健康生活TOP がん 癌予防に効果のノニに肝障害リスクが!有効成分はリンゴで摂ろう

癌予防に効果のノニに肝障害リスクが!有効成分はリンゴで摂ろう

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ノニと言う果物があります。さまざまな効用を持つ健康食品として20世紀の終り頃から広告宣伝をよく見るようになりました。しかしながら国立健康栄養研究所によると「有効性に関する信頼できるデータは見当たらない」そうです。

一方で、ノニはウルソール酸と言う物質を含んでいます。このウルソール酸にはがんをやっつける効果がある事が判っています。そのほか筋肉やお肌にもかなり良い効果があるようですので、ウルソール酸を上手く取り入れたいものですね。

病気や美容に効果があるとされるノニの落とし穴

和名はヤエヤマアオキと言うもので、原産地・インドネシアの方言の一つにノニーと言う名もありますが、ノニはハワイ語での呼び方です。インドネシアでは一年中実が採れるそうですよ。また葉っぱも食べられるようです。

私たちが良く見聞きするのは、主に果実から絞ったジュースや、ジュースを他の果汁と合わせたものが多いようです。でも、お値段が高いんですよね。びっくりすると言っていいレベルかも知れません。

有効成分の種類自体は大変好ましいものが多いノニ

国立健康栄養研究所が集めたデータによると、俗にノニが持っていると言われている効果効能には以下のようなものがあります。

  • 糖尿病によい
  • 血圧を下げる
  • 免疫力が上がる
  • 心臓病によい
  • がんの予防によい
  • 美容や健康によい

しかし、最初にお話しした通り、残念なことに有効性に関する信頼できるデータは見当たらなかったそうです。

一方、同じく国立健康栄養研究所によると、ノニに含まれる主な成分には以下のようなものがあります。

  • 中鎖脂肪酸
  • カリウム
  • ビタミンC
  • アントラキノン類
  • β-シトステロール
  • カロテン
  • ビタミンA
  • リノール酸
  • カプロン酸
  • ウルソリン酸
  • ルチン
中鎖脂肪酸は代謝が早くエネルギーになりやすいため、体脂肪になりにくいことで、トクホを取っている食用油の有効成分ですね。ただ、積極的な健康効果は不明です。

カリウムは必須ミネラルですし、ビタミンCやAは言うまでもないでしょう。カロテンはプロビタミンAとして、あるいは抗酸化物質としての役目を期待されてリストされているのでしょう。

β-シトステロールは植物ステロールの代表で、コレステロールの吸収阻害剤として働きます。リノール酸はω6不飽和脂肪酸ですが、植物なら普通に持っている成分です。

カプロン酸は主に乳脂肪に含まれることの多い短鎖飽和脂肪酸です。大変臭い脂肪酸ですが、健康に対する意味合いはよく判っていません。植物では他にヤシ油に含まれています。

アントラキノン類はアロエやセンナに含まれる下剤成分ですから、便秘を解消して美容に役立つかもしれません。ルチンはフラボノイド配糖体です。動物実験では健康効果が認められていますが、人間への効果は不明です。

ウルソリン酸(ursolic acid:一般にはウルソール酸と呼ばれることの方が多いようです)には抗腫瘍作用があることが知られています。これの効果に一番注目したいところです。

有効成分の含有量がしっかり示された製品は少ない

なのに、なぜ有効性に関する信頼できるデータが見つからなかったのでしょう。これは推測になりますが、問題は成分の含有量にあるのじゃないかと思われます。

例えば「最近、ビタミンC不足だから牛カルビ食べよう」と私が言ったら、多分皆さん笑いますよね。でも、牛カルビにはビタミンCが含まれているんですよ。ただ、その量がアセロラの1700分の1だと言うだけです。

これと同じで、健康に良い成分は確かに存在しているけれど、その含有量が判らなければ良いも悪いも判断できないと言うことなんです。

また、他の食べ物との比較を行っている例でも、誤った方向への誘導が見られるのが健康食品の常です。良く見かける例として「レタス2個分の食物繊維が入っている」と言った表現ですね。

