健康生活TOP アレルギー ヘアカラーアレルギーでかぶれる!死亡例もある症状と予防の方法は?

ヘアカラーアレルギーでかぶれる!死亡例もある症状と予防の方法は?

ヘアカラー

若い人はおしゃれ染め、大人は白髪染め。私達は、黒髪を思い思いの美しい髪色に染めておしゃれを楽しみます。市販のヘアカラー剤を使って家庭でカラーリングする人も多いようです。

ところで、ヘアカラーをしている皆さんは、ヘアカラー剤で重いアレルギーが起こりやすいことはご存知でしょうか?実はほとんどのヘアカラー剤には、パラフェニレンジアミンなどのある特定の危険な成分が含まれているのです。

危険なアレルギーから身を守り、安心してカラーリングを楽しむためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

話題になった「ヘナ」は安心?など、ヘアカラー剤の危険性についての知識と正しいカラーリングの方法についてまとめました。

かゆみ、赤み…ヘアカラー剤で刺激を感じるのはなぜ?

ヘアカラー剤(染毛剤)でカラーリングをした時、皮膚にヘアカラー剤の刺激を感じたことはありませんか?

もしもカラーリングをした後に、頭皮、顔、首、耳の後ろ、手などを中心に、皮膚の赤み、かゆみ、ピリピリした痛み、発疹などが起こったら、カラーリング剤にかぶれた可能性があります。

カラーリング剤を使う人の約15%は使用後に何らかの症状を感じているとされています。体に異変を感じた場合はすぐに使用を中止して薬液をよく洗い流し、以降はカラーリングをする時のかぶれに注意しなければなりません。

かぶれは接触皮膚炎ともいい、2つのタイプがあります。

  • 刺激性接触皮膚炎
  • アレルギー性接触皮膚炎

カラーリング剤による接触皮膚炎で危険なのは、アレルギー性接触皮膚炎です。今までかぶれたことがなくてもカラーリングをする機会が多い場合は、接触皮膚炎についてしっかり理解しておきたいですね。

誰でも起こる可能性があり比較的問題のない「刺激性接触皮膚炎」

原因がヘアカラー剤に限らず、かぶれのほとんどが刺激性接触皮膚炎によるものです。

刺激性接触皮膚炎は、ヘアカラー剤の酸またはアルカリが皮膚表面の細胞を傷つけることで起こるかぶれです。カラーリングをしている最中、またはその直後にピリピリ感、赤みなどの炎症が起こります。

誰にでも起こる可能性があり、特に刺激が強い製品を使用したり一時的に皮膚が敏感になっている時に起こりやすいのが特徴です。一度かぶれても次回はかぶれないこともあります。

しばらく経って炎症が回復すれば問題ありません。ただし今後ヘアカラー剤を使用する時には、かぶれに注意する必要があります。

パラフェニレンジアミンで起こる危険な「アレルギー性接触皮膚炎」

「アレルギー性接触皮膚炎」は、ヘアカラー剤に含まれる特定の成分にアレルギー反応を起こすことでおこるかぶれです。アレルゲン(アレルギーの原因物質)に反応する体質の人以外はかぶれません。

一度かぶれてしまうと、以降はアレルゲンに接触する度に必ずかぶれるため、アレルゲンに接触することはできなくなります。

ヘアカラー剤によるアレルギー性接触皮膚炎は、1液と2液を使うタイプの「酸化染毛剤」を使用することが原因で起こっています。

酸化染毛剤は、あらゆるヘアケア・スキンケア用品の中でもアレルギー性接触皮膚炎が起こりやすくかぶれが重症化しやすい日用品。かぶれを起こしているのは「パラフェニレンジアミン(PPD)」という染料で、市販されている一般的なヘアカラー剤の1液に使用されています。

酸化染毛剤によるアレルギー性接触皮膚炎は、刺激性接触皮膚炎より症状が激しくなりやすいのが特徴です。ただその症状には個人差があり、気づかなかったり刺激性接触皮膚炎と勘違いしてしまう場合も少なくありません。

