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全身のさまざまな器官で起こるがんの原因と特徴

あなたにとっても一番怖い病気は何ですか?ときかれると、もちろん人それぞれいろいろな病名が挙がるとは思いますが、やっぱり「がん」と答える人が多そうだという想像は容易につきますよね。

「がんは治る病気です!」と言われるようになってきてはいますが、実際のところ有名人や芸能人ががんでお亡くなりになったという話も依然として多いですから、どうしても恐怖感とともに語らなければならない病気ではあるでしょう。

がんは生活習慣病の代表的な疾患であるといわれることが多いですが、遺伝子レベルの異変により、ひとたびがん細胞が生まれるとそれがとどまることを知らず増殖していくのががんという病気の特徴です。

がんは進行(がん細胞が増殖)して転移(リンパや血中にがん細胞が乗って運ばれる)し、そこでまた進行するため、「悪性疾患」の代表ともみなされます。

今回は現代人の脅威であるがんにスポットを当ててお話しします。

がんは部位によってタイプが異なる

病名は何かと質問して「がん」と答えるといったシーンを、テレビドラマなどでときおり目にすることもありますが、厳密な意味で、がんは病名ではありません。たとえば「骨折」も同じで、部位によって病名が変わると考えるべきです。

病名が変わるだけなら区別せずに「がん」でいいではないかと思うかもしれませんが、実は、がんは発病する部位や臓器によってその特徴が変わることが多いのです。

がんというと、発見が遅れるとあっという間に進行して転移して・・・という話をよく耳にしますが、たとえば前立腺がんや甲状腺がんなどのように、どちらかといえば進行が遅い、あるいは進行しないがんもあります。

逆に、部位によっては、あるいはその患者さんの体質(遺伝子)によっては、想定されている以上のスピードで進行していくがんもあると言わなければなりません。

そしてまた逆に、本来であれば進行しないはずの前立腺がんや甲状腺がんなどが速い進行を見せることもあるのです。そういったがんの特徴をつぶさに知るためにも、今回はがんの種類分けをしてみたいと思います。

主要な、というとおかしな話かもしれませんが、やはりがんができやすい部位というのは確かにあって、そういったがん、つまりは私たちにとって脅威がより大きく感じられるがんの概要や特徴についてお話ししていきます。

意外と種類が多く進行が速い「肝臓がん」

「肝臓がん」という名称は俗称であって、正しくは「肝(かん)がん」と呼びます。肝がんは、肝臓にがん細胞が生まれる「原発性肝がん」と、他(多)臓器からの転移によって起こる「転移性肝がん」に大別されます。

「肝がん」というと、多くは原発性肝がんを指しますが、比較的近い部位の胆のう・胆管、膵臓、十二指腸などから転移する、あるいは肝臓からこれらの部位に転移するケースは極めて多いです。

肝臓の細胞にがんができるという意味で、「肝細胞(かんさいぼう)がん」と呼ばれる種類の肝がんがありますが、日本では特に、肝がんのうちの9割以上が肝細胞がんであることから、これらを同義ととらえるケースが多いです。

原発性肝がんには、以下のがんがあります。

  • 肝細胞がん・・・肝臓の細胞ががん化したもの
  • 胆管細胞がん(肝内胆管がん)・・・胆汁を十二指腸に流す管(胆管)の細胞ががん化したもの
  • 肝細胞芽腫(かんさいぼうがしゅ)・・・主に小児の肝がん
  • その他の肝がん・・・ごくまれに見られる種類の肝がん

肝臓がんというと、やはり「アルコール」や「肝炎ウイルス」との関係が非常に密接です。

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やっぱりたばこが原因?受動喫煙の脅威も見過ごせない「肺がん」

肺がんは、気管、気管支、肺胞のいずれかの細胞の一部が何らかの原因によってがん化したものの総称です。「何らかの原因」というのは、あくまでも医学の分野の便宜的表現にすぎません。

