異常は「亜鉛不足」が原因と言うことが有名ですが、風邪による一過性の味覚異常ではミネラル関連の栄養不足はあまり関係しないでしょう。ミネラル不足が味覚に影響するにはもう少し長期の栄養不足が必要になります。

風邪による味覚異常は、私たちが普段味を判断するときに非常に重要な位置を占めている嗅覚がダメになるからなんですよ。それについてちょっと面白い実験があります。機会があれば一度試してみて下さい。

市販のインスタントで良いので「わかめスープ」を準備します。そして、鼻をつまんで具をたっぷり口に入れて味わってみて下さい。健康な時なら塩味は判ると思いますし、インスタントなら化学調味料の旨味もわかるでしょう。

また、スパイスの効いたものならその刺激もわかると思います。しかし、「わかめ」「ねぎ」「ごま」の味はほとんど判らないのではないでしょうか。これが、風邪の時に味がわからなくなる原因の一つなのです。

一方、目で見ている以上、そこにそうした具が入っていることは判ります。目隠しをして誰かに口に運んでもらっても、わかめのぬるぬる感やねぎのしゃっきり感、ごまのプチプチ感から見当はつくでしょう。

場合によってはごまを噛み潰した時の油感からごまとわかるかも知れません。もし、噛まずに丸のみしたらさらに何を食べたか判りにくくなります。それは噛んだ時の感触が、鼓膜ではなく頭蓋骨を通して直接聴覚に伝わるという部分がなくなるからです。

このように私たちは五感全部を利用して食べ物の味を判断しているんですね。子供のころの嫌いなものの食べ方は、視覚と嗅覚を遮断し、味覚と触覚を最低限にしていたわけですから、理に適っているとも言えるでしょう。

風邪の味覚異常は脳神経のトラブルではない

人間には五感と言うものがあります。この五感と言うのはかなり古い概念で、現在では脳の担当部署ごとにもっと細かく分類されています。人間の様々な感覚のうち、それを感じ取るセンサーが体のごく一部にしかないものを「特殊感覚」と言います。

実は五感のうち、この特殊感覚に含まれないのは「触覚」だけなんです。触覚は全身に感覚器官がありますよね。一方、残る「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」はそれぞれ専用の場所にしか感覚器官が存在しません

それぞれの感覚器官は、得た情報を脳に送るために異なる脳神経を使っています。

視覚 視神経 → 中枢
聴覚 内耳神経 → 中枢
嗅覚 嗅神経 → 中枢
味覚 顔面神経 → 中枢
味覚 舌咽神経 → 中枢

脳神経は全部で12あり、それぞれに番号をつけて呼ばれることもありますが、私たちには上に書いた働きや部位による名前の方がなじみがありますね。

ご覧の通り、味覚だけは二つの脳神経を使って脳に情報を送っています。このうち、顔面神経は舌の前側広めの面積を、舌咽神経は舌の後側やや狭めの面積を担当しているのです。

ですので、風邪を引いたときのように全体的に味が判らないと言うような場合は、脳神経のトラブルであることは考えにくいのです。特にこの二つの神経は顔や舌の運動も司っていますから、異常が出た場合、他にも大きなトラブルが出るでしょう。

嗅覚が味覚に大きな影響を及ぼす脳の中の理由

中枢に伝えられた味覚と嗅覚の情報は、脳の中で一部が大脳辺縁系に投射されます。ここは情動をつかさどる部位なので、味や匂いによって心の動きが発生する原因になります。

つまり、いい匂いや美味しい物という情報は幸せな気分をもたらし、嫌な臭いや不快な味は心を落ち込ませるということです。ただ、大脳辺縁系に投射されなかった残りの情報は、嗅覚が前頭葉、味覚が頭頂葉に投射されて味や匂いの分析に使われます。

このように、嗅覚と味覚は脳の中において、比較的近い関係で処理される情報であるということも重要な要素と言えるでしょう。

「美味しいものを食べた」や「いい香りを嗅いだ」と言うのは、「いい絵を見た」「いい音楽を聞いた」より、本能に近い部分に訴えかける物なのかもしれませんね。

”風味を感じること”重視で考える風邪の時の味覚異常

飲食物の香りにはアロマとフレーバーがあります。これは特にコーヒー業界でよく言われる言葉ですが、すべての飲食物に共通する要素です。

このうち、匂いが判らなくなることで味が判らなくなる時の「匂い」は、主にフレーバーの方なのです。日本語にすると、アロマは「芳香」、フレーバーは「風味」と言ったところでしょう。

