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季節の変わり目に喘息発作が!対策には気圧の変化を見極め予測する事

憂鬱そうな女性

喘息は日本人の数%がかかっているとも言われる呼吸器の病気で、かなり減ったとは言え、喘息で亡くなる人もいまだに多く、2012年にやっと年間2000人を切ることができたと言うレベルです。

この喘息ですが、普段は症状が治まっているのに、季節の変わり目になると発作が起きやすくなると言う患者さんも少なくありません。ちょっとしたきっかけで発作が起き出すと、その後も続いてしまうことがあります。

せっかく治まっていた症状が出てきてしまう原因と、その対策について見てみましょう。

喘息には子供がかかる小児喘息と、大人がかかる、あるいは小児喘息から成長につれて移行してしまった成人型喘息がありますが、今回は成人型喘息を中心のお話になります。

注意!喘息であることを確認しないと対処方法を誤ることがある

喘息と呼ばれるものには、最も多い気管支喘息と、比較的症状の軽い咳喘息があります。この2つは喘息ですので、対処方法も似ています。

しかし、咳が続く病気で喘息と間違われやすい病気も数多くあります。それらは喘息と同じ方法では症状の改善が見られないことも多いので、まずは続く咳の原因が喘息によるものであることを確認することが大事です。

気管支喘息は喘息を代表する疾患

喘息と気管支喘息はほとんど同じ意味の言葉です。いわゆる喘息とは、気管支の部分に病変が強く表れるからです。気管支と言うのは気管が枝分かれした物と言う意味です。

ですので鼻とのどから入った空気が通る道である「気管」が最初に左右に分かれる部分から先を気管支と呼びます。この最初に左右に分かれる場所を第1分岐と呼び、それぞれの気管支は左右の肺に向かいますが、これを「主気管支」と呼びます。

右の肺は大きく3つの、左の肺は2つの「大葉」と呼ばれるエリアに分かれていますので、主気管支は第2分岐でそれぞれの大葉に向かう「葉気管支」に分岐します。

さらに、大葉は小葉と呼ばれる区域に分割されています。ですので、葉気管支は第3分岐で「区域気管支」に分かれ、さらに第4分岐でもっと小さなエリアである肺亜区域へ向けた「亜区域気管支」に分かれるのです。

この後は第17分岐まで、どんどん細かく分かれて行き、第17分岐から第19分岐ぐらいの間に、肺胞と言う肺のガス交換機能を持つ組織が現れて来ます。

気管支の部位と名称

気管支喘息では、割合入口の方にあたる、第3分岐から第5分岐の間の区域気管支と亜区域気管支に変化が最も強く表れています。ですから、吸入薬も吸い込んですぐに患部に届くと言うわけなのです。

危険な状態に陥る可能性があるのも、全体から見て患者さんの数が多いのも、この気管支喘息です。ですので、気管支喘息は喘息を代表する疾患であると言っても良いでしょう。

咳喘息は風邪の残り咳であるところから始まる

咳喘息と呼ばれる呼吸器症状は、喘息と言う名前が付いていますが、気管支喘息に特有の喘鳴(ぜんめい)と言うゼイゼイ・ヒューヒュー音がありません。

また、風邪などの呼吸器症状に続いて現れることが多く、8週間以上咳だけが続きます。この咳は痰がからまない空咳です。

夜間や早朝に悪化しやすいとか、タバコの煙や温度変化、運動などがきっかけで発作が起こりやすいとかの特徴は気管支喘息とよく似ています。

これだけでは喘息なのか他の咳なのかが判りにくい部分もあるのですが、気管支喘息に用いる気管支拡張薬が良く効くと言うことが咳喘息の特徴ですので、それを使った上で診断を確定されることもあります。

この気管支拡張薬は喘息以外に咳の出る病気には効かないことも少なくないので、気管支喘息または咳喘息であると言う確定診断を受けてからでないと使ってはいけません。

気管支拡張薬には市販薬に配合されている物もありますが、お医者さんの診断を受けずに使われることはあまりお勧めできません。また、基本的には第1類医薬品になりますから、市販薬とは言っても薬剤師さんによる指導は必須です。

