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有機栽培のほうれん草に発癌性のある硝酸塩が!安全な食のために

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有機栽培のサラダほうれん草、柔らかくてみずみずしくて美味しいですよね。一方、ほうれん草と言えばシュウ酸の問題で本来生食は避けた方が良いと言う事も言われてきました。

そして、今回お話しするのは野菜全体に関係のある硝酸塩の話題です。これは身体の中で変化して発がん性を持ったり、酸素欠乏症をもたらしたりするおそれのある物質です。

健康な食生活に欠かせない野菜を安全に安心して食べるには、どうすれば良いのでしょうか?

硝酸塩は硝酸態窒素とも呼ばれる悪いヤツ

お花を育てておられる方などにはおなじみでしょう、肥料の3成分、窒素・リン酸・カリ。その中でいわゆる窒素肥料は、植物の葉を大きく柔らかく育てる効果があり、畑野菜にも良く施肥されます。

窒素は生物の身体を構成する主要3要素の炭水化物・脂質・たんぱく質(アミノ酸)のうち、たんぱく質にしか含まれない元素です。

乳幼児には危険!

通常、窒素成分が植物に取り込まれた場合、有機態窒素、つまりアミノ酸やたんぱく質として植物の身体の中に固定され利用されます。

しかしながら、窒素成分が多すぎた場合、無機態窒素である硝酸塩・硝酸イオン(硝酸態窒素)の形でたくさん残留してしまう事が多いのです。

この硝酸態窒素は、動物に食べられると腸内細菌の働きで亜硝酸態窒素に還元されます。そしてこの亜硝酸態窒素が人間を含む動物の身体に悪さをするのです。

まず、亜硝酸イオンはその酸化力で、血液中のヘモグロビンに含まれる2価鉄を酸化させて3価鉄に変えてしまいます。するとヘモグロビンはメトヘモグロビンと言う、酸素運搬能力のない物質に変化してしまうのです。

ヘモグロビンが酸素の運搬能力を失ったら大変!チアノーゼに代表される酸素欠乏症状がおこります。

大人ではめったに問題は出ないのですが、腸内細菌の量が多い離乳期の乳幼児ではヨーロッパにおいて死亡例もあるそうです。このためEUでは野菜に含まれる硝酸態窒素の量に規制値を設けています。

発がん性も疑われる

よくハムやソーセージの発色剤に発がん性が疑われると言う話題が出ますよね。あの発色剤、亜硝酸ナトリウムですが、日本において非加熱ソーセージには添加が義務付けられているんですよ。

地上最強の毒素を出す食中毒菌であるボツリヌス菌の増殖を抑え、病原性大腸菌O157がベロ毒素を出すのを防いでくれる働きがあるからなんです。

でも、一方で亜硝酸イオンは、最近健康食品で人気のBCAA(分岐鎖アミノ酸)などに含まれる脂肪族アミンと反応して、ニトロソアミンと言う物質に変化します。

ニトロソアミンのグループには発がん性のあるものも含まれていますので注意が必要なんですよ。

そして、先にお話しした通り、野菜の中に残留した硝酸態窒素も腸内細菌によって亜硝酸態窒素に還元され亜硝酸イオンをもたらしますので、ソーセージなどの発色剤と全く同じ危険性を持っていると言うわけです。

有機肥料・化学肥料、どちらを使っても硝酸になる

野菜を育てる時に使われる窒素肥料は、アンモニア態窒素肥料と硝酸態窒素肥料がほとんどですが、それぞれに利点欠点があります。それは人間に与える影響ではなく、植物の育ち方への影響の差です。

と言うのも、植物によってアンモニアを好むものと硝酸を好むものがあるからなのです。

有機質肥料は吸収が悪い

植物にとって最も吸収しやすいのは無機態窒素のアンモニア態窒素と硝酸態窒素の二つです。有機質肥料を与えても、そのままでは吸収が悪く、土壌の微生物によって無機態窒素に分解されてから利用されます。