のどの奥からやってくるフレーバー

簡単に言うと、アロマは食べ物から漂ってくる物で、鼻から吸い込む香りです。一方、フレーバーは食べ物を食べた時にのどの奥から鼻の方に伝わってくる物で、鼻から吐き出す香りと言うことになります。

例えば、甘さと酸味を同じくらいに調整して、良くつぶした「いちごジャム」と「りんごジャム」があった場合、鼻をつまんで目をつぶって食べた場合、何を食べているのかはほとんど区別できないでしょう。

しかし、鼻から抜ける香りがあれば、たとえ30種類のジャムの中からでも、簡単に区別できると思います。それほど香りと言うのは味の決定に重要な役目を持っているのです。

風邪をひくと、のどや鼻の粘膜に炎症が起こって、味も匂いも感じにくくなります。しかし、炎症がよほどひどくない限り、感覚は鈍っても全く分からないというレベルにまではなかなか至りません。

問題は、鼻の粘膜の腫れや鼻汁の詰まりによって、物理的に鼻へ呼気が通り抜けられなくなっていることなのです。ですので、風邪の時の味覚異常は鼻づまりからやって来る要素が大きいと言えるでしょう。

風邪は味覚に関する粘膜全体に炎症を起こしやすい

このように匂いを運んでくる空気自体が通れなくなることの他に、風邪と言う病気によって味覚に影響する粘膜に炎症が起こるというのも味覚異常の原因です。

風邪は「急性上気道炎」と言う病気による症候群です。上気道とは口と鼻と喉のことです。つまり、呼吸と味覚に関する部位に炎症が起こる病気と解釈してもいいのが風邪なのです。

ですから、風邪をひいたらある程度は味覚がダメになるのも、やむを得ないこととも言えるでしょう。

風邪をひいたら栄養をつけなくちゃいけないのに、味が判らないと口にものを入れるのも嫌になりますよね。

鼻が詰まって口で呼吸すると余計に味が判らなくなる

味覚の入り口である舌の上には味蕾(みらい)と呼ばれる感覚器官がびっしり並んでいます。これは水に溶けた様々な物質を取り込んで味と言う信号に換え、脳に送っているのです。

ですので、水に溶けにくいものは味を感じにくいということにもなりますし、溶かす水が少なくても味が感じられないということになります。

口呼吸はトラブルのもと

鼻が詰まって口呼吸になると様々なトラブルが起きます。口の中の自浄作用の低下による虫歯や歯周病、口臭のもとになるというのは有名ですね。また鼻と違って口呼吸では雑菌やウイルスをダイレクトに吸い込むため感染しやすくなります。

すでにウイルスによる風邪をひいてしまっている場合でも、傷んだ粘膜に細菌が入り込む二次感染の恐れも高まります。風邪の時、ウイルスには効かないはずの抗生物質が処方されるのは、これを予防するためなんですね。

そして、口呼吸は口からのどにかけての粘膜を乾燥させてしまいますし、乾燥した粘膜は味を感じる機能も大きく低下してしまうのです。

口が乾燥するのがやむを得ない時は対策しよう

風邪をひいてしまって鼻が詰まると、口呼吸に頼らざるを得なくなります。そうした場合、どうしても口の中が乾燥しますから、それの対策をしておくと味覚異常も少しは予防できます。

最も簡単なのは水分補給なのですが、そうそう水を飲んでばっかりもいられません。それに口に入れるものがお茶だったりすると、口の中の保湿因子まできれいさっぱり洗い流して、余計に口が乾くことにつながりかねません。

そこで利用できるのが口腔潤滑剤です。帝人ファーマのサリベートエアゾールのような処方箋薬としての人口唾液もありますが、これは保険の適応範囲が狭いので市販のものを利用することになるでしょう。

