健康生活TOP 自閉症 接し方次第でこんなに変わる!自閉症の人への正しい対処法とは

接し方次第でこんなに変わる!自閉症の人への正しい対処法とは

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我々が住んでいる社会には様々なルールや道徳があり、殆どの人がそれらを尊重し準拠しています。しかし中にはどうしてもそのような枠の中に治まることができない人がいるのも現実です。

「人の話しを聞かない」「すぐ興奮してしまう」「大声で威嚇してしまう」など、一見して反社会的な行動に勘違いされてしまうこともありますが、実は先天的な病気が原因であることも少なくありません。

発達障害の一つである「自閉症」は、社会生活に順応することが難しい病気です。そのために自閉症の人を怖いイメージで捉えている人もいるようです。しかし本当にそうでしょうか?

知っているようで知らない自閉症…実は私達の考え方を変えるだけでもっと身近な存在になれるのかもしれません。

まずは自閉症の症状を知ることから

自閉症と言ってもピンとこない人が多いかもしれませんが、現在ではその数が少しずつ増加傾向にあるようです。

1960年以降の発症率は人口1万人に対して5人程度でしたが、現在では約100人に対して1人の発症が疑われるとのアメリカの統計もあります。つまり日本でも増加が想定されており、もはや身近な病気になっている可能性があります。

自閉症を理解するためにはまずその症状を知ることが大切です。代表的な症状を紹介します。

対人関係が上手く築けない

自閉症でもっとも特徴的な症状は「対人関係」が上手く築けないことになります。ちょっと曖昧な表現なので具体的な例を紹介しましょう。

  • 話していても相手の気持ちや感情が理解できない
  • 何事にも感心がないように見られてしまう
  • いわゆる空気が読めない人の行動を取る
  • 自分勝手でわがままな行動を取る
  • 他人と目線を合わせるのが苦手
  • その他

自閉症の人は他人と親密な関係を構築することが苦手です。一対一で顔を合わせて話したり、目を見て話したりすることは彼らにとって最も苦手な行為で、これが対人関係に悪い影響を与えてしまうのです。

「空気が読めない人」いわゆる「KYな人」ですが、自閉症の人も空気を読むのが苦手です。特に相手の感情が理解できないので、ついキツイ言葉を発してしまうこともあります。

これではなかなか人間関係を構築するのは難しいですね。

社会ルールやマナーを理解するのが苦手

自閉症の人は相手の気持ちが解らないだけでなく、様々なルールやマナーを理解することも苦手です。例えば信号でも赤信号なのに車が通っていなければ普通に渡ってしまう…このようなことを平然と行います。

またゴミの出し方などの社会ルールも、自分のやりやすいようにやって規定を守ることはしません。

一見してマイペースな性格ですが、実際にはそのようなルールや制約を理解することができないのです。「自己中」「反社会的」と思われることもありますが、それは自閉症の症状が原因かもしれません。

コミュニケーション能力の欠如

自閉症の人は他人とのコミュニケーションが苦手です。また言語機能に障害が出ることもあり、言葉を理解するのが得意ではありません。自閉症におけるコミュニケーション能力の問題を紹介します。

  • 会話をしていても言葉のテンポが遅くなる
  • 比喩やたとえ話などの意味が理解できない
  • 曖昧な表現が理解できない
  • 呼びかけても反応なく返事をしない
  • 自分の話したい内容だけ一方的に喋る
  • 相手の話しをオウム返しにする
  • その他

自閉症の人は比喩的な内容や抽象的な説明を理解するのが苦手です。相手がはっきり内容を話さないことから、話の趣旨が理解できずにイライラしてしまうことで、コミュニケーションが構築できないことが多いようです。

自分の行動や興味にこだわりや偏りが見られる

自閉症の症状の中で周りからも感じやすいのが、行動や興味に対する「こだわり」と「偏り」です。自閉症を発症している人の多くに「物事に対する強いこだわり」を見ることができます。

これは「毎日同じ時間に起きる」と言う、生活習慣に始まり、「食事時間」「休憩時間」…など様々なところで見受けられる行動です。また通勤でも頑なに同じルートしか通らなかったり、一定の物に対する強い執着があったりするのです。

