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いざという時のために知っておくべき脳梗塞発作の正しい緊急対応

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人は時として、突然、体に異変があらわれることがあります。そして中には致命的になってしまう大きな病気があります。そのひとつが脳梗塞です。脳梗塞の発作は、治療に入るまでの時間が、命を左右し、助かっても後遺症の出方が異なります。

自分が、家族が、偶然近くにいた隣の人が、いつ突然この脳梗塞の症状に襲われるかもしれません。もちろんむやみに怖がることはいけませんが、いざという時のために知識をもっておくことは、あなたの命と周りの命をつなぐことにもなるのです。

時間差で命運が分かれる血流トラブル!予備知識が必ず役に立つ

「他人事ではない・・」街を行きかう救急車の音が聞こえてくるたびに筆者は思います。事故であれ、病気であれ、自力で病院に行くことができずにたくさんの人が救急車で運ばれていく日常。それはいつ自分と周りにも起こるかわかりません。

とくに病気では、脳や心臓の血流トラブル。これらの種類の発作はまさに1分1秒がその人の運命を決めてしまいます。今回のテーマである脳梗塞などの脳血管疾患の死亡率は、ガン、心疾患に続いて第3位という高さです。

ですが、医学の進歩から発作が起きてから3時間以内に病院での治療を受けることができれば、後遺症もなく完治する割合が高いのです。しかし、脳梗塞の前触れはなかなか自覚できる症状があらわれにくく、それがさらに危険度を増します。

いきなり発作が起こった本人も、周りの家族も予期しないことにびっくりしますが、そんな時に頭に入れておいた対応法が命をつなぐことになります!

脳梗塞は脳卒中の病気の中のひとつ

脳血管疾患としてよく耳にする脳卒中と脳梗塞ですが、その違いは何でしょうか?脳卒中とは脳血管疾患の総称であり、大きく以下の3つに分かれます。

  • 脳出血
  • くも膜下出血
  • 脳梗塞

つまり、脳梗塞は脳卒中の一部の病気のことです。しかし全体的な割合は約6~7割を占めているため、「脳卒中=脳梗塞」だともいえます。

脳にはたくさんの血液が必要!血流トラブルは体全体の致命傷に

脳にはたくさんの血液が必要です。心臓から送り出される血液量のじつに約15%が脳の活動のために使われています。それは脳が、人間の体を動かす司令塔であり、その働きによってさまざまな行動や思考がコントロールされているからです。

体から送られてくる膨大な情報量を処理するため、脳には140億もの神経細胞が集まっています。そんな忙しい脳のエネルギー源は血液によって運ばれてくるブドウ糖と酸素ですが、脳の細胞にはこれらのエネルギー源を貯蓄しておけません。

ですから、24時間休むことなく必要な血液を脳へと送り続ける必要があるのです。しかし、なんらかの原因でこの血液量が途絶えてしまうとそれは人体にとって重大な損傷を与えてしまうことになります。

強い圧力が原因

脳は心臓よりも高い位置にあるため、充分な血液を届けようと思えば、強い圧力をかけなければいけません。このため、心臓と脳を結んでいる内頚動脈(ないけいどうみゃく)と椎骨動脈(ついこつどうみゃく)には常に圧力がかかっています。

そのため、もともとこれらの動脈の血管壁は損傷に弱く、そこになんらかの原因で動脈硬化などが進み、血管が細くなったり、血栓ができたりすると詰まりやすくなり、脳内への血流が少なくなったり、途絶えたりするトラブルが起こるのです。

壊死したら二度と回復しない

脳への血流が途絶えてしまうと、たったの3分~5分ほどで、神経細胞が壊死していきます。しかも、壊死した神経細胞は二度と再生しません。そのため、脳梗塞をはじめ、すべの脳血管疾患の発作時には素早く治療を開始することが重要なのです。

また、脳の中の神経細胞というのはそれぞれの役割分担があるため、どこの神経細胞が影響を受けたかで、治療後の後遺症の出方も異なってきます。また治療が遅れてしまえば、命そのものを失ってしまう危険性もあります。

突然おそいかかる脳梗塞の発作時に覚えておきたい対応法

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突然、それまで健康だった家族がいきなり目の前で発作を起こしたら!もしくは街中でとなりの人が倒れたら!・・・脳梗塞の発作はいきなり起こり、それまでの平穏だった状況が一変してしまいます。

