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喘息のステロイド吸入でカンジダに!?知っておきたい副作用

ステロイド吸入する女性

喘息で悩んでいる方は、2種類のお薬を使っている思います。ひとつは喘息発作が起きないように普段から体調・病状をコントロールする「長期管理薬」で、コントローラーとも呼ばれています。

今回話題のステロイド吸入薬はこのコントローラーに含まれるお薬ですが、使い方を誤ると口の中でカンジダが蔓延ってしまうのです。

カンジダ症は全身の皮膚でも起こりますが、どうしても下半身のイメージがあるので、口の中で蔓延るのは気持ち悪いですよね。

口の中でカンジダが起こってしまう理由と、その予防法を解説します。

カンジダはカビの一種!免疫力が落ちると症状を表す

カンジダは出芽酵母と呼ばれるカビの一種です。酵母と言うと醸造や味噌の発酵のイメージがありますが、そうした酵母とも遠縁の親戚ぐらいの関係にあるものなのです。カンジダにも種類がありますが、一般的にはカンジダ・アルビカンスによる感染症が問題になります。

カンジダは口の中の常在菌です。ですので、吸入ステロイドを使っていたら口の中に入ってくるのではなく、もともと棲みついている菌によって日和見感染が起こると言うことなのです。

(日和見感染:本来病原性の低い常在菌が、宿主の免疫力低下によって病気を引き起こすこと。)

カンジダ症は治療で短期間に治るけど不快な病気

口の中にできるカンジダ症は、抗真菌薬を使うことで2週間程度で治る病気ですが、痛みがあったり、見た目が非常に不快であったりします。

口の中がヒリヒリする、口の中が白い(偽膜性カンジダ症)、口の中が赤い(紅斑性、委縮性カンジダ症)、口の中が苦いなどの症状があります。

偽膜性カンジダ症
偽膜性カンジダ症写真

委縮性カンジダ症(紅斑性カンジダ症) – 口角炎 併発症例
委縮性カンジダ症(紅斑性カンジダ症) - 口角炎 併発症例写真

原因
カンジダ菌は誰しもがもっている常在菌です。免疫力が低下することで、病気を引き起こしますが、抗菌薬や降圧剤、抗精神薬、抗アレルギー薬などを長期に服用することで唾液量が減り、ドライマウス(口腔乾燥症)になることでも発症します。

この引用では免疫力が低下することとまとめられていますが、その中には免疫抑制効果のあるステロイド薬の使用と言う物が含まれているのです。

口腔カンジダ症の治療には飲みこめる外用薬を使う

治療にはミコナゾール・ゲル剤(商品名:フロリードゲル経口用2%・ジェネリックなし)などの外用薬が良く用いられますが、症状が重い場合は内服薬を併用することもあります。

ゲル剤は外用薬ですが、広範囲に病巣が広がっている場合は、口の中にできるだけ長く含んでおいて、そのあと飲みこみます。食道にカンジダ症が広がっている場合にもゆっくり飲み込めば有効です。

このお薬は、糖尿病や高血圧、C型肝炎、脂質異常症などの治療薬や抗血栓薬、血管性頭痛や片頭痛のお薬と相性が悪いため、使えない人も多くいると思われます。

喘息で治療を受けている場合は、他の病気のお薬もお医者さんが把握してくれているとは思いますが、念のためいつもお薬手帳を見てもらうことを忘れないようにしましょう。

偽膜性カンジダ症のことを鵞口瘡(がこうそう)とよぶこともあります。鵞とは「ガチョウ」のことですが、ガチョウのくちばしと舌には白いギザギザの歯がいっぱいあるのでこのように呼ばれます。

吸入ステロイドによる口腔カンジダ症は予防できる

こうした不快な口腔カンジダ症ですが、喘息の吸入ステロイド薬の説明書にある注意書きに従って使用していれば、ほとんど起こることはありません。

副作用が出てしまうのは、説明書にある使用後の、のどと口のメンテナンスを行っていないからなのです。

使用後のうがいを忘れると副作用が起こる

一番多い副作用は声嗄れです。その他に口内炎や口腔カンジダ症も現れます。これを防ぐには、吸入後すぐにうがいをすることです。これについては、お薬の説明書にはっきりと書かれていますので、必ずうがいをして下さい。

特に年配の方に多いのではないかと思うのですが、せっかくお薬を吸入したのに、すぐにうがいをしたのでは、お薬を洗い流してしまうことになるのではないかと思ってうがいをしない人もいるようです。