カラーリング後のかぶれに次のような特徴があれば、アレルギー性接触皮膚炎を起こした可能性があります。すぐ皮膚科を受診して治療を受けましょう。

アレルギー性接触皮膚炎の特徴

  • かゆみが強い
  • かぶれた部分がジュクジュクする
  • カラーリング剤が付着した場所以外に炎症が広がる
  • 目の周りがひどくかぶれる
  • 全身にじんましんが出る
  • カラーリング直後~6時間後に発症する
  • 48時間後をピークに症状が強くなる
  • カラーリング中に息苦しさ・めまいを感じる
  • カラーリングするたびにかぶれの症状が強くなる

PPDに繰り返し接触すると、アレルギー反応が次第に強く出るようになります。最初は症状が軽いため、気付かずPPDに繰り返し接触してしまい、アレルギー症状が次第に重症化するケースが多いのです。

顔がパンパンに腫れたり呼吸が苦しくなって病院に運搬され、パニックに陥ることもあります。PPDによるアレルギー反応は重篤化する可能性もあります。怖いのは全身のアレルギー反応「アナフィラキシーショック」です。

血圧の急低下、呼吸困難などを伴い、短時間で命を落とす危険性が出てくるため、カラーリングの際には軽い異変に気付いた時点で使用を中止して重症化を予防する必要があります。

死亡例も…毒性が高いアレルゲン「パラフェニレンジアミン」とは

パラフェニレンジアミン(PPD)は、医薬や工業に使用されるアミノベンゼンという化学物質の一種で、カラーリング剤の酸化染料として使用されてきました。

PPDは、工業用としてプラスチックの原料や酸化剤などに使用されるほか、空気に触れると白色から暗い色に変色するため、染料としても広く用いられています。

なお、PDDは毒性が高く劇薬に指定されている物質です。PDDそのものを経口摂取すれば死に至ります。またPDDの含まれる日用品に接触したことでアナフィラキシーショックを起こして死亡する事故も起こっています。

メーカーが安全性を確認した上で製造販売しているヘアカラー剤とはいえ、酸化染毛剤にこのように刺激の強い成分も配合されていることを知った上で適切に使用したいものです。

高い確率でアレルギーが起こりやすいPPD

PPDを扱う職業に従事する人に粘膜や皮膚の炎症が広く認められており「アメリカ疾病予防管理センター」は、PPDをアレルギー性接触皮膚炎のアレルゲンに分類しています。

国内では、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が、1994年からアレルゲンの調査データ「ジャパニーズ・スタンダード・アレルゲン」を公開しており、2011年には、PPDは25種類中で5番目にパッチテストの陽性率が高いことが報告されています。

また、ヘアカラー剤の使用による皮膚障害に最も悩まされている人達は理容師・美容師です。シャンプー、パーマ液、カラーリング剤を扱うため、どうしても手の皮膚障害が職業病になってしまいます。

独立行政法人労働者健康福祉機構が、平成17年~20年の間、宮城県内の理・美容師を対象に職業性アレルギー性接触皮膚炎について計2回の調査を行なっています。

理・美容師が持参した製品でパッチテスト(アレルギー検査)を行ったところ、最も陽性率が高かったのは、ヘアカラーに使われる「酸化染毛剤1液」で、テストを受けた人の約66%が陽性という結果になりました。

また63名の理・美容師を対象に、主なアレルゲン32種についてもパッチテストが行われました。

32種のアレルゲンは、ドイツやスウェーデンのメーカーが理・美容師向けに販売しているパッチテスト用と同じものです。アレルゲンには染毛剤、界面活性剤、パーマ液、防腐剤、抗菌剤などがあります。

次の表で掲げているのは、特に陽性率が特に高かった成分です。

アレルゲン名 分類 陽性率(%)
パラフェニレンジアミン(PPD) 染毛剤成分 74.5
パラアミノアゾベンゼン(PAAB) 染料
(PPD関連物質)
74.0
コカミドプロピルベタイン(CAPB) 界面活性剤 42.0
赤色225号(R-225) 着色料
(PPD関連物質)
40.0
システアミン塩酸塩(CHC) パーマ液成分 18.0
塩素ニッケル 金属 17.6
過硫酸アンモニウム 脱色剤 14.0
チウラムミックス ゴム 10.0
香料ミックス 香料 10.0

参照…「職業性皮膚障害の外的因子の特定に係る的確な診断法の研究・開発、普及」研究報告書」(20・4 独立行政法人労働者健康福祉機構)

