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ダイエットや免疫力アップも?健康効果を高める正しい入浴法

入浴は体を清潔にするための生活習慣です。また入浴は体にさまざまな作用をもたらすことから、健康効果を得るための入浴も注目されるようになってきています。

欧米のようにシャワーだけで済ますことも増えてきましたが、やはり私達日本人には「湯船にゆっくりつからないとお風呂に入った気がしない」と感じる人も多いのではないでしょうか。

このカテゴリでは入浴の健康効果、入浴時の注意点、効果的な入浴法などについて説明いたします。正しい入浴法をおさらいしてどんどんお風呂を楽しみましょう。

入浴は日本人が古くから親しんできた体に良い生活習慣

私達が行なっている入浴には、主に二つの目的があります。ひとつは体の汚れを落とし清潔にすること、もうひとつはお湯につかって体を温めることです。入浴は毎日の習慣として欠かせませんよね。

体を湯水で洗い流すことは沐浴(もくよく)とも言います。現代では、赤ちゃんをベビーバスに入れて体を洗う時に使うことが多い言葉ですが、もともと沐浴とは宗教的な意味で体を洗い清めることを意味していました。

日本で沐浴が始まったのは6世紀頃です。仏教の教えにより「体を清潔にし福を得るもの」として沐浴が広く推奨され始めました。これは宗教的な儀式としてだけでなく健康を守る目的もありました。

温かいお湯を張った浴槽につかる習慣が広まったのは江戸時代。体を洗うためのお風呂と肩までお湯につかるお風呂がひとつになった銭湯が登場しました。

家庭に浴室を設置するようになったのは昭和の高度成長期で、私達は毎日家庭で気軽にお風呂が楽しめるようになりました。しかし時には、銭湯や温泉といった浴場施設にあえて足を運びます。

このように入浴文化はゆっくりと変化していきました。どの時代でも日本人がお風呂好きなのは「沐浴はありがたいもの・体に良いもの」という観念が受け継がれているからかもしれません。

3つの作用で血行促進!入浴の健康効果とは

入浴すると体が清潔になるだけでなく、心身のリラックス効果を得ることができます。入浴時に「気持ちがいい」「リフレッシュした」とい感じるのは、入浴が体に物理的な作用をもたらして血行を促進させているためです。

入浴して血行が促進すると次のような健康効果が得られます。

  • 疲労回復
  • 筋肉のこりや痛みの緩和
  • 神経の痛みの緩和
  • 冷え性の改善
  • 内臓の機能促進
  • リラックス効果
  • 免疫力アップ

これらの入浴効果を生み出す3大作用といわれるのが、次に挙げる「温熱作用」「静水圧作用」「浮力作用」といった物理作用です。

入浴時にはたらく物理作用:温熱作用

温かいお風呂に体をしずめると、全身が温かいお湯に包まれて心地良さを感じ、同時に疲れがすーっと取れていくのが分かりますよね。

この作用は、体が温まることで血行が促進されて体の疲れやコリがほぐれる「温熱作用」といいます。

温かいお湯につかると体温が上昇して体がポカポカと温まります。この時、皮膚の毛細血管が拡張して体の隅々までたくさんの血液が流れるようになります。

血液には、酸素と栄養を細胞に送って老廃物や疲労の原因物質を細胞から回収する「新陳代謝」の役割があり、入浴すると体が温まって新陳代謝が促進されます。

すると筋肉を硬直させる老廃物や疲労の原因物質などが効率良く取り除かれるので、筋肉のこりや疲労感がやわらぎます。

入浴すると体の痛みも楽になります。これは新陳代謝によって神経を圧迫していた筋肉がほぐれ、血行促進によって活性化した副交感神経が筋肉を弛緩させることで生まれる鎮痛作用です。

また、たくさんの酸素と栄養が送られるので細胞がリフレッシュし、自律神経や内臓など各器官の機能も促進させることもできます。特に入浴すると副交感神経が活性化するので、精神的なリラックス効果も得られます。