自閉症におけるこだわりや偏りについて紹介します。

  • 一定の物に執着する(同じ商品しか買わないし使用しないなど)
  • 毎日決められた行動しかやりたがらない
  • 同じことを何回も繰り返して行う
  • 事前の予定にないことに拒否反応を示す
  • 初めて会う人や、初めての場所に拒否反応を示す
  • その他

自閉症では自分の興味のあることには執着しますが、それ以外のことには無頓着になってしまいます。執着すると何時間も同じことを続けてしまう傾向にあり、それを繰り返してしまうことも珍しくありません。

また、決められた予定通りに行動することに執着しており、突発的な予定変更には強い拒否反応を示すこともあります。

つまりこだわりは物だけではなく、「予定」や「行動」に対してもあると言うことです。

自閉症の代表的な症状は「社会性の欠如」です。しかしそれは病気による症状であり、単に「KY」ではないことを覚えておきましょう。

自閉症の人への接し方でこんなにも状況に変化が!

もしかしたら皆さんの会社の同僚や近くの人にも自閉症の患者がいるかもしれません。人間関係が難しいからと言って、避けているだけでよいのでしょうか?

ちょっと接し方を変えるだけで、新しい友人に変わるかもしれませんよ!

自閉症の人が苦手な状況を理解しましょう

自閉症の人と接するためにはまず、彼らが苦手な環境や状況を極力排除するようにしなくてはいけません。そのような配慮をするだけで、普通に接することができるようになります。

まずは自閉症の人が苦手な環境を整理してみましょう。

【自閉症の人が苦手な環境1.】予定がコロコロ変わる

事前に約束を行っている状況で、時間や待ち合わせ場所の変更をする場合には注意が必要です。自閉症の人は約束した時点から、予定を組み始めており急なスケジュールの変更を好みません。

約束する場合は確定した予定で行うことが大切で、変更の可能性のある約束は避けるようにしましょう。

少しの変更であっても、彼らにとっては到底受け付けられないこともあります。安易な予定変更は避けるようにして下さい。

【自閉症の人が苦手な環境2.】勝手に物を動かす

自閉症の人は物に執着があるため、会社のデスクにおいても整然と片付けられていることが多いようです。特に本などは順番に並べており、これらを崩すと落胆だけではなく怒りとなって感情に現れることもあります。

自閉症の人が管理している物には極力触らないようにして、もし必要があり動かした場合は元通りに戻すようにしましょう。

【自閉症の人が苦手な環境3.】スケジュールを邪魔する

自閉症の人は決められたスケジュールがあり、「夕飯」「お風呂」「見るテレビ」「就寝時間」などがサイクルで回っています。

いくら友人と言ってもこのスケジュールを乱されるのを彼らは好まないでしょう。「残業」や「付き合い」を無理強いすると、パニックを引き起こしてしまう可能性もあります。

彼らのスケジュールを邪魔する行為は、なるべくしない方が賢明です。

【自閉症の人が苦手な環境4.】こだわりを妨害する

一見して奇妙な行動であっても、自閉症の人にとって意味のある行動であることがあります。同じ場所をグルグル回っていても、そこには何かの意図があるかもしれません。

例えば毎日同じルートで通勤していた場合、そのルートよりも近道があっても関係ありません。それを無理やり変更させることは、彼らにとってのこだわりを妨害する行為になってしまいます。

また、周りからは無駄な作業に見える行為であっても、それに強いこだわりを持っていることもあります。単に効率化だけでそれを変更させることは、こだわりの妨害になります。

一方的な変更や修正は行わないように注意しましょう。

自閉症の人が苦手な状況や環境を理解することは重要です。むやみにテリトリーを乱すことには注意しましょう。

人間関係に変化をもたらす接し方とは?