そのような時に正確で迅速な対応法を行えるためには前もって知識をもっておくことが大切です。

救急車を呼ぶ

いきなり目の前で人が倒れると誰でも驚き、慌ててしまうものです。しかし、そこでまず、大きく深呼吸しましょう。そしてすぐに救急車を呼ぶため電話をかけます。深夜だとか、早朝だとか、休日だとか、そんなことでためらってはいけません。

とにかくすぐに救急に電話を入れましょう。

状況を伝える

電話ではまず「救急です!」といってから、以下のことを伝えます。

  • 今いる場所
  • 倒れた人の名前
  • 年齢
  • 性別

名前や年齢はわかれば伝えます。しかし場所だけは冷静にしっかりと伝えましょう。自宅ではなく外出先で細かな住所がわからない時は最寄りの駅名、そして周りにある店など、目印になるようなものをハッキリとわかりやすく伝えます。

救急車が来る前の応急処置

救急車を呼んだあとは、慌てず冷静に、それまでにできる応急処置をしましょう。まずは倒れた人を無理に立たせたり、肩をとって歩かせたりしてはいけません。必ず安静を保つようにします。

道路の上など、安全が確保できない場所では、毛布、シートなど、担架になりそうなものに頭を動かさないように慎重に倒れた人をのせて、安全な所に運びます。そして倒れた人の応急処置に入ります。

  • 体を締め付けているものを全て外す(ネクタイ、ベルト、腕時計、メガネ、入れ歯)
  • あお向けに寝かせる(嘔吐した場合は麻痺のある方を上にして横向きに)
  • 枕は気道をふさぐ恐れがあるので使わない
  • 口の中に吐いた物がある時はハンカチを指に巻いてそっと取り出す
  • 倒れた人が歯を食いしばっている時はタオルなどをはさみ呼吸を確保

これらの基本をしっかりと頭に入れて素早く対応しましょう。また救急車を呼べば、電話口から指示をしてもらえるので落ち着いて対応しましょう。

脳梗塞のチェックポイント

脳梗塞かどうかを見極める簡単なチェックポイントを合わせて覚えておきましょう。

□「イー」といってもらうと片側の口元が上がらない
□両腕を上げようとしても片側の腕が上がらない
□ろれつが回らない、または会話ができない

上記項目に1つでも該当すれば、脳梗塞の発作を起こしている可能性があります。

引用…「脳梗塞の治し方・防ぎ方」 岡田芳和著

発作を防ぐには脳梗塞の前触れを見逃さないこと!

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脳梗塞は突然に発作が起こり倒れてしまうイメージがありますが、発作の前触れとなる症状が出ることもあります。これを一過性脳虚血発作といいます。

一過性脳虚血発作とは、突然、発作が起こりますが、5分から15分、長くても24時間以内に治ってしまうのが特徴です。症状が短時間で治ってしまうために、つい軽く考えがちになり放置してしまうケースがあります。

しかし、一過性脳虚血発作とは脳梗塞の立派な前触れです。そのまま放置しておくと、その後、約2割の人が脳梗塞になるといわれています。そうならないためにも脳梗塞になる前触れの症状をしっかりと把握しておきましょう。

運動障害

脳はさまざまな役割分担をしながら働いていますが、運動障害は大脳の運動中枢が損傷を受けてしまい、体の一部分、もしくは全体が麻痺してしまう症状です。この運動障害は脳梗塞の中でもっとも現れやすい代表的な症状です。

  • 手足が重くてだるい
  • 物がつかめない
  • 食事中に口から食べ物をこぼしてしまう

言語障害

言語障害とは一般的にろれつがまわらない状態をさします。脳梗塞の言語障害は2つの症状に分かれます。

  • 運動性失語障害
  • 感覚性失語障害

運動性失語障害は相手の話している内容はきちんと理解ができるのですが、いざ答えようと思ってもろれつがまわらず上手に発音できません。

対して感覚性失語障害とは言語を理解する脳内の神経が損傷するため相手の話が理解できません。まるで、相手がわけのわからない外国語をしゃべっているようだと訴える人もいます。

