健康生活TOP 動脈硬化 キンカンの成分が効く!動脈硬化を改善する食事にデザートを追加

キンカンの成分が効く!動脈硬化を改善する食事にデザートを追加

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食物繊維が血中脂質や血糖値を改善してくれる効果があることから、当然動脈硬化を防ぐ力があると思われていましたが、意外にも食物繊維と動脈硬化の関係を直接研究したものと言うのは少ないんです。

例えば、最近人気のω3不飽和脂肪酸(α-リノレン酸やDHA、EPAなど)が動脈硬化の予防改善に有効と言うのは、もはや常識と言っても良いかもしれません。しかし食物繊維については漠然としたイメージだったんですよね。

それでも、1995年から始まり、1年半~3年にわたって対象者の観察を続けた研究では、やはり食物繊維を多く摂る人は動脈硬化になりにくい事が判りました。

食物繊維を摂る人は動脈硬化の進行も遅い

動脈硬化と言うのは、機械で測定して初めて判るような初期のレベルのものは、多くの人に子供のころから見られる現象なのだそうです。

ただ、それが健康診断の数値として基準範囲から外れたり、高血圧などの症状が出たりしてしまうと「子供の生活習慣病」と言う問題になるのです。

ですから、当然のごとく大人になれば多かれ少なかれ、みんな動脈硬化を抱えているわけです。しかし、それが病気に結びつくかどうかは、その程度次第と言うことになるんですね。

動脈硬化の進行度合いは血管の壁の2枚の厚みを測る

動脈と言うのは心臓からの血液の圧力を支えなければならないため、しっかりした構造物として造られています。

血管の内側から、内皮細胞・基底膜・内弾性板・平滑筋・外弾性板・外膜と言う組織が重なり合って、とても頑丈な構造を持っているのです。

このうち、外膜以外の部分を内中膜複合体と言いますが、頸動脈の内中膜複合体の厚みを測るIMT計測検査と呼ばれる超音波による診察で、動脈硬化の進行度合いを見ることができるんですよ。Iは内膜、Mは中膜、Tは厚みの英語の頭文字です。

高血圧や糖尿病などをお持ちの方で、首筋にプローブを押し付けられて測定する、くすぐったい超音波エコー検査を受けた経験をお持ちの方もおいででしょう。あの検査がIMT計測検査です。

一般にはIMTが1.1mmを超えると心筋梗塞や脳卒中のリスクが上昇すると言われてましたが、それを否定する研究発表が出されたりもして、ちょっとわかりにくい状況にはあります。

それでも、動脈硬化の進行具合を示すデータであることには間違いないので、やはりあまり血管壁が分厚くなるのは避けたいところですよね。

緩やかな効果ながら食物繊維はやっぱり役に立つ

先にお話しした研究では、食生活の分析から得られた食物繊維の摂取量と頸動脈IMTの測定との間に、逆相関(食物繊維を多く摂るほどIMTが低くなると言う関係)が見られたとあります。

その中でも、「粘液性食物繊維」と言うのが効果的だとされています。これは日本語で言うところの水溶性食物繊維のことでしょう。水溶性食物繊維は水分を含むと粘りが出ますからね。

そして、最も特徴的な効果を持っているとされたのがペクチンでした。

結論:粘液性食物繊維、特にペクチンの摂取はIMT(内中膜複合体の厚み)の増加から身体を保護する効果がある。

つまり、病的であってもなくても、ある程度発生している動脈硬化の進行を遅らせる働きがあるわけです。

まだ病気として認識されていない状態であったなら、それは動脈硬化が病気として現れてくることを予防することになります。

既に動脈硬化が病気として現れてきている場合、その進行を遅らせる改善効果を持つと言うことでもありますね。実に頼もしい味方ではありませんか。

食品添加物として便利に使われているジャムや果物でおなじみのペクチン

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ペクチンと言えば市販のいちごジャムなどにゲル化剤・安定剤として添加されている増粘剤として有名ですよね。先にお話しした通り水溶性食物繊維ですから、いわゆる多糖類です。

分類上は炭水化物になりますが、人間の消化酵素では分解吸収できませんので血糖値を上げることはありませんし、糖分の吸収を抑制するため血糖値の急激な上昇を防ぐ効果もあるんです。

ペクチンは食品添加物として便利に使われている

ちょっと変わった性質を持つゲル化剤で、加熱しなくても水に溶け、他の条件を満たすと固まります。

ペクチンのうちジャムなどに使われるタイプのものは、糖分が多くなり、酸度が高くなると固まります。よく判るのはマーマレードですね。かんきつ類にはペクチンが多く含まれていて、酸度も高いです。

これに砂糖を加えて煮溶かすと条件がそろうので固まると言うわけです。

もう一つのタイプのものは市販デザート原料「フルーチェ」やそれに類したものに使われていて、カルシウムが多くなると固まります。つまり、牛乳を注ぐのはカルシウムを入れて固めていると言うことなんですね。

ですから、理論的にはサバの水煮缶をミキサーにかけて、フルーチェと混ぜてもプルンプルンのものができるでしょう…絶対食べたくないですが。

ペクチンを多く含むのは柑橘系のフルーツ!中でもキンカンは圧巻です

いちごジャムに使われていることからイメージがつながりがちですが、いちごにはそれほど多くのペクチンは含まれていません。むしろ足りないから添加していると言うイメージです。

