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慢性疲労症候群チェック!症状や兆候、原因と治療法は

病気にはいろいろなタイプ・種類があります。強い痛みを伴う病気、苦しい病気、はっきりした自覚症状がない病気など、いろいろです。だからこそ私たちは、いつどんな病気に襲われるかもしれないと、脅威に感じるのです。

しかし中には、「なんだかよくわからない病気」という病気のタイプもあります。膠原病(こうげんびょう)に代表されるようないわゆる「難病」というくくりとはまた別に、どうもはっきりしない、つかみどころのない病気です。

そういった病気を「症候群(シンドローム)」と呼ぶことがあります。有名なところでは、メタボリックシンドローム(いわゆるメタボ)や骨髄異形成症候群(MDS)が思い浮かぶかと思います。今回はそんな「症候群」がテーマになります。

こちらもはっきりとしない、モヤモヤとした症候群のひとつですが、「慢性疲労症候群」についてお話していきます。

疲労といっても深刻!生活に影響をおよぼす慢性疲労症候群

疲労なんて寝れば治るじゃないか・・・

確かに若いうちの疲労であれば、寝ることが一番の治療法だったかもしれませんが、ある程度年齢を重ねるとそんなに単純なものではなくなります。特に慢性疲労症候群ともなると、生活に重大な影響がおよぶレベルの強い疲労感に襲われます。

また、慢性疲労症候群はうつや双極性障害をはじめとする精神疾患との関係が密接であるケースも多く、「単なる疲労」で片づけていい症候群ではありません。まずは慢性疲労性症候群に見られる具体的な症状から見ていきましょう。

慢性疲労症候群の定義と診断基準は?

慢性疲労症候群は、明確に定義される症候群であり、それがそのまま診断基準となりますが、しかしやはり「症候群」と呼ばれるだけあって、症状自体が多様であり、定義もかなり複雑であるという特徴があります。

旧厚生省が定めた厳密な慢性疲労症候群を定義すると、以下のようになります(定めたのは旧厚生省ですが、現行で採用されている定義・診断基準です)。

慢性疲労症候群の定義(診断基準)
  1. 微熱・悪寒
  2. 咽頭痛
  3. 首・わきのリンパ節の腫れ
  4. 原因不明の筋力低下
  5. 筋肉痛・不快感
  6. 軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
  7. 頭痛
  8. 腫れや赤みがない移動性の関節痛
  9. 精神神経症状
  10. 睡眠障害
  11. 発症時、主たる症状が数時間から数日の間に出現

のうち8項目以上を満たすか、または6項目以上を満たし、なおかつ上記1、2、3のうち2項目以上を満たす症候群

慢性疲労症候群の対象となる症状が上記のように多様であるため、いくら症候群とはいえ、さすがにちょっとイメージしづらいと思います。もちろん厳密に定義すると上のようになりますが、慢性疲労症候群の疑いがある症状を以下にまとめます。

慢性疲労症候群を疑う(上記に当てはめる)べき症状
  • 突然の強い疲労感
  • 生活に支障が出るレベルの強い疲労の継続
  • リンパ節の腫れ・張り、頭痛、のどの痛みなど上気道炎(※)に似た症状が出る
  • 強い疲労感が6か月以上継続もしくは再発し、他に原因となる疾患がない

※上気道炎(じょうきどうえん)・・・一般的な風邪に見られる症状

ですからまずは上記4項目の疲労や不調がすべて当てはまることが、慢性疲労症候群の前提であるとお考えください。当てはまった人は、さらに上の定義・診断基準と照らし合わせてみてください。

というよりも、上記4項目すべてが当てはまった時点で、病院で検査なり診察なりをしてもらうことが大切です。ただし、慢性疲労症候群としての検査方法は現状確立していないため、多くはいろいろな検査が必要になります。

慢性疲労症候群はなかなかつかみづらい疾患であることをご理解いただけたかと思います。もしかしたら自分も・・・?と不安になってしまった人もいるかもしれませんね。であれば、セルフチェックの方法もご紹介しておきましょう。

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慢性疲労症候群はセルフチェックも可能

慢性疲労症候群のセルフチェックは、「身体的疲労」と「精神的疲労」の両者にそれぞれ項目を設け、両者の項目の該当数のトータルである「総合的評価」が慢性疲労症候群のリスクに換算される形のチェックです。

それぞれの項目を点数化し、

  • まったく該当しない(0点)
  • わずかに該当(1点)
  • まあまあ該当(2点)
  • はっきりと該当(3点)
  • 顕著に該当(4点)