肺がんは喫煙習慣によって発病することが圧倒的に多いです。その意味では、がん全体を「生活習慣病の一種」と定義づけてしまうのは少々乱暴ですが、肺がんに関してはこの言い回しが一番当てはまってしまいます。

もちろん喫煙以外にも「塵肺(じんぱい=ほこりや有害物質の吸引が主な原因)」など,
肺がんのリスクを高める例がないわけではありません。肺がんにもいくつか種類がありますので、以下にまとめます。

▼肺がんの分類

肺がんの大別 組織分類 発がんの可能性が高い部位 各がんの特徴
非小細胞肺がん 腺がん 肺野部(※) 女性の肺がんに多い種類で症状が出にくい
非小細胞肺がん 扁平上皮がん 肺門部(※) 喫煙者に圧倒的に多い
非小細胞肺がん 大細胞がん 肺野部 進行(がん細胞の増殖)が速い
小細胞肺がん 小細胞肺がん 肺門部 喫煙者に圧倒的に多く転移リスクが高い

※肺野(はいや)部・・・気管支の末梢から肺胞のある肺の奥の部分
※肺門(はいもん)部・・・肺の入り口の太い気管支の部分

肺がんは現在日本で一番多いがんです。確かにがんにかかるか否かは運命によってきめられているようなところがあるものの、(特に原発性)肺がんだけは「限られた人だけのがん」というイメージもあります。

繰り返しになりますが、肺がんにならないためにはたばこを吸わない、受動喫煙を避ける、そして現在スモーカーの方は一刻も早く禁煙すること、それ以外にあり得ません。

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ピロリ菌、塩分、喫煙、ストレスも!リスク因子が多い「胃がん」

胃がんは、胃の内壁をコーティングしている胃粘膜の一部でがん化した悪性細胞を指します。胃がんは世界規模で見ても発病率が高いがんということもあって、日本でも胃がん検診は盛んにおこなわれます。

しかし実は、胃がん検診で発見されるまでに胃がんが大きく進行するには、何年もの歳月を費やすと考えられています。ところが、胃壁の中に浸潤した胃がんが胃壁を飛び出すと、そこからは進行が速いです。

胃に隣接する臓器(主に大腸やすい臓)への転移も比較的多いです。胃がんのほとんどは腺がんです。肺がんのところにも出てきましたが、腺がんとは、上皮組織(胃がんの場合は粘膜上皮)から発生するがんの総称です。

胃がんのリスクについてもいろいろ研究されていますが、はっきりとした原因は明確になっていないものの、リスク因子が非常に多様です。

最もリスクが大きいと考えられるのが、ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)のキャリアーです。特に、ピロリ菌が長期的に常駐しているキャリアーは、胃がんのリスクが飛躍的に上昇すると考えられています。

ピロリ菌キャリアーの傾向として、中高年は上昇傾向、若年層には減少傾向が表れています。胃がん検診で異常がなくても、不安な人はピロリ菌の有無を検査するという考え方も、胃がんの予防法としては有効でしょう。

また、塩分の過剰摂取が常習化した食習慣や喫煙習慣、過度の飲酒習慣、さらには過度のストレスの蓄積も胃がんのリスクを高めるというデータがありますので、胃がんもやはり「生活習慣病」という印象が強いです。

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重篤な症状が多いとの話も…「すい臓がん」

がんというと、つらい痛みを伴う疾患であるという話がときおり聞かれますが、一説では、痛み、苦しみという意味では、すい臓がんは非常に重篤な症状を呈することが多いとすることもあるようです。

その割には、というのも語弊があるかもしれませんが、私たちにとってすい臓は意外となじみの薄い臓器だったりもします。糖尿病もすい臓がかかわる疾患ではありますが、イメージしづらい臓器であることも事実でしょう。

すい臓は、消化液の一種である膵液(すいえき)や、血糖値の上昇を抑制するインスリンを分泌するという重要な役割を担う臓器です。膵液は、膵管(すいかん)という管を通って総胆管、十二指腸乳頭に流れ込みます。

