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癒着胎盤で子宮摘出…妊婦が知っておくべき出産トラブルの対策

妊婦トラブル

陣痛に苦しむ時間も少なく安産だった人もいれば、丸1日以上陣痛に苦しみ難産のすえやっと生まれたという人もいるのです。

通常分娩の予定だった人が急遽帝王切開に切り替える事もありますし、お産には予想外のアクシデントが多いのものです。

癒着胎盤もそのひとつ。子宮を摘出しなければならなくなる可能性もありますので、出産をお考えの女性、またはそのお相手はこの症状と対処法について知っておくべきでしょう。

癒着胎盤のリスクと子宮摘出の可能性

胎盤はへその緒を通してお母さんから赤ちゃんに栄養を送り届ける重要な役目を担っており、お母さんのお腹の中にいる間は赤ちゃんとお母さんを繋ぐ重要なものですが、出産と同時にその役目を終えます。

通常は赤ちゃんが生まれた後に胎盤が出てきます。しかしごく稀とは言われていますが、胎盤が子宮に癒着してしまう「癒着胎盤」を起こしてしまうことがあるのです。

胎盤が子宮の出口にかかっている、あるいは覆っている状態を「前置胎盤」と言いますが、癒着胎盤を起こす場合はこの前置胎盤も要因になると言われています。

  • 前置胎盤を起こしていると癒着胎盤を起こす確率は0.025%~0.05%
  • 前置胎盤を伴わない癒着胎盤の確立は全体の0.001~0.002%

確率は本当に稀ですが、妊娠中に予測ができず、分娩時に判断するため予防が難しいのです。

前置胎盤図

癒着胎盤は、胎盤が子宮に癒着しているため剥離させない事には排出されませんし、出産後は不要となるのでいつまでも体内には残しておけません。

子宮から剥離する時に大出血を起こしやすいのも癒着胎盤が厄介と言われる理由です。

可能性はとても低いものの誰もがリスクを抱えていると考えていいでしょう。

妊娠中には判明できずに分娩時に気づかれることから、出産トラブルの代表格と言えます。

癒着胎盤になりやすい人の特徴

癒着胎盤は胎盤を作っている絨毛という組織が子宮筋に入り込んでしまう事で起こります。帝王切開や中絶時の傷で、子宮壁の脱落膜形成が不完全だとリスクが高まると言われています。

他にも、

  • 先天的な子宮内膜機能不全
  • 子宮の奇形
  • 出産の経験が多い
  • 粘膜下筋腫
  • 子宮腺筋症

も原因になり得ると考えられています。

分娩時に癒着胎盤を見分けるポイント

分娩後30分以上経過しても胎盤が出てこず、出血が多い場合は癒着胎盤の可能性が高くなります。

胎盤が出てくる時間にも個人差がありますので、30分以上経過してからゆっくり排出される事もあります。ここでの見極めポイントは出血です。

出血があり尚且つ胎盤も排出されない場合は、そのままにしておくと大出血のリスクが高まりますので、最悪の場合子宮全摘出となります。

多産であったり施術の傷が原因である場合は事前に疑うこともできますが、先天性の原因では分娩時まで気づけません。

癒着胎盤は予防ができない!知識と備えが重要

残念ながら妊娠中に癒着胎盤を予測する事ができず、分娩をしないとわからないのです。粘膜下筋腫や多産婦などリスクが高いと言われる人はいますが、先天性の原因もある事から予防ができないのが困ってしまいますね。

前置胎盤の場合は事前にわかります。前置胎盤が癒着胎盤の要因になりうる事から、MRIや超音波での検査が可能ですが、癒着胎盤かどうかの判断は100%ではありません。

癒着胎盤になっらどうしよう!?という知識と心づもりが大切

癒着胎盤は事前に予測できないため、分娩時には何が起きても対応できるようスタンバイしておきます。ここは病院による違いもありますが、出産前に万一癒着胎盤だった場合への対応なども医師と相談しておくと安心です。