として各項目すべての点数を合計します。

その結果から慢性疲労症候群のリスクがどの程度であるかをセルフチェックできるのです。たとえば下図のようなチェックシートを作成し、セルフチェックの結果を記入していくという方法があります。

慢性疲労症候群のチェックシート

チェックシートはエクセルなどの表計算ソフトでも簡単に作成できます。以下の表をプリントアウトしていただいてもかまいません。それではさっそく、それぞれの項目をチェックしていきましょう。

▼セルフチェック1.身体的疲労

評価の項目 点数(0~4)
微熱がある
疲れた感じ、だるい感じがある
一晩寝ても疲れがとれない
ちょっとした運動や作業でもすごく疲れる
筋肉痛がある
このごろ体に力が入らない
リンパ節が腫れている
頭痛、頭重痛がある
のどの痛みがある
関節が痛む
合計(40点満点)

次に、精神面の疲労についても同様にチェックします。

▼セルフチェック2.精神的疲労

評価の項目 点数(0~4)
不眠の傾向がある
ゆううつな気分になる
自分の体調に不安がある
働く意欲がおきない
ちょっとしたことが思い出せない
まぶしくて目がくらむことがある
ぼーっとすることがある
思考力が低下している
集中力が低下している
どうしても寝すぎてしまう
合計(40点満点)

上記①、②の評点を合計してみてください。2つのチェックの合計で80点満点になります。①、②および総合的評価それぞれについて、慢性疲労症候群のリスクを以下の表にまとめます。

安全ゾーン 要注意ゾーン 危険ゾーン
身体疲労の評価(①の評点) 男性0~7、女性0~8 男性8~11、女性9~13 男性12以上、女性14以上
精神疲労の評価(②の評点) 男性0~9、女性0~10 男性10~12、女性11~15 男性13以上、女性16以上
総合的評価(①と②の合計) 男性0~16、女性0~18 男性17~22、女性20~28 男性23以上、女性29以上

上記のそれぞれについて、「安全ゾーン」であれば特に現状における問題はなく、現状維持に努めましょう。「要注意ゾーン」は、点数(素点)が高かった項目の点数が低くなるような対処をするとよいでしょう。

もし「危険ゾーン」に入ったとしたら、身体的であれ精神的であれ総合であれ、一度病院(心療内科や精神科・神経科・脳神経内科など)にこのセルフチェックの結果を持参し、相談したほうがよいかもしれません。

上記チェックはあくまでも目安であるため、高い点数がついたとしてもそれが即慢性疲労症候群であることを意味しているわけではありません。ただ、病院に行くかどうかの判断の指標になりうるデータではあります。

(この節の引用・参考:自己診断疲労度チェックリスト-株式会社疲労科学研究所より)

慢性疲労症候群の考えられる原因は?

症状が多様である疾患は、原因自体もまた多様であるケースも珍しくありません。実は慢性疲労症候群にも同じようなことが言えます。かつては意外にもウイルス性の感染症が主な原因と考えられてきましたが、それだけでは説明がつかないのです。

原因となりうるファクター、リスクは?

いろいろな研究が進められていることは事実ですが、慢性疲労症候群の明確な原因はまだわかっていません。ただ、研究の過程において、原因となりうるファクターがいくつか考えられますので、これについて触れておきます。

慢性疲労症候群のリスクが高い人(原因と考えられるファクター)
  • ウイルス性感染症
  • 免疫機能異常(慢性疲労症候群はアレルギー疾患がある患者さんに多い)
  • 神経や内分泌機能の異常
  • 認知機能の低下
  • 家族内に慢性疲労症候群の患者さんがいる(環境因子・遺伝因子)
  • 親類に慢性疲労症候群の患者さんがいる(遺伝因子)

つまり、感染症や免疫機能の問題をはじめとして、精神神経の問題、社会的、遺伝的要因もひっくるめた非常に幅広いカテゴリから慢性疲労症候群の原因を特定していかなければならないのです。

ですから、日夜の研究が着々と行われていながらも、そう簡単に慢性疲労症候群の原因が特定できるものではありません。その意味でもまさに「つかみどころのない症候群」の典型といえるのではないでしょうか。

(この節の参考・引用:慢性疲労症候群の原因-九州大学病院心療内科より)

慢性疲労症候群は「性格」とも関係がある!?

