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男性に貧血が出たらすぐ病院で検査を!女性と異なる男性の貧血の原因

貧血を起こしている男性

貧血と言えば女性の症状と思うほど女性に圧倒的に多いものです。これは毎月定期的に血液を失う機会があるから、それによる鉄欠乏性貧血が起こりやすいことが大きな原因です。そのほか、無理なダイエットによる貧血も女性に多いですね。

ですので、男性に同じような貧血が起こった場合は、女性の生理に匹敵するほどの量の出血が、消化管潰瘍やがんなどによって起こっている可能性があるのです。しかし、男性の貧血は少ないので、貧血と気付くのに時間がかかってしまいがちなのです。

しかし、貧血には男女差がないものも結構存在しています。生理や無理なダイエットに関わらない貧血に男女差はありませんから、女性も生理による貧血だと決めつけて安心せず、まずは鉄分を摂った上で貧血の改善が見られなければ、さらにしっかり調べないといけません。

貧血の定義とは?男女が知っておくべき貧血の原因・症状と対策

貧血と言うのは、血液中で酸素の運搬を担っている赤血球に赤い色をつけている、ヘモグロビンと言う色素の量が一定以下に下がってしまった状態を言います。この色素は中心に鉄を持っていますから、鉄分不足が貧血の最も大きな原因になるのです。

鉄欠乏性貧血は女性に多く、成人女性の17%が、中学生女子ですら8%~15%が鉄分不足による貧血であると言います。一方、男性には貧血の人は少ないです。それは鉄欠乏性貧血をもたらす要素のうち半分くらいが女性にだけ見られるものだからです。

貧血の定義とは?血液検査と結膜での検査

貧血はヘモグロビンの濃度が一定以下に下がったものを指します。ヘモグロビンとはポルフィリンと言う有機化合物が、カニのハサミのように2価の鉄原子を挟み込んだヘムと言う物質と、グロビンと言う球状たんぱく質が結びついたものです。

この結びついたものが4つ集まってヘモグロビンを構成しています。このヘモグロビンは肺血管で酸素と結びつき、末梢で酸素を放出すると言う働きを持っているため、酸素の運搬役としての仕事を行えるのです。

このヘモグロビンが、以下である場合貧血と言うことになります。

成人男性 13g/dL未満
成人女性、小児 12g/dL未満
妊婦、幼児 11g/dL未満

ですので、血液検査でヘモグロビン量を測らないと正確にはわかりません。

しかし、例えばまぶたの裏の結膜が白いと言う典型的な症状から貧血と診断される場合もあります。普通まぶたの裏には赤い網目模様が見えます。それが白っぽかったら貧血と言うことですね。

自分でもわかりやすい兆候ですので、毎日鏡を見る時にはアカンベーをしてみましょう。舌も出して下さいね。鉄分の不足では舌が荒れることも、よく見られる症状の1つです。

鉄欠乏性貧血の原因は大きく分けて3つ

鉄欠乏性貧血の原因とは次のようなものです。

  • 鉄分の摂取不足
  • 鉄分の必要量増加
  • 鉄分の喪失量増加
このうち性別に関係がないのは摂取不足だけです。毎日の食事から鉄分を上手に摂って貧血を起こさないようにしておきましょう。但し、胃腸の病気などで鉄分の吸収が悪くなっている場合にも摂取不足は起こります。

詳しいことは後ほどお話ししますが、胃腸の手術を受けられた経験のある方で貧血気味の場合は、手術を受けた病院を受診して相談してみましょう。

鉄の必要量や食品に関する情報がこの健康生活の中にもありますので、摂取不足にならないよう参考にして下さい。

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鉄分の必要量が最も増加するのは思春期

男女とも、生理の有無にかかわりなく、最も鉄分を多く必要としているのは12歳から14歳の間です。もちろん男性で少なく、初潮がまだの女性であっても男性より必要量は2割以上多くなっています。

この年代に鉄分が多く必要とされるのは、急激に身体が育つからです。血液の量は体重に比例します。ですので、最も身体が大きくなるこの時期に最も鉄分が多く必要となるのです。

例えば、新生児の体重を3kgとすると、2歳児の体重は12kgくらいですから4倍にも成長しますが、絶対値で見ると9kg増えているだけです。一方男性で12歳から14歳と言うと、身長で15cm以上、体重で10kg以上増えています。

また、女性では身長で7cmくらい、体重で5kgくらいしか増えないので、赤ちゃんの時より成長の数値は低いです。しかし、多くの女性はこの時期に初潮を迎えますから、やはり鉄分が大量に必要になると言うわけです。

