健康生活TOP 口唇炎 唇の荒れやカサカサが治らない!乾燥だけじゃない口唇炎の原因

唇の荒れやカサカサが治らない!乾燥だけじゃない口唇炎の原因

口が痛い女性

乾燥して唇が荒れてしまう、ひび割れて出血もある・・・こんな症状、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

唇がカサカサして皮がめくれてしまったり、裂けてヒリヒリするといったことがあると、症状の痛みや不快感だけでなく他人からの視線も気になってしまいますよね。

このように唇にみられる炎症を「口唇炎」と言います。口唇炎の原因はいろいろとあります。乾燥はもちろんですが、乾燥でカサカサになった症状を改善しようと思い使ったはずのリップクリームが、逆に炎症の原因になっていることもあるのです。

どんなことが原因で唇に炎症が起きてしまうのでしょうか。

口唇炎の原因の多くは乾燥!こんな症状がでたら注意したいこと

唇に起きてしまった乾燥、荒れ、ひび割れなどの炎症症状を「口唇炎」と言います。ちなみに口角(口の両端の部分)に起きた炎症は「口角炎」と言います。口唇炎に口角炎を含めて用いる場合もよくあります。

口唇炎や口角炎は体調があまり良くないときなどに現れやすくなります。また乾燥しやすい冬に症状が出てしまうことも多く、実際に経験したことがあるという人も多いでしょう。

唇の皮膚は、体の他の部分の皮膚と比べると薄くなっています。また唇には皮脂腺や汗腺がありません。そのために水分を溜め込みにくく、バリア機能が低くなっているのです。

つまり気候などの条件が全く同じ状況であっても、唇は他の部分の皮膚よりも乾燥しやすく、ちょっとした刺激の影響も受けやすくなっています。

さらに唇は毎日食事をしたり会話をしたりする際に非常によく動く部分で、普段から摩擦を繰り返しています。そのようなことから、唇は炎症を起こしやすくできているのです。

口唇炎の多くは、特に医療機関を受診しなくても治ってくると思われます。症状がある場合には、以下のようなことを注意してみてください。

  • 唇を舐めない
  • カサカサしていても、皮を剥いてしまったりしない
  • 唇を何度も拭いたりして、刺激しすぎない
  • エアコンによる乾燥に注意する
  • 特に冬は乾燥しやすいため注意する
  • 唇を清潔に保っておく
  • 口唇炎の原因となるものを使わないようにする
  • 保湿は重要だが、リップクリームが原因になる可能性があることも知っておく
  • 栄養バランスの良い食事にする

しかしこれらのことを気をつけていても症状がなかなか良くならない場合や症状が悪化していく場合には、早めに皮膚科を受診して医師にみてもらうようにしてください。

場合によってはウイルスなどに感染していたり、全身性の病気が原因で唇に症状が出てしまっていることもあります。

また、使用している薬が原因になっていることもあります。乾癬などに使われる「チガソン」という薬では、副作用として唇が荒れてしまうことがよくあります。

その他にも非常に危険な薬の副作用として「スティーブンス・ジョンソン症候群」というものがあります。めったに起きることはない副作用ですが、唇や口腔粘膜に水ぶくれができたりただれたりといった症状が現れます。

水ぶくれは全身にでき、発熱や倦怠感なども出ます。この症状を発症した場合には少しでも早く対応する必要があります。最近新しい薬を飲み始めたといったときには、薬の副作用の可能性も考えてみて下さい。

口唇炎はそのまま放置していても自然に治ってくることが多くなります。ただ、なかなか治らなかったり何度も再発してしまうというときには、必ず一度皮膚科を受診してみてください。

原因は乾燥だけじゃない!口唇炎の症状と考えられる原因は?