さらに、体温が上昇すると免疫力もアップし病気を防ぐ効果も得られる…といったように、お風呂で体が温まることはまさに良いことづくめなのです。

入浴時にはたらく物理作用:静水圧作用

湯船につかる時には「静水圧作用」によって体にマッサージ効果が得られます。

静水圧作用とは、静止した水に浸かっている時に体が水に押される力のこと。体に対して垂直にかかるその水圧は、ただお湯につかっているだけでウエストが3~5cmも細くなるくらい強いものです。

体が水圧を受けると血管も押されるので、手や足などの末梢に滞りがちな血液が心臓に向かって流れやすくなり、全身の血行が促進されるようになります。また、内臓も適度に刺激されて機能が活性化します。

水中では1m深くなるにつれ体表1cm²あたり100gずつ静水圧がかかります。つまり、湯船の深い所ほど体は水圧を強く受けることになり、下半身は血管とリンパ管が圧迫されるので滞った血液やリンパ液が流れ、むくみが解消されやすくなるのです。

また、座って肩までお湯につかると肺や心臓も圧迫されるため、適度な負担が心肺機能を強化する効果も期待できます。

人によってはこの水圧が心肺機能に負担をかけてしまうこともありますが、肺や心臓に静水圧のかからない「半身浴」や「寝湯」を利用すれば、心肺機能の低下している人も快適に入浴を楽しむことができます。

入浴時にはたらく物理作用:浮力作用

水中では人の体に「浮力作用」がはたらき、水中の体重は空気中の約1/10の軽さになります。

つまり、体に体重がかからないので筋肉や関節が体の重みを支える必要がなくなり、湯船の中では体をリラックスさせることができるのです。

体重の重い人、筋肉や関節に炎症のある人も湯船の中では筋肉や関節をゆっくりと休ませることができます。

入浴がもたらすその他の作用

入浴中は、温熱作用・静水圧作用・浮力作用の相乗効果に加え、ほかのさまざまな作用もはたらきます。

  • 水分を含んで皮膚が柔らかくなり不要な角質が除去されやすくなる
  • 毛穴が開いて皮脂汚れが落ちやすくなる
  • 湯気によって鼻や喉を保湿する
  • 発汗によるデトックス効果
  • ストレスが解消される
  • 家族とのコミュニケーションが深まる
  • お湯の有効成分による健康効果が得られる(入浴剤を入れたお風呂・温泉)
  • 水の負荷を利用したストレッチで筋肉のリハビリができる

このように入浴にはメリットがたくさんあるのです。

快適で安全な入浴を楽しむために注意したいこと

入浴は赤ちゃんから高齢者まで誰もが利用することのできる生活習慣なのですが、入浴そのものは体に負担がかかりやすいため、入浴時は次に挙げるトラブルが起こらないよう注意する必要があります。