この時期の鉄分の必要量は、女性で成人の1.3倍くらい、男性で成人の1.6倍くらいにも上ります。この時期にきちんとした食事を取らないと、一生貧血に悩まされるかもしれません。

一方、女性にだけ必要量が増加する時があります。それは妊娠・出産・授乳期です。特にたくさん必要になるのは妊娠後期です。ほぼ普段の2倍必要になりますので栄養には充分留意して下さい。

鉄分の損失は生理と病気が原因

毎月の生理のために一定量の出血があるので、女性は鉄分の損失が多くなっています。その分必要量が多くなるので、食事からきちんと摂らなくてはいけません。

成人女性の鉄分の必要量は、成人男性の必要量の約1.7倍です。にもかかわらず、ダイエットなどで誤った栄養摂取をしていると鉄分不足に陥って貧血になってしまうと言うわけです。

このような事情から、貧血は男性に少なく女性に多いと言うわけです。にもかかわらず男性で貧血になる人もおられます。しっかり食事は取れていると思うのに貧血だと言う男性は、鉄分の喪失、つまり出血が起こっている病気の可能性が出てきます。

もちろん、病気による貧血は女性にも起こりますが、普段貧血と縁のない男性には特に貧血に注意してほしいと言うことです。その病気については次の章で見て行きましょう。

焼肉を食べる時は、女性は男性の1.7倍のレバーを食べて下さいね。レバーはカルビの1/3のカロリーで鉄分は3倍です。しかも焼いても失われませんのでお勧めですよ。

男性が注意したい鉄欠乏性貧血の意外な原因の一つは…痔!

目で見て判る出血と言えば、まず痔が挙げられます。痔には出血を伴うものと伴わない物がありますが、出血したとしても痔によって貧血を起こすほど大量に出血すると言うイメージはあまりありません。

排便後にトイレを見たら血の海になっていたと言うような派手な出血は、それほど見られるものではありませんし、万が一そうなっていたらすぐ受診されるでしょう。むしろ注意が必要なのは少量の出血が長期間続く場合なのです。

生理による出血には純粋な血液は半分以下しか含まれない

女性のように、生理でまとまった量の経血が見られる場合には、それが原因で貧血を起こす人がいると言うのも何となく理解しやすいですね。しかし、意外なことに痔による出血でも貧血を起こす場合があるのです。

もちろん痔も女性の方が多い病気ですが、女性は普段から出血による鉄欠乏性貧血について意識されていますので、重症化して慌てることは少ないでしょう。「たかが痔くらいで」と考える男性の方が危険だと言うことなのです。

例えば、経血量の正常範囲は1回20g~140gであると言われています。しかも、経血に含まれる純粋な血液は40%程度で、それ以外は妊娠しなかったことによって不要になった組織ですので、多くても純粋な血液の損失は1か月に56g程度と言うことになります。

最大と最少の平均を取れば、32g程度の出血、一年分として考えても384gから416gくらいですね。

一方、全血献血の可能な量を見てみると、男性で年間1200mL、女性で800mLとなっていますから、この差の分が生理によって失われる量だと考えても良いでしょうし、先に計算した平均の量ともよく一致します。

痔で貧血になるのは少量長期の出血が多い

さて、痔の話題に戻りましょう。もちろんイボ痔などで出血が見られない場合や、切れ痔で出血していても、その量が少なければ特に問題にはなりません。しかし、この「少ない量」と言うのが曲者なのです。

例えば、ポーションタイプのコーヒーフレッシュ1個分相当の出血が毎日あったとしたら皆さんはどうお感じになりますか。排便の時に一気に出血したら、結構便器の中が赤くなってびっくりするかも知れませんが、じわじわ出血していたら下着が汚れて気付くレベルかも知れません。

しかし、コーヒーフレッシュ1個分は5mLです。これが一か月続くと150mLになって、女性の生理の3~5倍くらいの量になってしまうのです。1年では1800mLと一升瓶1本分、つまり男性の全血献血が許された量の1.5倍にもなると言うことですね。

一方、じわじわ血がにじむ出血で、一日に20時間出血していたとすると、1時間あたりにすると0.25mL、つまり12分に1滴ぐらいの量と言うことになります。しかもそれが肛門の内側で出血していたら、ほとんど気づかないでしょう。

実際痔出血は、少量長期にわたるものが貧血に繋がりやすいことが判っています。これは徐々に血液が失われることで、本人がその状態に慣れてしまっているからだとも考えられています。

ですので、痔による長期間の出血が気になっている男性は、一度血液検査を受けて貧血がないかどうかをチェックしておきましょう。もちろん女性でも同じですよ。

男性にとって貧血は縁遠いと言う意識があるので、どうしても油断しがちです。たとえ1日にコーヒーフレッシュたった1個分の出血でも1年間では一升瓶1本と言う量になることを意識しておいて下さいね。