一般的には「すい臓がん」と呼ばれますが、多くは(9割以上)膵管の細胞ががん化して起こります。初期症状に乏しく、腹部の違和感の継続から病院で検査したところ、すい臓がんが判明したといったケースが多いです。

すい臓がんが少し進行すると、肝疾患や胆のう・胆管の異常で見られやすい「黄疸(おうだん)」の症状が現れることがあります。

いずれにしても、進行する前に早期治療が非常に重要な悪性疾患であることは間違いありません。

糖尿病とがんの関係は密接だという話は比較的多いですが、すい臓がんのリスクとしてその糖尿病が挙げられます。ということは、糖尿病と関係する肥満、慢性膵炎などがリスクとして考えらえれます。

糖尿病とは直接関係があるわけではありませんが、臓器のがんは喫煙との関係が密接で、すい臓がんの喫煙によるリスクも高くなると考えられています。

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細長い臓器だからこそがんができやすい?「食道がん」

大腸にも言えることですが、細長い臓器というのは細胞ががん化しやすいイメージがあります。実際食道がんは、大腸がんともども近年増加傾向にある怖い悪性疾患です。

食道は、個人差をまるめると「25cm」などと説明されることが多い、細長い臓器です。口の奥のほうから胃の入り口あたりまでが食道と呼ばれる管です。

細長いだけに、大きく3つのパーツ



食道[頚部食道→胸部食道→腹部食道]

に分けて呼ばれるのが食道の特徴です。[ ]で囲まれた連続する3つのパーツを合わせて「食道」と呼びます。

発病リスクが比較的高いイメージがある食道がんだけに、関心が高い人が多いと思います。食道がんについて詳しく説明したページがありますので、ぜひご参考いただきたいと思います。

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進行が遅いがん…しかし油断禁物な「前立腺がん」

女性に特有な病気は種類も多く、中には深刻で重篤な病気もありますが、男性に特有の病気もあります。中でも最も代表的なのが、「前立腺がん」でしょう。

前立腺がんは、男性であればだれでも発病するリスクがあるがんです。反面、進行が遅い、あるいは進行しないタイプの前立腺がんもあります。

前立腺がんは、進行が遅い、もしくは進行しないこともありますが、隣接する臓器は比較的多く、隣接臓器への転移が多いがんでもあります。リンパや血液に乗って遠隔臓器への転移が見られることもあります。

他臓器への転移が認められると、そこからはもう「進行が遅い、進行しないがん」とは認識できなくなります。ですから前立腺がんも早期発見・早期治療が重要なのです。

ただ、前立腺がんは早期発見が難しいがんであるとも言われますので、早期発見のための工夫や前立腺がん予防など、参考になる記事をご紹介しておきます。

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怖い大腸がんの中で最も多い!「直腸がん」

「直腸がん」も「大腸がん」もどちらもよく耳にする疾患です。ということは、直腸がんも大腸がんも多くの日本人にとって脅威となる悪性疾患であることは間違いありません。

しかし、実は「直腸がんは大腸がんの一種である」という事実を知らない人もいるようです。ということはつまり、大腸がんの中でも直腸がんは非常に多いがんなのではないかと推測されます。

事実、直腸がんは「S状結腸がん」と並んで最も多い大腸がんの1つです。大腸は、盲腸→結腸→直腸→肛門の順でつながる消化管の一部です。今挙げたS状結腸は結腸の一部です。

直腸がんは、便通の異常や便中の出血などがきっかけとなって検査をして、その際に判明することが多いがんです。肛門管を含めた12.5cmほどの長さの直腸が、私たちにとって大きな脅威となる部位なのです。

日本人にとって大きな脅威!「大腸がん」

「食道は長さが長いからそれだけがんになりやすいイメージがある」というお話を上でしましたが、25cm前後の食道に対して、大腸は2mにもおよぶ大消化管です。それだけがんのリスクも高いです。