さらに、二つの無機態窒素のうちどちらがより吸収されるかと言うのは、作物がどちらを好むかによって変わります。

アンモニア態窒素を好むものは稲やサトイモなど、硝酸態窒素を好むのは普通の畑作物全般です。窒素肥料が効いていないと、生き物としての作物は頑強になりますが、小さくて黄色く、商品価値がなくなります。

ですから、きれいな緑色でみずみずしく育った野菜には、硝酸態窒素が残留している可能性が高いと言って差し支えないでしょう。

このことは、有機農法であろうと化学肥料を使う農業であろうと同じなのです。吸収されるときにはどちらも土の中で硝酸態窒素になっているわけですから。

むしろ、化学肥料だと施肥の量をあらかじめ計算したり、土壌の電気伝導度の測定で肥料のやり過ぎを防いだりと言う作業が工業的ですので、硝酸態窒素の残留を減らすことができます。

硝酸態窒素が作物中に残ると言う事は、肥料に無駄なお金をかけていると言う事にほかなりませんからね。

一方、有機農法の場合、肥料の効き方の測定が大変難しく、どうしても多め多めに施肥せざるを得なくなります。そうなると土壌の微生物が作り出す硝酸態窒素も多くなってしまうということなんです。

輸入冷凍野菜は硝酸態窒素が少ない!

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輸入品と言うと、いろいろ安全性の懸念材料の多い食品ではありますが、ある大学の実験ではちょっと意外な結果が出ていました。

それは国産の有機栽培ほうれん草や、慣行栽培のほうれん草を1分間茹でたものより硝酸態窒素の含有量が低かったというのもです。

茹でることの効果

生の状態でのほうれん草は、硝酸態窒素の含有量が多くなることが心配される野菜の一つです。特に有機栽培野菜に硝酸イオンが多く認められたようですね。

そして実験結果を見ると、硝酸イオンの含有量が多いものほど、ゆでて水晒しを行う事で硝酸含有量は減ってくれるようです。

一方、もともと硝酸含有量の少なかった化学肥料栽培のものは茹でてもあまり減らず、充分茹でて水晒ししたものは、有機栽培のものも慣行栽培のものも、差がなくなったと言う事でした。

ですから、やはりほうれん草は調理前に下茹でを行うのが基本だと言う事になりそうです。さらに、実際にほうれん草を茹でた場合、必ず色止めの冷水晒しを行いますから、水晒しゼロはありえないので安心ですよね。

なぜ外国製は硝酸が少ないのか

これは想像の域を出ませんが、大量生産を行っている外国製の場合、肥料を節約しているので、元々の含有量が少ないのかもしれませんね。あるいは農場管理が悪いので連作してしまって窒素が不足したのかもしれません。

怪我の功名かもしれませんが、単に硝酸態窒素の問題だけを見ると、外国製で下茹でを行って冷凍したものが一番安全と言う事になる可能性は否定できません。

「硝酸」と「シュウ酸」の問題

もともとシュウ酸を含んでいる野菜と言うのは少ないのですが、ほうれん草は突出して多く含む野菜です。

シュウ酸はカルシウムと結合して結石を作ったり、カルシウムの吸収を阻害したりしますから、ほうれん草は必ず下茹でをしてから調理するのが基本でした。

今、硝酸イオンの話題をしている時にシュウ酸と言う物質が出てきました。どちらもほうれん草に含まれていて、名前が似てるだけにややこしいですが、この二つは全く異なるものです。

シュウ酸は漢字で書くと蓚酸、カルボン酸と言う物質グループに属する弱酸です。カルボン酸には酢酸や脂肪酸も含まれますが、それらとはちょっと構造が異なります。

一方、硝酸は劇物の強酸です。三倍量の塩酸と混ぜると、金さえも溶かす液体が出来上がるくらいですから、私たちが触れることがあるのは、金属と反応した硝酸塩の形のものですね。

サラダほうれん草の位置付け

最近ではシュウ酸含有量が少なく、生でも食べられるほうれん草としてサラダほうれん草が人気です。実際、分析データを公開しているところのものだと、普通のほうれん草の半分程度以下と、かなり少ないようですね。

