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お酒に酔うとどうなる?アルコールが人体に起こす変化とメカニズム

乾杯

お酒を飲むと酔います。酔うと顔が赤くなったり鼓動が早くなったりしますね。また、楽しくなったり、気が大きくなったりと言うこともあります。

この不思議な現象「酔い」とはいったい何なのでしょうか。また、お酒を飲むことが健康につながったり、逆に健康を害したりすることもあります。酔いと健康にはどんな関係があるのでしょうか。

「酔う」現象は2タイプある!あなたはどのタイプ?

お酒を飲んだら酔っぱらいます。この酔っぱらうという現象について、皆さんはどのような印象を持っていますか。顔が赤くなるとか呼吸や鼓動が早くなるという身体的な現象をイメージされる方もいるでしょう。

笑い上戸や泣き上戸と言った、精神的な動きをイメージされる方もおられるでしょう。昭和的なものでは、頭にネクタイを巻いて、千鳥足で寿司折を持って歩いているなんてのもありそうですね。

アルコールによる酔いとアルデヒドによる酔い

お酒の主成分はエタノールです。エタノールは1価のアルコールの一つで、エチルアルコールとも呼ばれ、アルコール類の中で最も早く発見されたものなので、一般にアルコールと呼ばれているのは、このエタノールのことです。

アルコール類と言えば、例えば皆さんもよくご存知のグリセリンは3価のアルコールです。車のラジエター液に入れられているエチレングリコールは2価のアルコールです。

その他にもアルコール類と言うのは無数にありますが、今回の話題でも一般的に呼ばれている通り、エタノールのことをアルコールと呼ぶことにしますね。

このアルコールは脳を麻痺させる働きを持っていて、これを酔いと呼びます。脳は異物から脳を保護する血液脳関門によって守られていますが、アルコールはこれを通過してしまいます。酔いが進むと運動機能にも影響が出るのはアルコールによる酔いです。

一方、アルコールが1段階分解された物質がアセトアルデヒドです。このアセトアルデヒドは毒性のある物質で、体の中に溜まると皮膚が赤くなり、心拍数が早くなります。呼吸数も増え、嘔吐につながることもあります。

アルコールの摂取により酔うメカニズム

この2つの酔いを合わせたものが、世間でいう酔っぱらうという状態のイメージなのです。

アセトアルデヒドによる酔いは体質で大きく変わる

アルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに代謝されます。この酵素の中心であるADH1Bと言う酵素の活性が低いと、アルコールがなかなかアセトアルデヒドになりません。

アセトアルデヒドがなかなか増えないため、お酒を飲んでも顔が赤くなったり、心拍数が増えたりしにくいのです。実際にはアルコールの分解が遅いのに、顔が赤くならないから自分はお酒に強いと誤解している人もおられますね。

一方で、アルコールがなかなか分解されないため、お酒が抜けにくい人であるとも言えます。それほどたくさんお酒を飲んだつもりはないのに、翌日になっても身体からアルコール臭がしている人は、このタイプである可能性があります。

さらに、アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に代謝されます。この酵素はALDH2と言うものですが、やはり活性の高さに個人差があります。

もっとも高い活性の酵素を持っている人は、アセトアルデヒドができても、比較的短い時間でアセトアルデヒドがなくなるので、普通にお酒が飲めますが、低活性型の人では赤くなりやすく、さめにくいという特徴があります。

さらに不活性型の人では全くお酒が飲めません。奈良漬でも酔っぱらいますし、注射の際の消毒で使うアルコール綿ですら、皮膚が赤くなってしまいます。

お酒の害と言う面から見るとALDH2が不活性の人は最初から飲めませんので、かえって安全とも言えるでしょう。逆に高活性型の人はアルコール依存症のリスクが高まります。

アルコールによる酔いは脳を麻痺させる…酔いのレベルとそれぞれの特徴

アルコールの血中濃度が上がってくると、脳はだんだん麻痺してきます。その麻痺する範囲によって酔いのレベルが上がってくると考えてもいいでしょう。

最初は楽しくなったり気分爽快になったりする酔いですが、このレベルで止めておくのが最も健康的な飲酒です。でも、なかなか難しい部分もあるのです。

1.最初は気分爽快になる良いお酒

お酒を飲むと、最初は大脳新皮質と言う部分が少し麻痺します。この部分は人間の合理性や言語機能などをつかさどる、脳の新しい部分と言われています。

アルコールの摂取によって麻痺する脳の部位と名称

社会的な常識だとか抑制的な行動などもこの部分の機能です。その機能がわずかに麻痺することで、気分爽快になり陽気になるといった楽しいお酒の部分が表れてきます。飲酒の影響で認知症リスクが減ったりするのも、このレベルの飲酒によるものです。