口唇炎には次のようなものがあります。

  • 接触性口唇炎
  • 剥離性口唇炎
  • 口舐め病
  • 光線性口唇炎
  • 形質細胞性口唇炎
  • 肉芽腫性口唇炎
  • 腺性口唇炎

ではそれぞれの口唇炎について、詳しくみていきましょう。

口唇炎の種類:接触性口唇炎

いくつかある口唇炎の中でも特に多い症状が「接触性口唇炎」です。特定の物質に接触したことが原因で、その刺激によって唇に炎症を起こしてしまいます。

接触性口唇炎になると、唇が乾燥してカサカサとなり皮がむけたりします。赤くなって亀裂が入ることもあります。ひどくなると唇が腫れたり小さな水ぶくれが出来てしまうこともあります。

軽いかゆみがあることもありますが、どちらかというと亀裂などによる痛みが強いことのほうが多いでしょう。

接触性口唇炎の原因として考えられる物質は様々で、次のようなものがあります。

  • 食品(キウイフルーツ、マンゴー、山芋、ナッツ類、香辛料、しょう油など)
  • 口紅、リップクリーム、洗顔料、サンスクリーン剤 など
  • 歯磨き粉、マウスウォッシュ、歯科金属 など

この他にも原因になると考えられる物質はたくさんあります。

例えば鉛筆を舐める癖があったり、マニキュアをした爪をよく噛んでしまっているという人は、それらが原因で唇が荒れてしまうこともあります。

トランペットやトロンボーンといった楽器を吹いている人で唇が荒れやすいという場合には、楽器の金属が原因になって接触性口唇炎を引き起こしてしまっていることもあります。

治療で一番大切なことは、原因となる物質をはっきりさせてそれを使用しないようにすることです。食品に原因があった場合には、それは食べないようにしましょう。

そして、唇の乾燥が気になっても舐めたりしてはいけません。舐めると唇の乾燥が良くなると思ってしまいがちですが、逆に乾燥しやすくなって症状は悪化してしまいます。舐めないように気をつけましょう。

原因の物質に接触しないようにし、カサブタをむしったり舐めたりといったことをしないように注意することで、自然に症状は治ってきます。

くろふ保湿のためにリップクリームを使うのは有効ですが、まれにそのリップクリームの成分に対して問題が起きているということもあるため、気をつけてください。

炎症がひどいときには、ステロイド外用剤を短期間使うこともあります。

口唇炎の種類:剥離性口唇炎

 
「剥離性口唇炎」では、唇が乾燥してかさぶたが出来たり皮が剥けたりしまったりといった症状が現れます。かさぶたを自分で剥いてしまうためにさらに症状が悪化し、この悪循環を繰り返すためになかなか治りません。

接触性口唇炎の場合のように炎症の原因となる物質がはっきりせず、そのために治療にも時間がかかってしまいます。

剥離性口唇炎の原因として考えられるのは、次のようなものがあります。

  • 栄養バランスの乱れ、特にビタミンB2、B6不足
  • ビタミンEの過剰摂取
  • 唇が乾燥している
  • 唇に機械的な刺激がある
  • 精神的ストレス など

治療で大切なのは、乾燥させないようにすることや唇を舐めないようにすることです。唇にワセリンを塗ったりしてもよいでしょう。

症状がひどいときには、一時的にステロイド外用剤を使うこともあります。またかゆみがあるときには、抗ヒスタミン剤を内服することもあります。

食事の栄養バランスにも気をつけてみてください。特にビタミンB2、B6が不足すると口唇炎になりやすいとされます。ビタミンB2、B6は次のようなものに含まれています。

ビタミンB2 レバー、ウナギ、納豆、卵、牛乳、チーズなど
ビタミンB6 レバー、マグロ、カツオ、サケ、ピスタチオなど

もちろん栄養はバランスよく摂ることが大切です。体に良いからと偏った食べ方はせず、いろいろなものを食べるように心がけていってください。

そして大事なことは、唇に触って皮を剥いたりしてしまわないことです。症状があると無意識に触ってしまっていることもあるかもしれません。触らないように注意し、また唇を清潔に保っておくようにしましょう。

口唇炎の種類:口舐め病(舌なめずり皮膚炎)

学童期の子供に多い症状で、乾燥した唇を繰り返し舌で舐めてしまうことで、唇の周りが赤くなり荒れてきてしまう皮膚炎を「口舐め病」と言います。荒れているために余計に気になってさらに舐めてしまい、症状はどんどん悪化してしまいます。