ただ、ほうれん草に含まれるシュウ酸と硝酸態窒素の関係には、ちょっと変わった関係があるので注目すべきかもしれません。

実験によると、種をまいてから20日目くらいの間には負の相関(硝酸態窒素が多いとシュウ酸が少なくなる)があり、48日目以降では正の相関(硝酸態窒素が多いとシュウ酸も多くなる)が見られたそうです。

その中間の34日目くらいでは関係に乱れが出たそうなので、この辺りで反転しているのでしょうね。

一方、ほうれん草の収穫時期は30日以降ですから、ちょっと微妙です。早めに収穫しようと思うと硝酸態窒素が多くなるように窒素肥料を与えるとシュウ酸が減ってくれます。

逆にぎりぎりまで大きく育てようとすると、硝酸態窒素が少なくなるようにした方がシュウ酸も減ると言う事ですね。

サラダほうれん草は、品種改良によってシュウ酸を蓄積しにくくしたものですが、肥料とのかかわりを見ると、どうでしょう、あまり大量には生食しない方が良いのかもしれないと思います。

抗酸化物質の効果

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ほうれん草に限らず、野菜全般に硝酸態窒素が含まれているのが現在の状況であると言えます。しかし、野菜が健康的な食品であることは今も昔も変わっていません。

それは野菜に含まれるビタミンCやカロテン、ポリフェノールなど抗酸化力を持った物質が、亜硝酸イオンと脂肪族アミンの反応を邪魔して、発がん性のあるニトロソアミンの生成を防いでいるからだと考えられています。

抗酸化力の弱い野菜

例えばセロリとほうれん草を比べた場合、ほうれん草はセロリの5倍くらいのビタミンC、100倍くらいのβカロテンを含んでいます。

ですので、抗酸化作用によって発がん性が抑えられていると言う可能性が期待されているようですね。一方、ほうれん草や青梗菜は硝酸態窒素が増えるとビタミンCや糖分が減ると言う傾向もあるそうです。

ですから、やはりほうれん草は下茹でした方が良いですし、青梗菜も食感が少し損なわれますが、油を入れずに下茹でするのがよさそうですね。

強力な抗酸化作用を持つβカロテンは脂溶性ですので、水だけで茹でても流失しませんから。

生食派の言い訳

最近ではかつての常識が否定され、ほうれん草を生で食べる人は少なくありません。ベーコンを焼いて、その油ごと生のほうれん草に掛けると確かに美味しいです。

まぁ、その程度の量を月に一回や二回、生で食べたからと言って、すぐにシュウ酸の害が出るなんてことはあり得ないでしょうから気にしなくても良いとは思います。

ただ、習慣的に食べるのはやはり良くないんじゃないかと思います。特に生食派の人ほどシュウ酸の害を気にされているようで、「シュウ酸が気になる人はチョコレートを食べるな」とかおっしゃっていたりします。

確かにカカオ豆にはシュウ酸が含まれてますが、チョコレートとして製品化される際に牛乳のカルシウムと反応して消化吸収されなくなってますから、それはお門違いと言うものでしょう。ブラックチョコは危ないかもしれませんけどね。

そして、最も重要な事、最近の葉っぱが軟らかくてシュウ酸の少ないほうれん草は、品種改良だけではなく、窒素肥料の投与量と収穫時期をコントロールしてシュウ酸を減らしていることもあると農家の人から伺いました。

でも、そのことは先にお話ししたように、シュウ酸と硝酸態窒素の含有量が逆相関する時期の収穫になりますから、硝酸態窒素の量が怖くなってきますよね。

ですので、いずれにせよほうれん草は茹でて色止めをしてから調理するのがベストです。生の野菜の美味しさを求めるには別のお野菜を利用されることをお勧めします。

また、茹でたほうれん草でもスムージーを作るのに使えない訳じゃありません。むしろ口当たりが良くなりますよ。

少しの工夫で「食べてもいいの?」という不安にオサラバできます。びくびくしないで、たくさん野菜を食べたいものですね。

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