自分も一緒に飲んでいる人も、楽しく笑いながら飲めるお酒と言うのは、この飲酒量の時だけなんです。

血中アルコール濃度は、だいたい0.02%~0.05%未満くらいで、具体的なお酒の量にすると、日本酒なら1合未満、ビールなら中ビン1本未満、ウイスキーならシングル2杯未満です。

2.ほろ酔い状態は飲みすぎの入り口

もう少しお酒の量が増えて、日本酒なら1合以上2合未満、ビールなら中ビン1本以上2本未満、ウイスキーならシングル2杯以上3杯未満ぐらいになると、血中アルコール濃度は0.05%以上0.1%未満ぐらいまで上がります。

この状態になると大脳新皮質の麻痺が進み、それによって抑制されていた大脳辺縁系の活動が活発になります。大脳新皮質は哺乳類にしか存在しない脳の部位で、もっとも進化した動物の脳と言えます。

その中でも、特に人間ではこの大脳新皮質が大きく、先にもお話しした通り、理性的な考え方や社会のルールを守ると言った働きがある、「人間を人間たらしめている脳の部分」とも言えるでしょう。

アルコールの摂取によって麻痺する脳の部位と名称2段階目

大脳新皮質の麻痺が酔いの入り口です。一方、大脳辺縁系と言う部分は本能や感情をつかさどっていて、大脳新皮質による抑制を受けています。

大脳新皮質の麻痺によって大脳辺縁系の本能の部分に対する抑制が外れると、たとえ軽度であっても、いわゆる「酔っぱらい」と言われる状態の入り口に立つことになるのです。

具体的にはちょっとエッチになったり、オーバーアクション気味になったりと、理性的な行動が難しくなってきます。本人はほろ酔い気分ですが、脈拍は早くなっていますし体温も上がっています。

このレベルでも笑いと言うのはお酒に付いてきますが、むしろ「自分だけが楽しい」笑いにだんだん偏ってきて、周囲の人は眉をひそめていると言うことが起こり始めます。

毎日飲んでいる人では厚生労働省が勧めている「節度ある飲酒」の量も超えています。

3.大声や怒りっぽさは理性が飛んだ証拠

酔っぱらうと大声でがなり立てたり、怒りっぽくなったりして、席を立てばふらつくし、財布の中身を心配せずに「もう一軒行くぞ~」などと言う状態になります。

こういう行動が出てくると、一緒に飲んでいる人は困りますし、次回からは一緒に飲みたくないなと思われるでしょう。お酒によるトラブルが出始める飲酒量とも言えます。

お酒の量としては日本酒なら3合、ビールなら中ビン3本、ウイスキーならダブルで3杯くらいです。血中アルコール濃度は0.1%から0.15%くらいで、大脳新皮質の麻痺が進み、本能や感情をつかさどる大脳辺縁系の働きが際立ってきます。

アルコールの摂取によって麻痺する脳の部位と名称3段階目

週に2回くらいなら、かろうじて節度ある飲酒の範囲になるかもしれませんが、他の日に1滴でも飲んでいたらアウトだと思って下さい。

不景気が続いているので「もう一軒行くぞ~」も減ってはいるようですが、お酒とクレジットカードの組み合わせは危険ですよね。

脳の他の部分にマヒが及ぶと生命の危険!さらに危ない酔いのレベル

上でお話しした3段階目の、いわゆる「ほろ酔い期」までは、大脳新皮質だけの麻痺で済んでいましたが、それ以上お酒を飲むと、麻痺が脳の他の部分に及びます。

そうなってくると状況によっては生命の危険がありますし、そこまで行かなくても記憶が飛んだり、事故にあったりする危険性が増えますので、そうした飲み方は絶対にやめましょう。

4.千鳥足は危険度アップの目印

お酒の量が日本酒なら4合から6合、ビールなら中ビン4本から6本、ウイスキーならダブルで5杯(ボトル半分前後)になってくると、血中アルコール濃度は0.15%から0.3%くらいにも及びます。

アルコールの摂取によって麻痺する脳の部位と名称4段階目

このレベルになると、脳の麻痺は大脳新皮質を超えて大脳辺縁系から小脳にまで及びます。そうなってくると小脳の麻痺による運動失調から、例えば千鳥足でしか歩けないという状態になります。