実際、日本人の大腸がんは近年増加傾向にあり、アメリカでは大腸がんを食い止めるための国策として「野菜を食べよう」といったスローガンが設けられたほどです。

その効果もあってか、アメリカでは大腸がんが減りつつあるようですが、日本でも何らかの対策が急がれます。40代から大腸がん患者数は増加をはじめ、50代で飛躍的に増加し、年齢と比例して患者数が増加します。

大腸がんは初期的な症状に希薄なため、早期発見が難しいということが1つの大きな問題となっています。ある程度進行すると、わりとはっきりとした症状が現れます。

たとえば、

  • 血便
  • 下血
  • 下痢と便秘の繰り返し
  • 便が細い
  • 便が残る感じ
  • おなかが張る
  • 腹痛
  • 貧血
  • 原因不明の体重減少

などが、大腸がんの兆候として考えられる症状です。

大腸がんの多くは、肺がんや胃がんと同じく「腺がん」です。ただし、腺腫(せんしゅ)と呼ばれる良性の大腸ポリープがやがて悪性化するタイプと、原発性というか、大腸粘膜からいきなり悪性細胞が生まれるタイプとがあります。

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普段なじみのない臓器だからこそがんの脅威は大きい「胆管がん」

肝臓がいろいろな働きをする臓器であることはよく知られるところ(だからこそ肝臓への負担が大きくなり、肝疾患も増える)ですが、胆汁(たんじゅう)と呼ばれる消化液を分泌し、消化を助けることもそのひとつです。

その胆汁を肝臓から十二指腸まで運ぶ役割があるのが、胆管という管です。「胆のう」は、胆汁を一時的に貯蔵しておくための臓器になりますね。で、この胆管の細胞に生まれる悪性細胞が、「胆管がん」になります。

「お腹が痛い」と感じることはさほど珍しくないと思いますが、「お腹」といってもさらに「胃が痛い」とか「腸が痛い」とか、具体的に痛みの発生個所を指摘する人もいます。

しかしいくらなんでも「胆管が痛い」と感じる人はまずいないでしょう。健康な人がふだん胆管のことを気にすることは基本的にはありません。胆管はそれだけなじみのない臓器であるといえます。

しかしがんという悪性疾患は、私たちの意識レベルなどおかまいなしに、全身のいたるところに発生するリスクがあります。胆管は比較的そういったリスクが高いとされる臓器でもあります。

胆管がんは、胆管の上皮粘膜の細胞が悪性化するタイプのがんです。つまり「腺がん」のケースが多いです。がんが現れる部位によって「肝門部領域胆管がん」、「遠位胆管がん」、「肝内胆管がん」と病名を変えます。

胆管がんは、上記3種のがんと、「胆のうがん」、そして十二指腸にある「乳頭部がん」をすべて含みます。胆管がんは肝臓に近い臓器ということもあって、アルコールとのかかわりが大きい疾患です。

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毎日必ずつかう部位だからこそ怖い「舌がん」

人は毎日必ず食事をします。食事をするときにつかう部位はどこかというと、口、歯、食道、胃・・・などいろいろな部位が思い浮かぶと思いますが、意外と「舌」と答える人は少ないのではないかという気もします。

食事のありがたみを感じるときは、味覚を感じることができたときであり、味覚を知るために必要な部位は、やっぱり「舌」を置いてほかにはありえません。舌は私たちの日常に最も密接した部位のひとつであるといっても過言ではありません。

たとえば肝臓、胃、肺などの部位がそうですが、使用頻度が高い部位というのは、とかくがんができやすい印象があります。舌にもがんはできやすいと考えなければなりません。

舌にできる「舌(ぜつ)がん」は、口の中のにできるがんの総称である「口腔がん」に含まれるがんです。しかし実は、口腔がん全体の90%前後が舌がんに相当するほど、舌は発病確立が高い部位です。