男性の鉄欠乏性貧血は消化管出血によるものが多い

このように痔によって出血していることによる貧血と言う可能性には注意しておいた方が良いと言うことはご理解いただけたでしょう。しかし、これははっきり出血と判りますので、それが原因になっている可能性を疑えます。

一方、胃や十二指腸で出血していても、血液自体が消化されてしまいますから、便が黒っぽくなることはあっても、赤い血が混じるということはありません。それだけに見落としやすいので注意が必要です。

下血が見られるのは大腸・直腸の病気が多い

眼で見てはっきりと血が混じっていると判るのは大腸の後半部分から直腸にかけての部分に病変がある場合です。それより上になる小腸後半から大腸前半部分で出血している場合、赤みを帯びている黒っぽい便と言うイメージの物が出ます。

さらに上で、胃から小腸前半部分の出血は黒っぽいタール便と呼ばれる物が出ることが多くなります。いずれにせよこれらの便は、消化管内部で出血していることを示していますので、数日様子を見て変わらないようであれば受診して下さい。

特にがん年齢になった人では腫瘍に注意する必要がありますし、ある程度高齢になったら特に重要な注意点になります。消化器系、胃から直腸に至るまでのどこかに腫瘍があって、そこから持続的に出血していると貧血が起こります。

ですので貧血症状があって、こうした便に気付いたらすぐに受診をお勧めします。この下血を伴う消化器系の病気と言うのは、胃潰瘍や大腸がんなど有名な病気ばかりでなく、感染症や慢性疾患の合併症、アレルギー性紫斑病など様々なものがあります。

いずれにせよ受診が必要になります。今回は貧血の話題ですので、貧血の原因になる長期の消化管出血を伴う病気として、胃潰瘍や大腸がんに比べると知名度の低い大腸憩室症を紹介しておきます。

大腸憩室症は食生活の悪さから発生する病気

憩室と言うのは、腸の壁の弱いところが外へ向かって膨らんだ袋状の組織です。憩室自体に危険性はありませんし憩室が存在しても無症状の人が多いです。しかし、何かのはずみで出血や炎症が起こることもあるんですよ。

憩室症の主な原因は食物繊維の少ない食事にあります。食物繊維が少なく便秘がちになると、腸の内圧が高まります。その結果、腸の壁にけいれんが起こり、腸の壁の弱いところが外へ向かってポコポコと膨らんでしまうと言うわけです。

大腸憩室症の簡略図

その大きさは2.5mmくらいから25mmくらいとされていますが、これを超えて15cmにも届こうかという巨大憩室が見られる場合もあります。こうした巨大憩室は炎症などがなくても手術対応になることが多いようです。

普通サイズの憩室では炎症や出血がない限り、食物繊維に富んだ食生活にする食事療法だけで改善する場合が多いです。それだけでは不足する場合、麦のふすまやサイリウムハスク(オオバコ種皮)なども利用されます。

一方、憩室に便が詰まって炎症を起こした場合は強い腹痛が見られることがあります。憩室の入り口が狭く血管が切れた場合には出血しますし、量が多ければ下血にもつながります。この出血が継続することで貧血をもたらす可能性があると言うことです。

こうした場合には、症状が比較的軽い場合は抗生物質が処方されますが、痛みや出血が多い場合には食事を制限して点滴治療になります。さらに、下血にまで至るほど出血量が多い場合には内視鏡で止血が行われます。

こうした治療で改善しない場合は開腹手術と言うことになる場合もあるでしょう。大腸憩室症は若い人にはあまり見られませんが、40歳を超えるといきなり増え始めますので、普段から食生活には十分注意しておきましょうね。

食物繊維不足で貧血になると言うのも意外な組み合わせですね。食物繊維については女性の方がダイエット関係で良く意識されていますから、男性の方がハイリスクかもしれません。

血尿に痛みが伴わない場合はがんの疑いがあるので要注意!

血尿は割合よく見られる症状です。しかし、多くの場合膀胱炎であったり尿路結石であったりと、痛みや不快感を伴う病気が原因ですので、皆さん受診されると思います。

また、尿検査によって初めて判る顕微鏡的血尿(尿潜血)の場合は、少なくとも貧血に繋がることはありませんので、今回は話題から外しておきます。血尿が原因で貧血になるケースはまれですが、なった場合、重い病気が隠れていることが多いのです。

血尿は赤色だけでなくオレンジの場合もある

おしっこが何となく赤いとか、オレンジ色だとか言う場合に血尿だと判断しても良いでしょう。尿の正常な色はほぼ無色~淡黄色です。

聞いた話ですが、無色透明の尿は重病だとか言う話題を流した健康娯楽番組に対して、医療関係の人が「それはどうかと思う」とコメントされたとか。水分を多く摂った時は尿はほとんど無色にもなりますし、これは全く正常です。