テストでは、半数以上のアレルゲンの陽性率が10%以下という結果でした。今回のデータによると理・美容師の3/4はPPDのアレルギーがあるということになります。陽性率の高さには驚いてしまいますね。

PPDで交差反応が起こる可能性も

厄介なのはPPDにアレルギー反応を起こすようになった人は、ほかのアレルゲンにも反応する可能性が出てくる点です。

この現象を「交差反応」といい、アレルゲン同士で様々な組み合わせがあります。よく知られているのは、スギの花粉症でトマトの食物アレルギーも起こりやすくなるという組み合わせです。

上記のテストで陽性率が高かったパラアミノアゾベンゼン(PAAB)や赤色225は、PPDをアレルゲンに持つ人がかぶれるようになってしまうアレルゲンです。

PAABは布など、赤色225はメイク用品などに使用されているので、PDDをアレルゲンに持っている人は、日常生活でこれらのPPD関連物質に触れた時にもアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしてしまう可能性が広がってしまいます。

忘れないで!カラーリング剤によるかぶれはしっかり予防しましょう

PDDによるアレルギー性接触性皮膚炎は、次の方法で予防することができます。

  • パッチテスト(アレルギー試験)を行ってからカラーリングをする
  • PDDを配合していない製品を選ぶ

カラーリング剤によるかぶれ予防:必ずパッチテストをする

カラーリングによるかぶれが多発しているもうひとつの理由は、多くの消費者が「使用説明書に従って製品を使正しく使用していない」ことが挙げられます。

かぶれのリスクがある製品には使用説明書がつけられています。使用前には必ず「使用上の注意」「使用法」をよく読んで理解した上、説明に従ってカラーリングをするのが正解です。

使用説明書には、

  • 使用によって重篤なアレルギー反応が起こる可能性があること
  • 毎回カラーリングの48時間前に必ずパッチテストを行なう必要があること

などが必ず記載されています。

しかし消費者安全調査委員会によると、消費者の7割がパッチテストを行なわずにカラーリングを行っていることも分かっています。

パッチテストでかぶれが起こればその製品でアレルギー反応が起こるということが分かり、使用を中止することでアレルギー性接触皮膚炎を回避することができます。酸化染毛剤でカラーリングをする前には、必ずパッチテストを行ないましょう。

パッチテストはカラーリングの予定がある日の48時間前に始めます。同じ製品で過去にかぶれがなかった人も、必ず毎回パッチテストを行ってください。

【用意する物】

  • ヘアカラー1剤・2剤
  • 綿棒
  • コットン
  • テスト液を入れる小皿
パッチテストの手順
  1. 製品の説明書に従い、1剤と2剤を指定された割合で小皿に取り出す。
  2. 綿棒で1剤と2剤を混ぜ合わせ、テスト液を作る。
  3. 腕の内側に綿棒でテスト液を薄く塗る。(塗る面積は10円硬貨くらいの大きさ)
  4. 服にテスト液がつかないように注意し、自然乾燥させる。
  5. (30分後に乾燥していない場合はつけ過ぎなので、コットンなどで軽く拭き取る)

  6. そのまま48時間放置する。
  7. 30分後と48時間後にテスト部位を観察する。
パッチテストの結果
テスト部位に皮膚の異常がなければアレルギー反応は起こしていないので、その製品は使用できます。48時間後すぐにその製品でカラーリングをしてください。

30分後または48時間後に皮膚に刺激、発赤、かゆみなどがあれば、アレルギー反応を起こしている可能性が高いです。テスト部位はすぐに洗い流し、その製品の使用は中止してください。

パッチテストでかぶれた人がカラーリングしたい場合はメーカーを変えるだけではなく、酸化染毛剤以外のカラーリング剤に切り替えるようにしましょう。

説明書を読んでいますか?字が小さかったり、文字数が多かったりしてつい読み飛ばしてしまいますよね。重要なことが書いてあるので、じっくり読んでくださいね。

カラーリング剤によるかぶれ予防:安心できるヘアカラー剤を選ぶ

カラーリング剤でアレルギーを起こすことが分かっている人、かぶれが心配な人がカラーリングしたい場合は「酸化染毛剤」以外のカラーリング剤を使用するとよいでしょう。

カラーリング剤にはさまざまなタイプがあります。用途に合わせて選びましょう。

酸化染毛剤(パッチテストが必要)
医薬部外品と表示があり、パッチテストが必要です。1液と2液が入ってヘアカラー・白髪染め・おしゃれ染め、などの名称で販売されています。カラーバリエーションが豊富です。