入浴中に起こりやすいトラブル:のぼせ

入浴時によく起こるのが「のぼせ」です。

のぼせは、体が温まり過ぎて血管が拡張した状態が続いて血圧が低下し、脳へ循環する血液量が一時的に少なくなることで気分が悪くなってしまう現象です。

長湯、温度の高いお風呂に入ったことによる体温の上昇が原因で、自律神経のバランスの乱れによる吐き気、ふらつき、頭痛、冷や汗などが起こります。

また脳が一時的に虚血状態になるため、立ちくらみ、めまいが起こりやすくなり、時には失神することもあるので転倒による怪我や湯船で溺れる事故には注意が必要です。

入浴中に起こりやすいトラブル:脱水症

入浴中も汗をかいています。体がお湯で濡れているので汗をかいている実感が起こりにくいのですが、入浴中は体温が上昇するために思いのほか大量の汗をかくことがあります。

大塚製薬佐賀栄養製品研究所のデータ(2010)によると、41℃のお風呂に15分間入浴し30分間安静にした場合、約800mℓの水分が損失されているとのことです。

発汗の促進は体のためにも良いことです。汗には微量ですが体内の老廃物が含まれるため、大量の汗をかくとデトックス効果を期待することもできます。

また発汗すると汗腺の機能が鍛えられるので、なるべくたくさんの汗をかくことは体温の調節機能を高めるトレーニング方法としても有効です。

ただし、発汗量が多いと体内の水分が不足するため、入浴時も「脱水症」には注意しなければなりません。また暑い所での脱水は熱中症に進んでしまう危険性も含んでいます。

脱水症や熱中症は夏の炎天下、スポーツの発汗時だけでなく入浴中または入浴後でも条件が揃えば起こり得ることは頭に入れておかなければなりません。

次に挙げるタイプの人は脱水を起こしやすいので、特に入浴に対して脱水対策を怠ってはいけません。

  • 長湯する人
  • 暑いお風呂が好きな人
  • 子供や高齢者

また、体力に自信のある男性が油断して脱水に陥ることも多いようです。特に発汗量の多いサウナや長湯することの多い温泉は注意が必要です。

入浴中に起こりやすいトラブル:ヒートショック

入浴中の事故で搬送される事例の多くは脱水症と「ヒートショック」です。

ヒートショックとは急激な温度差が体に影響を与えること。寒い部屋と暖かい部屋の間を行き来した時の急激な寒暖差は血圧を変動させとても危険です。

特に冬は寒い脱衣所から熱いお風呂に入った時の温度差が血圧を一気に上昇させ、心筋梗塞や脳梗塞が起こりやすくなります。

ヒートショックという用語はもともと建築用語だったのですが、冬にヒートショックが原因と思われる入浴中の急死が年々増加していることもあり、医療分野で使われることも多くなってきました。

厚生労働科学研究のデータによると、家庭で入浴中に溺死する人の人数は年々増加しており、入浴中に急死する人は年間1万4千人にのぼることがわかっています。

入浴中に急死する人の数は交通事故で死亡した人の約2~3倍と、起こる確率は決して低くはありません。

また厚生労働省の人口動態統計によると、平成26年度には家庭内の浴槽で溺死した人が約4,900人おり、その9割以上が65歳以上の高齢者でした。

入浴中の事故死は最低気温の低下と共に増加し、一年の中では7~9月が少なく12~3月に急増することから、気温とお風呂の温度差によるヒートショックが原因で入浴中の事故死が増加することが推測されています。

厚生労働科学研究のデータによると、溺死した人の約60%は脳・血管など循環器系の既病歴のあることもわかっています。このことから、高血圧や動脈硬化などのある高齢者が冬のヒートショックを起こしやすいと考えられています。

高齢者が増加しているため、今後はどのご家庭でもヒートショック対策が重要になってきます。ヒートショックから家族の命を守るため、対策法をしっかりチェックしておきましょう。

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入浴中の事故について

法医学の分野では、入浴中の急死は「心疾患」「脳血管障害」「溺死」で起こることが多く、その半数以上が心疾患であると考えられています。

浴室では意識を消失したためにそのまま死に至ることがあり、その原因は血圧の急な変動による一過性の脳虚血発作(立ちくらみ、失神など)や不整脈、熱中症などがきっかけになっているとされています。

日本は、欧米に比べて入浴中の急死が非常に多い国です。これは欧米に比べて浴室や脱衣所暖房を設置する習慣が普及していないこと、熱い湯船に肩までつかる入浴法を好む風習のあることからヒートショックによる急死が起こりやすいといわれています。

もちろん、入浴中のトラブルの全てが重篤な事故につながるわけではありません。

自分で気づいて浴室から出ることができたり、体調が悪くなっても早期発見されて救急車で搬送され、そのまま何事もなく自分の足で帰宅することのできたケースのほうが多いのです。