これらのものは医薬品や医薬部外品ではなく、化粧品や食品扱いになっています。いくつか見つかりましたので紹介しましょう。

和光堂・オーラルプラス口腔用スプレー うるおいミストシリーズ

オーラルプラス口腔用スプレー うるおいミストシリーズ商品画像

キッセイ・ウェットケア/ウェットケアレモン

ウェットケア/ウェットケアレモン商品画像

スリービー・健口習慣スプレー

健口習慣スプレー商品画像

こうしたものを食事の少し前や口が乾いたときに利用することで、口やのどの粘膜の炎症を予防改善し、風邪の治りや味覚異常からの回復を早くすることが期待できるでしょう。

口で息をしないと苦しい時ってつらいですよね。

つらいだけじゃなくさらなるトラブルも引っ張り込むのですから、できるだけ早く何とかしたいものです。

鼻づまり解消で味覚異常防止!鼻水を抑える市販薬の特徴と注意点

実際、風邪だけじゃなくアレルギーの際にも鼻づまりほど鬱陶しいものはありません。一刻も早く何とかしたいですね。アレルギーの場合も風邪の場合も、さまざまなお薬がありますが、市販薬で対応していいかどうかはケースバイケースです。

と言うのも、鼻詰まりと言うと抗ヒスタミン薬がよく効くのですが、眠くなったり、他のお薬と相互作用を起こしやすかったりと割合注意が必要なお薬が多いからです。

クロルフェニラミンマレイン酸塩はかぜ薬の定番

第一世代抗ヒスタミン薬の代表選手と言ってもいいでしょう。具体的な製品を書きだすとページが埋まってしまいますので、市販薬をお求めの場合は成分表を見て選んでください。マレイン酸クロルフェニラミンと言う書き方をされている場合もあります。

処方箋薬でも50種類近くに配合されていました。眠気と言う副作用が最も大きいものですが、他の抗ヒスタミン薬に比べるとましなようですし、妊婦さんにも処方可能だということです。

ただし、鼻水にはよく聞きますが、鼻づまりへの効き目は今一つです。これは粘膜の腫れを抑える力が弱いからでしょう。また、副作用として口の渇きがありますので、かぜ薬を選ぶ時にはちょっと悩みますね。

処方していただくときは「味が判らなくなる薬はいやだ」とお医者様に伝えましょう。

さらに、緑内障や重症の前立腺肥大症の人は飲んではいけません。また、心臓病、高血圧症、眼圧亢進、甲状腺機能亢進症、腸閉塞などのある人には慎重投与と言うことになっています。

フェキソフェナジンは第二世代抗ヒスタミン薬

市販薬としては第一類指定ですが「アレグラFX」として、抗アレルギー薬として販売されています。風邪の時の対応はありませんが、「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」が対象となる症状ですので、薬剤師さんに相談してみるのも手ですね。

いずれにせよ第一類ですので、薬剤師さんとの対面販売になりますからいろいろ相談してみるのがいいと思いますよ。他にも第二世代抗ヒスタミン薬はありますが、市販薬になっているのはこれだけです。

また、添付文書には記載がありませんが、グレープフルーツ・りんご・オレンジと一緒に摂ると、血中濃度がおよそ70%低下するという情報があります。

グレープフルーツが高血圧薬の分解を抑制し、効き目を増強してしまうことは有名ですが、この働きとは異なるもので、逆に効き目を落としてしまうんですね。りんごやオレンジでも同じ現象が報告されています。

また、抗生物質のエリスロマイシンとの併用は作用を強める相互作用が知られています。

リゾチームは腫れを引かせ鼻汁や痰の排出を楽にする

リゾチームと言うと鶏卵に含まれる抗菌成分として有名ですが、その抗菌作用と同じ働きが濃くて粘りの強い膿や鼻汁、痰を分解して排出しやすくするのです。

のどや鼻の奥に貼り付くたんなどの粘りは、ムコ多糖類によるものですが、これを分解する働きを持っているのがこのお薬です。市販薬にも多く配合されており、購入の目安になるかもしれませんね。有名どころを一部ご紹介しておきましょう。