感覚障害

感覚が鋭くなったり鈍くなったりしてしまう症状が現れます。

  • ぬるいものが熱く感じる
  • 熱いものがぬるく感じる
  • 少し触っただけで痛みが走る
  • しびれる

感覚を支配している神経は運動神経とほぼ同じ経路のため、運動障害と感覚障害はセットで症状が現れるのが一般的です。つまり体の左側に運動障害が起これば、感覚障害も左側にでます。

視覚障害

人間の視野は、右半分を左脳、左半分を右脳が支配しています。そのためどちらか側の脳に障害がおこれば、支配する方側の視界が見えなくなってしまいます。これを半盲(はんもう)といいます。

また、半盲にならなくても、片方だけの視力が低下する、ものが2つに重なってみえるなどの症状が現れることもあります。さらに眼球が上下、もしくは左右に細かく揺れる眼振(がんしん)が起こることもあります。

この他にも見逃しやすい目の症状として、急に片方の視力が低下したと思ったらほんの数秒から数分で回復してしまう一過性黒内障という症状もあります。

脳梗塞の前触れを見逃さない

脳梗塞は突然に発作が出て倒れてしまうものもあれば、全く症状が出ないものもあります。しかし一過性脳虚血発作の場合はこのようなさまざまな症状があらわれることで体に異常が起こっていることを伝えてきます。

これらの症状があらわれた場合はすみやかに専門医を受診してください。またこれらの発作が起きた時点では一過性脳虚血発作なのか脳梗塞なのかを見極めることはできません。ですからとにかくおかしいなと思った時点ですぐに病院にいくことです。

くも膜下出血の症状との違い

脳梗塞と並んで怖いのがくも膜下出血です。くも膜下出血の場合は今まで経験したこともないような激しい頭痛が特徴で、脳梗塞と同じように意識がなくなりますが、一般的に手や足の麻痺は起こりません。

医師にどの病院に行くべきか確認しておこう!脳梗塞になりやすい人の特徴

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脳梗塞はさまざまな要因が重なって発症します。とくに気をつけたいのは以下の人です。

  • 高血圧の人
  • 糖尿病の人
  • 肥満の人
  • タバコを吸う人
  • 脳血管疾患の経験がある家族がいる人

これらの要因を持っている人は動脈硬化になるリスクが高くなり、それは脳ならば脳梗塞などに、心臓ならば、心筋梗塞などの命にかかわる病気の予備軍だともいえます。

もしもの時のために、かかりつけの医師にいざという時にどこの病院にいったらよいのか? ということをきちんと聞いておきましょう。

脳梗塞は予防できます!日々の生活習慣を見直していきましょう

脳梗塞などの原因となる動脈硬化は日頃の心がけと、そして生活の悪い習慣を見直すことで改善、予防することが可能です。

自分の血圧を把握しておく

血圧は病院で測ってもらえますが、今では自宅用の高性能な血圧測定器でいつでも図ることができます。脳梗塞や心筋梗塞などの血流トラブルは早朝から正午にかけて発症しやすいのが特徴です。

ですから、病院で図る昼間の血圧の数値よりも朝の数値を把握しておくことが重要です。異変に気づくためには、毎朝きちんと測定をして日頃の数値を記録しておくことです。いつもより朝の血圧が高い時はかかりつけの医師に相談してみてください。

塩分を控える

塩分を控えめにして血圧の変化をみていきましょう。ポイントとしてはまず外食をできるだけしないことです。もしもどうしても外で食べなければいけない時はラーメンなどの汁物や丼物はやめて、定食などバランスが良いメニューを選びましょう。

適度な運動をする

いくら食事制限をしても筋肉が衰えていては予防の効果がありません。生活の中に適度な運動を取り入れて筋肉が衰えないように維持しましょう。また適度な運動はストレスの最適な発散法です。

突然の事態に対処するために!余分な知識はありません

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健康なうちは誰でも病気になった時のことなど考えたくはありません。だから、病気になってから初めてその病気のことを真剣に詳しく調べる人がほとんどだと思います。

しかし今回、ご紹介してきた脳梗塞などの血流トラブルはたった数分の時間が命にかかわります。ですから、あらかじめ知識だけでも頭に入れておくことは非常に重要です。医療において余分な知識はありません。

「このようなことが起こりうるかもしれない」ということを考え、いざという時のために、慌てず正しい対応ができるようにしておきましょう。

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