しかしお風呂は、体調が悪くなった時に転倒や湯船での溺死といった二次的な事故が起こりやすく、浴室で具合が悪くなってもほかの人になかなか気づかれないため、体の機能が低下している高齢者は救出が遅れて命に関わりやすいという問題があります。

お風呂は正しく利用すれば非常に快適で安全な場所なのですが、意外に危険な場所でもあることも忘れないようにしなければなりません。

健康的なお風呂のために…正しい入浴法をチェックしましょう

入浴の3大作用作用「温熱・静水圧・浮力」を活かし、健康的に入浴をするには、次に挙げる方法で適度を守って入浴を楽しむことが大切です。

正しい入浴法:食事の30分前後を避ける

少なくとも食事の30分前後に入浴するのは控えます。

入浴すると平常時に比べ血流がかなり活発になり、全身に血液が循環します。しかし食事をした時は胃腸の機能を高めるため胃腸に血液を集めなければなりません。

食事の前後に入浴すると胃腸に集めるべき血液が全身に分散されているので、胃腸の機能が低下して消化が悪くなってしまいます。

また入浴中は血管が拡張して血圧が低下しやすいため、血圧の低下する食後と入浴が重なると血圧が急激に低下して低血圧性の失神を起こしやすくなります。

正しい入浴法:水分補給をする

入浴中には汗をかくので、入浴前後には水分を補給します。入浴前後にコップ1~2杯程度の水を飲むと良いでしょう。もし水分の補給が不十分だと、入浴中の発汗によって脱水が起こりやすくなります。

また脱水によって血液の粘度が高まると、血管内に血栓ができやすくなるので、動脈
硬化のリスクが高い高血圧、脂質異常症の人は必ず水分を補給してから入浴しましょう。

正しい入浴法:湯船の湯温は38~41℃が適温

日本人には「熱い風呂じゃないと入った気がしない」と言って42~43℃くらいの熱めのお風呂を好む人も多いようです。しかし、お湯の温度が高すぎると体に負担がかかるので、41℃以下のお風呂に入ることが薦められています。

水温は私達の体温との差が大きくなるほど刺激を感じ、交感神経が反応して頻脈、血圧の上昇、覚醒作用が起こります。

また体温とあまり変わらない水温は刺激が少なく、体温より少し温かいお湯は血行を促進することで副交感神経を優位にはたらかせ、心身のリラックス効果をもたらします。

水温 温かさ 作用
33℃未満 冷たいと感じる 交感神経が優位になる
血管が収縮する
33~37℃ 温かさも冷たさもあまり感じない 刺激がほとんどない
38~41℃ 温かさを感じる 副交感神経が優位になる
リラックス効果が得られる
42℃以上 やや熱いと感じる 効果神経が優位になる
覚醒作用がある

健康のためには38~41℃くらいの、熱さを感じない温度が適温といえます。リラックス効果によってストレス解消・安眠効果が得られるので、夜に41℃以下のお風呂にゆっくり入るのがおすすめです。

熱い湯船につかると、のぼせ、温度差による血圧の乱高下が起こりやすくなり、高血圧の人、高齢者は心臓や血管に大きな負担がかかりやすいので、42℃以上の湯船はおすめできません。

一方、健康な人なら42℃以上の湯船やシャワーで短時間の入浴をすると交感神経が適度に刺激を受けて覚醒作用や新陳代謝を促進させる効果が期待できます。朝に心身をシャキッとさせたい時は短時間にとどめて熱めのお風呂を活用すると良いでしょう。

正しい入浴法:長湯をしない

長湯をすると、脱水やのぼせがおこることがあります。水分補給をせずに長湯をしたり41℃以上のお風呂に長くつかるのはやめましょう。

健康的な入浴時間は38~41℃のお湯に15~20分くらいつかる程度とされています。また、心臓や血管に負担のかかりやすい高齢者は、41℃以下のお風呂で10分以下の入浴が薦められています。