第一三共ヘルスケア・新ルルAゴールド

新ルルAゴールド商品画像

大正製薬・パブロンSゴールド

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佐藤製薬・ストナリニ・サット

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グラクソスミスクライン・ コンタック600プラス

コンタック600プラス商品画像

処方箋薬ではノイチームやレフトーゼ、アクディーム、エリチームと言った商品名で処方されます。このお薬は先に示したように卵由来の成分ですから、卵アレルギーのある人は使えません。

ほかにも色々あるけれど市販薬は薬剤師さんとよく相談して

鼻粘膜の腫れを抑える塩酸プソイドエフェドリンは市販薬にも配合されていますが、薬物依存を引き起こす可能性があるため、購入数量が制限されています。

鼻水の分泌を抑制するベラドンナ総アルカロイドは、いわゆる植物毒を利用した医薬品です。薬剤師さんとよく相談しましょう。

グリチルリチン酸は、卵アレルギーでリゾチームが使えない人向けです。去痰薬としての働きは少し弱いかもしれません。

意外と鼻水を抑える薬と言うのは多いんですが、それだけでは鼻づまりが解消されないことも珍しくありません。

鼻をかむことも必要ですが、かみすぎると粘膜が腫れて余計詰まります。

鼻づまりを一瞬で解消する体操

割合有名な方法なんですが、やはり味覚障害の原因となる鼻づまりをたとえ数分であっても解消できるのですから、ここで改めて紹介しておきましょう。

もともとは喘息の発作を抑えるための体操にアレンジを加えたもののようですが、ネットで見てもらってもかなりたくさんの人が実践しているようです。かく言う私も、鼻づまりに悩んだ際にはいつもお世話になってますよ。

  1. 大きく息を吸って、今度は全部吐き出します
  2. 吐き出しきったら口を閉じ、鼻をつまみます
  3. そのまま頭を動かして天井を見、次に床を見ます。
  4. だいたい2秒くらいのペースで、息が続かなくなるまでそれを繰り返します

鼻づまりを治す体操の手順

たったこれだけです。呼吸を止めて頭を上下させるので、ちょっとふらふらしますから危険のないところでやって下さい。椅子に座ったままのほうが良いです。ベッドに腰かけてやるのが安全かもしれませんね。

鼻づまりは、炎症を起こした鼻の粘膜の血管に血液が集まって気道をふさぐことで起こります。この体操は、脳が「酸素が来ない、口からも空気が入ってない、大変だ!」と騙されて、鼻の血管から血液を退避させることで鼻づまりが解消するようです。

ですので、しばらくしたらまた粘膜の腫れが戻ってきますが、少なくとも食事直前にやっておくと、味が少しは判る程度にはなりますね。

私は実践したことはないのですが、舌で口の中の上を強く圧迫することと、眉毛の間を二本の指で強くつまむことを交互に20回ぐらいやるのも効果的だと言うことを聞いたことがあります。

伝聞ですからどの程度信頼性があるかは不明ですが、頭を前後に振るよりは楽かもしれませんね。

とどのつまり風邪は日にち薬、栄養と休養で乗り切ろう

さまざまな方法やお薬を紹介してきましたが、風邪の療養の基本は栄養と休養です。ただ、その栄養に妨げになるのが鼻づまりを原因とする味覚異常と、休養の妨げになる鼻づまりを原因とする息苦しさと言う問題があるのです。

ですから、今回は鼻づまりの解消法に重きを置いてお話ししましたが、あくまで目的は栄養と休養をしっかり取ることなのです。

栄養と休養がしっかり取れれば、鼻粘膜の炎症も早めに治まるでしょう。そうなると風邪の治りも早くなりますね。一方、栄養と休養が取れないと風邪の治りが遅れ、さらに味のわからない状態が続く悪循環にはまります。

まずは美味しく食べてゆっくり休めるよう工夫して下さい。

酷い場合は手術で解消するのも手

花粉症やアレルギー性鼻炎でも鼻づまりは最も嫌な症状ですね。こうした場合は通年あるいは長期間の症状で生活の品質が大きく下がります。その場合、手術によって解消する方法もあります。

後鼻神経切断術と言う手技で、鼻粘膜を腫れさせる副交感神経を切断するものですが、最近では設備の整った個人医院でも日帰りで行っているところもあるようです。かかりつけの病院で相談してみるのも一つの方法ですよ。

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