もちろんうがいは洗い流すことが目的ですが、うがいで洗い流すのは、口の中やのどの入り口部分だけです。それ以上奥をうがいで洗い流すことはできません。

一方、喘息のお薬が効いてほしい場所と言うのは、食道と気管が分岐した後、3~4回以上枝分かれした気管支の部分なのです。吸入薬はそこまで届きますが、うがいの水はそこまで届くことはありません。

誤ってその部分まで水が入ったら、それは誤嚥と言うことで、ひどく咳き込んでしまうでしょう。ですから、必要なお薬を流してしまうことはないので、吸入が終わったらすぐにうがいをして下さい。

うがいはできるだけ徹底的に行う

お薬の説明書の一つには、少なくとも口に水を含んで上を向きカラガラとやるうがいと、前を向いてブクブクするうがいを、各々10秒以上・2回以上行うことを推奨しています。

ベストの方法として食前に吸入を行い、その後このようなうがいをして、その後食事を摂り、食後に歯磨きをすればほぼ完ぺきに副作用は抑えられるだろうとしています。

身体が動かしにくい人で、普通に上を向いてうがいができない場合は、水を含んで口の中で良く行き渡らせて飲み込むだけでもある程度の効果は期待できます。

何らかの事情で、口に水を含むこともできない場合は、何度か唾を吐きだすだけでもましだと考えられます。

頻度としては口腔カンジダ症より声嗄れの方が問題になります。いずれにせよ、しっかりうがいをすることで副作用は予防できますので、吸入後のうがいは忘れないようにして下さい。

喘息には非常に多彩なお薬が準備されている

ずいぶん減ってきたとはいえ、いまだに年間2000人台の喘息による死者が発生しています。そのため、様々な治療薬が存在していて、少しでも喘息死を減らすよう努力が続けられています。

その中でも吸入薬は患部に直接作用するため効果が高く、即効性でありながら副作用は少なめと言う、便利でありがたい薬なのですが、それでも使い方を誤ると副作用が出てしまいます。

喘息の吸入薬は3種類あるが基本治療で使う長期管理薬は1つ

最初にお話しした長期管理薬のコントローラーは、普段から使っておくことで喘息の発作が起きにくいようにするお薬です。その中で基本になるのが吸入ステロイド薬です。

ステロイド薬は、副腎皮質ホルモンのうち、グルココルチコイドと言う物質やその誘導体をお薬として使うもので、非常に強力な抗炎症作用をもっています。

一方で、強い副作用もありますから、得られるベネフィットと、考えられる副作用のリスクのバランスが難しいと言う点では注意が必要なお薬です。

喘息の場合、4段階に症状を分けて、最も重いものでだけステロイド薬の内服も併用しますが、基本的にはステロイドは吸入薬として使用します。ステロイドの吸入薬では全身性の副作用はほとんど表れません。

このお薬の主な物には次のようなものがあります。

  • ベクロメタゾン プロピオン酸エステル(商品名:キュバール・エアゾ-ル・ジェネリックなし)
  • フルチカゾン プロピオン酸エステル(商品名:フルタイド・エアゾール・ジェネリックなし)
  • ブデソニド(商品名:パルミコート・ジェネリックなし)
  • シクレソニド(商品名:オルベスコインヘラー・ジェネリックなし)

エアゾールタイプが多いですが、お薬によっては、別の形の専用吸入器があったり、ネブライザーと言う機械で吸入するタイプのものもあります。

発作対応や長期追加治療で使われる吸入薬はステロイドではない

また、喘息の患者さんが発作で苦しんでいる時に、吸入薬を使うと言うイメージを持っている人も多いと思いますが、あれは吸入ステロイド薬ではありません。

発作の時に使うのは「発作治療薬」でリリーバーと呼ばれます。リリーバーの吸入薬は短時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬と言う物で、交感神経を刺激して気管を開く働きを持ったお薬なのです。

サルブタモール硫酸塩(商品名:ベネトリンなど・ジェネリックなし)やプロカテロール塩酸塩(商品名:メブチン・ジェネリックなし)が使われます。

これらはステロイド薬ではなく働き方も副作用も全く異なるものです。副作用については、動悸・頻脈・頭痛・吐き気・めまい・手指の震えなどが知られています。

また、追加治療としてコントローラーに加えられることがあるのは抗アレルギー薬です。抗アレルギー薬は種類がたくさんありますが、その中でマスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンと言った伝達物質が放出されるのを抑えるものには吸入薬があります。