自閉症では自分の意思を上手に表現することができないことが多く、最終的にはパニックから攻撃的な態度を取ることがあります。

またそのようなストレスが原因で自傷行為に走り、腕をかきむしったり髪の毛を抜いたりすることも珍しくありません。このような異常行動をまとめてみましょう。

  • 暴言を吐く
  • 叩くなどの暴力を働く
  • 噛み付く
  • 自分を傷つける(自傷行為)
  • その他

このような結果をもたらさないように上手な接し方を行う必要があります。過去にあった例を参考にして自閉症の人との接し方を考えてみます。

どのような接し方がベストなのか?仕事中に暴れてしまった木下さん

自閉症の木下さんは、地元の会社で会計担当の事務員として働いていました。会計の仕事は毎日一定のスケジュールで回っており、季節に変動はあっても比較的自閉症の人に合った職場です。

会社も彼の病気は理解しており、特に数年間は問題が起きることはありませんでした。しかし新しく採用された上司は、彼の病気は知っていましたが、「自閉症の人が苦手な環境」については全く理解していません。

新しい上司は仕事における指示がまず曖昧でした。「いつものようにやっておいて!」「簡単でいいから早くね」これでは木下さんは、全く上司の意図が理解できずにストレスが身体に蓄積されてしまいます。

もちろん仕事はやりますが、それは上司の希望のものではなく、木下さんが普段通りやっている内容になります。上司が注意をしようとした瞬間、木下さんが怒り出したのです。

【どのような接し方がベストなのか】

このケースでは曖昧な指示が木下さんを追い込む結果になってしまいました。特に「いつものように」や「簡単に」などは具体的な説明ではなく、木下さんには理解できない内容です。

指示をするなら「ここをこうやって下さい」「ここを変更することで簡易な書類を作成して下さい」など具体的な説明を行う必要があります。

比喩表現や曖昧な説明を理解することが苦手な自閉症では、具体的で丁寧な指示が重要な接し方になるのです。

どのような接し方がベストなのか?施設の作業場から帰ってしまった小野さん

小野さんは施設の作業場で簡単な組み立て作業を行っています。この作業は年末が忙しく、11月くらいから残業や休日出勤をすることもあったようです。

しかし今年入社した小野さんはそれを知りません。突然上司から「明日から土曜日も出勤お願いします」と言われたところ、「なぜ休みじゃないのですか?」と怒り出してしまいました。

上司が説明しようとしても興奮は取れずに、そのまま小野さんは作業場から帰ってしまったのです。

【どのような接し方がベストなのか】

自閉症ではスケジュールの変更を好みません。スケジュールを変更する場合は長期に考えて、最低でも1ヶ月前には説明するようにしたいものです。

また「明日から…」と言う表現にも問題があります。つまり明日からいつまでが情報として含まれておらずに、不安とパニックを誘発させてしまう可能性があるのです。

説明する時には「いつからいつまで」など正確な情報を含ませるようにしましょう。そして最も大切なのは自閉症の人が感情的になっても、命令口調ではなく静かに考えさせてあげる時間を与えるのも大切です。

どのような接し方がベストなのか?友人との食事中で急に帰った加藤さん

なかなか会えない友人に久しぶりに会うのは嬉しいものです。特に食事での会話は盛り上がってしまい時間が過ぎるのも忘れてしまうくらいです。

加藤さんは友人5人と食事に来ましたが、21時を過ぎた頃から急に機嫌が悪くなってしまいました。

「もう帰りたい…」友人は「え~まだいいでしょう!」の繰り返しで、なかなか席を立とうとしません。ついに加藤さんは怒り出して帰ってしまったのです。

【どのような接し方がベストなのか】

もともとこの集まりは夕食のみと聞かされていたので、加藤さんは21時には自宅に帰れると思っていたようです。しかし話がはずんでしまいなかなか帰れなくなり、ついに感情が乱れてしまったのです。

自閉症の人と集まりをやる場合は、スケジュール通りに行うことが大切です。予め終了時間を決めておくなど、明確な予定を組む配慮が必要ですね。

基本的には「大丈夫だろう」ではなく、丁寧な接し方が基本です。また予め決めた予定の変更は慎重に行いましょう。

このような症状を引き起こす自閉症の種類とは?