短時間の入浴でも気分が悪くなった場合は、無理に入浴を続けてはいけません。お風呂から出て部屋で静かに休みましょう。

正しい入浴法:脱衣所や浴室を温める

冬は脱衣所や浴室の温度と湯船の温度に大きな差が生じます。ヒートショックを防ぐため、暖房器具を用いて浴室や脱衣所を温めておきましょう。

浴室はお湯を張った湯船のフタを開けたりシャワーでお湯を出したりして、浴室内に温かい湯気を充満させるのも効果的です。

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正しい入浴法:飲酒後は入浴しない

アルコールには脱水作用があるため、飲酒後に入浴すると脱水症を起こしたり血液がドロドロになったりしやすくなります。

また、飲酒後の入浴は事故につながりやすいので、酔っている時の入浴は危険です。血管が拡張して血圧が低下しやすく、アルコールによって感覚が少し麻痺しているので、低血圧性の失神や転倒が起こりやすくなります。

酔ってお風呂で寝てしまうのも危険です。湯船での意識消失は溺死につながります。

日本法医学会企画調査委員会が平成13年に実施した浴槽内死亡事例の調査によると、入浴時に浴槽内で溺死した人の約13%はアルコールが死因に関係していることが分かっています。

正しい入浴法:体調が悪い時は入浴を控える

体調が悪い時、外傷の急性期は、入浴を控えましょう。入浴は体に負担がかかるため、体力を消耗して回復が遅くなったり患部の炎症が悪化したりする可能性があるためです。

熱がある時は、体温が平熱より1℃以上高ければ、すでに体力を消耗していて安静が必要なので入浴は控えます。

平熱との差が1℃以内で気分の悪くない時はむしろ入浴した方が良い場合もあります。入浴すると体が温まって免疫力がアップするためです。ただし、入浴後は温かくして湯冷めしないように注意しなければなりません。

ついやってしまいがちな習慣が湯あたりや湯疲れを起こすことも。正しい方法で健康的に入浴を楽しみましょう。

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もっと効果的な入浴法で健康と美容を手に入れよう

いつも通りに入浴するだけで、体を清潔に保ち心身をリフレッシュさせることができますが、入浴法をひと一工夫するとさらに入浴の効果が高まります。

ダイエット効果あり?半身浴

半身浴は、湯温36~38℃くらいの湯船に半身(心臓から下だけ)だけつかる入浴法です。心臓や肺に負担がかからずのぼせないので、長時間じっくり入浴することができます。

熱いお湯には皮膚の表面だけすぐに温度を上げて汗を出し、体をクールダウンさせる作用があります。

一方ぬるいお湯に入ると、体が温まるまでに時間はかかりますが体の芯からじんわりと体が温まり、血行が促進されることで副交感神経のはたらきが活性化し、心身をリラックスさせる効果が得られます。

また、普段汗をかかない人は汗に中性脂肪やアンモニアが含まれ、においのある濁った汗が出ることがありますが、半身浴で汗をたくさん出すとサラサラしたくさくない汗がかけるようになり、デトックス効果や体臭予防効果に役立ちます。

ダイエット目的で入浴する人も多く「半身浴は汗がたくさん出てダイエット効果がある」と言われることもありますが、残念ながら入浴そのものにダイエットの即効性はありません。

入浴すると汗をたくさんかいて疲れるので「カロリーをたくさん消費できたのではないか」と期待してしまいますが、入浴時のカロリー消費量はデスクワークとそれほど変わりません。入浴でカロリーを消費するにはもっと多くの負荷が必要です。

入浴後に体重計に乗ると入浴前より体重が少し減ることもあります。これは入浴中に発汗で失われた水分量なので、お風呂上がりに水分を補給すれば体重はまた元に戻ります。

しかし半身浴でじっくり体を温めることは、ダイエットのサポートに役立ちます。入浴時に代謝が良くなっていることを利用して、半身浴中にマッサージやストレッチをするのはカロリー消費量を高める効果的な方法といえます。

