健康生活TOP 動脈硬化 動脈硬化の予防は油で決まる!オリーブオイル選びの4つのコツ

動脈硬化の予防は油で決まる!オリーブオイル選びの4つのコツ

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この健康生活の記事でもいくつか紹介されている閉塞性動脈硬化症、略称ASO。年配の方に多く、いわゆる間欠性跛行(かんけつせいはこう:多めに歩くと痛んで足を引きずるようになるが、休むとまた普通に歩ける状態)が典型的な症状です。

病名の通り、動脈硬化によって主に下肢の血管が詰まりトラブルを引き起こす病気です。この病気がある場合、大抵は身体の他の部位でも動脈硬化が進行しています。

そういう意味では、目に見える症状を本人に伝えてくれている閉塞性動脈硬化症は、もしかすると生命の危機を救ってくれる親切な病気かもしれませんね。

動脈硬化とコレステロールの間に存在する微妙な関係

これまでコレステロールは動脈硬化の原因になるから、脂肪やコレステロールの多い食べ物を控えなければいけないと言うことが常識になっていました。

しかし、最近ではこの常識が全く通用しなくなってきているのです。いったいどういう事なのか、そのあたりから見て行きましょう。

厚生労働省もコレステロールの摂取量を制限しなくなった

現在、5年ごとに改定される厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」は、国民が健康でいるために、食事から得る栄養素の過不足がないように基準を定めて関係機関に提示するための、科学的なデータの集積です。

2010年版では食事からのコレステロール摂取量を、妊娠授乳中の人を含めた成人女性で600mg/日、成人男性で750mg/日と言う上限値を定めて案内していました。これ以上は摂りましょうねと言う下限は設定されていません。

そして、最新版の2015年版を見てみましょう。

コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。

ただし、コレステロールは動物性たんぱく質が多く含まれる食品に含まれるため、コレステロール摂取量を制限するとたんぱく質不足を生じ、特に高齢者において低栄養を生じる可能性があるので注意が必要である。

つまり、2010年版までは下限は定めないけれど上限を定めて、コレステロールに起因すると考えられていた動脈硬化などの病気の予防を図っていたのです。

それに対して2015年版では食事から摂るコレステロールの量と病気の間に科学的な数値が算定できないので、それを見送るだけでなく、むしろコレステロール制限に伴う高齢者のたんぱく質不足に警鐘を鳴らす形になっているのです。

科学は日進月歩ですが、データの積み重ねによってこれまで常識とされてきたものがひっくり返ることもあると言う良い例ではないでしょうか。

それでもLDL-cは「悪玉コレステロール」であり続ける

先の引用元を精読して頂ければお分かり頂けると思いますが、厚生労働省が2015年版として出した結論は「食べ物からのコレステロールは、体内での合成量によって調整される」と言う土台の上に成り立っています。

ですので、血中脂質としてのコレステロールの量には、やはり意味があると言うことなのです。ただ、食べ物から摂る量を減らしても、体内での合成量が増えるので効果がないと言うことなんですね。

と言うことになると、他の生活習慣やお薬によって血中脂質としてのコレステロール量を調整する必要が出てくると言うことになります。

一方で、現在でもなお、研究者の先生方の間にはコレステロールを下げる薬に意味があるかないかで議論があるのもまた事実なのです。

変わる常識・変わらない常識をしっかり認知しておかないと・・・

このように、私たちが知識として持って来た常識は変わりつつあります。しかし一方で変わらない物もあります。この部分を勘違いしないようにしないと、知らずに身体を傷めてしまうかもしれません。

ですので、この健康生活の記事の中でも様々説明はしてきていますが、ここでもう一度整理しておきましょう。

食べ物のコレステロールを気にする必要はない

コレステロールは体内で作られる分が食べ物から得られるものを補完し調整しますから、特に何かの病気でお医者様から厳密な栄養管理を言い渡されていない限り気にする必要はありません。

先に引用したものの中からもう一つご紹介しましょう。

生活習慣病の重症化予防に関して、脂質の目標量を設定できる科学的根拠は十分でない。

さらに、各疾患の原因により治療法(食事療法を含む)は異なることも多く、薬物療法との関わり合いも複雑なため、食事療法の内容を一律に決めることは困難である。

このため、重症化予防を目的とした脂質の目標量は設定しなかった。

つまり、何らかの病気がある場合には、お医者様から一人一人の病状に合わせた指導を受けなさいと言うことです。一律に「脂質異常症だからコレステロールを控えなさい」とは言えないと言うことなのです。