咳喘息は3割ぐらいが気管支喘息に進行すると言うデータもありますので、長引く咳には十分な警戒が必要です。

また、咳喘息とよく似た症状が出る病気として、百日咳やマイコプラズマ肺炎、最近復活の兆しを見せている肺結核などもありますので、咳が長引いていると感じたら、必ず受診して原因を突き止めましょう。

咳喘息は「風邪のあと咳だけが全然治らない」と言う程度にしか感じておらず、市販薬を飲むだけで受診されないため、咳喘息であることに気付いていない患者さんもいるんですよ。

喘息発作は気圧の変化で起こることがある!注意したい気圧の見方

喘息の発作は様々な刺激によって起こることが知られています。その中でも避けて通れないのが気象条件の変化による刺激です。温度や湿度の変化と言う場合には、マスクや加湿器・除湿機、冷暖房などの適切な使用である程度は緩和できます。

しかし、発作をもたらす気圧の変化と言う刺激は避けようがありませんので、常に発作を起こしにくい状態に気管支をコントロールしておくことが重要になります。

夏と冬は気圧より他の気象条件に注意する

気圧の変化によって喘息の発作が起きるきっかけになると言うことは、気圧が変化しやすい季節には喘息の発作が起きやすいと言うことになりますね。

冬は「西高東低の気圧配置」と言う言葉を天気予報などで良く聞きますね。この言葉が出てくると大変寒いと言うことですので、温度変化で発作を起こさないようにする注意が必要です。

これはシベリアにある冬の冷たい高気圧と、オホーツク海にある低気圧がもたらす気圧配置です。日本の南海上を低気圧や高気圧が通ってゆくこともありますが、おおむね日本付近では気圧は安定しています。

一方、夏はと言うと勢力の強い太平洋高気圧が日本付近に居座るため、とてつもなく暑い状況が生まれやすいですが、気圧自体は安定しています。

喘息を持っている人が注意すべきなのは、体力が落ちることで発作が大変つらくなると言うことです。普段から熱中症や体力低下には十分な注意が必要です。

春は喘息発作が起きやすい季節

春は寒い季節から暑い季節への変わり目ですね。木の芽時などと言う言葉もあるように、体調不良を起こしやすい季節でもあります。喘息について見てみると、花粉のようなアレルゲンが多く飛ぶ季節ですので、そうした刺激にも充分な注意が必要です。

一方、気圧配置を見てみると、中国の南京から上海あたりの、揚子江下流域で発生する高気圧が偏西風に乗り、移動性となって日本を南から北へ縦断してゆきます。

そして、だいたい3~4日遅れて、温暖前線と寒冷前線を伴った温帯性低気圧がそれに続きます。その結果、日本付近では3~4日ごとに気圧の上下を伴って天気が変わると言う状況になるのです。

これが、もう少し夏に寄ってくるとオホーツク海と言う寒い海の高気圧が作るオホーツク海気団と、暑くて湿った空気を持つ太平洋高気圧が作る小笠原気団とが日本上空でぶつかって停滞前線を作ります。いわゆる梅雨前線ですね。

前線は必ず低気圧を伴いますが、停滞前線に付随する低気圧は勢力が弱いためあまり目立ちませんし、喘息に悪影響を出す気圧の不安定さはあるものの、夏に近づく方向なので気圧も徐々に安定します。

ですから、梅雨の頃になると気圧の変化もさることながら、カビに注意する方が重要かもしれません。カビの胞子を吸い込むことが喘息の発作を招くこともあります。

そして、小笠原気団を構成する太平洋高気圧の勢力が強くなると、梅雨前線は大陸の方へ押し上げられて梅雨が明け、本格的な夏になります。

秋は最も気圧の変化による喘息発作が多い時期

そして、夏も後半になってくると太平洋上に強力な熱帯性低気圧、すなわち台風が発生します。台風は短時間のうちに通過してゆきますので、その前後では大きく気圧が変化します。