一方、ちょっと尿の色が濃いかなと思った場合は水分を摂って下さい。血尿以前に脱水が怖いです。そして水分を摂っても尿がオレンジっぽい場合は肉眼的血尿の可能性が出てきます。

もちろん、尿が真っ赤だとか、真っ赤を通り越して暗赤色だとか言う場合は大急ぎで病院に行きましょう。

痛みのない肉眼で判る血尿に注意

血尿が現れているのに全く他の不快症状がないと言った場合には注意が必要です。これは膀胱がんの可能性があります。ですので、他の症状が全くないのに血尿が出た場合は必ず受診しましょう。

特にいわゆる「がん年齢」以上の人は受診を強くお勧めします。さらに、腎臓や前立腺の腫瘍からの出血は強い出血となったり、それに見合った貧血が現れることもあります。

血尿はむしろ痛みや引きつりなどの不快症状があらわれている方が受診動機に繋がるのでマシだとも言えるでしょう。膀胱がんの場合、貧血にならずに数日で血尿が治まってしまう場合もあります。

病気は痛みがあった方が病院に行くモチベーションが上がりますね。逆に言えば、目に見える不調があるのに、本人が不快症状を感じていないと言うのは怖いです。

生活習慣によって不足した鉄分を補うお薬が効かない場合には胃の検査が必要

鉄欠乏性貧血が見られた場合、もちろんその原因になっている病気を探って治療することが最も大事です。しかし、生活習慣による摂取不足が疑われた場合、鉄剤の処方が行われるでしょう。

しかし、このお薬も効かない場合があります。そうした場合、静脈注射による鉄剤の投与が行われることもありますが、これは鉄の過剰症が現れやすいと言うリスクが存在しますから、できるだけ内服薬で対応したいのです。

もっとも多いケースは「言うことを聞かない患者」

鉄剤は数か月から半年と言う長さで処方されることがあります。一方、薬の処方が行われて、自覚症状としての貧血は治まっても、貯蔵鉄に関する血液検査の数値は良くなっていないこともあります。

この一番大きな原因は「患者が薬を飲んでいない」と言うことなのです。勝手に薬を中断したり、量を減らしたりするとお医者さんの判断が狂います。

効いていないからと判断されて、お薬が増やされると、患者の負担が増えるだけで良いことはありません。最悪注射に切り替えられたりしたらいやですよね。出された薬はきちんと飲みきって下さい。

副作用が出た場合は、すぐに電話して服薬指導を仰ぐようにしましょう。飲みたくないお薬である場合には、診察の時にはっきり伝えましょう。それがお薬を飲む時のルールです。

ピロリ菌が鉄剤を阻害する?ピロリ菌の除菌で貧血が改善された例

一部の症例では、鉄剤の吸収が悪く貧血が改善しなかった患者さんで、ピロリ菌の除菌を行ったところ、劇的に鉄分吸収が良くなり、短期間で鉄剤の中止ができたと言う例が報告されています。

特に若い人にこうした傾向があるようですので、自分ではちゃんとした食事をしているつもりなのに貧血気味だと言う人は、一度ピロリ菌検査についてお医者さんに相談されても良いかもしれません。

いずれにせよピロリ菌を胃の中に飼っておくのは良いことではありませんので、検討されても良いと思います。

この他、病気としては関節リウマチによるものや、小腸の悪性リンパ腫による鉄欠乏性貧血と言う物もあるようです。たかが貧血ですが、意外にすそ野は広そうですね。

貧血は栄養失調から重大疾患まで…食生活を見直し改善しよう

貧血と言うのは鉄欠乏性貧血がおよそ7割を占めていますので、今回はその話題を中心にしました。この鉄欠乏性貧血で、特に男性に注意してほしいのは、胃から直腸に至るまでの間にできるがんです。

そして、これはお医者さんと相談して、繰り返し検便を受けると言う手法で発見できることも少なくありません。

消化管にできるがんからは出血が見られるのですが、必ずしも常時出血しているわけではありません。ですので、何度かの検便が意味を持ってくるのです。

いわゆる市民健診で毎年検便を受けることも大事ですが、その1回では外してしまうこともあります。怖い病気が見つかったらどうしようと思うのではなく、怖い病気だからこそ早く見つけようと考えて下さいね。

それと同時に、普段の生活習慣、とくに食生活を見直して食物繊維と鉄分をしっかり摂るようにして下さい。単なる栄養不足であっても、あるいはがんであっても、食生活を良くするに越したことはありません。

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