血中脂質の値を適正範囲に保っておくことは変わらず重要

食べ物のコレステロールを気にする必要はなくなりましたが、血中脂質の値は気にし続けなくてはいけません。LDL-c(悪玉コレステロール)の値は、依然として心筋梗塞など動脈硬化に由来する病気の原因になります。

しかし、食べ物から入ってくるコレステロールで調整できないのなら、お薬を飲むか、運動を増やすか、LDL-cを減らしてくれる食べ物を積極的に摂るかと言うことになりますよね。

他の記事でも紹介しましたが、血中脂質の適正化には次のような方法があります。

  • LDL-c対策:動物性脂肪の摂取をオリーブオイルなどの植物油に置き換える
  • HDL-c対策:禁煙し運動を行う
  • 中性脂肪対策:禁酒し糖質摂取量を控え食物繊維を摂る

これまで、LDL-c対策として動物性脂肪を減らすと言うことが入っていました。これは今後も変わりません。これはコレステロールを摂らないと言う意味ではなく、植物油を摂った分のカロリーを一定にするためと考え方を変えます。

そして、これまでは「オリーブオイルなどの植物油」としていたものを「品質の良いオリーブオイル」と言う風に考え直す必要が出てきたようです。

オリーブオイルの効果の秘密はポリフェノールにあった

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これまでオリーブオイルの健康効果について語られるとき、オレイン酸の比率の高さこそがその主役であり、わき役としてポリフェノールなどの働きが紹介されることが多かったと思います。

実際、私自身もこれまでそのような記事をいくつか書いてきました。しかし、ここに来てスペインを中心としたヨーロッパの研究グループが発表した論文が、全く新しい可能性を示していました。

この研究は、20歳から59歳までの男性を対象に、ポリフェノールの含有量で3つにグループ分けしたオリーブオイルを、毎日25mL(小さじ5杯)、3週間摂ってもらって血中脂質の変動を測定したものです。

その結果、いくつかのデータが得られました。

善玉コレステロールはポリフェノールに比例して増えた

末梢から余ったコレステロールを回収し肝臓に運ぶ働きを持つため、俗に「善玉コレステロール」と呼ばれるHDL-c(高比重リポ蛋白-コレステロール複合体)があります。この働きから、HDL-cはある程度多い方が良いとされています。

研究によると、オリーブオイル中のポリフェノール類の濃度が高いほどHDL-cの血中濃度が上がったとあります。つまり、動脈硬化の予防改善に効果があることが示唆されたと言うことですね。

超悪玉コレステロールもポリフェノールで減った

末梢へコレステロールを運んでゆく働きをしているため、悪玉コレステロールと呼ばれることが多い、LDL-c(低比重リポ蛋白-コレステロール複合体)全体については、ポリフェノールの影響を受けませんでした。

しかし、LDL-cのうち、一部だけはポリフェノールによってはっきりと低下する事が判りました。その一つが酸化LDLです。LDLは身体の各部の必要とされている場所で受容体によって取り込まれます。

ところが酸化変成したLDLは受容体に取り込まれないため、異物として処理されマクロファージに食われて血管壁に溜まり、動脈硬化を引き起こします。この酸化LDLはポリフェノール量が多いほど減ったのです。

また、sd-LDL(小粒子・高密度LDL)、別名、超悪玉コレステロールも減りました。これはLDLを二つに分類した片割れで、粒子が大きくて低比重のものをlb-LDLとも言います。

サイズや比重で見た場合、悪玉の中でも善玉に近いところに位置する奴が超悪玉なのです。このsd-LDLは血管壁への透過性が高いため、LDLの中でも、特に動脈硬化の原因になっているとされるものです。

余談ですが、日本国内で英語表記を紹介するときに、”small dense LDL”と書かれることがありますが、これは誤りです。このままだと「低密度で低比重のリポ蛋白」と言う、意味がダブったものになってしまいます。