また、吐き気を催したり、実際に嘔吐してしまうのもこの辺りです。これはすでにかなり危険な状態ですので、こんな状態になったら、周りの人が強引にでも飲酒を止めてあげて下さい。

このレベルの飲酒は、週に一回であっても節度ある飲酒の範囲を超えることがありますので、絶対に止めましょう。この段階では、ある程度身体が動きますが、充分なコントロールができません。

その結果、思わぬ事故に遭ったりするのです。この状態では帰宅途中に酔いが進み、車道で眠り込んで何台もの車に轢かれて亡くなると言う悲惨な事故にもつながりやすいですので、周囲の人が充分注意してあげて下さい。

5.記憶障害が出るレベルでは脳のほとんどの部分が完全麻痺している

ブラックアウトとも呼ばれる「飲酒によって記憶が飛ぶ状態」と言うのは、かなり危険な状態です。脳幹部分を除いた脳全体が完全麻痺状態になり、記憶について重要な働きを持つ海馬と言う部分も麻痺してしまいます。

その結果、経験したこと全部のデータが保存できなくなり、翌日になって「昨夜の宴会のことは何も覚えていない」と言う現象が発生します。この状態は死の一歩手前です。

アルコールの摂取によって麻痺する脳の部位と名称5段階目

飲んでいる時にはまったく立てなくなり、言葉も何を言っているのか判らないレベルで、意識もかなり混濁してきます。この状態になった場合、救急車を呼んだ方が良いかもしれません。

血中アルコール濃度は0.3%から0.4%、具体的なお酒の量としては日本酒なら7合から1升、ビールなら中ビン7本から10本、ウイスキーならボトル半分を大きく超えて1本ぐらいまでです。

6.それ以上飲んだら死にます

飲む時間の長さや個人差によるものはありますが、日本酒なら1升を超え、ビールなら中ビン10本以上、ウイスキーならボトル1本を超える量を飲むと、血中アルコール濃度は0.4%を超えます。

アルコールの摂取によって麻痺する脳の部位と名称6段階目

このレベルになると、麻痺は生命活動をつかさどる脳幹にまで及び、延髄にある呼吸中枢も完全に麻痺して、呼吸が止まります。

呼吸が止まる前であっても、ゆすっても反応がない、大小便垂れ流し、酔っている割にゆっくり深い呼吸などと言う症状が現れたら危険信号です。すぐに救急車を呼んで下さい。

また、嘔吐物によって呼吸ができず亡くなることもありますので、顔を横に向けてのどを詰まらせないように注意しましょう。そして、こんな飲み方をする人には2度とお酒を飲ませてはいけません。

また、精神科のアルコール依存症の診療科にも回してもらうよう、救急搬送先の病院に依頼した方がいいですね。

お酒の種類を変えると飲めてしまう、これが危険!

例えばビール中ビン10本オーバーと言うと5Lにもなりますから、なかなか飲めません。日本酒の一升酒も、ウイスキーのボトル空けも、自制心が働きやすいでしょう。

しかし、最初のビールで中ビン3本、お腹が膨れてきたから日本酒で3合、お店を変えてスナックでウイスキーのダブルをロックで4杯なら、精神的抵抗感なく飲めてしまう可能性はあります。

しかし、実際のアルコール量で見た場合、良くて記憶が飛ぶレベル、悪ければ生命にかかわりかねないレベルになってしまいます。注意しましょうね。

飲みすぎないためには「お酒のお代わりをしない」ことを自分のルールとして持っておくのが良いですね。今はノンアルコールのお酒風飲料も多いので上手く利用してください。

アセトアルデヒドによる酔いは身体のあちこちに不具合を出す

アルコールが酵素の働きで水素を奪われ、酸化されることでできるのがアセトアルデヒドです。アセトアルデヒドは野菜や果物にも含まれる、フルーツの香りを持つ物質です。

一方、アセトアルデヒドには毒性があり、アセトアルデヒドとして体外から摂った場合は、国際がん研究機関による発がん性リスクでグループ2B(ヒトに対する発がん性が疑われる)に分類されています。

しかし、アルコール飲料を飲んだことによって体内で発生するアセトアルデヒドについては、グループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)と言う最も危険な位置に分類されています。

これはアセトアルデヒドだけではなく、アルコール飲料そのものがグループ1に分類されているからです。発がん性についてみれば、飲酒と喫煙はおなじ最も危険なレベルのグループに分類されているのです。