冬の乾燥した時期になりやすく、特にアトピー性皮膚炎の子供に多い症状です。つい癖で唇を舐めてしまっていることもあります。

治療にはワセリンで皮膚を保護するようにしたりします。炎症がひどいときにはステロイド外用剤を使うこともあります。

そして口の周りを舐めないように注意することも大切です。無意識のうちに、服の袖口で口の周りをこすってしまっていることもあります。それが刺激となって唇が炎症を起こしていることもあるため、様子をみてあげてください。

また口舐め病の原因として、ストレスなどの精神的な問題が考えられることもあります。

口唇炎の種類:光線性口唇炎(日光口唇炎)

日光に長く当たったことが原因で、唇にカサツキや亀裂、腫れ、水ぶくれなどができてしまう症状を「光線性口唇炎」と言います。屋外活動の多かった50歳以上の男性の下唇に出来ることが多くなります。

これは唇にできた「日光角化症」です。日光角化症とは中高年に多くみられる症状で、皮膚がんの前がん病変とされます。そのままにしておくと、がんになってしまう可能性もあるのです。

日光(紫外線)に長時間当たったことが原因で発症してしまう症状で、この症状があった場合には念のためきちんと検査をすることも重要になってきます。

口唇炎の種類:形質細胞性口唇炎

「形質細胞性口唇炎」では唇が腫れたり暗赤紫色の斑点ができ、ただれてくることもあります。中年以降にみられ、症状は下唇に多く現れます。高血圧や糖尿病などがあると発症しやすいとされています。

口唇炎の種類:肉芽腫性口唇炎

「肉芽腫性口唇炎」では上下どちらかの唇の一部が腫れ上がり、次第に唇全体に広がります。触るとやや硬くなっていますが、痛みなどはありません。思春期以降の男性に多いとされています。

原因ははっきりしていませんが、歯周炎や歯根の先に炎症があったりすることがきっかけになっているとも考えられます。金属アレルギーも関係しているとされますが、正確なことはわかっていません。

口唇炎の種類:腺性口唇炎

「腺性口唇炎」は唾液腺の炎症などによって現れる症状で、下唇が腫れます。ただれたり亀裂ができることもあり、痛みも出ます。

以上のように、口唇炎はその原因や症状によっていろいろな種類があります。その中でも特によくみられるのは接触性口唇炎、剥離性口唇炎、口舐め病でしょう。

唇のその症状…実は感染が原因かもしれない!

唇の炎症の原因として、ウイルスなどへの感染ということもあります。それに気付かずに接触性口唇炎や剥離性口唇炎の治療を続けていたのでは、改善しないどころか悪化してしまうこともあるため注意しなくてはいけません。

感染による口唇炎の種類:口唇ヘルペス

「口唇ヘルペス」は「単純ヘルペスウイルスⅠ型」というウイルスに感染して発症してしまう病気です。唇やその周辺に、ピリピリとした違和感を伴う小さな水ぶくれが現れます

「風邪の華」や「熱の華」と呼ばれることもあり、風邪をひいて発熱してしまったときなど、体調を崩して免疫力が低下しているときに現れやすくなります。

口唇ヘルペスの症状は、段階ごとに次のように変化します。

  1. 水ぶくれが出来る前からピリピリした違和感やかゆみを感じるようになる
  2. ピリピリ感が現れてから数時間後、患部が赤く腫れてくる
  3. その後1~3日すると、赤く腫れていた部分に水ぶくれができる
  4. 1~2週間で水ぶくれは乾いてかさぶたとなり、治っていく

口唇ヘルペスの原因となるウイルスは、一度感染すると神経細胞の中に隠れてしまう性質があります。そして風邪をひいたときや疲れてストレスが溜まったとき、寝不足などで免疫力が低下してくると、神経細胞から出てきて悪さをするようになります。

何度か口唇ヘルペスになったことのある人は、ピリピリとした違和感が出ただけで発症の前兆であるとわかるようです。

口唇ヘルペスを発症してしまった場合には、なるべく早く治療を始めたほうが効果的です。発症後、ウイルスはどんどん増殖していきます。それを少しでも早く阻止するために、抗ウイルス薬をなるべく早く使ったほうがよいのです。

口唇ヘルペスを発症により医療機関を受診すると、抗ウイルス薬の飲み薬、もしくは塗り薬が処方されます。処方された薬を指示通りにしっかり使いましょう。

家族などに移してしまう可能性もあるため、水ぶくれを触った手で他の場所を触らないようにしましょう。タオルなども別々に分けるようにしてください。

唇に小さな水ぶくれができてしまっているという場合には、口唇炎ではなく口唇ヘルペスの可能性が高くなります。水ぶくれをつぶしたりしないで、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