正しくは”small,dense LDL”、つまりコンマが必要なんです。これで「粒子が小さくて高密度の低比重リポ蛋白」と言う、本来の意味になります。

中性脂肪はポリフェノールに関係なく減った

中性脂肪は、ポリフェノールの含有量に関係なく、オリーブオイルを摂った人たちすべてで減少しました。つまりポリフェノールに影響されなかったと言うことですね。

と言うことは、おそらく従来から言われていたように、オレイン酸を70%以上と非常に多く含む脂肪酸組成であることが有利に働いたのだと考えられます。

ですから、ポリフェノールが主役になったとしても、オレイン酸も大きな働きをしていることは間違いなさそうですね。

ポリフェノールを多く含むオリーブオイルの選び方

オリーブオイルに含まれているポリフェノールにはいくつかの種類がありますが、中心になるのはチロソールと言うフェノール系の抗酸化力を持つ化合物です。

オリーブオイルの有効成分として有名なオレウロペインはこのチロソールとエレノール酸と言う物質がくっついたものです。オリーブの実が青いうちはオレウロペインが多いのですが、熟してくるとチロソールとエレノール酸に分かれます。

また、チロソールはヒドロキシ基がくっついたヒドロキシチロソールと言う、やはり抗酸化作用を持つ化合物になることも知られています。

基本はエクストラバージンを選ぶこと

日本においては、消費者庁の食用植物油脂品質表示基準に示された「食用オリーブ油」と言う分類しかありません。ですので、「エクストラバージン」と書いてあっても、それが品質を保証してくれるとは限りません。

各メーカーが、企業の信用を賭けて品質の高いものにエクストラバージンと銘打っている、と言う状態なのです。そもそもエクストラバージンとは何を意味していて、なぜそれが好ましいのでしょうか。

オリーブオイルは、ヨーロッパを中心とした国際的な組織が規格を決めています。いわゆる業界規格のようなものですが、イタリアなどはそれを法律で縛ることによって国家規格にしています。

オリーブオイルの最大の生産国がスペインであるにもかかわらず、イタリア産の方が高評価なのはそのあたりの経緯によるのかもしれませんね。

オリーブオイルの規格と選び方

その規格によると、バージンオイル4ランク、リファインドオイル2種類、ポマスオイル2種類の合計8グレードに分類されています。バージンオイルだけは品質の上下でランク分けされているので、種類ではなくランクとしています。

バージンオイルとは、オリーブの実を物理的に絞っただけのもので、収穫後の水洗い以外、製造過程において一切の物質の混入を許していません。

その中でも、酸度(遊離脂肪酸含有量)が0.8%以下であるものをエクストラバージンとしています。国際機関の規定ですので、加盟国であればこの規定は守っているでしょう。

加盟国はたくさんありますが、ヨーロッパと中東、北アフリカ以外には南アメリカのウルグアイとアルゼンチンだけです。ですので、オーストラリアやアメリカは加盟していません。

しかし、個人的な経験で言うとアメリカ・カリフォルニア州産のオリーブオイルは決して悪くなかったですよ。むしろ美味しい部類に入ると思います。

バージンオイルの残り3ランクについては、日本にはあまり入ってきていないと思います。一番下のランパンテと言うランクは食用には適しませんので加工用原料になっています。

リファインドオイルは、バージンオイルの品質の低いものを苛性ソーダなどで酸度を低めて改質したものです。さらにこれにバージンオイルを加えて風味づけをした調整リファインドオイルもあります。

日本でピュアオイルと呼ばれているのは、この調整リファインドオイルであることが多いと思います。

ポマスオイルは、バージンオイルを絞った残りかすにヘキサンなどを加えて化学抽出したオイルです。この手法は、日本の食用油の多くのもので使われている手法ですから安全性に問題はありません。

残りかすと言っても、エクストラバージンを取ろうと思うと、もともとあまりしっかり油を搾れないんですよね。絞り過ぎると酸度が上がって低グレードになってしまうんです。

ですから、もったいないのでそうした手法を使うわけです。ただ、化学抽出ですから遊離脂肪酸は残りにくいと同時にポリフェノールなどもほとんど残っていません。

リファインドオイルと同じように、ポマスオイルにもバージンオイルで調味した調整ポマスオイルが存在します。

オリーブオイルの分類とはこのような内容ですので、ポリフェノールを求めて選ぶならエクストラバージンしかないと言うことになるのです。

残り賞味期限が長い油を選ぶのがポリフェノールを摂るコツ

水洗いされたオリーブ果実は、破砕され、遠心分離機などでオイルを絞られ、場合によってはフィルターでろ過され、必要に応じてステンレスタンクの中で熟成します。そのあと、瓶詰されてから18ヶ月間が賞味期限です。

