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お酒で精神が落ち着く?アルコール依存を起こす脳のメカニズムと害

酒びんにかこまれた男性

お酒を飲む場所は、どんな場所が好きですか?居酒屋さんで仲間たちと賑やかにお酒を飲むのが好きな方もいれば、落ち着いたワインバーでしっとりとお酒を楽しむのが好きという方もいるでしょう。

しかし、なかにはお酒を楽しむために飲むのではなく、怒りや孤独を紛らわせるためにお酒を飲んでいる人もいるのでは無いでしょうか?そんな人は、黄色信号ですよ!

このまま、お酒を飲んでいると、アルコール依存症になってしまうかもしれません。

お酒を飲みたくなるのは二つの脳内物質が分泌されるから

人はお酒を飲むと、脳内で二つの物質が分泌されます。

  • ドーパミン
  • セロトニン

有名な脳内物質ですし、一度は聞いたことがあると思います。簡単に言うと「楽しい気持ちになる」のと「ストレスを和らげる」脳内物質です。

ドーパミンは楽しい時や興奮した時に出る脳内物質で、お酒を飲むとこの物質が脳内で分泌されます。そのため、人はお酒を飲むと楽しい気分になり、饒舌になったり陽気になったりするのです。

一方、お酒を飲んで分泌されるもう一つの物質「セロトニン」は、気持ちを落ち着かせたりストレスを抑える働きがあります。

お酒を飲むと、このセロトニンが脳内で分泌され、落ち込んでいた気持ちも落ち着いてききたり、ストレスに感じていたことが何でもないことのように感じたりするのです。

この二つの脳内物質が分泌されるため、お祝いなど楽しい気分になりたい場面でお酒を飲んだり、仕事の後でストレスを解消したいから一杯と、お酒を飲んだりするのです。

お酒は良いことばかりでは無い!こんなにあるお酒の害

お酒は、気分を盛り上げストレスを和らげるものだと書きました。しかし、同時に多量に摂取したり、長期間飲んでいたりすると害をもたらしたりします。

お酒の害:肝臓にダメージを与える

お酒は、肝臓によって体に無害な物質に分解されます。しかし、肝臓はお酒の分解だけでなく様々な働きをしたいるのです。

肝臓の働き

  • 老廃物を代謝する
  • 栄養を貯蔵する
  • 消化を促進するための胆汁を生成する
  • アルコールなどの有害な物質を解毒する
  • 血液の赤血球や血しょう版を合成する

常にこれらの働きをしている肝臓に更に多量のアルコールを解毒することは難しく、ダメージを与えます。また、解毒しきれなかった物質が体内に残ると二日酔いなどの原因になります。

お酒の害:脳が委縮する

アルコールを大量に長期間飲んでいると、脳が委縮します。脳が委縮すると記憶力が低下したり、性格が変貌し攻撃的になったりしてしまうのです。

一度委縮してしまった脳は元に戻ることはありません。また、この記憶力の低下などは、若い時から多量に飲酒しているほど顕著に表れると言われています。

お酒の害:肥満になる

アルコールにはカロリーがあります。そのカロリーは意外に多いのです。

▼主なアルコールのカロリー

ビール(中ジョッキ) 200キロカロリー
サワー 140キロカロリー
グラスワイン 100キロカロリー
ウイスキー(ダブル1杯) 150キロカロリー
日本酒(コップ1杯) 200キロカロリー
焼酎(コップ一杯) 250キロカロリー

このように、ビールの中ジョッキ200キロカロリーは、大体ハンバーガー半分程度のカロリーに相当します。

また、お酒と共におつまみを食べる場合も多いかと思います。おつまみにお酒のカロリーを普段の食事に加えて摂取しているわけですから、肥満になる原因になりますね。

さらに、お酒には食欲増進させる効果もあるので、普段より高カロリーの物を食べたくなったり、お酒を飲んだ後にシメのラーメンを食べたくなるので、カロリーの取りすぎになってしまうのです。

ほかにも、多量で長期間の飲酒は高血圧や糖尿病、がんの原因になったりします。

寝酒はNG!?習慣にすると逆によく眠れなくなることも

寝る前にお酒を飲むという方もいるでしょう。確かに、お酒を飲むと眠たくなります。しかし、寝る前のお酒は習慣にすると、逆に良く眠ることが難しくなったりするのです。

お酒を飲むと眠たくなるのは、脳を覚醒させる部分を抑制するから

お酒を飲むと、なぜ眠たくなるのでしょうか?それは、お酒が脳の脳幹網様体賦活系という脳を覚醒させる場所の働きを抑制してしまうためと言われています。

また、もう一つの原因として、お酒を飲むと体温が上昇します。体温が上昇しまた下がり始めるサイクルは、人が睡眠する際に起こるサイクルと同じため体温が下がり始めてくると眠たくなってくるとも言われています。

このように、お酒を飲むと眠たくなってくることを利用して、お酒を寝る前に飲むことを習慣にしている人もいるのではないでしょうか。

寝酒で起こる睡眠時無呼吸症候群

お酒を飲むと、筋肉が緩みます。そのため、寝る前にお酒を飲んでしまうと、のどの筋肉が緩んだ状態で寝転ぶので、重力に引っ張られた筋肉が気道を塞いでしまうのです。

お酒を飲んだ後すぐに寝ると、いびきが大きくなる人がいるのは、この気道が狭くなっていることが原因です。

気道が狭くなると、いびきが大きくなるということだけでなく、一時的に気道を塞いでしまい呼吸ができなくなってしまう睡眠時無呼吸症候群になってしまったりします。

この睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に起こるので自分では気が付きにくい病気です。この病気を発症すると、夜十分な時間睡眠をとっていても、眠たくなったりするのです。

脳が眠ることをさぼり始める?