女性にくらべて男性のほうが2倍前後舌がんのリスクが高いというデータがあります。舌がんが飲酒や喫煙と関係していることも、このデータから推測できるでしょう。

舌がんの発病リスクが高まる年齢は、50代後半以降です。しかし40代はもちろん、20代~30代といった比較的若い世代の舌がんがないわけではありません。

舌がんは、舌の異常から鏡で確認するなどして、早期発見につながりやすいがんであるとは確かにいえます。しかし、早期発見ができても転移が速いという性質があるため、危険で悪性度が高いがんである場合が多いです。

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こちらも毎日つかう部位のがん「喉頭がん」

ものを食べるだけでなく、呼吸をしたり発声したりするときには必ずつかうのが、「のど」です。のどは「咽喉」とかくことがありますが、これは「いんこう」と読むこともあります。

耳鼻科のことを「耳鼻咽喉(いんこう)科」と呼ぶこともありますよね。まあ読み方はともかく、実はのどにできるがんも非常に怖いがんであるというお話を進めます。

のどは、「咽頭(いんとう)」と喉頭から成ります。声を出しすぎたときに痛くなりやすいイメージがあるのが、舌側(下側)ののどである喉頭で、風邪のひきはじめなどに「のどが痛い」というときの痛みが上側ののどである咽頭の痛みです。

耳鼻咽喉科で治療することができる範囲を「頭頚部(とうけいぶ)」と呼びますが、頭頚部にできるがんを「頭頚部がん」と呼びます。喉頭がんもその一部で、喉頭の細胞が悪性化したものを指します。

喉頭がんは、女性にないがんではありませんが、男性のリスクは女性の10倍にものぼります。やはり飲酒や喫煙による影響が大きい可能性が(それがすべてではないですが)考えられます。

年齢的には、50代以降80歳くらいまで増加の一途をたどります。

なお、喉頭がんに関しては詳細に説明した記事がありますので、こちらをご参照ください。

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口の中にがんができる!?非常に怖い「口腔がん」

すでに「舌がん」についてはお話ししており、その中で少し触れましたが、舌がんを含め、口の中にできるがんの総称を「口腔がん」と呼びます。

口腔がんは、日本で年間約6000人が発病し、実にその半数にものぼる約3000人もの患者さんが亡くなっているとするデータがあります。口腔がんには、舌がん以外にも以下のがんがあります。

  • 歯肉がん・・・歯肉(歯茎)の細胞が悪性化するがん
  • 口腔底(こうくうてい)がん・・・下あご側の細胞が悪性化するがん
  • 頬粘膜(きょうねんまく)がん・・・頬の粘膜細胞が悪性化するがん
  • 口蓋(こうがい)がん・・・上あご側の細胞が悪性化するがん
  • 口唇(こうしん)がん・・・くちびる(口唇)の細胞が悪性化するがん

なお、口腔がんに関する詳細な情報は、こちらのページでご参照いただけます。

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紫外線とのかかわりが大きいがん「皮膚がん」

太陽がある限り、そして私たちが家の外に出る限り、私たちの皮膚は必ず紫外線にさらされることになります。確かに、私たち日本人の場合、ちょっとばかり紫外線に当たったからと言ってすぐにどうなるというものでもないのかもしれません。

しかし紫外線が私たちの皮膚にもたらす悪影響は深刻なこともあり、最悪の場合、「皮膚がん」に侵されることもあります。確かに日本人にとっては大げさに感じられるかもしれませんが、北欧圏では非常に深刻です。

日本の場合、特に紫外線ばかりが皮膚がんの原因になるわけではありませんが、紫外線が強い時期に長時間外に出て太陽光線を浴び続けることは、日本人にとっても(いろいろな意味で)危険です。

皮膚には、紫外線や花粉、粉塵などをはじめとした目に見えない微小な粒子から身を守る役割と、衝撃から骨や筋肉などを保護する役割、骨や筋肉を支える役割があります。

他にも、汗や皮脂を分泌・排出したり酸素を細胞に取り入れたりといった重要な役割が多数あります。

役割が多いだけに、細胞の種類も多様です。そして皮膚細胞は層を形成し、重要な役割を担うのです。

皮膚は体表から順に表皮、真皮(しんひ)、皮下組織の3つの層に大きく分かれています。真皮には血管、神経、毛包(毛嚢:もうのう)、脂腺、汗腺、立毛筋などの組織があります。

これらの組織細胞が悪性化した状態が、「皮膚がん」と呼ばれる状態です。

皮膚がんの原因は、紫外線がすべてではないとはいえ、やっぱり紫外線による影響を真っ先に考える必要があります。

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多機能な体液「血液」が侵される「血液のがん」とは?