具体的にはクロモグリク酸ナトリウム(商品名:インタール・ジェネリックあり)と言うお薬が使われます。副作用はそれほどありませんが、吐き気や発疹、のどのヒリヒリ感が現れることがあります。

吸入薬にはさまざまなスタイルがあって、非常用のリリーバーは携帯しやすい物が良いですが、コントローラーはネブライザーと言う機械を持っておくのが便利かもしれません。

喘息のコントローラーは症状に応じて4段階に分かれる

喘息は症状に応じて4段階に分かれます。それぞれの症状に応じてお薬を追加してゆくのですが、その時にベースになるのが吸入ステロイド薬なのです。吸入ステロイド薬による炎症抑制効果は、喘息治療の根本になっていると言っても過言ではないでしょう。

上で紹介した吸入ステロイド薬の場合、キュバールとフルタイドは100μgを1日2回、最大800μg/日となっています。オルベスコは100μg~400μgを1日1回、最大800μg/日を2分割して投与です。

パルミコートだけは100μg~400μgを1日2回で、最大1600μg/日まで使用することができます。このように、使用量に割合幅があるので、重症度に応じて使い分けることもできるのです。

最も軽い場合は吸入ステロイド薬だけで良い

喘息の4段階の中で最も軽いものは、ステップ1として、軽症間欠型治療の対象となります。この症状の基準は次のようなものです。

  • 発作の症状は軽度で短い
  • 頻度は週に1回未満
  • 夜間症状は月に2回未満

非常に軽いレベルですね。このレベルの症状に対する治療では、吸入ステロイド薬を低用量で用います。

吸入ステロイド薬が使えない人もいる

例えば結核や、一部の高血圧の人では吸入ステロイド薬が使えません。そうした場合には次のようなお薬が使われます。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

これは、アレルギー反応に関わる伝達物質であるロイコトリエンが受容体に結びつくことを阻害して、炎症が起こることを防ぐ内服薬です。抗アレルギー剤に分類されるお薬の中では、唯一基本治療に組み込まれています。

  • プランルカスト水和物(商品名:オノン・ジェネリックあり)
  • モンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス・ジェネリックあり)
テオフィリン徐放製剤
古くから使われている、気管支の拡張効果を持ったぜんそく治療薬で、長時間にわたって有効成分が溶け出すように製剤されています。

商品名としては、先行医薬品としてテオドールやテオロングなどがあり、ジェネリックもたくさん存在しています。

ただし、吸入ステロイド薬が使えない人で、非常に症状が軽い人の場合は投薬そのものを行わないこともあります。

テオフィリンと言えばカフェインやチョコレートのテオブロミンの仲間で、お茶に含まれる苦み成分です。ただ、お茶に入っているのはごくわずかなので、効果はほとんどないでしょう。

ステップ2以降はお薬の量が変わってくる

ステップ1のレベルを超えて喘息の症状がある場合には、ステップ1で使ったお薬のほかに何種類かのお薬が追加されます。症状の重さに応じて、それぞれの量と使われ方が変わってくることになるのです。

その中にも、口腔カンジダを副作用に持つ物があるので注意が必要です。

吸入薬・内服薬のほか貼付薬もある

追加されるお薬は次のようなものです。

長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬
このお薬は、発作の時の吸入薬と同じ作用をもっていますが、効き始めから効き終りまでの時間が長い薬品を使っています。

  • サルメテロール キシナホ酸塩[吸入](商品名:セレベント・ジェネリックなし)
  • ツロブテロール[貼付](商品名:ホクナリンテープ・ジェネリックあり)

貼付薬は夜間就寝中の発作対策としてよく使われます。

吸入ステロイド薬/長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬配合薬
このお薬は吸入ステロイド薬と長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬配合薬を配合したものです。したがって、うがいをしないと口腔カンジダ症の副作用が発生する恐れがあります。

  • サルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤(商品名:アドエア・ジェネリックなし)
  • ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩配合剤(商品名:シムビコート・ジェネリックなし)
  • フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩(商品名:フルティフォーム・ジェネリックなし)
  • ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル(商品名:レルベア・ジェネリックなし)
経口ステロイド薬
重症の場合には、飲み薬のステロイド薬が用いられることがあります。非常に効果の高い抗炎症薬ですが、全身性の副作用があるため、慎重に使わなければいけません。