もしも癒着胎盤を起こしているとわかった場合、最も怖いのが大量出血です。出産時はある程度の出血を伴いますが、癒着胎盤の場合は大量出血となるため、最悪出血多量で命を落とす事もあります。

まずは癒着している部分の確認が必要ですが、癒着している部分が限られており剥離してもそれほどダメージがない場合には、異常のある部分だけを切除します。

胎盤剥離は医師の手により胎盤を剥離する処置を施しますが、子宮に完全に癒着している場合は、無理に剥離させると命も危険になりますので、子宮摘出という選択を余儀なくされる事もあります。

出産を終え子供が無事に生まれているとはいえ、その直後に子宮を摘出しますと言われたら、ショックを受けない女性はいないでしょう。

確率としては本当にごく稀ですが、出産にはこういったリスクも伴うという事は知っておき、そうなった時にはどうすべきか家族や医師とよく話し合っておく事も大切ですね。

過去にあった癒着胎盤での事件

癒着胎盤による不幸が重なった事で医師が逮捕されるという事件が過去に起きています。あくまでも参考のために紹介しておきます。

2004年の12月にある女性がある地域の病院で、出産のため帝王切開手術を受けました。手術を担当したのはその病院の産婦人科医です。

妊婦さんは前置胎盤と癒着胎盤を併発していました。このようなケースは本当にごく稀なのですが、さらにここに様々な悪条件が重なってしまいます。

事前の検査で前置胎盤である事は確認出来ていた事から、産婦人科医は大学病院での出産の方が安全だと勧めますが、妊婦さんとその家族は大学病院までは遠くて通院にも不便という理由から、予定通りその病院での出産を希望します。

夫婦は郊外に住んでおり、交通アクセスなどの利便性から大学病院ではなく、近くの病院を選んだのです。

この妊婦さんは以前にも妊娠と出産を経験していましたが、前回も前置胎盤だった事や、癒着胎盤のリスクも高くなる事から、医師は子宮摘出を考えるよう勧めたといいます。

しかし夫婦は3人目の子供も望んでいる事から、2人目を出産しても子宮摘出はしない事を希望します。

その後予定通り産婦人科医と外科医立ち会いにより、帝王切開の手術が始まります。技術的には問題なく進んでいたのですが、癒着胎盤のため想定外の大量出血を起こしてしまいます。

その病院には輸血用の血液備蓄にも限りがあり、大量出血に対応できるだけの量がなかったのです。これには理由があって、郊外の病院では都心の病院に比べて患者数も少なく、輸血用の血液もあまり使用されていなかったためです。。

輸血用の血液にも使用期限はありますから、無駄な廃棄を抑えるという理由もあって大量には備蓄していなかったのです。

病院側の技術に関しては問題がなかったのですが、病院の規模や当時産婦人科医が1人しかいなかった事など、郊外にある病院ならではの事情、患者さんを死亡させてしまうという最悪の結末を迎えてしまいます。

赤ちゃんは無事に生まれましたが、母親を失ってしまった事はとても残念です。遺族は病院側の過失があるとして訴訟を起こします。結果その産婦人科医は業務上過失致死と医師法違反の疑いで逮捕されてしまいます。

その後裁判が行われるのですが、結果的に産婦人科医は無罪になります。

こういう言い方をすると少し印象は悪いかもしれませんが、医師のアドバイスを聞かず自分の希望を貫くことだけを考えず、母子両方の命を優先した選択をしていたら、最悪の結果は避けられたかもしれません。

もちろん病院側を擁護するつもりも、患者が悪かったと言うつもりもありません。母と妻を失った遺族は、やりきれない気持ちでしょう。

とてもデリケートな問題ですが、病院を選ぶ時もあらゆる自体を想定して、それに対応できるような病院を選ぶというのも大切だと考えさせられます。

信頼できるお医者さん、病院を選択することの大切さがわかりますね。

”楽だから”という理由は一番危険です。サポートしてくれる人と慎重に考えましょうね。

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