一方、日本では遮光瓶などに詰められた食用油の賞味期限を2年としています。ですので、ヨーロッパから輸入されたはずのオリーブオイルの賞味期限が18か月以上残っていると言う現象も起こり得ます。

しかし、私たちは抗酸化物質であるポリフェノールを期待していますよね。抗酸化物質とは、自分自身が非常に酸化されやすい物質でもあります。ですから、できるだけ賞味期限のたくさん残っているものを選びましょう。

オリーブオイルを選ぶときの重要ポイント4つを覚えよう

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いちど買ってみてダメだった食品は、次からは避けますよね。オリーブオイルも一緒です。そのとき重要になるポイントがありますので、覚えておいて下さい。

1.青臭い味のオイルはOKです

オリーブオイルは、一般的には青臭いと感じられるものが多いです。場合によってはリンゴのようなフルーツっぽい香りや、なすびのような香りがあることもありますが、土台は青臭さと感じられるでしょう。

この香りが前に出ていると言うことは、ポリフェノール類などが劣化していないと言うことですので、むしろ歓迎すべき香りだと思って下さい。

2.苦味と辛味はポリフェノールの特徴

生で食べた時、強烈なものになるとむせてしまうくらい強い辛味を持っている場合があります。また、基本的にエクストラバージンはほろ苦さがあります。

オイルの性質によって、口に入れた瞬間に苦みと辛味が来るものもあれば、最初は甘く、次に辛く、最後に強い苦味が来るような時間差攻撃もあります。これらは全部オイルの個性ですからOKです。

3.土臭さと油臭さはNG、無味無臭は最悪!

土や腐葉土のような臭いがするものは生産段階で、品質の落ちた果実を使ってしまった時などにできる不良品です。お腹を壊すことはめったにありませんが、運が悪かったと思って捨てて下さい。

実際、まれにではありますがこのような製品に出会うことはあります。基本農産物ですから、やむを得ない事なんですよ。

油臭さは、製造後の管理が悪かったために油が傷んでしまっているんですね。一度使ったてんぷら油のような臭いがしたら、これは食用には向かないくらい酸化しています。

油は油なんだけど、何となくべったりした臭いの、食欲をそそらない臭いの場合、輸送や在庫中の温度や光によって傷んだ可能性もありますね。いずれにせよ良くない油です。

4.容器で見つけられる良いオリーブオイル

先に紹介した国際機関の規定では、オリーブオイルの容器についても規定しています。結構厳密なんですよ。

  • 100mLガラス瓶
  • 250mLガラス瓶
  • 500mLガラス瓶
  • 750mLガラス瓶
  • 1Lガラス瓶
  • 1L金属缶
  • 3L金属缶
  • 5L金属缶

これ以外はエクストラバージンの販売用容器としては認められていません。ですので、陶器やペットボトルなどに入ったものはエクストラバージンじゃないと言うことです。また、他の容量のものもアウトですね。

なお、国際機関に加盟していない日本やアメリカなどの海外向けの輸出の場合、1000Lクラスのステンレスタンクコンテナや、段ボールと分厚いビニール容器で構成された100Lクラスの輸送容器で運ばれることはあります。

こうした場合でも、業務用でお店で使う時などを除けば、先に示したサイズの容器に小分けされて小売されると思います。

こうした規格に準ずるためだけではなく、酸素を通してしまうペットボトル入りのエクストラバージンは、味の面でも栄養の面でも決してお勧めできません。

大量に使うご家庭では金属缶を、一般的な使用量で使われる場合には、濃い色の遮光瓶に入ったものをお勧めします。

オリーブオイルは地中海の醤油と言っても良い

私たちが醤油を使うのと同じくらい食事に密着した調味料がオリーブオイルです。ですので、健康ブームに乗っかって一時的に話題になる食用油とは根本的に異なります。

良いお醤油を選ぶと食卓が豊かになると同時に、少量でも美味しいので減塩になって健康に寄与してくれます。それと同じで、オリーブオイルも美味しくて品質の良いものを選ぶことで健康に寄与してくれるのです。

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