感染症にかかりやすくなるだけでなく、骨のトラブルや、副腎機能不全、重い糖尿病なども副作用として知られています。常に病院でチェックを受けながら使って下さい。

軽い副作用としては生理不順やむくみ、イライラ、不眠、脱毛など様々なものがありますので、お薬と一緒に交付される説明文書をよく読んでおいて下さい。

  • ヒドロコルチゾン(商品名:コートリル・ジェネリックなし)
  • プレドニゾロン(商品名:プレドニン、プレドニゾロンなど・先行医薬品のみ多数)
  • メチルプレドニゾロン(商品名:メドロール・ジェネリックなし)
  • トリアムシノロン(商品名:レダコート・ジェネリックなし)
  • デキサメタゾン(商品名:デカドロン・ジェネリックあり)
  • ベタメタゾン(商品名:リンデロン・ジェネリックあり)
かなりたくさんのお薬がありますね。これを症状の重さごとに使い分けて行くのです。喘息は長期間の戦いになりますから、副作用が出ないように万全の態勢を取らなくてはいけないのです。

重症度に応じてお薬が選ばれるので服薬ルールをしっかり守る

これだけたくさんの種類のお薬から、お医者さんは一人一人の重症度や持病、その他の条件を勘案してお薬を選んでくれます。ですので、自己判断でお薬を増減することだけは絶対に行わないで下さい。

特に、この中にはお薬を突然中断すると重い症状が発生する危険を持っている物もあるのです。

ステップ2は軽症で持続型の治療を行う

ステップ2の判断基準は次のような状況です。

  • 重い発作で日常生活が妨げられたり、睡眠が妨げられたりすることが月に1回以上ある
  • 症状が現れる頻度は週に1回以上
  • 夜間症状は月に2回以上

こうした場合には、次のようにお薬が選ばれます。

  • 吸入ステロイド薬(低用量または中用量)
  • 吸入ステロイド薬だけでは効き目が足りない場合、次の薬から一つを選んで併用する
    • ロイコトリエン受容体拮抗薬
    • テオフィリン徐放製剤
    • 長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬
    • 吸入ステロイド薬/長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬配合薬

ステップ3は中等症で持続型の治療を行う

ステップ3の判断基準は次のような状況です。

  • 重い発作で日常生活が妨げられたり、睡眠が妨げられたりすることが週に1回以上ある
  • 症状が現れる頻度は毎日1回以上
  • 夜間症状は週に1回以上

こうした場合には、次のようにお薬が選ばれます。

  • 吸入ステロイド薬(中用量または高用量)
  • さらに次の薬から一つあるいは複数を選んで併用する
    • ロイコトリエン受容体拮抗薬
    • テオフィリン徐放製剤
    • 長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬
    • 吸入ステロイド薬/長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬配合薬

ステップ4は最も重症の治療になる

ステップ4の判断基準は次のような状況です。

  • 日常生活が制限される
  • 症状が現れる頻度は毎日1回以上
  • 夜間症状もしばしば起こる

こうした場合には、次のようにお薬が選ばれます。

  • 吸入ステロイド薬(高用量)
  • さらに次の薬から複数を選んで併用する
    • ロイコトリエン受容体拮抗薬
    • テオフィリン徐放製剤
    • 長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬
    • 吸入ステロイド薬/長時間作用性アドレナリンβ2受容体作動薬配合薬
  • 効果が足りなければ経口ステロイド薬を追加する
このように、順次お薬の組み合わせを検討し、症状の重さに応じてお薬を追加しながら症状を抑えて行くのです。

口腔カンジダ症に注意が必要なのは吸入ステロイド薬

喘息の治療に使われる主なお薬について例を並べてみましたが、このうち口腔カンジダ症を副作用として持っているのは吸入ステロイド薬と、それを成分に持つ配合吸入薬だけです。

しかし、リリーバーの吸入薬もうがいをしておいた方が全身性の副作用が現れにくいので、吸入後にはうがいをすると言う習慣を持っておいた方が安全だと言えます。

その他のお薬にもそれぞれに副作用があり、動悸・頭痛・下痢・吐き気・発疹などさまざまです。必ずお薬の説明文書には目を通して、全部のお薬について服薬ルールをしっかり守りましょう。

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