はっきりした原因がわかっていない以上、原因をあまり深く突っ込むのも正直考えものなのですが、ただ、直接原因とはいえないまでも、有力と思われる傾向が、この慢性疲労症候群にもあります。

その傾向とは、「性格の傾向」です。今度は「慢性疲労症候群と性格の関係」も、まとめておきます。ただしこれはあくまでも「傾向」であって、現段階で明確な医学的根拠が認められているわけではありません。

▼慢性疲労症候群になりやすい性格の傾向

性格 性格の説明
失感情症(※) 自分の感情に対して鈍感で自分の感情を表すことが難しい性格
完ぺき主義 細かいことでも、あるいは一般的に正しくないことであっても、自分の思い通りにならないと気が済まず、他人の目(他人からの評価)が異常に気になる性格
過活動 じっとしていられない性格や、ストレッチ、トレーニングを過剰に行わずにはいられない性格

※注・・・失感情「症」とありますが、疾患ではなく、性格の分類になります。

(この節の参考・引用:慢性疲労症候群に特有な性格-九州大学病院心療内科より)

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つかみどころのない慢性疲労症候群、どう治療する?

慢性疲労症候群に限らず、原因がはっきりしない疾患の治療は、基本的には根治治療が難しくなる傾向にあります。しかも慢性疲労症候群は上記のとおり性格、あるいは神経科・精神科ともかかわりがある症候群です。

それだけに、治療の方向性を決定するためには少し慎重を要する症候群であるといわなければなりません。そういったややデリケートな部分も含め、慢性疲労症候群の治療についてお話します。

治療に先立って患者さんと対話することが重要

病気になりました。こういう病気ですよ。原因はこうですよ。それでは治療しましょう・・・という流れが一般的な病気の治療になると思います。もちろん慢性疲労症候群の治療も基本的にはそういった流れになります。

ただ、この症候群は、そこにワンクッション噛ませてから治療に移ることが重要です。そのワンクッションというのは、治療に先立って患者さんと対話することです。

慢性疲労症候群はなかなか厄介な疾患であり、不可能ではありませんが、完治できない症例も少なくないのが現状です。であるにもかかわらず、一般的な病気のように「治療すれば治る」という認識で治療をはじめてしまうのは危険なのです。

ですから、慢性疲労症候群の治療の目的は「いきなりの完治」ではなく、「ひとまず少しでも現状を回復しようではないか」という方向性を患者さんに納得してもらうことが重要になります。

でもそれはお医者さんの仕事でしょ?と思うかもしれませんね。もちろん担当の先生から治療に先立ってそういったお話があることがほとんどです。ですから医療機関での診療に関しては、そこまで心配する必要はありません。

ただ、ご家庭でご家族に治療を進める段階で、とにかく元通りにしなければならないというあせりを見せてしまうと、マイナスになってしまう可能性も考えられるのです。ご家族にもこのあたりの難しさをご理解いただきたいと思います。

慢性疲労症候群の治療の方法は?

さて、それでは具体的な治療方法についても簡単に触れておきたいと思います。基本的には、上記のリスクを軽減する方向で考えます。食生活の見直し、労働時間や内容の見直し、禁煙、肥満の解消などです。

そうした基本的な生活習慣の見直しを実施しつつ、睡眠障害や疲労度の経過観察も怠りません。その過程で、睡眠や疲労に関して改善が見られないケースでは、睡眠に関するお薬、疲労緩和のお薬の投与をそれぞれ行います。

ですから、慢性疲労症候群に投薬治療がないわけではありませんが、「慢性疲労症候群の薬」ということではなく、対症療法的にいろいろなお薬を投与しながら症状の緩和を目指します。お薬については、担当の医師と相談してください。

一般的には西洋医学の範囲で解決を目指す慢性疲労症候群ですが、やはり精神の安定をはかる効果が高いとされる東洋医学(漢方薬)やハーブの活用も考えられます。そのあたりについてもお話しておきましょう。

慢性疲労症候群と漢方のかかわりは?

西洋医学が浅い学問というわけではありませんが、漢方をはじめとする東洋医学は非常に奥深いものがあります。ですからあまりにも細かい漢方のお話をするわけにはいきませんが、慢性疲労症候群の治療に漢方が効果を与えることがあることは事実です。

慢性疲労症候群のように、いろいろ検査をしてもこれといった原因がわからない病気は他にもあります。漢方の分野では、そういった原因不明の病気を「未病(みびょう)」と呼びます。未病と漢方薬の関係は非常に密接です。

とはいえ、おそらく多くの日本人は、というより、日本の多くの医療機関では、漢方薬ではなく西洋医学の範囲の「化学薬品」を処方します。ですから日本人の場合、漢方薬にはあまりなじみがないというのが実際のところかと思います。

そこでまずは、漢方薬のメリットとデメリットを最低限知っておく必要があるといえます。

慢性疲労症候群改善のために~漢方薬のメリット・デメリットは?