がんというと、臓器や皮膚、骨などの「組織」にできる悪性物質というイメージがありますが、そういった組織ではなく、体液ががんに侵されることもあります。

中でも最も怖いのが(がんである以上どれも怖いけれどあくまでもイメージとして)、「血液」のがんでしょう。血液のがんというと、たとえば

  • 白血病
  • 多発性骨髄腫
  • 骨髄異形成症候群
  • 悪性リンパ腫

などがよく知られるところです。

体液は、ただ流れたり分泌したりするだけでなく、どれも非常に重要な役割を担っているわけですが、血液の守備範囲は非常に広く、まさに「多機能」というレベルの重責を担う体液です。

ところがこの血液ががんに侵されてしまうと、体中にがん細胞がばらまかれてしまうリスクに直面します。

血液は、骨髄にある幹細胞(かんさいぼう)のうちの造血幹細胞と呼ばれる細胞がつくります。もともと幹細胞は、自身のコピーをつくって増殖させる役割を担う細胞です。

そのため幹細胞がいろいろな原因でダメになってしまうと、再生が不可能になってしまいます。たとえば「再生不良性貧血(悪性貧血)」などはその典型です。

骨髄性白血病にしてもMM(多発性骨髄腫)やMDS(骨髄異形成症候群)にしても、いずれもこの(造血)幹細胞が悪性化して起こる悪性疾患です。

血液のがんは、種類が豊富でそのメカニズムも非常に複雑です。特にMDSは複数の要素が絡み合った「症候群」の病型をとるため、検査をしても特定が遅れることも珍しくありません。

複雑で難解な血液のがんということで、ここではその種類と関連する情報を掲載するにとどめます。

白血病

急性骨髄性白血病
急性リンパ性白血病・リンパ芽球(がきゅう)性リンパ腫
リンパ芽球性リンパ腫
MDS
慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍
成人T細胞白血病・リンパ腫
慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫

多発性骨髄腫  
悪性リンパ腫 ホジキンリンパ腫
非ホジキンリンパ腫

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2人にⅠ人ががんにかかる時代・・・心がまえが大切

今の時代、「国民の2人にⅠ人ががんにかかる」などと言われます。「健康ブーム」と言われる時代背景もあり、生活習慣病を遠ざけるための方法論がいろいろなところでいろいろな形で語られます。

それでも、「がん」だけは難攻不落という感じで、いまだ多くの人ががんに苦しみ、がんに脅かされながら暮らしています。がんは生活習慣病の代表のように言われることもあります。

しかし生活習慣を改善したくらいでは、おそらくがんは撲滅できないでしょう。もちろん発がんリスク軽減やほかの生活習慣病の減少には大きな効果があるとは思いますが。

生活習慣の改善や定期的な健康診断などでがんを予防する意識は当然大切ではあります。しかしがんばかりは、「誰がいつかかっても不思議ではない疾患」であると認識する心がまえが重要なのかもしれませんね。

一番まずいのは、がんにかかったことを知って絶望のどん底に突き落とされ、あきらめてしまうことです。「心がまえ」の中でも最も重要なのが、「絶対にあきらめない気持ち」の部分なのではないかという気もします。

そう頭では理解していても、簡単なことではありませんよね・・・いずれこのあたりのお話しができる機会があるかもしれませんので、そのときにまた触れられればと思います。

今回挙げたがん以外にも、まだまだたくさんがんの種類はあります。「がんに打ち勝つ意識」ではなく、「がんとともに生きる」という発想も、今後は重要になってくるような気がします。

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