また入浴そのものに、冷えや脚のむくみを取ったりリラックス作用によってダイエット中のイライラを解消させる効果があるので、入浴はダイエットのサポートに大いに役立ちます。

「ブーツがきつい」と思った日の晩は半身浴をしてみませんか。

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ヒートショックプロテインを増やす

入浴で深部体温を上昇させると、細胞の損傷を修復するたんぱく質「ヒートショックプロティン(HSP)」が増えて、疲労回復効果、免疫力アップ効果が高まります。HSPを増やす入浴健康法は、テレビの情報番組などでも紹介され有名になりました。

HSPを増やす方法はシンプルです。HSPは熱によって生じる物質なので、入浴であえて体温を38℃台(平熱より1.5℃以上高い温度)まで上昇させると簡単に増やすことができ、その効果は1週間くらい持続するといわれます。

体温を38℃台まで上げるため、40~42℃のやや熱いお風呂に入浴します。発汗するので入浴前には水分補給が必要です。体に負担がかかるので、体調の悪い時は控えましょう。

HSPを増やす入浴法のポイント
  • 入浴前に水分を補給する
  • 自分の平熱から1.5℃プラスを目安にする
  • 40~42℃のお湯に20分入浴する
  • 舌下用体温計で体温を計り、深部体温が上昇したことを確認する
  • 入浴後は体を冷やさない、また温めすぎないにする
  • 2〜3日に1回でOK

(参照…株式会社バスクリン「ヒートショックプロテインで元気に!」)

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新陳代謝を促進させる冷水浴

通常の入浴はお湯に入る「温水浴」ですが、20℃前後の水風呂に入る「冷水浴」という入浴法もあります。

体が冷えて良くないのではないか、と思われがちな冷水浴も正しい方法で行えば、さまざまな健康効果を得ることができるので、古くから健康法のひとつとして親しまれています。

冷水浴をすると、寒冷の刺激を受けた自律神経が冷水の温度に体を順応させようとして活性化するので、新陳代謝の促進、免疫力のアップといった効果が得られ、体が丈夫になります。また毛穴が引き締まって肌が美しくなる効果も得られます。

温かいお湯の入った湯船と冷たい水の入った湯船を交互に利用する「交代浴」は、疲労回復効果、免疫力を高める効果が高いとされています。

冷水浴は、冬は辛いのですが続けていると体が水の冷たさに慣れてくると言います。暑い夏に挑戦してみてはいかがでしょう。暑い夏は涼が得られて気持ち良い入浴法です。

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家庭のお風呂もいいけど温泉はまた格別!

温泉やサウナを利用すると、通常の入浴にはない入浴効果が期待できます。温泉は特に健康的なイメージがありますよね。実はその通りなのです。

日本は火山が多いために温泉が湧きやすく、全国に特色も豊かな温泉が分布しています。温泉に入る習慣が始まったのも6世紀頃とされ、日本三古湯のひとつ愛媛県の道後温泉には、あの厩戸皇子(聖徳大使)も訪れたといわれます。

温泉に入ると、お湯に含まれる化学的な成分によって高い入浴効果が得られ、温熱効果によって心身がリラックスします。

泉質の特徴

どの泉質の温泉も疲労回復、血行促進、筋肉痛や神経痛の緩和などに効果があり、さらに泉質によって異なる特徴を持ちます。

▼主な泉質と特徴

泉質 含まれる化学成分 特徴
単純温泉 含有成分が少ない 刺激が弱く体に優しい
塩化物泉 塩素イオン 保温効果が高い
炭酸水素塩泉 炭酸水素イオンなど 肌をなめらかにする
硫黄泉 硫化水素など 皮膚病、婦人病に効くとされる
含鉄泉 総鉄イオン 貧血を予防する(飲用)