お酒を飲むと、脳を覚醒させる部分が抑制されるため眠たくなります。そのため、脳はその状態が長期間続くと、本来眠たくなる際に自分自身で行う脳の抑制作業を少なくしていくのです。

そのため、お酒がないと眠たくならない状態になり、さらに眠る前のお酒が習慣化してしまいます。

睡眠のサイクルが変化する

お酒を飲んで寝ると、脳の睡眠サイクルが変化します。お酒を飲んで眠ると、すぐに深い睡眠であるノンレム睡眠になります。そのため、お酒を飲んだ後すぐは、ぐっすりと眠ったように見えるのです。

しかし、その後睡眠は浅くなっていきレム睡眠が増加していきます。人は、この深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠を繰り返していくのですが、お酒によりレム睡眠が多くなってしまうのです。そのため、お酒を飲んで寝ると、脳はゆっくりと休むことができないのです。

お酒を飲んで寝た日は、いつもより多く夢を見る方はいませんか?それは、浅いレム睡眠が増加しているためで、脳が眠れていないサインなのです。

このように、お酒を飲んで寝ると、脳が休めなかったり疲れがとれなかったりと、あまり良いことは無さそうですね。そして、注意しなければならないのは、お酒がないと眠れなくなってしまうことです。

人は、お酒を飲まなくても眠れるようにできています。お酒がないと日常的に眠れない状態になってしまうのは、危険な状態なのです。

最も怖いのがお酒に依存してしまう「アルコール依存症」

アルコール依存症とは、厚生労働省のHPではこのように説明されています。

アルコール依存症をひとことでいうと、「大切にしていた家族、仕事、趣味などよりも飲酒をはるかに優先させる状態」です。

具体的には、飲酒のコントロールができない、離脱症状がみられる、健康問題等の原因が飲酒とわかっていながら断酒ができない、などの症状が認められます。

また、厚生労働省の調査結果によるとアルコール依存症の疑いのある人は440万人、治療の必要なアルコール依存症の患者は80万人いると報告されています。

アルコール薬物問題全国市民協会では、WHOが定めるアルコール依存症の診断基準を解説しています。

▼過去1年間で、次の項目のうち3つ以上が同時に起こっていた場合は依存と診断されます。

(a) アルコールを飲みたいという強い欲、また飲まなければという強迫感
(b) アルコールの開始や終了、量をコントロールできない
(c) アルコールをやめた時、あるいは減らした時に離脱症状が起こる
(d) アルコールの効果が以前よりも得られないと感じて、量を増やした(耐性ができてしまった)
(e) アルコールのために趣味や楽しみを削るようになり、欲する期間や飲酒からの効果がなくなるまでの時間が長くなる
(f) 明らかにアルコールによる害が発生していると理解しているにもかかわらず、飲酒をやめられない

参照…アルコール依存症の診断基準 アルコール薬物問題全国市民協会

離脱症状とは、アルコールによる効果が身体から抜けていく際に起こる症状です。

  • イライラ
  • 異常な発汗
  • 脈拍の増加
  • 不眠症状
  • 身体の震え

など

アルコール依存症になってしまったら

アルコール依存症になってしまったら、専門の医療機関に入院して治療することが最も効果があると言われています。

通院で治療することも可能だそうですが、お酒はありとあらゆる場所で購入できるので、アルコール依存症の人は治療中にも関わらず飲酒してしまうことが多いのです。

そして、断酒を行います。これは、入院中はもちろんですが、退院後も続きます。

アルコール依存症になってしまうと適切な量の飲酒が難しくなるため、一度この病気になってしまうと断酒しなければならないのです。

お酒を飲む前に、少し考えてみて!あなたはなぜお酒を飲むのか

アルコール依存症になった方が、お酒を飲みたくなる状況として注意している法則があるそうです。その法則はHALTの法則と呼ばれています。

HALTの法則

  • H(hungry)空腹
  • A(anger)怒り
  • L(lonely)孤独
  • T(tire)疲労

アルコール依存症の方がこれらの4つの状況になると、お酒をより飲みたくなるそうです。

あなたは、お酒を飲みたくなる時は、どんな時ですか?誰も話し相手がいないから何となくお酒を飲んでいたり、何かむしゃくしゃしてお酒を飲みたいと感じたりしていませんか?

もしお酒を毎回多量に飲みすぎてしまっていたり、お酒を飲んでしまい後悔するようであれば、少しお酒から距離を置いてみませんか?

そして、考えてみてください。自分は、お酒を「適量」で「楽しんで」いるかということを。

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