まずは漢方薬のメリットからピックアップしていきます。以下のメリットが考えられます。

漢方薬のメリット
  • 西洋医学の薬を服用しても治らない病気が改善される可能性がある
  • 身体にやさしい(効き目が緩やかで副作用のリスクが極めて小さい)
  • 波及効果として全身の疾患が改善され、元気が増す可能性がある

これは何も慢性疲労症候群の治療のための漢方薬(後述)に限った話ではありません。漢方薬には、ある特定の病気を狙って治すというよりは、全身の根本的な不具合を改善し、調整する効果がある場合が多いです。

しかし、メリットがあるということは、デメリットもあるということです。今度は漢方薬のデメリットについても考えます。

漢方薬のデメリット
  • 高価な漢方薬が多い(健康保険適用外の漢方薬は特に要注意)
  • 急な改善の可能性が低くかなり長期的な服用が必要(時間とお金がかかる)
  • 西洋医学に慣れている人になじみが薄く、精神的にマイナスの可能性がある

よく「病は気から」などと言われますよね。3つ目のデメリットの「精神的にマイナス」というのは、「漢方薬なんて効かないんじゃないの?」という猜疑心が、薬効を小さくしてしまう可能性は十分考えられるということを意味しています。

このことは西洋医学の範囲でも実証されており、治験(新薬開発の際の実用試験)でもプラセボ(偽薬)を必ず無作為に投与されるほどです。実際プラセボでも効果が現れる患者さん(治験の被験者)はけっこうたくさんいるのです。

ということは逆に、あまりにもなじみの薄い漢方薬を服用することによって、「効果がないものを飲んでいる」という先入観が邪魔をして薬効を小さくしてしまう可能性も考えられるのです。

このあたりが漢方薬のデメリットになります。それでは実際慢性疲労症候群で投与されることがある漢方薬を、簡単にご紹介しておきましょう。

慢性疲労症候群で投与されることがある漢方薬は?

以下の表にまとめましたので、以下をご覧ください。

慢性疲労症候群の症状に期待される効果 効果が期待される漢方薬
胃腸の機能を治しながら、気(精神的、肉体的エネルギー)を補う
  • 六君子湯(りっくんしとう)
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
ストレスを軽減しながら気を適切に分配する
  • 四逆散(しぎゃくさん)
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
  • 香蘇散(こうそさん)
解熱し、発熱予防効果のある物質を補う
  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
  • 温清飲(うんせいいん)
  • 六味丸(ろくみがん)
  • 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

(上表の参考・引用:慢性疲労症候群の漢方治療について-真田クリニックより)

上記に示した漢方薬はあくまでも一例にしかすぎませんので、それぞれの医療機関で処方される漢方薬を、用法用量を守ってご利用ください。また、いきなり高価な漢方薬で治療するのは気が引けるという患者さんもいると思います。

そういう方は、比較的安価で購入できる市販の漢方薬を実験的に試してみるのもよいかもしれませんね。慢性疲労症候群に効果が期待できる市販の漢方薬となると、やはりある程度有名なブランドのほうが安心できると思います。

たとえば「葛根湯(かっこんとう)」や「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」など、漢方薬といえば真っ先に思いだされるブランドも、慢性疲労症候群への効果がある程度期待されます。

長引きやすい慢性疲労症候群だからこそ、漢方薬の服用も検討の余地が大きいといえるのかもしれません。従来の治療でなかなか効果が実感できない患者さんは、ご一考ください。

治療が遅れやすいからこそ早目の対処を!

今回は慢性疲労症候群についてお話してきましたが、この症候群にかかっていると決定するのが、いろいろな検査をしても原因がわからず、患者さん本人やご家族だけでなく、お医者さんも一緒になってひとしきり悩んだあとのことです。

それだけに、慢性疲労症候群であると確定するまでにかなり時間がかかってしまいます。だからこそ、早目早目の対処を心掛けたいところであるというのが正直な気持ちです。

早期治療が実現できれば、症状の進行・悪化を食い止められる可能性が高まることは、慢性疲労症候群も他の病気と同様なのです。

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