喘息をお持ちの方は、台風通過時には特に発作に注意してお薬を準備しておいて下さいね。

台風シーズンに入ると秋がやってきます。秋になると小笠原気団・太平洋高気圧の勢いが弱くなってくるため、オホーツク海気団に押されて、再び停滞前線が日本上空に差し掛かってきます。

夏前には梅雨前線と呼ばれたこの停滞前線は、台風シーズンに入った後からは秋雨前線と呼ばれます。さらに、春と同じように移動性高気圧と温帯性低気圧が交互にやってくると言う気圧の不安定な時期にも差し掛かります。

気象条件は春と同じような感じですが、台風と言う厄介者がやってくるため、同じ気圧の不安定な季節でも、秋の方がより喘息の発作が起きやすいと言って差し支えないでしょう。夏の疲れもありますので、特に注意が必要な季節ですね。

そうした時期を過ぎて空が高くなり、天気も安定する晩秋になってくると気圧は安定します。ここからは空気の乾燥と冷たさの刺激に注意する季節に入って行くことになります。

天気予報の天気図を見て、「高」とか「低」のマークに移動性を示す矢印が付いている時には、気圧の変化による喘息の発作に警戒しておきましょう。

喘息には2種類のお薬!特に長期管理薬を使い続けることが大事

喘息のお薬にはたくさんの種類がありますが、グループ分けすると、発作を止めるために使われる発作治療薬(リリーバー)と長期管理薬(コントローラー)の2つに分かれます。

酷い発作が起こった時にリリーバーを使わない人はおられません。しかし、何の症状も出ていない時に使い続けるコントローラーは、つい使い忘れたりしがちなので注意が必要です。

喘息は症状のない時にも病変は続いている

どんな病気でもそうですが、実際には一時的に症状が治まっているだけで、病気そのものが治ったわけではないと言う状況があります。

気管支喘息の病態

喘息の患者さんの気管支では、慢性的に(無症状でも)炎症が起こっています。体質(遺伝的)要因と環境(ダニやハウスダストの吸入など)要因の両方が関与して発症すると考えられています。常に炎症があるために気管支は過敏になっています。

風邪をひいたり、ホコリを吸い込んだりすると気管支の炎症がひどくなり、気管支が収縮したり、粘膜がむくんだり、痰が増えたりして気管支が狭くなります。気管支が狭くなると空気の出入りが不十分になり、苦しくなります。

この状態が発作です。天候の影響を受けることもあります。

気管支喘息の病態

喘息の患者さんは、自分の身体がこういった状況にあることをよく理解して、たとえ症状がないときであってもきちんとお薬を使った治療を継続しておいて下さい。

コントローラーには飲み薬・吸入薬・貼り薬がある

喘息の一連の炎症反応において重要な役割を持っているのが、ω6脂肪酸のアラキドン酸から作られるロイコトリエンと言う炎症物質です。そこで、このロイコトリエンが受容体に結びつくのを阻害する、ロイコトリエン拮抗薬と言うお薬が気管支喘息の長期治療に用いられます。

具体的には モンテルカスト(商品名:キプレスなど・ジェネリックあり)や、プランルカスト水和物(商品名:オノン・ジェネリックあり)などの飲み薬が使われます。チュアブル錠もありますね。

軽い喘息ならこのお薬だけで対応できるくらい良く効くお薬ですが、中等症・重症の場合は他のお薬との併用になります。

同じく抗炎症薬として喘息でよく用いられるものにステロイド薬があります。現在では局所使用で副作用の少ない吸入式のお薬が良く用いられます。

エアゾール式のものとドライパウダー式のものがあり、それぞれに特徴がありますので、お薬の説明書や薬剤師さんによる使い方の指導をしっかり理解して使って下さい。

また、気管支拡張薬としては、昔から使われてきたテオフィリン(商品名:テオロングなど・ジェネリックあり)があります。徐放剤になっているので、1日に1~2回の服用でOKですが、決められた量をきちんととる必要があります。

