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胃薬で治らない胃痛は悪性貧血かも!胃症状と貧血の関係と治療法

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悪性貧血という病気を知っていますか?

貧血と言うと鉄不足で起こる鉄欠乏性貧血を想像する人が大多数でしょう。しかし、この機会に悪性貧血の存在もぜひ覚えてください。

もしかするとあなたが胃炎だと思っていたものは、悪性貧血かもしれませんよ。

鉄分不足が原因じゃない!ビタミンB12が足りない悪性貧血

悪性貧血は巨赤芽球性貧血という貧血に分類されています。鉄不足による貧血では赤血球が小さくなるのに対して、巨赤芽球性貧血では大きくなるのです。

これは鉄欠乏性貧血との原因の違いによるものです。

足りていないのはビタミンB12

どうして赤血球が大きくなってしまうのかというと、それはビタミンB12の不足によって赤血球の核が正常に成熟できず、核以外の器官だけが正常に成長してしまうからです。ビタミンB12はDNAの合成に関与しています。

正常に作られなかった赤血球は壊され、なんとか働けるものだけが血液中に出てきます。これを無効造血と呼びます。これは赤血球に限ったことではなく、白血球などの全ての血球成分に共通することなのです。

原因は自己免疫の疾患?

ビタミンB12は普段の食生活で不足になるような栄養素ではありません。ではどうして起こるのでしょうか?

答えは胃にあります。ビタミンB12は胃の壁細胞から分泌されるキャッスル因子と呼ばれる内因子と結合して、初めて吸収されます。

悪性貧血になる一つの理由として、胃の全摘手術後という既往があります。胃を切除してしまったことでビタミンB12を吸収することができなくなってしまい、数年後に悪性貧血を発症してしまうのです。

しかし、胃が残っていても悪性貧血になる場合があります。それが自己免疫疾患です。本来身体を守るはずの免疫が、何らかの誤りで胃の粘膜を攻撃し高度な萎縮を起こすと、同じように悪性貧血を誘発してしまうのです。

自己免疫疾患については詳しい原因が分かっておらず、どうして自己を攻撃してしまったのかという部分は分かりません。

かつては治療法がなく、死を待つばかりだったために悪性貧血という名前が付けられました。

しかし現在では、ビタミンB12の筋肉注射や高濃度の経口投与による治療が可能になっており、不治の病ではなくなりました。

悪性貧血の症状は貧血だけじゃなく消化器と神経系にもおこる!

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悪性貧血は大きく3つの症状が出ます。

  • 貧血症状
  • 消化器症状
  • 神経症状

巨赤芽球性貧血には葉酸が欠乏することで起こるものもありますが、これは神経症状をきたさないため悪性貧血と呼ばれていません。

一般的な貧血症状と同じ症状

鉄欠乏性貧血と同様に、次のような貧血症状が見られます。

  • 頭痛
  • めまい
  • 動悸
  • 息切れ
  • 疲れやすい
  • 瞼の結膜が白い

消化器症状で胃が痛む?

代表的な消化器症状の一つに、ハンター舌炎というものがあります。これは、食べ物が舌に触れた際、痛みやしみる感じがある症状です。さらにもう一つ、無胃酸症をきたすことが知られています。

無胃酸症は胃もたれを引き起こし、時には胃痛を伴う症状です。通常の胃薬は胃酸の分泌を抑制して胃痛を落ち着けるものが多いので、無胃酸症には効き目がありません。胃の不快感が続くなら一度検査することをお勧めします。

様々に現れる神経症状

特徴的な神経症状をまとめて亜急性連合性脊髄変性症と呼んでいます。まずは、末梢神経症状として、四肢末梢の痺れなどがあります。

次に後索障害として歩行が難しくなる、目を閉じると立っていられなくなるといったものがあります。

最後に側索障害として、バビンスキー反射と呼ばれる反射が見られます。これは新生児期に見られるもので、足の裏を刺激すると指を反り返す反射です。通常、成長すると消失する反射が見られるようになるのが特徴です。

悪性貧血を治すためにしたい血液検査と筋肉注射

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悪性貧血は胃の摘出手術や自己免疫によるものであるため、予防できる病気ではありません。

強いて言えば、胃を全摘しなければならないような、胃癌などの病気にならないことの延長線上に悪性貧血の予防があるとも言えます。

血液検査で早期発見

予防する手段がないのなら、病気が悪化する前に見つけ出すことが大切です。これまで紹介した症状に覚えがある場合は、血液検査の結果を自分でも確認してみましょう。

  • 赤血球や白血球、血小板が少なくなっている
  • 赤血球の体積(MCV)が大きい
  • ビリルビン値が高い
  • LDLが高値

ビリルビンとLDLは不完全な赤血球が破壊されることで上昇する数値です。

これらは必ずしも悪性貧血だけで変化する数値ではありません。しかし、思い当たる症状があり、こうした結果が出ているのなら、一度医師に相談してみましょう。より詳しい検査をして、正しい治療法を選択しましょう。

筋肉注射で足りないビタミンB12を補う

本来食事で摂取できるビタミンB12ですが、内因子が存在しなければ吸収できないため、食事や経口投与で悪性貧血を改善することは非常に難しいです。

ただ、錠剤により大量に投与した場合には一定の効果があるという研究結果もあります。

基本的にはビタミンB12を体内に直接送るべく、筋肉注射を行います。治療初期から1週間ほどは毎日行い、経過を見て数か月おきに注射していくことになります。根本的な治療ではないため、生涯続けていくことになります。

悪性貧血に至るおそれのある病気、胃癌は、

  • 喫煙
  • 塩分過多
  • 過度のストレス

によってリスクが高まります。

悪性貧血は稀な病気で、大多数の人には縁の無い病気でしょう。しかし万が一にもならないために普段から胃は大切にしたいものですね。

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