レタス1個を400gとして、食物繊維の量は2個で8.8gです。しかし、この食物繊維の量はミニ缶のグリーンピース1缶程度の量なんですね。「グリーンピースミニ缶1個分の食物繊維」と言われても値打ちないですよね。

比較する時の対象物として、食物繊維の少ないレタスを基準にしているところにトリックがあるわけです。もともと食物繊維が少ない結球野菜でも、白菜でレタスの1.2倍、キャベツなら1.6倍以上の食物繊維が含まれています。

ノニは肝臓に対する毒性がある!他にもある摂取に注意が必要な例

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国内・海外合わせていくつかの健康被害例が報告されているようです。その多くが肝臓に対する毒性を示しているものです。

また、他のハーブとの併用で、より肝障害のリスクが高まると警告が出ています。

この健康生活の以前の記事にも、ノニの肝臓や腎臓に対する危険性を指摘する記事がありますが、少し詳しく見てみましょう。

健康のため飲み過ぎに注意しましょう

60代の女性がノニを4か月間で2リットルくらい(1日平均17mLくらい)飲んだところ、急性肝炎を起こし、ノニの中止で回復したと言う例があります。

また40代の男性が毎日グラス1杯のノニを数週間飲んだところ、肝毒性が現れたと言うデータもあります。

ノニ単体でも、あまり量を過ごすと好ましくないようですね。また、量は適切であっても、長期連用するのは危険かもしれません。いずれにせよ身体に不調が出たら一旦、ノニをやめることは重要でしょう。

飲み合わせには更なる注意が必要

20代の男性がノニジュース1.5Lを3週間で飲んだところ肝臓にトラブルが発生しました。最後の9日間は甘草や柴胡と言った漢方薬との併用をしたそうです。

結果、肝臓移植を受けなければいけないほどの肝臓障害を負ってしまったと言うことです。

また、10代半ばの男の子がアサイーやアロエなど、様々な抗酸化フルーツと一緒にノニをジュースにしたものを飲んで急性肝炎を発症しています。

その他にも危険があることを知っておこう

血液をサラサラにすると言う一般的表現で処方されることの多い、抗凝固剤ワルファリンカリウム(商品名:ワーファリンなど)の働きを邪魔しますので、この薬を使っている人はノニを摂取してはいけません。

高血圧の治療薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(AII拮抗薬):いずれも商品名は数多いので省略します:との相互作用で高カリウム血症になる可能性があります。

こうしたお薬を処方されている方は、ノニを飲む前に、必ずお医者様に相談して下さい。高カリウム血症は突然死の原因にもなる病気です。

妊娠中は絶対に避けた方が良い果物

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原産地では月経促進薬として用いられてきたと言う情報があるので、妊娠中は避けるべき果物です。妊娠中の月経促進薬と言うのは、いわば流産促進薬みたいなものですからね。

また、授乳中の安全性は確認されていませんから、授乳中に飲食するのは避けましょう。月経促進成分や肝毒性のある成分の、母乳への移行などがあったら怖いですもんね。

果物としては安全な食べ物です

いくつもの危険性を指摘している国立健康栄養研究所ですが、それでも「果実を食品として摂取する条件では安全性が示唆されている」としています。

ですので、お薬を使っていたり、妊娠授乳中だったり、肝臓にトラブルを抱えていたりしない人がノニと言う果物を摂る分には、特に危険はなさそうです。

抗腫瘍成分ウルソール酸に対する期待

日本の国立健康栄養研究所はノニに対して比較的否定的な見解でしたが、米国国立補完統合衛生センターは、基本的に同じような内容ながら、今後の研究に期待を寄せる方向性のようです。

それを見ると、これまでに得られたデータでは不十分ながら、今後の研究を重ねる値打ちは充分にあると判断しているようですね。

米国国立補完統合衛生センターのノニに対する見解

・基礎研究では、ノニの抗酸化能、免疫刺激能および抗腫瘍能が示されています。これらの結果は、がんや心血管疾患などに対するノニの研究をさらにすすめること支持する可能性を示唆しています。

