健康生活TOP 脳梗塞 脳梗塞で死滅した脳細胞を蘇がえらせろ!注目の再生医療が凄い

脳梗塞で死滅した脳細胞を蘇がえらせろ!注目の再生医療が凄い

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病気の中にも色々な種類があって、治療を行うことで完治する病気もあれば、治療法もなく対処療法に頼らざるを得ない病気もあります。

中には治療を行うことで命の危機は脱したにも関わらず、後遺症に一生苦しめられることもあるのです。せっかく治療を行ったことが、後遺症との闘いの開始になるなんて皮肉なものですよね。

脳の細胞が死滅してしまう「脳梗塞」。この病気にも同じことが当てはまるのではないでしょうか?

脳の細胞が死滅する脳梗塞

皆さんは「脳卒中」と言う言葉を聞いたことがあると思います。脳卒中とは「脳が原因による急激な発作」を表しており、病名ではありません。要は脳の障害によって起こされる急性の病気を、まとめて表現した言葉です。

脳卒中には「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」がありますが、中でも脳梗塞は前兆もなく突然発症する恐ろしい病気です。

脳梗塞のダメージ

脳梗塞は前兆もなく、突然発症することが多い病気です。「さっきまで元気にしていた人が突然倒れてしまう。」このような状況が脳梗塞に多く見られる特徴です。

また、高齢者には「お風呂に入ってなかなか出てこないと思ったら湯船で倒れていた。」などの状況も見られます。

脳梗塞は脳の血管が血栓により梗塞(詰まる)することにより、脳細胞に血液が行き渡らなくなる病気で、栄養や酸素不足で脳細胞は壊死してしまいます。

血管が詰まってしまう原因として考えられるのが「高脂血症」や「高血圧」であり、特に急激な血圧の変化は発症リスクを高めます。

発症後4.5時間が勝負

「脳梗塞は4.5時間が勝負」と言われています。これは脳梗塞を発症してから治療を行う時間を表しており、4.5時間以内に適切な治療を行うことで後遺症を軽減できると言われています。

この治療は「t-PA」と呼ばれる薬剤を点滴によって注入する治療で、4.5時間以内に投与することで大きな効果をもたらします。

以前は4.5時間ではなく、3時間以内の注入が条件でしたが、最近の研究で4.5時間までは有効と確認されたのです。このように脳梗塞の治療は時間が鍵であり、開始が遅くなることで脳細胞の壊死が広がってしまうのです。

脳細胞の壊死とは

実は脳梗塞にも段階があり、「脳血管が完全に詰まってしまう段階」や「若干ながら血液が流れている段階」があります。

どちらの症状にしても脳細胞に与える影響は大きいのですが、前者の場合では早期に治療を開始しても脳細胞の壊死が進行している可能性も少なくありません。

脳細胞が壊死した場合、それが自然に再生することはなく、壊死した部分の機能が失われることになります。記憶を司っている部分で壊死が起これば、記憶障害や認知症が発症し、機能を司っている部分であれば、機能障害(運動障害)が発症します。

脳神経細胞の迂回

脳梗塞を起こすと脳神経細胞も死滅してしまいます。脳神経細胞が死滅することで、神経伝達の回路が遮断されてしまい、情報を伝達することができずに機能障害を起こしてしまうのです。

しかし人間の脳には迂回路を作る作用があることが解明されており、死滅した脳神経細胞を迂回して新たなルートを作ることができるのです。

ただし、迂回路を作るには長い時間リハビリやトレーニングなどを行う必要があり、また死滅した細胞の状況によっては難しい場合もあります。

脳梗塞における再生医療

近年、医療の世界で再生医療が注目を集めています。そして脳梗塞の治療にも再生医療が行われており、実際に様々な病院で治験も始まっています。

骨髄細胞による再生

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「脳梗塞によって壊死した細胞は元には戻らない」これは一昔前までの医学会の常識でした。しかし、現在この常識を覆す研究が各方面で行われています。

それが「自己の骨髄細胞による脳神経細胞の再生」なのです。

先ほども説明しましたが、人間の脳には神経回路を迂回させる作用があります。その作用として死滅した脳細胞の周りに脳神経細胞(神経幹細胞)が集まってくるのです。

しかし、血管がない状態では栄養を送ることもできずに神経幹細胞も死滅してしまうのでした。

そこで、なんとか血管を再生することにより、神経幹細胞を育てて脳機能を改善できないかと研究が始まりました。そこで注目されたのが「骨髄幹細胞」なのです。

骨髄幹細胞はマルチな細胞

人間の骨髄にある骨髄液には骨髄幹細胞(間葉系幹細胞)が含まれており、様々な細胞に分化することができます。分化とは単一の細胞が分裂したり、成長したりすることで特殊な細胞に成長することを言います。

簡単に説明しますと「間葉系幹細胞は色々な細胞に変化できる」と言うことです。間葉系幹細胞が分化可能と考えられている組織を紹介しましょう。

  • 血管細胞
  • 骨細胞
  • 脂肪細胞
  • 神経細胞
  • 腱細胞
  • 間質細胞
  • その他

骨髄幹細胞を移植する

このように骨髄幹細胞には血管細胞となり、血管を再生する作用があります。そこでこの骨髄幹細胞を移植することで、脳梗塞で死滅した細胞周辺に血管を再生させる技術が生まれたのです。

移植と言っても手術を行うのではなく、自分の骨髄から抽出した骨髄幹細胞を点滴で注入するのです。自分の骨髄から抽出したのですから、安全性も高く拒否反応などの副作用の心配もありません。

とても安全な移植と言えるでしょう。そして移植された骨髄幹細胞は脳梗塞が起きた場所へ集まり、血管細胞や神経細胞へと分化し低下した脳機能を改善させるのです。

この再生医療は死滅した脳細胞を再生することはできませんが、その周辺の血管の再生や神経細胞再生が起こることから、神経伝達ルートを再構築して脳機能を回復させる効果があるのです。

また再生治療を行うことで、「副作用の軽減」「リハビリの短縮化」「早期の社会復帰」が可能となることからも期待が持たれています。

hNT細胞を移植する

骨髄幹細胞の移植による再生医療以外に、アメリカでは「hNT細胞」を脳に移植する研究を行っています。これはヒト由来の胎児から作られるhNT細胞を神経細胞に分化して脳に移植する研究です。

このhNT細胞の移植はアメリカで治験も行われており、副作用もなく脳神経にも改善が見られたそうです。日本でもこれからの研究が期待されています。

脳を再生する時代へ

人間の指や手は怪我で失えば再生することはできませんでした。これは一般常識的な話です。しかし、近年の医学の進歩により再生できる可能性がそこまで近づいているのです。

再生医療は研究の段階から治験の段階へと進んでいます。もしかしたら後数年で一般的な医療になるかも知れません。

脳細胞の再生は脳梗塞以外にも、アルツハイマーなど認知症の改善にも効果が期待されています。

日本はこれから本格的な高齢化社会を迎えようとしており、脳機能に関する病気は大きな社会問題となる可能性が指摘されています。そうならないために脳の再生医療技術、期待したいですね。

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