「永久染毛剤」に分類され、1回の使用で約2ヶ月間は効果が持続します。

酸化染毛剤は、ジアミン系の酸化染料によって髪の色を染めます。1液に配合される酸化染料が髪の内部に入り込み、2液の過酸化水素が染料を酸化させ髪の内部に色素をしっかり沈着させます。シャンプーしても色落ちしません。

1剤には、PPDのほかに2,5-ジアミノトルエン、パラアミノフェノールなどPPDより毒性の低い酸化染料を併用することがほとんどです。アレルギーの心配は少ないものの、これらの成分もかぶれる可能性がゼロというわけではありません。

非酸化染毛剤(パッチテストが必要)
それほど多く出回っていないタイプで「オハグロ式」とも呼ばれます。酸化染料を使用せず、多価フェノールを酸化と鉄イオンの反応によって髪の色を黒く染めます。

医薬部外品「永久染毛剤」に分類され、1回の使用で約1ヶ月間は効果が持続します。酸化染料を使用しないので安心です。まれにかぶれる場合があるため、パッチテストも必要です。

半永久染毛料
アマニキュア、カラートリートメント、酸性カラーなどの名称で販売されているタイプです。 髪や頭皮を傷めないところが魅力ですが、髪が濡れると色落ちすることがあります。

「化粧品」に分類され、かぶれの心配はないので特にパッチテストの必要はありません。1回の使用で効果は2~4週間は効果が持続します。「赤色102号」などの酸性染料によって染めるので、酸性染毛料とも呼ばれます。

インドのハーブ「ヘナ(ヘンナ)」 を使ったヘアカラー剤も半永久染料に該当しますが、輸入品から酸化染料が配合されている製品が見つかる場合もあります。製品の情報をよくチェックしてから購入し、必ずパッチテストを行ってからカラーリングを行なう必要があります。

一時染毛料
ヘアスプレー、ヘアマスカラ、ファンデーションタイプの白髪染め、などの名称で販売されているタイプです。髪の表面を一時的に着色するだけなので、髪や頭皮を傷めず手軽に髪色を変えることができます。

「化粧品」に分類され、かぶれの心配はないのでパッチテストは不要です。シャンプーしたり濡れたりすると着色料が落ちてしまいます。

脱色剤・脱染剤(パッチテストが必要)
脱色剤・脱染剤はヘアブリーチなどの名称で販売されているタイプです。脱色剤はメラニン色素を脱色して黒髪を明るい髪色に変え、脱染剤はカラーリングした髪の染料をメラニン色素と一緒に脱色します。

「医薬部外品」に分類され、酸化染料は使用されませんがパッチテストが必要です。製品によってはかぶれを起こすこともあります。

医薬部外品に分類されているヘアカラー剤は必ずパッチテストを行ないましょう。

また人によっては酸化染料以外の成分にかぶれる可能性があるので、どの製品でもカラーリング時にかぶれが起こったらすぐに使用を中止してください。

今は大丈夫でも、いつかぶれるか分からないカラーリング剤

「今までカラーリングを繰り返してきたけど、かぶれたことがないから私は大丈夫。」と思っている人が多いかもしれませんが、その考えは間違いです。

今まで大丈夫だった人も、次に酸化染毛剤を使用した時にアレルギー反応が始まる可能性だって十分にあります。パッチテストを毎回行うように注意されているのはそのためです。

酸化染毛剤の特徴について、最後にもう一度おさらいしておきましょう。

  • ほかのカラーリング剤よりアレルギーが起こりやすい
  • アレルギー性接触皮膚炎の症状が重篤化しやすい
  • 繰り返し使うことで誰でもアレルギー性接触皮膚炎を発症する可能性がある
  • 初めは軽症でも繰り返し使うたびにアレルギー症状が強くなる
  • 一度使うと次からは必ずアレルギー症状が起こる
  • 必ずパッチテストをして正しく使えば安心してカラーリングが楽しめる
髪のおしゃれも大切。美しい髪色はその人の魅力を引き立てます。カラーリングで健康を害しては元も子もないので、どうぞ正しい使用法を守ってカラーリングを楽しんでくださいね。
キャラクター紹介
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