 しかし、これまでノニは何らかの健康状態に対する効果に関してヒトを対象に詳しく研究されたことがありません。

・NCCIHが助成した研究には、安全性および腫瘍や症状に対する潜在的効果を確認することを目的としたノニのがんに関する研究や、前立腺がん細胞に対するノニの作用についての基礎研究があります。

 国立がん研究所(NCI)は、乳癌の予防や治療へのノニの予備研究に助成しています。

このように、現段階での研究不足を認めつつも、成分単位での基礎研究から、今後さらに研究を重ねる必要性を強調しています。

ウルソール酸の抗腫瘍作用

ウルソール酸は試験管内実験において、4種類の肝臓がんの細胞をアポトーシス(細胞死)に導く力があることが、台湾の大葉大学の研究グループによって確認されています。

そのことから、ウルソール酸を出発原料とする抗がん剤の研究も進められているようですね。ノニにもこのウルソール酸が含まれています。

しかし、ウルソール酸が最も多く含まれているのは私たちにとってずっと身近な果物、リンゴなのです。

1日1個のリンゴが医者を遠ざけるのは本当だった

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ウルソール酸にはいくつかの健康効果が知られています。今回は抗腫瘍作用のお話を中心に進めていますが、高齢者の筋肉の衰えや紫外線で崩壊したコラーゲン繊維の束を改善する効果もあるようです。

抗がん作用もさることながら、崩壊したコラーゲン繊維の束、つまり「顔のシワ」を改善できるかもしれないと言うのは一番気になるところかもしれませんね。

ウルソール酸はリンゴの皮の部分に大量に含まれている

リンゴの表面ってつやつやピカピカですよね。あれはリンゴが持っている天然のワックス成分です。主にパラフィン類やアルコール・脂肪酸でできていますが、そこにウルソール酸が高濃度で含まれているのです。

ですので、ウルソール酸の効果を期待するなら、毎日1個のリンゴを皮ごと食べる、これで良いでしょう。

英語のことわざに “An apple a day keeps the doctor away.” (1日1個のリンゴは医者を遠ざける)と言うのがありますが、どうやら本当のようですね。ただし皮ごと食べるのが条件です。

じゃぁ、皮だけ食べたらどうなのかと言う考え方が出てくるのは、私がひねくれているからでしょうか。

実はリンゴにはリンゴポリフェノールやペクチン、ケルセチンなどさまざまな健康成分が含まれています。ですので、リンゴは丸ごと全部食べるのがベストですよ。第一その方が美味しいですし。

ノニは栄養の宝庫だが代替できないと言うほどでもない

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ノニにはこのウルソール酸だけではなく、最近ではイリドイド類に属する化学物質の効果が期待されています。脱アセチルアスペルロシド酸と言う変わった名前ですが、これが注目成分なのです。

一般的には悪玉コレステロールが酸化されるのを防いで、動脈硬化を予防してくれるであろうことが期待されていますが、最近ではもう一つの効果も注目されています。

ノニによるもう一つの効果はオリーブオイルでも得られる

脱アセチルアスペルロシド酸のもう一つの効果は免疫力アップです。米国のノニジュースの大手販売会社が、日本の近畿大学との共同研究をした論文によると、動物実験で免疫応答の改善が見られたとあります。

ですので、抗腫瘍作用に免疫力強化、大変興味深い効果が期待できるフルーツですね。

ところで、この脱アセチルアスペルロシド酸が属するイリドイド類ですが、意外に色々なものがあるんですよ。変わったところでは猫を踊らせる「マタタビラクトン」もイリドイド類に属します。

そして、オリーブオイルの健康成分としても知られるオレウロペインもイリドイド類です。

しかも免疫力強化や抗酸化作用、抗炎症作用、肝臓保護作用があることも良く知られていますね。

ですので、例えば皮ごと切ったリンゴにお好みのチーズやレーズンなどを合わせて、美味しいエクストラバージンで食べるなんてのはいかがですか?

別に、リンゴとオリーブオイルを無理に合わせなくても、毎日両方を摂る食生活を組み立てるだけで、ノニジュースに勝るとも劣らない健康的な食卓が手に入るでしょう。

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