感染による口唇炎の種類:カンジダ性口唇炎

「カンジダ菌」とは、普段から口の中に住みついている真菌(カビ)です。健康なときには特に何もしないのですが、疲れて免疫力が低下したときや糖尿病といったような他の大きな病気にかかってしまうと、カンジダ菌が悪さをするようになります。

口角部では赤くなって口角炎を起こしてしまいます。口角に亀裂が入って、口を開けたりする際には痛みが出るようになります。口腔内では粘膜に白い苔が付くようなったり、痛みや灼熱感が出る、味覚異常になるといった症状が現れます。

唇で症状が現れることは比較的少ないようですが、唇やその周りが赤く腫れてしまうことがまれにあります。

唇に起きた炎症の原因がカンジダ菌であった場合、ステロイド剤を使うと悪化してしまいます。カンジダ菌が原因の場合には、抗真菌薬を使わなくてはいけません。

カンジダ菌以外にも、黄色ブドウ球菌などの細菌が原因になっている場合もあります。この場合には抗生剤を使わなくては効果がありません。

症状がなかなかよくならないといったときには、なるべく早く医師の診察を受けましょう。

感染による口唇炎の種類:梅毒

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が原因となる性感染症です。2012年頃まで、感染者はそれほど多くない病気でした。しかし2013年以降は感染者が急増しています。2016年は4000人を超えてしまいました。

若い女性にも患者が増えてきているということで、現在、大きな問題になりつつあります。この梅毒でも、まれに唇に症状が現れることがあるのです。

梅毒は時期ごとに現れる症状が違い、4期に分けることができます。感染後3週間は特に症状は出ないのですが、その後段階ごとに様々な症状が現れるようになります。

第1期梅毒(感染後3ヶ月まで)では皮膚や粘膜に小豆粒ほどの大きさの赤いしこりが現れます。しこりはその後自然になくなっていきます。しこりがただれたように変化することもありますが、その場合にも症状は自然に消えていきます。

梅毒トリポネーマは皮膚のわずかな傷から侵入し、そしてその侵入部にしこりをつくってしまいます。通常、しこりは外陰部に出来ることが多いのですが、唇などに赤いしこりが出来てしまうこともあるのです。痛みなどはありません。

第2期梅毒(感染後3ヶ月から3年まで)になると梅毒トリポネーマは全身に回ります。外陰部などだけでなく、手の平や足の裏にも発疹が現れるようになります。

第3期梅毒(感染後3年から10年まで)や第4期梅毒(感染後10年以降)になると症状が骨や神経にまで及んでしまいますが、最近はそこまで進行してしまうことは少なくなっています。

かつては死に至る病とされた梅毒ですが、現在はペニシリン系抗菌薬により完全に治すことが出来るので心配はいりません。

ただ自分が梅毒であることに気がつかず治療が遅れてしまったり、その間に他人に移してしまったりすることがあり、それが問題になります。

梅毒は症状が現れたり、その後自然に消えたりといった時期を繰り返します。また症状があってもそれに気がつかなかったり、感染していても症状が出ないままということもあります。

唇に赤いできものができたからといって梅毒の可能性はなかなか考えないと思いますが、そのような症状が出ることがあるということだけでも知っておくとよいでしょう。

他にも「尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)」という病気でも、唇や口の中に水ぶくれやただれが現れます。

これは自分の体を守るはずの免疫が、自分自身を攻撃してしまうことで起きる病気です。水ぶくれの症状は口以外の皮膚などにも広がり、破れてただれになったりします。

また「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」でも、唇に症状が現れます。唇や口の中に乳白色のレース状の斑点ができ、それがただれて出血してしまうこともあります。

他にも唇に症状の現れる病気はいくつかあります。唇に何らかの症状があってなかなかよくならないといったときには、なるべく早めに医療機関を受診したほうがよいでしょう。

唇の炎症は生活を気をつければ治ることも多いけれど、もしもなかなか治らない場合にはちゃんと医師にみてもらったほうがいいですよ。
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