アセトアルデヒドは身体の各部に酔いによる変化をもたらす物質

アセトアルデヒドによる酔いは、身体の各部に現れます。もっとも判りやすいのは顔が真っ赤になると言う変化です。顔以外にも全身の皮膚が赤くなる場合も珍しくありません。

顔が真っ赤になると言うのは、酔っぱらった時の代表的な症状ですので、逆に赤くなっていないと酔っていないと思われがちです。しかし、顔色とアルコールによる脳の酔いは直接関係しません。

先にお話しした通り、脳が酔いで麻痺するのはアルコールによる影響で、顔が赤くなるのはアセトアルデヒドの影響だからです。アセトアルデヒドの分解が早い人は顔が赤くなりにくいですが、アルコールの分解が遅い人も顔は赤くなりにくいです。

しかし、アルコールの分解が遅い人では、顔が真っ赤になって息も荒くなっている人より、脳の麻痺は進んでいる可能性があるのです。ですので、顔色だけで酔いの判断をすることは避けた方が安全です。

アセトアルデヒドによる酔いはフラッシング反応と二日酔い

フラッシング反応とは顔が赤くなることを指しますが、その他、呼吸や鼓動が早くなったり、息苦しくなったり、眠くなったり、吐き気・嘔吐などが起こったりすることも含まれています。

眠気や吐き気などはアルコールによる酔いでも起こりますが、アセトアルデヒドによる酔いでは、より少ない飲酒量の段階で発生します。

さらにアセトアルデヒドは二日酔いにも深く関係しています。これはアセトアルデヒドが体内に残っているから起こるのではなく、アセトアルデヒドによって体内に様々な障害が発生した後遺症だと考えられています。

アセトアルデヒドは毒性が強く、体外から直接摂取した場合、吐き気や嘔吐、下痢、さらには意識レベルの低下から呼吸不全に至る可能性もあります。

蒸気として環境中にある場合、眼や粘膜が刺激され、皮膚は赤くなり、吸い込むとのどの痛みや肺水腫などが起こります。

このように危険な物質が、アルコールの分解の過程で身体の中で高濃度で発生しますから、このアセトアルデヒドがすぐに代謝されないと言うのは危険だと言えますし、代謝されたにしても、それまでの時間で身体に障害が発生するのです。

先にお話しした通り、アセトアルデヒドは野菜や果物にも含まれていますが、その濃度は果物で0.2ppm(果物100g中に0.02mg)~230ppm(果物100g中に23mg)程度ですので心配ありません。

また合成香料として添加されている場合もありますが、量が果物などより少ない程度の量なので、外について心配する必要は全くありません。

アセトアルデヒドによる酔いは、身体に現れる変化です。皮膚の色の変化や、呼吸や脈拍の上昇など、脳に現れる変化より判りやすいかもしれませんね。

アセトアルデヒドを分解する力は遺伝的に個人差が大きい

アセトアルデヒドもアセトアルデヒド脱水素酵素と言う酵素によって酸化されることで酢酸に変化します。酢酸自体は無害なものですので、この段階まで代謝されたら、お酒による害はなくなったと考えて良いでしょう。

但し、酢酸が水と二酸化炭素にまで分解されるには、TCAサイクルと言うエネルギー取出し回路が働かないといけません。しかし、お酒を飲んでいるとTCAサイクルが働きにくくなります。

すると、酢酸が中性脂肪へと合成されてしまうだけでなく、おつまみとして摂った栄養素もエネルギーに変えられず、中性脂肪となって肝臓に付いてしまうのです。これがお酒はほどほどにしないといけない理由の一つです。

アセトアルデヒド脱水素酵素は遺伝子型で性能が変わる

アセトアルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)は、500個以上のアミノ酸からできている酵素ですが、そのうちのたった1つについて決める遺伝子の塩基配列に3パターンあることが判っています。

標準的なものはグアニンと言う塩基が2つ並んでいるので、GGと呼ばれています。また、そのうち1つまたは両方がアデニンと言う塩基に変化したものがあります。その状態によってAGとAAと呼ばれています。

アデニンに変化した遺伝子によるアセトアルデヒド脱水素酵素は、活性を持ちません。また、この酵素は四量体と言って、4つのサブユニットから構成されています。

つまり、AGタイプの場合、1つのサブユニットの能力が通常の半分しかないわけですので、2の4乗分の1、つまり16分の1の活性しかないと言うことになります。さらにAAタイプの場合、この酵素は無活性型となり、アセトアルデヒドを代謝することができないのです。