少ないと効果が表れませんし、多いと副作用が出ます。結構気難しいお薬だと言えるでしょう。

同じ効果を持つものに、長時間作用性β2刺激薬と言う物があります。このお薬にはサルメテロール キシナホ酸塩吸入薬(商品名:セレベント・ジェネリックなし)があります。

また、飲み薬としてプロカテロール塩酸塩(商品名:メプチン・ジェネリックあり)など数種類が出ていますし、ツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ・ジェネリックあり)と言う貼り薬もあります。子供でも使いやすい便利なお薬ですね。

貼り薬は長時間有効成分が浸みこんでゆくので寝る前に貼っておくのに適していますが、基本的には吸入ステロイドとの併用になると思われます。

吸入薬は使ったらすぐにうがいをして、口やのどに残った薬を流してしまわないといけません。これを怠ると声がれや違和感などの副作用が出やすくなります。

こうしたコントローラー(長期管理薬)は、症状のない時にも継続して飲み続けることで喘息発作を防いでくれるものですので、面倒がって飲まなくなったり受診しなくなったりと言うことのないようにして下さいね。

発作の時に使うお薬は短時間作用性吸入β2刺激薬

喘息の発作が起こった時には速効・短時間型のβ2刺激薬を吸入します。サルブタモール硫酸塩(商品名:アイロミールエアゾールなど・ジェネリックなし)など数種類のお薬があります。

これらに共通する注意事項として、発作が起こったら少しでも早く使うことです。ひどくなってからでは効き目が出にくいですし、最大量まで使ってもダメで救急車と言うことにもなりかねません。

このお薬は過剰に吸入すると心臓への刺激が強まるので危険なのです。さらに、繰り返し使っているとだんだん効きにくくなると言う傾向もあります。

ですので、発作を起こさないよう普段からコントロールすると同時に、発作の気配があったらすぐにこのお薬で抑え込んでしまいましょう。

喘息は以下に発作を起こさないようにコントロールするかと言うことが最も大切なのです。

普段からピークフローを測定して発作を予測する方法

ピークフローと言うのは、呼気の最大瞬間風速だと考えてもらうのが適当でしょう。この数値は気管支の状態を客観的に示してくれる数値です。

喘息の人はお医者さんから測定を指導されることも多いと思いますが、もし測っておられないのであれば、測る習慣を付けましょう。

ピークフローを測る測定器は2000円ぐらいから市販されています。結果を自分でグラフにつけて、発作を予測することもできますので、ぜひ利用して下さい。

ピークフローが下がってきたらお薬で対応する

お医者さんとの相談になりますが、発作が起こっていなくても、一定の数値よりピークフローが下がったら発作を抑えるお薬を使うと言う方法があります。

そうすることで発作を予防したり軽く抑えたりすることも可能になります。おおむね、自己最良値の80%を下回ると発作やコントロール不良の可能性が出てきます。

特に春や秋の発作が出やすい時期には普段よりこまめに測るなどの対応を行うと、より発作抑制につながるでしょう。

喘息は長期にわたるコントロールを行うことが最重要

喘息は症状が出ていなくても喘息であることに変わりはありません。ですので、普段から少しぐらいの刺激では発作が起きないよう、お薬で調子を整えておくことが最も大事なのです。

お薬を使って発作を予防することを意識すれば運動もOKです。もちろん、事前にお医者さんに相談しておいて下さいね。そうすれば、運動前に飲むお薬を指示して下さいます。

そうして呼吸器・心肺機能を鍛えることでさらに発作が起きにくくなります。

花粉や気圧の変化、湿度、気温など、発作を引き起こす様々な要因がありますが、それもピークフローを測っておくと、何が自分にとって不都合な環境要因であるかも判ってくるでしょう。

そうすることで、どのお薬をどのタイミングで使うかと言うことも身に付いてくると思いますよ。

喘息の対策は自分のパターンをつかむことにあります。世の中に喘息の人は多いので、病院などにもさまざまな対策のパンフレットがありますから、そうしたものもフル活用して下さいね。
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