温泉の効能で選ぶも良し、最寄りの温泉に足を運ぶのも良し、いろいろな温泉を利用してみると良いでしょう。

リラックス効果の高い温泉

温泉地で過ごす非日常感が緊張やストレスをほぐして開放的な気分にしてくれます。また風流な露天風呂や温泉旅館のご馳走も温泉に来る醍醐味のひとつです。

心身がリラックスすることで自律神経のバランスが整い、体調が良くなったり免疫力が高まったりします。

温泉の正しい入り方

温泉の入り方が間違っていると、せっかくの効能が得られなかったり、湯あたり湯疲れを起こしたりします。正しい方法で健康的に温泉を楽しみましょう。

  • 旅行時は疲れやすいので休憩をしてから温泉に入る
  • 空腹時・食後・飲酒時は入浴しない
  • 入浴回数は1日3回くらい
  • 十分にかけ湯をしてお湯に慣らしてから温泉に入る
  • まず、ぬるいお湯にはいってから熱いお湯に入る
  • 入浴時間は熱いお湯で10分以内、ぬるめのお湯で30分以内

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温泉もいいけどサウナもすごい!正しく利用して効果を得よう

サウナは、フィンランドで2000年も前から利用されている「熱気浴」という自然健康法です。

本場フィンランドでは3人に1個の割合でサウナが普及していますが、日本では湯船につかる入浴習慣が定着しているせいか、サウナを楽しむ人はそれほど多くはありません。

室温が100℃近くあるサウナには、通常の入浴では得られないさまざまな作用があるので、週に1回はサウナの設置されているスパ施設に足を運んでみると良いでしょう。

サウナの効果

  • 温熱作用によって内臓や皮膚の新陳代謝が活発になる
  • 発汗によるデトックス作用がある
  • 心肺機能が亢進する
  • 血圧を調整する効果が得られる

熱いサウナは高血圧に良くないイメージがあるかもしれませんが、上手に利用すれば血圧を抑える効果も得られます。

公益社団法人日本サウナ・スパ協会によると、80~90℃くらいのやや温度が低めのサウナに入ると血管が拡張して血圧が約10~15mmHg低下し、サウナをを出た後も血圧が2~3時間安定するとのことです。

サウナは男性に好まれますが、もちろん女性の美容と健康にも効果があります。女性に多い冷え性も改善できるので、あまり利用したことのない人にも是非おすすめです。サウナは使用法も簡単です。

サウナの使用法

  1. サウナを利用するときは計2時間くらいの時間を確保しておくとよいでしょう。水分をしっかり補給することをお忘れなく。
  2. サウナ室に入る前に全身をよく洗い流し、水分をしっかりふき取っておきます。サウナ室は高い段で90℃くらい、低い段で70~80℃くらいです。温度の好みに併せて座る位置を選びましょう。
  3. 1回につき8~12分入り、サウナ室を出て冷水シャワーを浴びたり水風呂に入ったりしてクールダウンします。サウナ室の利用とクールダウンを3回くらい繰り返すのが効果的です。
  4. サウナの利用が終了したら汗をよく洗い流します。サウナの利用後は体が冷えないようすぐ服を着て保温し、水分を補給して30分くらいゆっくり休養します。

サウナを上手に活用すればダイエット効果が高まるかもしれません。通常の入浴より体に大きな負担がかかるので、デメリットや間違った利用法についてもチェックしておきましょう。

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入浴剤を使うとさらにお風呂が楽しくなる

正しい方法で利用すれば、バスタイムはとても安全で楽しいものとなります。入浴剤を利用するとさらに入浴効果が高まり、香りや色によってリラックス効果が得られます。

市販の入浴剤を楽しむのも素敵ですが、家庭にあるものを湯船に入れるのも簡単でおすすめですよ。

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端午の節句には菖蒲の葉、冬は柚子やみかんの皮、といった昔ながらの風習を楽しむのも風流です。

今までシャワー派だった人、お風呂があまり好きではなかった人も、すぐれた入浴効果、お風呂の魅力を再発見してお風呂にゆっくりつかる時間を増やしてくださると嬉しいです。

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