欧米人やアフリカ人などでは、ほとんどの人がGG型なのでアセトアルデヒドの代謝に問題は起こりません。一方、アジア人にはこの低活性・無活性型が相当数います。

日本人ではGG型が約50%、AG型が40~45%、AA型が5~10%程度だと言われています。つまり、約半数の日本人はアセトアルデヒドの代謝が上手く行かないタイプの人なのです。

アセトアルデヒド脱水素酵素低活性の人は事実上お酒が飲めない

もちろん無活性型の人は少しでもお酒を飲んだり、場合によっては奈良漬やドリンク剤に含まれている程度のアルコールを取ったりした場合でも、顔が真っ赤になって息苦しさを覚えると言うことになりますから、全くお酒は飲めません。

低活性型の人でも、仮にコップ6分目(115mL)の冷や酒をあおったとした場合、お酒を飲めるタイプの人が清酒の一升瓶を一気飲みしたのと同じ状態になってしまうと言うことになります。

では、そうした人が誤ってアルコールを口にしたら、アセトアルデヒドがずっと身体に残るのかと言うとその心配はありません。時間はかかりますが、血液中から尿に排泄もされますし、もう一種類の酵素による酢酸への代謝も行われます。

このもう一種類の酵素の働きは、アセトアルデヒドを水と酸素を基質に加えて、酢酸と過酸化水素に代謝するものです。酢酸に代謝するのはアセトアルデヒド脱水素酵素と一緒ですが、副産物の過酸化水素は迷惑ですね。

過酸化水素は活性酸素種の一つですから、肝臓を傷めてしまいます。そういった意味からも、アルコールですぐ真っ赤になる人はお酒を飲まないようにしてほしいのです。

お酒の強要は強く拒否してOK

このように、上でお話しした遺伝子型GGタイプの人以外は、事実上お酒が飲めないと言うことになります。昭和の時代には、こうした人であっても無理強いされて飲んでいたと言うことも珍しくありませんでした。

幸い、世間一般に、そうしたお酒の強要が犯罪であると言う意識が行き渡ってきましたので、そうした非常識な行為は行われないでしょう。万が一そんなことがあったら、強力にはねのけても良いです。

と言うことで、自分自身が節度をもって飲むと言う常識的な態度を身につけるだけで、お酒による健康被害は防げる時代になったのです。

飲んだ人が急性アルコール中毒で倒れると、「イッキ・イッキ」とはやし立てただけの、その他大勢の一人であっても、傷害事件の犯人として扱われる可能性もありますし、損害賠償請求裁判の被告になる可能性もあるんですよ。

お酒は飲む必要のない嗜好品であると言う意識を持って

お酒は嗜好品です。嗜好品ですから、お酒が好きじゃない人や先に挙げたように体質的に飲めない人は飲む必要もありませんし、飲んではいけません。

体質的に飲める人が半分しかいない日本人では、お酒が好きじゃないと言う人を入れると飲まない人の方が多数派なんです。

健康的に飲めない人はお酒を飲んではいけない

お酒を飲むと理性のタガが緩んでしまうことは最初の方で紹介した通りですが、それがビールの中ビン1本くらいまでで抑えておけると、健康的で楽しいお酒が毎日飲めます。

しかし、それを超えたお酒と言うことになると、だんだん脳に悪影響が出てきます。毎日日本酒で3合相当を超えるような飲酒量の人は、だんだ脳が萎縮してきてしまい、認知症にもつながります。

顔が真っ赤になり、息が苦しいなどと言う状態が起こるのは、お酒を飲んではいけない体質だからです。

酒豪は一番アルコール依存症になりやすい

そして、最後に大切なことをお話しします。アセトアルデヒド脱水素酵素の両方が活性化されている、つまり、顔が赤くなりにくい人と言うのは、最もアルコール依存症になりやすい人だと言うことです。

古い言葉にお酒の飲み方を示したものがありますので紹介しましょう。

一杯目は人が酒を飲み、二杯目は酒が酒を飲む。三杯目は酒が人を飲んでしまう。

つまり、日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本ぐらいの時は、人間がお酒を楽しんでいます。

日本酒なら2合、ビールなら中ビン2本くらいになると、お酒によって判断力が低下して、惰性でお酒を飲んでいる状態だと言うことです。

そして、毎日日本酒3合とかビール中ビン3本とかを飲んでいると、アルコール依存症になると言うことだと理解すればよく判ると思います。

つまり、本当にお酒が強い人と言うのは、飲めるけれど抑えられる人だと言えるでしょう。
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