自閉症は先天的な脳の発達障害であり、幼児期(3歳程度)に発症する病気とされています。現在では広汎性発達障害とも言われている自閉症ですが、その症状はいくつかの種類に分類されています。

知能指数の高いアスペルガー症候群

広汎性発達障害には様々な種類がありますが、その中でも知能に影響のないものを「アスペルガー症候群」と呼びます。

アスペルガー症候群は極端な知能の低下はないのですが、他人の感情や気持ちが理解できなかったり、物へのこだわりがあったりと自閉症の症状そのままと言えます。

知能に影響がないため自分が発達障害であるとの認識を持っていない人も多く、人間関係が上手く構築できないことに悩んでいる人も少なくないようです。

アスペルガー症候群の特徴を以下にまとめてみました。

【赤ちゃん期(1歳まで)】

  • 抱っこしても目を合わせない
  • 音に敏感で直ぐに泣いてしまう
  • 同じおもちゃを長時間じぃ~と見ている
  • 母親が笑いかけても反応しない
  • その他
【幼児期(7歳まで)】

  • 何回も説明しているのに理解できない
  • 親が怒っているのにそれに気が付かない
  • 友達と遊ばないで一人遊びが多い
  • その他
【子供~青年期(18歳まで)】

  • 授業中静かにしていられない
  • 一定の科目が理解できない
  • 学校に行きたがらない
  • 友人が極端に少ない
  • 学校の急な予定変更に対応できない
  • その他
【成人期】

  • 仕事で顧客を怒らせてしまう
  • スケジュールの管理が苦手
  • 一定の仕事にはまりこんでしまう
  • その他

アスペルガー症候群は知能の低下はありませんが、上記した特徴が見られることが多いようです。

知能障害のある自閉症がカナー症候群

アスペルガー症候群は知能に影響のない自閉症ですが、カナー症候群は知能の低下を伴う自閉症と考えられています。

定義的には「知能指数が70以下で、知的障害を持っている自閉症」となり、「軽度(知能指数50~69)」「中度(知能指数35~49)」「重度(知能指数20~34)」「最重度(知能指数19以下)」に分類されます。

知能障害が重くなるほど身体への影響が出ることも多く、自閉症だけでなく身体的な障害を持っていることも珍しくありません。

特徴としては一般的な自閉症と同じで「コミュニケーション能力の欠如」などがありますが、自分の意思が理解されないことで暴力的な行動に出ることも多く、「叩く」「噛み付く」「大声を上げる」などの行動をとることがあります。

軽度のカナー症候群ではアスペルガー症候群と同様に、社会生活に大きな支障が出ることは少ないのですが、症状が重くなるにつれ会話に問題が出るなど様々な支障が出てくるようです。

あの山下清さんもサヴァン症候群だった

自閉症の中でも最も珍しいのが「サヴァン症候群」でしょう。映画「レインマン」を覚えている人もいると思いますが、そのシーンの一つに自閉症の兄の能力をつかってラスベガスで大勝ちするところがあります。

この兄がサヴァン症候群でその特徴として「高い記憶力」が上げられるのです。

サヴァン症候群はカナー症候群に含まれるとの考えもありますが、一つの能力については群を抜いたものがあります。原因は不明ですが「脳の損傷」「生まれつき脳梁がない」などが疑われているようです。

日本の画家である「裸の大将:山下清さん」も、一度見た景色をずーっと記憶しており、それを後から絵として描くことができたそうです。彼もサヴァン症候群だったと考えられています。
自閉症にも幾つかの種類があります。しかし基本的には対人関係やコミュニケーション能力には欠けているようです。

周りの理解と接し方で自閉症の世界が広がる

自閉症の人は人間関係を構築するのが苦手ですが、周りの人がそれを理解してサポートすることで一般人と変わらない生活が可能になります。

彼らの行動には不安を和らげたり、物に興味があったりするなどの理由が隠されており、そこにはちゃんとした理由が隠されています。

「何か変…」と避けるのではなく、優しく行動の理由を聞いてみて下さい。きっと貴方も納得する理由があると思います。

接し方を変えるだけで人間関係が広がるなんて、こんなに素晴らしいことはないのですから…

キャラクター紹介
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