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トマトのリコピン吸収を邪魔する食べ物!効率の良い調理法はコレ

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トマトの赤い色素、リコピン。がんの抑制の効果があるとされて一躍注目を集めましたが、その後、充分なデータが集まらなかったこともあって、現在ではおもに活性酸素除去と美容効果を謳っていることが多いようです。

そうした中でも、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL-cの低減や、そのLDLが酸化されることの防止には有用であると言う事が判ってきたようです。

しかしながら、世の中にはこのリコピンの吸収を邪魔する食べ物が存在していると言う事はあまり知られていません。

含まれる食べ物

リコピン(ドイツ語)はリコペン(英語)とも呼ばれるカロテンの一種で、ニンジンの橙色の色素、βカロテンなどの仲間です。

トマトの色素として有名ですが、実はスイカやピンクグレープフルーツにも同じくらいの割合で含まれています。特に含有量が多いのはミニトマトで、通常のトマトの2.5倍以上含まれています。

一方、時々誤解されているのは柿です。確かにある程度は含まれているのですが、その含有量はすいかやグレープフルーツの1/4から1/5程度です。

柿はさまざまな栄養を含んでいる食品ですから、「リコピンも摂れる食品」程度に考えておくのが良いでしょう。リコピンを摂るのが目的なら他の物の方がお勧めですよ。

加工品の方が高濃度

意外に思われるかと思いますが、リコピンは生のトマトより、トマトの加工品の方に高濃度で含まれることが多いです。

製品によって多少の差はありますが、おおむね10mg/100g程度は含まれているようで、生食用トマトより3倍以上高濃度になっています。

またケチャップも高濃度で含まれているようですが、ケチャップを100gも食べたら身体に悪そうですので、あくまで参考程度に。

なぜケチャップやジュースのリコピン含有量が多いかなのですが、これはもう、原料のトマトにリコピンが多いものを使っているからに他なりません。

ジュースやケチャップは、食感よりも赤さで勝負するようなところがありますので、まずは真っ赤な品種のトマトを使います。そして、トマトの赤はそのままリコピンの赤ですから含有量が多くなるんですね。

生食用のトマトには3mg/100g程度しかリコピンが含まれませんが、加工用トマトには9~12mg/100gのリコピンが含まれていると言う事です。

リコピンの効果

実はまだ大規模長期間研究の結果と言うのは発表されていません。ですので、確実に効果があったと言うデータは存在しないようです。

一方、大学や企業などの小規模な研究は数多く行われていて、有効性を否定する結果も存在はするものの、どちらかと言うと様々なものに有効であると言う結果の方が多いようです。

抗酸化作用

リコピンの血中脂質改善作用やそれに伴う動脈硬化の改善作用などは、主にリコピンの抗酸化作用に求められているようです。

ちょっと思い出していただきたいのですが、食用油脂の酸化について見た場合、その油を構成する脂肪酸に二重結合(不飽和結合)が多ければ多いほど酸化しやすいと言う事があります。

ですから、二重結合を1か所しかもたないオレイン酸に比べて、6か所も持っているDHAは極度に酸化されやすいんですね。

酸化されやすい物質を、酸化されにくい物質と一緒に置いておくと、酸素はまず酸化されやすい物質にくっつきますから、酸化されにくい物質の酸化をさらに遅らせることができます。

この酸化されやすい物質が酸化防止剤であり、自分が先に酸化されてしまう事こそが抗酸化物質の働きなんです。いわば身代わりお守りみたいなものですね。

そこでリコピンやβカロテンなどのカロテン類です。カロテン類は二重結合をたくさん持っていますから、抗酸化作用が大きいのです!

ビタミンAの前駆体であるβカロテンは二重結合を11個持っている点対称の分子です。これがちょうど真ん中の二重結合の部分で2つに切れると、ビタミンAが2つできます。

βカロテンの抗酸化作用はいまさらお話しするまでもないでしょう。一方、リコピンですが、これは二重結合を13個も持っていて、βカロテンよりさらに抗酸化作用が強いんですよ。

ですから、様々な効果が期待されていると言うわけなのです。なお、リコピンはβカロテンに変化したり、βカロテンがリコピンに変化したりと言う生合成回路もあります。

リコピンに限らずカロテン類やキサントフィルまでも含むカロテノイド全般に言えることですが、抗酸化機能を発揮する際、最も得意とする相手は一重項酸素です。

これは4種類ある活性酸素のうち、フリーラジカルではない唯一の物質で、主に紫外線を浴びたりしたときに身体の中に発生する活性酸素です。

ちょっと変わったところでは、食用赤色105号と言う食品添加物の色素が含まれたところに紫外線を当てると、効率よく活性酸素(一重項酸素)が発生するようです。これを防いでくれる効果があるんですね。

もちろん他の3種類の活性酸素に対しても高い抗酸化作用を持っていますから、どんどん摂った方が良い栄養素です。

リコピンの味方と敵

このリコピンですが、一緒に摂ると吸収が良くなるものと悪くなるものがあります。不思議なことに、それはどちらもリコピンと同じカロテノイドであると言う事が皮肉なところです。

原因は分かっていません。ただ、こういう事があると言う事を意識しておけば、せっかくのリコピンを無駄にせずに済みますね。

βカロテンは味方

βカロテン、つまり野菜から摂れるビタミンAの原料は、リコピンと一緒に摂るとリコピンの吸収を良くしてくれます。

βカロテンはおなじみのニンジンの他、

  • 海苔
  • 唐辛子
  • パセリ
  • モロヘイヤ

などにたくさん含まれています。こうして見てみるとたくさん食べるのに適しているのはニンジンってことになりそうですね。

キサントフィル類は敵!