また、アップルペクチンも有名になったようですが、りんごもそれほど多くのペクチンを含んでいるわけではありません。圧倒的に多いのは柑橘系のフルーツなのです。

果肉ではキンカンと柚子が圧倒的

東京農業大学の研究グループによると、果物の中で最も多くのペクチンを含んでいたのは「みかんの皮」でした。ただ、これはそのままでは食べにくいものですから、ちょっとほかに譲ることになるでしょう。

1)柑橘類
4%以上:みかんの皮
3-3.99%:キンカンの果肉・ザボンの果肉・ザボンの果皮・柚子の果肉
2-2.99%:仏手柑・柚子の皮
1-1.99%:キンカンの皮・みかんの果肉

同じ研究では他のフルーツや野菜、ナッツも比較対象となっていました。その中で圧倒的なのはクルミと殻つきピーナッツで、いずれも5%台の含有量でした。しかし、水分たっぷりのフルーツと乾燥したナッツでは単純比較できません。

それにカロリーの問題を考えると、ペクチン狙いで食べるにはナッツは不向きかもしれませんね。もちろん、「ビタミンEなどを狙ってナッツを食べたら、ペクチンも少し摂れた」と言うのは良い事でしょう。

それ以外では、3%以上ペクチンを含む自然食材はありませんでした。りんごやバナナ、いちご、キーウィフルーツなどは0.5-0.99%ですし、桃やブドウは0.49%以下の含有量です。

こうして見比べてみると、かんきつ類のペクチン含有量は圧倒的とも言えそうですね。

キンカンは食物繊維のバランスが抜群で総量も多い

日本食品標準成分表に収載されている生のフルーツは、アボカドやドリアンなど特殊なものを除けば、概ね85%内外の水分含有率です。つまり15%程度しか水分以外の成分がないと言うことです。

そして、食物繊維の総量が3%以上、つまり水分以外の成分のうち1/5以上が食物繊維であるフルーツはカリンやグァバなど8種類、キンカンもその中に含まれています。

しかも他のフルーツはすべて不溶性食物繊維が多いのに対して、キンカンだけは水溶性と不溶性の食物繊維の割合が50%:50%と、とてもいいバランスなのです。

この頃のキンカンは品種改良で食べやすくなっている

元々キンカンは渋味があったり酸味が強すぎたりして味が悪く、種が多いので食べにくいものだとされていました。ですので、甘露煮や砂糖漬けに加工されたものが多かったんですね。

一方で咳止めに良いと言った民間療法の「体に良い食べ物」でもあったわけです。

しかし、ここに来て高糖度品種の「たまたま」や種が少ない品種の「ぷちまる」など、水洗いののち、そのまま丸ごと食べて美味しいキンカンが市場を賑わすようになってきました。

こうなったら食べない手はありませんよね。高糖度のものになると、ちょっと血糖値が心配かもしれませんが、糖尿病の心配のない人はたくさん食べたいものです。

食品添加物でもペクチンはかなり安全!フルーツ由来のペクチンを摂ろう

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食品添加物として使われていることから、一部には安全性に懸念を示す声がありますが、これは杞憂と言うものでしょう。

アレルゲンになる物質ですから、アレルギーのある人は避けなければいけませんが、そうした人はもちろんフルーツの中に含まれるペクチンにも反応します。

また、グァーガムやそのほかの不溶性食物繊維と一緒に摂ると胃腸症状を引き起こすこともあるそうですが、これはほとんどの食物繊維に共通する事柄でしょう。

日本や北米での食物繊維摂取の基準

日本ではだいたい成人女性で1日当たり18g、男性で20gの食物繊維摂取量の目標値を定めています。実際の摂取量の中央値は14g弱ぐらいですね。

しかし、この数値は決して理想的な値ではないのです。

理想的には24g/日以上、できれば14g/1,000kcal 以上を目標量とすべきである。しかし、平成22年、23年国民健康・栄養調査の結果に基づく日本人の食物繊維摂取量の中央値は、全ての年齢階級でこれらよりかなり少ない。これらの値を目標量として掲げてもその実施可能性は低いと言わざるを得ない。

このように、北米では摂取熱量1000kcalあたりで14gの食物繊維と言うのが目安量として設定されています。それに比べると日本人の実際の摂取量は半分以下と言うことですね。

実際、一気に食生活を改善してそうした値に近づけるのは難しいと思います。それでも、動脈硬化に良い影響を与える事が判った水溶性食物繊維のペクチン、これをフルーツから上手に摂ることは効率的だと思います。

フルーツ由来のペクチンを水溶性食物繊維として摂ろう

そんな中でも、食べやすくおいしく品種改良が進んでいる上に、水溶性のペクチンをたくさん持っているキンカンは、これからの注目株だと言えるでしょう。

なお、キンカンと同じ程度の水溶性食物繊維(ペクチンを含む)を持っているフルーツは、

  • レモン(種を除いて皮ごと1個食べた場合)
  • アボカド(可食部)
  • ホワイトサポテ(可食部)

の3つだけです。ホワイトサポテは暖かい地方で摂れるかんきつ類で、大変甘い(糖度12~15度くらい)ものですが、栽培が難しいためあまり一般的ではありません。暖かい地方の直売所などで見つけられたら試してみて下さい。

レモンをキンカンみたいに丸ごと食べると言うのは…考えただけでも酸っぱいので勘弁して下さい。そういう意味ではアボカドはキンカンと並んで優秀かもしれませんね。

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