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キサントフィルとは色素のひとつです。

キサントフィルの中でも、紅鮭の赤い色を出している色素、アスタキサンチンはリコピンの吸収を阻害する可能性があると言われています。

また、同じキサントフィル類に含まれるカロテノイドで、魚が食べた時、魚体内でβカロテンになるカンタキサンチンと言う物質も、リコピンの吸収を阻害するようですね。

このカンタキサンチンもサケやマスの赤い色素なので、養殖の場においてエサに混ぜて魚の色をきれいな赤にすると言う事が行われています。クルマエビのエサにも加えられることがあるようです。

カンタキサンチンは上にも書いたようにβカロテンに代謝され、クルマエビの場合はアスタシンと言う赤い色素に代謝されますが、それでも一部がカンタキサンチンのまま残りますから阻害要因にはなりそうです。

ですから、リコピンを摂るのを目的にトマトを食べる時は、サケやクルマエビの料理とは組み合わせない方がロスが少なそうですね。

濃厚卵の秘密

いわゆる黄身が濃いと言われる鶏卵は、エサにこのカンタキサンチンが加えられていることが多いようです。敢えてキサントフィルを減らしたエサを与えた鶏の卵はレモンイエローに近いくらい浅い黄色です。

逆にカンタキサンチンを与えられた鶏の卵は、こってりと濃い橙色をしています。ですから中華料理のトマトと卵の炒め物を作る時は、できるだけ色の薄い黄身の卵を利用する方が良いでしょう。

もちろん鶏肉にもカンタキサンチンは残留しますが、特に卵には高濃度で入っているようです。卵の中では代謝が行われないからかも知れません。

トランス型リコピン

トランス型と言うと脂肪酸をイメージしますよね。マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどに含まれる、健康によろしくない脂肪酸です。

上でお話ししたように、リコピンは二重結合をたっぷり持っています。そして、その結合の形はトランス型なのです。

健康に害はありません

脂肪酸とは異なり、リコピンの場合トランス型だから体に悪いなんて言う事はありませんので安心して下さい。自然に野菜に含まれるリコピンはほとんどがトランス型なのです。

ただ残念なことに、どうやらこのトランス型であることが原因で、リコピンが身体に吸収されにくいのではないかと言う事が判ってきました。

二重結合部分にはトランス型とシス型と言う二つの形があります。そこで、もしかしたらシス型の方は良く吸収されるのではないかと言う研究が行われたのです。

動物実験段階では、シス化したリコピンをよく吸収するタイプの動物と、差のなかった動物がいましたが、差のなかった動物はリコピン以前に、もともとカロテノイド類全体の吸収率が低い動物でした。

人間はカロテノイドの吸収率が高い動物ですから、シス化することによってリコピンの吸収が向上することが期待されています。

シス型リコピンを食べる方法

では、リコピンをシス化するにはどうしたら良いでしょうか。それは加熱調理することなのです。

トマトなどを加熱調理すると細胞壁が壊れてリコピンが取り出しやすくなるだけではなく、トランス型のリコピンが、熱でシス型に変化することが判りました。

また、リコピンは脂溶性の物質ですから、油と一緒に食べるのが吸収を良くするコツでもあります。

そこで、上でちょっと触れたように、中華料理にあるトマトと鶏卵の炒め物をお勧めしましょう。
もちろん卵は濃厚な色のついてない黄身のものを選びましょうね。

あるいは、トマトジュースをソースのベースに使って、ニンジンや牛肉・豚肉などを煮込んだシチューなんてのも良いかもしれません。仕上げにはパセリを忘れずにどうぞ。パセリもβカロテンを大量に含んだ香味野菜なのです。

体内への蓄積と中毒

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リコピンは脂溶性の物質ですから、体内への蓄積が起こります。そうなってくると気になるのは中毒症状などがないかどうかですよね。

実際、動物実験では中毒症状や発がん性の懸念される摂取量は見いだされています。ただ、それは極度に多い量ですから、おそらく大丈夫でしょう。

最少中毒量と変異原性試験

実験動物によって差はありますが、最も厳しい数字を体重60kgの人間に当てはめてみると、毎日リコピンを1200mg、5日間連続で摂ると中毒症状が現れる可能性はあります。

これは高濃度でリコピンが含まれるトマトジュースを、毎日12リットル飲む量に相当します…飲めませんね。ですので、中毒症状については心配ありません。

一方、発がん性の問題ですが、同じ条件で見た場合、毎日トマトジュースを1トン、3か月飲むとDNAが損傷する可能性があります。発がん性よりジュースで溺れることを心配した方がよさそうですね。

と言う事で、通常食べ物から摂っている分には、リコピンに害はないと言っていいでしょう。ただ、サプリになったものとなると、同じ脂溶性物質のビタミンなどと配合されているので、相乗作用がどうなるかはわかりません。

また、そうしたことに対する実験研究も発表されていないので、現在のところ食べ物から摂っておいた方が安全かもしれませんね。

トマトが苦手な方は少なくないかと思いますが、調理次第では美味しく食べられるかもしれませんよ。美味しい食事で健康になれるなんてすばらしいとは思いませんか?

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